2003年8月18日   潮岬測候所

地方の小中教員が行っている夏の臨地研修に参加した。
★沿革,機構
大正元年開設。初めは文部省所管だったが,現在は国土交通省所管。
業務課(所長,事務職)4名,技術課10名,高層課13名。
南鳥島に観測要員を派遣,3ヶ月交代で年4名。
★和歌山南部の気候特性
山系が北から南,南西へ向けて急峻にのびる。
南海気候区,年平均17℃を下回らない。冬暖かく夏涼しい。(気象台は海抜80m以上の高台にある。)
雨量 6,9月は300mm以上,年平均2534mm(和歌山市1335mm) 新宮は潮岬より多い。
最大風速10m/s以上の日は年に50日以上ある。
★観測業務
気圧・気温・湿度・露点・風・降水・降雪・雲・視程・天気・日照・日射
1日7回観測(03,06,09,12,15,18,21時)
臨時観測するとき
台風が300km以内に近づいたときは毎正時
風速が大きいとき(最大風速20m/s,瞬間最大風速25m/s以上のとき(瞬間的な風速の最大値を瞬間最大風速、10分間の平均風速の最大値を最大風速という。)
初雪,t氷,黄砂,竜巻,ヒョウ
露場(ろじょう)にある測器
  風向風速計,温度計,湿度計,雨量計,感雨器,直達日射計,全天日射計
直達日射計
常に太陽の方向を向くようプログラムされている。
全天日射計
震度計・・・H6より使用。全国20km間隔で600ヶ所。H7より震度が測れるようになった。
潮汐・・・串本,勝浦のうらかみの2ヶ所に検潮所があり,データが送られてくる。
津波・・・巨大津波観測計・・・圧力を利用して高さ15mまで測れる。
生物季節観測業務・・・動物の初見,初鳴 植物の発芽,開花,紅葉,落葉
注意報,警報の基準は北部と南部で違う。
★高層観測
雨,雲は対流圏といわれる高さ10kmまでの所に発生する。
潮岬では30kmの成層圏(気圧10hPa)まで測定する。
気球につけた無線通信機付き観測器(ラジオゾンデ)を飛ばして地上から探知する。
レーウインゾンデ観測(全国18ヶ所)気圧,気温,湿度,風向,風速・・・1日2回
レーウイン観測(全国16ヶ所)風向,風速・・・1日2回
潮岬では上の観測を両方するので1日4回気球を飛ばす。
気球には水素ガスを直径1,6mくらいになるまで入れる。雨の時はもっと大きくする。
多くは海上に落ちるが,台風の時などたまに陸に落ちる。
測器は一回使ったら再利用はしない。気球が5000円,ラジオゾンデが17000円,その他水素と水素運搬費等で一回3万円要る。つまり一日12万円要るということ。