2000/02/17 (木)  「真妻のおっさんの写真」

 印南公民館へ真妻のおっさんの写真を見に行った。ネットで知り合いになった人に、「よい」と勧められたので出張ついでに行った。行く前は子供の写真ということで、幼児の笑顔アップ写真を想像していた。ところが、ところが、行ってみて少々感動を覚えた。一人息子の、多分小学校高学年時よりの成長の記録である。写真の下のコメントが味わいがあって、尚更よかった。
 最初は田舎の昔風の家の中、もらってきた古い勉強机にすわる息子。机の場所は、多分、ちゃぶ台の隣。家族の目の届く場所。私は、小学生の頃は個室なぞ不要と思っている。個室でゲームやテレビを見て、家族との対話が少ないと思われる子供は案外多い。そして不登校になる子に、そんな育ち方をしている子が多いように思う。
 五右衛門風呂に入った息子。焚き口は風呂場の外ではなく、風呂釜の真下なので、直接顔を合わせながら追い炊きする。息子の成長具合を観察しながら、話をしたとのこと。父子のほのぼのとしたシーンが想像できた。昔風の手のかかる風呂だが、親子のよい関係を築くのに役だっていたのだということに、うらやましさを感じた。
 高校生の時、父子で護摩壇山をバイクでツーリング。その時のエピソードを二人は文にして揃ってコンクールに入賞。高校の先生は喜んでくれたが、バイクに乗ることは違反だということで、困ったろうとのこと。学校はどうしても、何かあったらということで、バイク禁止にしているが。多感な若い時に経験したら、その後の人生にプラスになるようなことは色々ある。たとえば、ユースホステルを使っての一人旅。アルバイト。このお父さんは違反は知っていたとは思うが、人生にプラスになると判断したのだろう。
 毎年1月1日、同じ場所で写真を撮っている。1年の成長が見えてよかった。息子がだんだん大人に近づいていく様子。20才になり成人式のため御坊駅に降り立つ息子はりりしい。
 撮影のテクニックは素人目にもそんなに高いものとは思えないが、味わいのある写真と文ばかりだった。おっさんと、おじいさんの写真もあった。多分、以前、僻地研究会でこのおっさんの話を聞いたと思う。題は「真妻のおっさんの詩」。内容は忘れたが、大変面白かったのを覚えている。また、機会があったら聞いてみたいものである。