2000/10/10  「岡本太郎の沖縄」

 地元の市立図書館ではリクエストカードに読みたい本を書いて申し込むと、検討してくれて購入してもらえる。そういうことを最近になって知り、今まで私は2回リクエストしたが2回とも購入してもらえた。いいことに、入ったらすぐに電話連絡してくれたので真新しい本を読むことができた。1回目のリクエストはアジアンジャパニーズ3。このシリーズはいわゆる1を3年くらい前に本屋へ探しに行って購入。よく見たら表紙の写真が高校の同級生で、話したこともある女性だったというもの。内容もとても面白かった。2のヨーロッパ編も出ているということで図書館に問い合わせたらなかったが、しばらくしたら入れてくれていて借りて読んだ。3の沖縄編が今年出たことを新聞の書評欄で知り、リクエストを出したら購入してくれて読むことができた。
 で、今回2回目のリクエスト。岡本太郎の沖縄。これも新聞の書評欄で紹介されていてぜひ見てみたいと思った本である。見てみたいというのは写真集だからである。あの大阪万国博太陽の塔をデザインした、芸術は爆発だアのあの一風変わった感じの岡本太郎が撮った写真。どんなだろう。ちょうど新聞に紹介されたのが沖縄サミットの最中で、沖縄が盛り上がっていたということも興味がわいた一因かもしれない。ということはリクエストをしたのは7月頃か。9月の終わりに図書館から電話がかかってきた。すっかりリクエストのことを忘れていた。しかし、すぐ借りに行った。写真集は予想通りどのページも興味深く見ることができた。全部モノクロで1960年頃の沖縄の様子。母に言わせれば戦後の日本はこんな感じだったらしいが、1961年、私が生まれた頃の我が家の写真を見ると、もはや戦後とは言えない様子である。しかし、この写真集には裸足の人もいる。トタン屋根の家、浴衣のような着物のようなものを着て頭に手ぬぐいを巻いて働くおばあさん達。貧しい感じはあるが、生き生きとした人々が映し出されている。特に市場のお婆さん達。ここでは働くのは女の人ばかりで男一人を養えないようなことでは女がすたると言われていたらしい。沖縄の人に多い眉毛が濃いごつい顔をしているお婆さん達。迫力があって、パワフルな感じが写真からした。解説を読むと写真の市場は、今は随分様子が変わって近代的なアーケード街になっているらしい。その頃の写真はアジアの市場そのものである。そういえば、アジアンジャパニーズ3で沖縄はパスポートを持たずに行けるアジア・・・だと書いていた。ということは、今ももしかしたらアジアそのものの市場があるのだろうか。実は私は沖縄には行ったことがない。いつか確かめてみたいと思う。