2001年12月18日    「世界がもし100人の村だったら」

今年の10月の末、朝日新聞の天声人語に載った話に、とても考えさせられたので、11月初め、道徳の授業でとりあげた。9月11日のニューヨークテロ、タリバン、アフガニスタン、アラブ、イスラエルの問題も合わせて生徒に話した。その話が本になって、マガジンハウスより今月出版された。私は買っていないが、同僚の先生が買っていたので見せてもらった。

天声人語をそのまま下に載せる。
アメリカの中学校の先生が、こんな内容のメールを自分が教えた生徒達に流した。まずはその内容をざっと紹介する。
 世界を100人の村に縮小するとどうなるか。その村には「57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人がいます。70人が有色人種で、30人が白人。70人がキリスト教以外の人で、30人がキリスト教」に始まってこう続く。
 「89人が異性愛者で、11人が同性愛者。6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍。80人は標準以下の居住環境に住み、50人は栄養失調に苦しみ、1人が瀕死の状態にあり、1人はいま、生まれようとしています」
 さらに「1人(そうたった1人)は大学の教育を受け、そしてたった1人だけがコンピュータを所有しています」と続く。そのうえで、「自分と違う人を理解すること、そのための教育がいかに必要か」を説く。
 この縮図の数字の根拠ははっきりしない。少々変な数字も混じっているようだ。しかし、こうやって考えてみることの重要さはよくわかる。世界一豊かな国で教えることの意義も大きいと思う。先生はまた「もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら、あなたは世界の75%の人たちより恵まれています」といった解説を加えていく。
 このメールはJTBサンフランシスコ支店経由で日本のJTBに送られてきたものを紹介していただいた。
 その村にいる2人の日本人としても他の98人のことに無関心ではいられない。

私が一番考えさせられたのは、大卒が100人に1人ということ。また、ある先生は同性愛が11人ということ言っていた。生徒の感想を一部載せる。
 日本が豊かで、私も豊かな生活をしていることは実感していたことだけど、75%の人たちより恵まれていると知って50人の栄養失調の人たちに対して申し訳なく感じました。それから、世界の2%にしかあたらない日本人の少なさにも少し驚きました。日本はやっぱり小さい国ですね。死ぬ人がいるから生まれる人がいるということもさりげなく書かれている気がします。私も世界に対して無関心ではいられないということがわかります。     A子

今までこんなことを考えたことはなかったです。私たちのくらし、世界中の色々な人々のくらしのちがいがこんなにあるとは・・・。今の私たちのくらしは、ほとんどの人たちが恵まれていると思ってました。     B子

私は栄養失調に苦しんでいる人が50%いるということに一番おどろきました。私は普通に生活できているので幸せなのだなぁと思いました。     C子