2000/11/29  「青銅」
この前、銅鏡を作って青銅について興味を持ったので本で調べてみた。
岩波理化学辞典によると、
青銅とは狭義では銅とスズの合金だが、亜鉛以外の元素を含む場合も青銅と言うこともある。たとえばCu-Al(アルミニウム青銅)、Cu-Be(ベリリウム青銅)、Cu-Si(ケイ素青銅)。
銅−スズ合金のスズの割合は2〜35%。スズの割合が多いと硬くなるがもろくなりやすい。スズの割合によって用途が違う。

2〜10% 多少の亜鉛、鉄、鉛などを含む。スズの少ない方は美術用青銅として使用される。唐から来たので唐金(からかね)とよばれることがある。
10% 砲金とよばれ実用化されている。スズをこれ以上添加するともろくなる。
15〜20% 音響がよいので寺院の鐘などに鋳造され、鐘銅などとよばれる。
30% 硬質で、昔は磨いて鏡に使用された。

銅のさびについては平凡社の百科事典で調べてみた。
銅そのものはもっと赤いが、青銅鏡はスズが入っているので金色に近い。中学2年生の理科で銅の酸化の実験がある。銅は赤褐色、銅をバーナーで熱してできたものが酸化銅で黒色である。銅を空気中に放置しておくと、水分と二酸化炭素の作用で青緑色のさびが生じる。このさびを緑青(ろくしょう)という。CuCO3・Cu(OH)。ち密で被覆力が大でさびの進行を防ぐ。有毒。青色、緑色の顔料になる。銅鐸や銅矛も昔は金色に輝いていたのだが緑青がついて青くなっているのである。私は中学生の頃、歴史で習ったとき青銅器というのは初めから青い物だと思いこんでいた。字からして青という字が入っているし、先生もそれについて何も説明してくれなかった。こんなこと思いこんでいたのは私だけではないと思う。だいぶして銅のさびが青い事に気がついて自分の間違いに気がついた次第である。