2003年2月8日   フィルムの耐久性

カメラのミツバのメールマガジンには有益な情報が多い。特に今回の内容はいいと思ったのでここに残しておきたい。これを読んでファイルしたままのリバーサルフィルムが心配になった。保管庫に入れよう。

皆様が撮影されたネガフィルムは、どのくらい持つか御存じです
か?。
 店頭に、あるお客様が、『10年位前のフィルムが出てきたから
(写真に)焼いてみて!』と持っていらっしゃいました。焼きつけ
ようとすると、かなりグリーン〜イエローに変色しています。

 顔色が、悪くなってしまっています。

 そこで我々は、色補正をするのですが、白い部分(ネガ上で
濃い部分)は変色量が多く、黒い部分(ネガ上でうすい部分)は変
色量が少ないため、白っぽい部分はグリーン〜イエローの変色が残
り、黒い部分はその反対色のマゼンタ〜ブルー色になってしまいま
す。※著者注:マゼンタ= 黄みを抜いた赤色、エンジ色に近い。

 私の経験からすると、このような変色はフィルムメーカーや銘柄
問わず、程度の違いはあれ10年程度で見られるようになります。

 こと、『写真(ミニラボ等で銀塩方式で焼かれたカラー写真)』
に関しては、コニカが『100年プリント』とうたっていて、フジ
フィルムは『当社は、コニカの2〜3倍(2〜300年!?)持つ
データがある!』と非公式に言っています。
 各社、写真の耐久性に関しては、インクジェットプリンタでの出
力(耐久性は銀塩プリントの1/10程度と言われる)と差別化を
計ろうと、重要研究課題として取り組んでいるようです。

 しかし、フィルムに関して言えば、『写真』に比べてi意外と耐久
性がないことが現実です。フジフィルムの技術者曰くは、「今、販
売されているフィルムは、10年前に比べてかなり耐久性は上がっ
ているが、写真にくらべると耐久性は数分の1程度でしょう。」と
言っています。やはり大切な写真は、『写真』に焼いて残す必要が
あります。

 今、大切な写真を残す方法がもう一つあります。それは『デジタ
ル化』しておくことです。それにはフィルムスキャナが役に立ちま
す。

 デジタル化にはデジカメも有効ですが、画素はフィルムスキャナ
にはおよびません。このあたりは、使い分けですね。

 ......ところで、

 その暗部と明部の色バランスがずれてきた変色フィルムですが、
前述のように写真店店頭の焼き付け機では補正に限界があります。

 これも、フィルムスキャナで取り込んで Adobe Photoshop等の画
像処理ソフトを使って補正すると、うまく補正できます。Photoshop
では『トーンカーブ』を使って暗部と明部の補正量を加減できます。
私も、お客様に御依頼いただいて何点か修正をしたことがあります
が、色補正とともにコントラストも上げてやると『古臭いイメージ』
の写真が一変します。