2000/06/15 (木)  「パソコン歴って何?」

 よく古いパソコンの型番を言って、自分はそれくらい古くからパソコンをやってるのだと自慢する人がいる。へーと私は黙って聞いているがチャンチャラ可笑しいと思う。彼らは私がいつからパソコンにさわっているか知らずに自慢するのだろうが、その型番は私が初めてコンピュータに接したときのものより新しいものだったりする。たとえば彼曰く88の時代からやってるとかだ。一太郎のver1からやってるとか・・で、それが何なのだと言いたい。話しているとwindowsやネットワークのことをあまり知らないことが判明する。でも懲りもせず彼らは自慢をやめない。
 私は今まで自分のパソコン歴について誰にも詳しく言ったことはない。今回、ここでこの話題に対する自分の考えを書きたいと思う。
 私は大学生のとき、実習でBASICを学んだ。パソコンはアップルかヒューレットパッカードだったと思う。実習の内容は少しだったし、あまり興味もわかなかったし、第一、実習のペアになった人がとても優秀な人で出る幕がなかったので、上達しなかった。4回生(1983年)の時、研究室にNECの新製品8001mk2が1台入った。少しはさわったと思うが、一台しかないので、特定の人がずっとさわるということが多かった。それで自分でも買おうかなと思い、電機屋の前まで行ってみたが、その頃の私にとってパソコンというのはあまりにも高額だったので断念してしまった。
 そうこうしているうちに、電機会社に就職して最初の2週間の宿泊研修で毎日朝から夕方までMULTI16というパソコンでBASICでゲームプログラムを考えることとなった。二人一組で1台のパソコンに向き合うこととなったのだが、ここでも、ペアになった人がさっさとプログラムを組んでしまうという状態であった。私が初めて一人でパソコンに向き合ったと言えるのは、課に配属されてからだ。最初の仕事が文書をワープロで清書するということ。OSがCP/MかCP/M86だった。マイクロソフトが作ったものでMS/DOSが出る前のものだ。パソコンは三菱のMALTI16。会社では当然自社製品を使う。ワープロの名前がはっきりしないのだがフロッピーに「日本語ワープロ」としか書いていなかった。そのフロッピーはコピーしたもので手書きでしか書かれていなかった。一太郎のver1というのがいつ出たのか知らないから、どちらが古いのかわからない。そんな調子で1988年まで三菱のパソコン、ヒューレットパッカードの中型コンピュータ、IBMの大型コンピュータ、アドバンテストや国際電気の大型テスターの中で仕事をしていたので、NECの88や98や一太郎がどうのなんてほとんど知らなかった。ヒューレットパッカードのコンピュータで良・不良品選別プログラムを組んだときBASICは勉強し直したので知識にはなった。テストプログラムはBASICに似た言語であった。大型コンピュータではシュミレーションをしていたが、これも簡単な言語であった。
 退社して1989年に講師として学校へ勤め始めたら、パソコンをやってる先生方はNECのパソコンで一太郎を使っていたので主流はこれなのだと知った。それでちょうど初代98ノートが出た時買って、ノート用一太郎ver4でテストを作ってみた。会社でやっていたワープロとそんなに変わらなかった。そのノートでロータス123やゲームも少ししたが、のめり込むというほどでもなかった。ほとんどテスト作成用マシンであった。しばらくするとハードディスクが出てきた。でも買い換えもせず、相変わらずテスト作成用として使っていた。
 1992年勤め先が変わった。そこではコンピュータが1台置いてあったが、特に誰かが集中して使っているということはなかったので、ほとんど私が使わせてもらうという状態になった。学校新聞を発行する係りになったのも一因である。他の先生方は各自書院などのワープロを使っていた。私が使うテスト作成用マシンはここで初めてハードディスクマシンとなった。次の1993年、コンピュータに精通した先生が転勤してきた。その年の冬、久しぶりにコンピュータを買ってみた。NECの9821AP。windows3.1が入っていた。そして興味があったパソコン通信をするためにその精通した先生にいろいろ聞き、モデムを買い、設定をしてもらった。FD(ファイル管理ソフト)も同時に入れてもらって、解凍するときなどに使っていたが、ファイル管理はほとんどwin3.1を使っていた。本を読んだり、例の先生に聞いたりして知識は少しずつ増えていった。パソコン通信はほとんど毎日していた。メール交換を何人かの人としていたし、一人暮らしをしていたからどうしてもパソコンに向き合う時間が長くなった。
 パソコン通信は1996年春に実家に帰ってから接続先変更が面倒くさいというだけでやめていたが、1997年夏インターネットが世間の話題に上ってきたのでノートパソコンを買って自分でつないでみた。そして簡単なホ−ムページも試しに作ってみたが、それほど熱心にやるということもなく、登録やリンクもしなかったからカウンタも増えなかった。1999年春、転勤した学校にホームページがあって私が管理することになった。そこからだ、私がホームページつくりに時間をかけるようになったのは。学校のホームページの更新もしているが、自分のホ−ムページもホームページビルダーを使って抜本的に作り直した。テレホーダイにも加入し、ネットで知り合った人も増えた。一日の時間でパソコンに向かい合う時間は、急激に増えた。ドラマが好きだったが、テレビはあまり見なくなった。
 以上のように、私がパソコンとつきあうようになったのは大学生のときだからもうすぐ20年。普通20年と言えば長い方だろう。しかし、のめり込むというほどでもなかったから知識はそれほどないと思う。昨年からネットワークを少し理解するようになった程度。ビジュアルベーシックやC、C++なんて全く知らない。パソコンもどこの会社のマシンを初めてさわったのかあやふやな状態だ。はっきりしてるのはNECの8001mk2をちょっとさわったということだけだ。
 色々書いてきたが、わたしの考えを言うと、要は、パソコンに古くから接しているということは、何の価値もないということ。特にwindows95になってから以前ほどMS/DOSの知識は必要なくなったと思うし、現在どれだけパソコンを使いこなしているかに価値があると思う。新しいOSを作り出すのは大学生だったりする。悪い例だが、ハッカーなんて若い人ばっかりだ。優秀な人は短期間のうちに知識を得てしまうのだろう。だから、私は古くからやっているなんて自慢は決してすまいと思っている。