2000/05/07 (日)  谷瀬の吊り橋

 谷瀬の吊り橋ゴールデンウィークの最終日。奈良県十津川村にある原始的なものでは日本一長い「谷瀬の吊り橋」へ車で行った。龍神村丹生の川経由で実質3時間、距離は150kmほどだった。出発する前、谷瀬へ行くのに、どの道を行ったらよいのか迷った。吉備、清水、スカイライン経由も考えたし、龍神村、小又川経由も考えた。。地図で見ると、どのコースも距離的には変わらないように思った。ただ、十津川温泉を見てみたかったことと、以前、知り合いの女の子が一人で運転して丹生の川経由で十津川まで行ったことを聞いていたことから、丹生の川経由で行くことにした。
 私は、前に、丹生の川の少し奥まで行ったことがあった。もっと道が悪かったように記憶していたが、今回はそれほどでもないように感じた。それでも、一般道に比べれば、九十九折りで細く運転しにくかった。
 野猿途中、十津川温泉にある野猿を体験した。野猿とは、川の上を渡したロープに籠がついていてロープを人力でたぐい寄せて川を渡るというものである。何でも体験するのが私の主義なので、もちろんやってみた。かなり力が要った。体験できればいいだけだったので川の真ん中まで行って引き返した。
 十津川村はかなり広かった。十津川温泉から谷瀬までが50分もかかった。どちらも十津川村である。
 谷瀬に着いたら橋を渡る観光客の姿が見えた。皆ゆうゆうと渡っていた。父母は以前、ここへ来たことがあった。その時は風が強く、渡れない人ばっかりだったと言っていた。父だけが山育ちを発揮して走って渡ったという恐ろしい橋と聞いていたのに、様子が違っていた。風がなさそうだったので、私でも渡れるだろうと勇気が出てきた。実は龍神村に教員として住んでいたとき、よく揺れる吊り橋は私は怖くて渡れなかったという経験があった。
 数歩歩んでみた。それほど揺れない。下を見ないようにした。これならいけそうだ。歩みを止めると揺れをよけい感じた。真ん中まで来たら揺れを感じて少し怖くなった。友達にしがみついている人、橋に座り込んだ小学生。でもほとんどの人は平気そうに渡れている。長かった。250mくらいあるそうだが、向こうに着いたら安堵の溜息が出た。
 しばらく一服して、また渡り始めた。帰りは怖くもなく短く思えた。最後は走ってみた。母があんなに怖いといっていた橋を渡れた。小さな喜びであった。家に帰って早速自慢した。