2000/02/23 (水)  「性教育」

 性教育の授業を1年生で行った。今まで性教育の授業はあまりした経験がなかった。エイズの授業をしたことがあるだけだ。今の学校では、担任、副担任、保健体育科教諭、養護教諭が分担して各学年5時間程度行っている。私は今回、「素敵な交際」と題して授業した。相手をしばらない、交友関係を狭めない、お互いに向上できる関係を保てる交際をしようということだ。あるテキストを参考に授業をしたが、はっきり言って私にとって、とても苦手な分野。大人ならともかく、中学生が1対1の男女交際をすることはとても難しいんじゃないかと心の中では思っている。もっと言えば、自分が中学生や高校生の時、そういう経験がないから、よくわからないというのが本音である。
 私はとても落ち着いた校風の中学校出身である。中学1年生の時、同級生のちょっとませた感じの可愛い女の子が3年生の男子と交換日記をするということがあった。やがて皆の知るところとなり、先生の耳にも入った。その女の子は担任の先生に呼ばれ、交換日記は1ヶ月で終わりとなった。このように、私が通った中学では1対1の男女交際を認めない雰囲気があった。私の親は見合い結婚だし、戦前生まれの人だから学生の分際でそういうのは早いという考えだった。私もそういう環境で育ったから、異性との1対1の交際は気分を散漫させ、勉強に身が入らなくなるんじゃないかと思っていた。だからうらやましいなんて思わなかった。かといって全く男子生徒と話をしなかったというわけではない。普通に同級生、先輩、後輩としてつきあっていた。
 その後、私は進学、就職をして同期のある男性と知り合いになった。その男性は東大の大学院をストレートで卒業したエリート。聞くと奥さんとは中学の時からずっとつきあい続けて、就職後、結婚に至ったということであった。彼は長身でスポーツもこなし、真面目で上司の信頼も厚い、絵に描いたような好青年(多分1959年生まれだから今は40才)であった。奥さんも長身、美人で快活な女性であった。彼らを見ていると、いいつきあいをしてきたんだなと思えた。彼らは都会の人達であったし、教育大付属校出身だったから、自由なつきあいができたのかもしれない。彼らの例を見ていると中学生の1対1の男女交際も一概に反対できない。上手なつき合いができればお互いを高められるのだろう。でも、現実は、見ていて危なっかしいと思える子供達が多い。