箱館〜昭和新山・有珠山・洞爺湖〜積丹半島〜小樽〜札幌 一人旅 2012/8/23 (木)〜2012/8/27(月)
出発まで
ユナイテッド航空マイレージプラスで12000マイル残っていれば国内どこでも旅行できるようになった。何年か前は15000マイル必要だった。これを使って、夏休みに北海道旅行をしようと計画した。
以前、釧路に行ったとき、啄木記念館で興味深く見学できて、帰ってきてからも啄木について色々調べるうちに、函館に啄木一家の墓や記念館があることを知った。それで、いつか行ってみたいと思っていた。
まず、いつ旅行するか考えたとき、夏休み行事が済んだ8月末がよかろうと思った。それで、始業式の前々日に帰るようにして、ネットで調べていくうちに、函館入り札幌出を考えた。ドライブコースの見本などを参考にして、また、以前から見てみたかった昭和新山、有珠山、風景のよい積丹半島、小樽を入れるコースを考えていった。日程は3泊4日でいけるだろうと思った。8月24日(金)〜27日(月)を考えた。また、勤続21年目のリフレッシュ休暇をこの際利用しよう。航空券は2ヶ月前から予約できる。
予定の6月24日(日)になり、9時過ぎにユナイテッド航空に電話してみた。なかなか繋がらなかった。15分以上待ってやっと繋がり、希望を言ってみたが、北海道は人気があるので、希望の朝出発・帰り夕方便はとれなかった。それで予定前日の8月23日関空函館夕方便を決めた。そうなると、3泊4日では無理なので泊数を増やすことにした。帰りも都合のよい札幌夕方発便がとれなかった。それで27日8時か28日11時便どちらにするか迷った末、札幌でも観光しようと、後者を選んで電話を切った。しかし、落ち着いて考えてみると、始業式前日に帰るのは飛行機が飛ばなかった場合を考えると危険だし、5泊6日は長すぎる。そこでもう一度電話し直した。やはり繋がらない。前回と同じように15分以上待って繋がった。28日をキャンセルして27日8時の便を取り直した。これで札幌観光は前日の夜のみとなった。25歳の頃に札幌は観光しているから、まあいいやとあきらめることにした。
次にホテル。函館で2泊、洞爺湖で1泊、札幌で1泊することにした。初日は、函館山からの夜景のみ。2日目は函館市内観光。調べると、路面電車とバスで動けそうだ。1日乗車券も1000円である。3日目の朝から、レンタカーを2日間借りて、函館から札幌まで行くことにした。函館朝市に近いコンフォートホテルとレンタカーを同時に予約すると安くしてもらえるプランが楽天トラベルにあった。それでニッポンレンタカーを選んだ。返す場所を札幌北口にするか南口にするか迷った。観光地が駅の南側にあるので南側の方が便利なように思い、南口にした。それでそこから近いホテルと考えて、センチュリーロイヤルホテルに決めた。ちょっと高級そうなホテルだが、食事無しツイン部屋で6000円と割安である。最後に洞爺湖温泉のホテルを検索して一人で泊まれて2食付き、それも部屋で食べられるホテルを格安で見つけた。決めたホテルはどれも評価5点満点中4点以上で評判が良かった。
8月23日(木)
昼過ぎの12時半、最寄りのJR駅から関西空港まで行った。チェックインは空港駅到着後、客が全然並んでいなかったので15分もかからなかった。荷物検査もほとんど並ばなかった。それで、搭乗口では時間的に余裕があり、テレビを見ていた。
予定通り16時に飛び立った。左窓側からは、琵琶湖、佐渡島がよく見えた。順調に飛び、函館空港に着き、そこからバスで約20分くらいの函館駅まで行った。駅で下りると、函館山行きのバスがあることに気づいた。ホテルにチェックイン後、すぐに北方面に歩いて土方歳三最後の地を訪ねた。すでに暗くなっていた。駅から徒歩5分だが、人通りがなかったので周りは少し不気味だった。福祉センターの庭に石碑と一本木関門があった。こんな暗い中、訪ねるのは私一人であった。
駅に戻ると、ちょうど函館山行きのバスに人々が乗車しているのが見えた。走って行き、乗り込んだ。予定では十字路までバスで行き、そこからロープウェー乗り場まで約10分歩き、ロープウェーで山頂まで行くはずだったが、急遽バスに変更した。バスだと安くて楽だ。19時20分始発なので右側の席にも座れ、途中の夜景も満喫しつつ山頂まで行った。バスは右側がおすすめである。
ところがである。山頂に着き、ビューポイントに行き、さて写真を撮ろうとカメラを構えたところで、霧が出てあっという間に夜景が見えなくなった。仕方ないので、レストランに入り、食事をすることにした。時間が経てば、また晴れることもあろうかと思った。レストランでは生ハム・ウニ・ほうれん草のスパゲティ・サラダ付き(1300円)を注文した。食べている間、たまに霧が晴れる瞬間があった。これなら、待っていると撮影できるかもしれない。前の手すり側では人が密集していて、撮影は無理だった。それで後方の階段上部へ行ってみた。しかし、適当な場所はなかった。うろうろしているうちに階段途中の隅っこがあいていることに気づき、行くとすぐに霧が晴れた。そこからが夢中にシャッターを押した。

帰りはロープウェーを利用した。1時間に3本あり、20時40分発に乗って下りた。私は先頭に並んでいたので、下側窓近くに座れた。途中、たまに霧が晴れたりして景色を眺めることができた。下りた所は急な下り坂になっていた。下から息を切らしながら上ってくる家族がいた。私は下りるだけなので楽だった。片道のバスは350円ほど、ロープウェーは640円。私がとった方法が、一番楽で、楽しめたのではないかと思う。

十字路から海の方へ行き、ライトアップされた金森倉庫群のあたりを見て歩いた。売店は既に閉まっていたが、レストランは開いていた。魚市場通りから函館駅まで路面電車に乗って帰った。

駅前にあるコンフォートホテルは1泊5000円で無料朝食がある。ロビーにウエルカムコーヒーが設置されていて、パソコンも自由に使える。新聞も持ち帰れる。部屋は無線LANが使えるようだ。ただし、バスタブには歯磨きセットだけでカミソリなどがない。フロントに言えばもらえる。連泊して、部屋着やシーツを洗わなくてもよい意味のシールをドアに貼っておけば水を1本冷蔵庫に入れておいてくれる。必要最小限もなものが揃っていて非常に合理的だ。私の旅に合ったとても良いホテルだ。
8月24日(金)
6時50分頃に駅横の朝市に行った。目的は海鮮丼。ネットで調べていたあけぼの食堂に直行。カウンター4席、ボックス席2つのこじんまりした食堂。カウンターに座って「7番、無添加エゾムラサキウニ」を注文。7番は、ホタテとカニとウニの丼1950円。ウニを前述のものにすると、100円追加。店主からどこから来たのか聞かれて和歌山と答えた。「函館の気温は和歌山と変わらないでしょう」とか言われ、私も「昨晩の函館山が暖かく、長袖を用意していたが不要だった。」と話した。また、この時期、函館山は霧が出ることが多いと言う。

店を出て、バス案内書に行った。ここは、朝7時半から開く。バス市電1日乗車券(1000円)を窓口で購入すると、バスの路線図や時刻表をもらい説明を受けた。時刻表には市電が通っていない五稜郭から 間のものがあった。ネットで探してもわからなかったものが瞬時にわかった。やはり現地に行けばなんとかなるものである。
函館に行こうと思った最大の理由は、石川啄木ゆかりの地を訪ねたいと思ったこと。その一つ、啄木一家の墓へ朝一番に行くことにした。谷地頭行きの市電に乗った。谷地頭で下りると、立待岬まで1km、石川啄木の墓まで800mの表示があった。静かな住宅街を歩いて行った。立派な家があった。このあたりは雪が降るので、瓦の家はない。お屋敷でも、平べったい屋根である。上り坂が続き、息を切らしながら歩いていくと、両側に墓が続く所になった。墓の左側は海、右側は山。墓場を囲む塀などがなく、道のすぐそばまで墓がある。それで、道に一番近い墓の場合、花立てが道ギリギリに立っているので、人は道に立って拝むことになる。1車線の幅しかなく、車はほとんど通らないので、これでもいいのだろう。やっと啄木一家の墓が見えてきた。これも道の間近にあった。花が手向けられていたが、少々しおれていた。お盆に添えられた花だろう。函館には数ヶ月しかいなかったが、生前に函館を気にいっていたことからここに葬られたのだという。

そこから更に歩いて立待岬まで行った。この日は曇っていたので、青い海は拝めなかった。険しい崖になっていて、与謝野晶子の歌碑があった。

帰り道は下り坂で楽だった。谷地頭から市電で十字路まで行った。再び、金森倉庫群に行ったが、ちらっと見ただけで、山の方へ向かった。

八幡坂を登った。上から写真を撮っている人が多かったので、私も撮った。あとから、ここは撮影ポイントだということを知った。坂の上では、ソフトクリーム屋さんが割引チケットを配っていた。

ハリストス正教会に行った。ここは1868年に3人の日本人が洗礼を受けた、日本最初の正教会だそうだ。次に、旧函館区公会堂に行った。カラフルな洋館で、中に入ると、神戸にある洋館のような雰囲気があった。大広間では昔風のドレスを着た人たちが記念写真を撮っていた。1000円で、鹿鳴館のような格好をさせてもらえるらしい。70を過ぎたおばあさんが真っ赤なドレスに巻き髪をしているのが、可笑しかったが、笑うのは失礼なので堪えた。レトロな建物が下の元町公園にあったので行ってみた。旧北海道庁函館支庁庁舎だった。中は観光案内所みたいになっていた。また、古いカメラが展示されていた。



基坂を下り、末広町から函館駅まで市電で行き、バスで土方・啄木浪漫館へ行こうとしたが、20分待たないとバスが来ないことがわかり、タクシーで行くことにした。タクシーの運転手さんが話しかけてきたので、色々話をした。その中で、十字路で見た龍馬像について聞いてみた。「龍馬は函館には来ていませんよね。なぜ、あれがあるのでしょう。」「函館はやっぱり土方歳三と榎本武揚だよ。あれは最近つくられたものだよ。」きっと、龍馬人気にあやかって造られたのだろう。


先に土方の部屋に行った。刀が何本も置いてあり、よろいもあった。ゆっくり見ていると、係の人に「今から2階で啄木の上映をします。」と呼ばれた。階段を上がっていくと、啄木ゆかりのものを展示した部屋があり、その奥に大きな部屋があった。そこには昔の教室をモデルにして何人かの子どもと啄木の人形があった。やがて、啄木人形が動き始め、スピーカーから声が聞こえはじめた。しかし、今、何を説明していたのか、全く思い出せない。啄木の部屋には、たいしたものはなかった。土方にしても啄木にしても、たいして見るものはなかったように思う。釧路の啄木記念館はもっと興味深く展示物を見ることができた。
外の大森海岸で砂を握ってみた。「一握の砂」のつもりで。ここであの有名な短歌「・・・われ泣きぬれて蟹とたわむる」が生まれたのだ。そう思うと、ここへ来てよかったと思えた。小公園に立つ啄木の銅像は、あまり啄木に似ていなかった。

時間が押していたので、タクシーで五稜郭タワーまで行った。タクシーに乗っていたのは11時30分から40分の10分間。バスだとこうはいかない。930円かかったが、ここは時間を優先したい。
先にタワーの上から五稜郭全景を眺めた。写真で見た通り、やはり美しい。江戸時代の終わり、徳川家定の命により、諸外国の大砲砲撃に備えてつくられた。ヨーロッパの城郭を参考にしたらしい。設計した人はすごい!
展望台にはやはり、人気者、土方歳三像があった。wikipediaによると、以下の通りである。

タワーの下にレストラン五島軒があった。この店は老舗で有名らしい。市中心部に本店があったが、ここはぜひ味を確かめてみようということで入った。イギリスカレー(牛肉入り、この店の中心メニューのようだ)を注文すると、老舗らしく、ルーとらっきょう・福新付けが別々に運ばれてきた。800円と老舗の割にお手頃価格で美味。文句なし。

五稜郭の中を歩いてみた。土手に囲まれた中から外は全く見えない。真ん中の2010年に再建された箱館奉行所に入ってみた。昔のものは焼けてしまって、ずっと公園だったらしい。建物は真新しくて、建材が白っぽかった。昔と同じような建て方をしたということで、その様子を映像で見せていた。

五稜郭から15:18発の89番のバスでトラピスチヌ修道院に行った。トラピスチヌ入口というバス停で下りた。そこから近いのかと思っていたら、あと500mと表示があった。また、上り坂である。仕方なく、また息を切らしながら頑張って歩いた。やっと着いたが、思いの外、修道院はこじんまりとしていて、また、内部も見せてくれなかった。頑張って来た甲斐がなかったような気がした。拍子抜けした。前の売店でバター飴を買い、修道院の生活を説明した展示を見て、そこを後にした。

バス停ではだいぶ待った。そのうち、雨がぽつりぽつり来た。予定時刻を5分くらい過ぎて10番のバスが来た。歩き疲れていて、早くホテルに戻りたかった。湯の川温泉に行くのはやめようと思った。しかし、湯倉神社前をアナウンスされると、やっぱり行こうと思い直し、ボタンを押した。バスを降りてしばらく歩いた。大きなホテル啄木亭が見えた。予定していた雨宮館が見えた。スカイラウンジが大きく出っ張っていた。フロントでお風呂だけ入りたいと言うと、400円と言われて代金を払って奥へ行った。泉質は肌をしっとりさせるもの。ちょっと舐めると塩辛かった。汗をサッパリ流し、風呂から出たところにマッサージ器を置いた部屋があった。全身マッサージ器は有料だが、足マッサージは無料だったので使ってみた。ずいぶん歩いたので、気持ちよかった。

市民会館前から市電に乗り、函館駅まで行き、駅前のビアガーデンに行った。目についたホタテ4個入り500円と焼き鳥3本300円、生ビール400円を買って席に座った。4年前に行った釧路駅でもこんな風にして食べた。ホタテは美味しいのだが、塩辛かった。焼き鳥も同じく辛かった。ビールを売るためにわざと辛くしているのかと思った。ほろ酔い気分でホテルに戻り、何もせずにすぐに寝た。
8月25日(土)
2日続けて、あけぼの食堂に行った。昨日食べたウニの味が忘れられなくて、この日はウニ丼にした。もちろん、無添加エゾムラサキウニにしてもらった。やっぱり美味しかった。2300円と値段は高いが、それだけの価値はある。カウンターだったので店主とまた話をした。和歌山のどこから来たのか聞かれたので「御坊」と答えた。そして、
「御坊市ですね。」
「ごぞんじですか。」
「下りたことはないが、通ったことはあります。」
「白浜へ行かれたのですか。」
「紀伊半島を一周しました。三重県から入ってね。バスツアーです。」
といったやりとりをした。熊野古道が世界遺産に登録されてから、伊勢神宮、熊野大社、串本水族館、白浜温泉、アドベンチャーワールドと巡る観光客は増えたであろう。

ホテルに戻り、チェックアウトして、駅前のニッポンレンタカーまで歩いた。八時開店で10分ほど過ぎていたので、既に何組か並んで待っていた。受付を済ませ、用意されていた「スズキスイフト」のナビの使い方などの説明を受け、店を出たのは8時半だった。 スイフトは、青色、旭川ナンバー。キーレスエントリー、シフトレバーは普通の感じで運転しやすかった。CDを聞きながら大沼公園まで快適にドライブ。大沼公園駅に9時10分に着いた。駅でパンフをもらい、再スタート。

白鳥の字を書いた看板を見つけた。大沼湖と小沼湖の境目の白鳥台セバットだった。近くに駐車場があり、そこで駐車。小沼湖側に下りていくと、渡り鳥の看板があった。15分ほどそこにいて出発。

曇っていて、期待していた駒ヶ岳は全く見えなかった。そこから延々と信号がほとんどない道をドライブ。高速道路も山側にあったが、景色を見ながら走るには一般道がよいだろうし、第一、信号がないこんな真っ直ぐな道があるのに、高速を使う必要なかろう。スピードはいくらでも出せそうだが、他の車も安全運転をしていたし、スイフトは馬力がなかったので、いつも通りのスピードで運転した。
噴火湾パノラマパークの表示があったので寄ることにした。左に折れ、坂を登っていった。ここは高速道路から寄れるようだった。噴火湾が遠望できた。11時にそこを出発した。

長万部に入ると、カニめしの看板があちこちに見えてきた。私は、途中で手に入れたパンフで紹介されていた、長万部駅前の「かなや」を目指した。この店が始めた「駅弁かにめし弁当」が目的。店では駅弁だけを販売したいた。駐車場で食べている人がいた。12時前になっていたが、朝食をたっぷり食べていたので、お腹は減っていなかった。弁当をそのまま助手席に置き、出発。道の駅「豊浦」が見えてきた。お腹も少し減ってきたようなので駐車場でかにめし弁当を食べることにした。トイレ休憩に中に入ると、プロボクサーの内藤大介のパネルやらトロフィーなどがたくさん展示されているコーナーがあった。彼はここの出身らしい。たまたま寄ったところで珍しいものを見ることができた。

車内で弁当を食べた。カニの身を細かくほぐしてご飯の上に載せていた。付け合わせにミカンや佃煮があった。

13時に豊浦を出発し、昭和新山に13時半に着いた。昭和新山は理科の教科書に載っていて、以前から実物をぜひ見たいと思っていた。実物は予想外に赤かった。岩から湯気が昇っていた。昭和新山、有珠山、洞爺湖は日本のジオパーク1号。洞爺湖サミットが平成20年に行われたことでも有名。資料館に昭和新山ができた当時の資料が展示されていた。

昭和新山駅からロープウェーに乗って有珠山頂駅に行った。そこから、さらに歩いていき、火山原口を見た。有珠山は7,8000年前に噴火して以来、長らく噴火をしていなかったが、江戸時代に久しぶりに噴火し、その後、数十年に一度、噴火している。明治の噴火で明治新山ができ、温泉が出るようになった。昭和19年の噴火でに昭和新山ができた。近いところでは1977年の噴火で逃げ遅れた3人の方が亡くなった。それから、予想より早く次の噴火が起こった。しかし、観測予知技術が進み、2000年の噴火では、噴火前日の頻発地震から全員避難し助かったという。地震と噴火の関係がはっきりしていて、「嘘をつかない火山」といわれているらしい。山頂から昭和新山と洞爺湖の絶景が見えた。


下山し、遊覧船乗り場まで行った。そのとき15時45分。16時発の船に乗ることにした。30分ごとに船は出ていて、最終便は16時半。16時に乗ると、中島に下船でき、最終便で帰ってくることができる。ちょうど間に合ってよかった。

中島は昔の噴火でできた島。野生のエゾシカがいるとのことだったが、ちょうどエゾシカ10頭ほどに餌をやっているのが見られた。野生といっても、観光客のために餌をやって引き寄せているみたいだ。また、観光客は餌を買って柵越しに鹿に餌をやることができる。近くに寄ってくれるから、写真はしっかり撮れた。



30分ほど島にいて、次に来た船に乗って帰った。船の客を観察していると、日本人よりも断然外人が多かった。最近、とにかくどこへ行っても中国語をよく聞くようになった。もちろん、白人や韓国人もいた。片道20分、中島滞在30分だった。
洞爺山水ホテル和風に行った。お腹がすいていたので、先に夕食を用意してもらうことにした。6時15分にできるということで、部屋でくつろいでいた。部屋には6時10分に料理が運ばれてきた。2食部屋食で8000円と、超リーズナブルなお値段で、料理はどうかなと思っていたが、やっぱり値段相応だった。分量は多いが、中身は・・・。夕食2000円程度?
食べて、風呂に行った。3人が脱衣場で服を着ている以外、風呂場には誰もいなかった。皆、この時間は食事中なのだろう。源泉掛け流しの檜風呂で、露天風呂もあった。一人でゆったり入ることができた。
洞爺湖では夏中、毎晩、花火をやっている。8時45分から始まるということで、8時半に旅館を出て浜まで行った。ライトアップされた遊覧船が見えた。お客さんが結構乗っていた。乗ってみようかなと思い、近くまで行ってみた。乗船料1500円。高いとみるか、いや、せっかくの記念だから乗ろうか、迷っているうちに、時間がきてしまった。結局、乗らなかった。それで、浜から、空に昇る花火を撮影した。あとから考えると、花火の写真を撮るには、この距離がよかった。近くに寄りすぎると、画面からはみ出していたと思う。予定の9時5分に花火は終わった。

右下に遊覧船が見える。
8月26日(日)
6時40分頃、布団を上げに来てくれた。それから10分後、朝食の膳を運んでくれた。朝食の分量も多かったが、中身は他の旅館と遜色なかった。1000円程度だろうか。つまり、部屋代は5000円程度?。しかし、一人旅で部屋まで食事を運んでくれるのは有り難い。淋しい気分にならないから。

8時に宿を出て、まず真狩村を目指した。そこから羊蹄山が見えるはずだった。が、しかし生憎の曇り空。一瞬山頂が雲の上から見えたが、それもしばらく走っていると、全く見えなくなった。真狩村には細川たかし記念館と像があるように表示されていたが、あまり興味もないのでそのまま通り過ごした。
羊蹄山は近くで見えなかったが、次のニセコアンヌプリを期待して、ニセコパノラマルート(国道66号)を走った。しばらく行くと、看板が見えてきた。駐車している車が2台見えたので同じように駐車した。植物で覆われた沼があった。

また、車を走らせた。神仙沼で駐車でした。その沼まで片道25分かかるようだった。往復50分、そんな時間はとっていられない。反対側に展望台まで200mとあったので、行ってみた。沼が見えるのかと思ったのだが、甘かった。ただの遠望風景だった。看板に7月に咲く花を紹介していたが、多分、この時期は花がないだろうと思った。以前、知床の湖に8月のお盆の頃に行ったが、何の変哲もない湖で期待はずれだったことがあった。季節のよい時期に行ったら素晴らしいのだろうが、紅葉や花のないときに行っても疲れが残るだけだろうと思って、自分を納得させた。

出発しようとエンジンをかけようとしたが、エンジンがかからなかった。シフトレバーの横にあるボタンを押した後だったので、それが原因かもしれない。何度か試してみてもかからないので、操作マニュアルを出してきて調べた。それで色々やっているうちにようやくかかった。この間20分間。汗でびっしょりになった。確か、ここは山の上で20度くらいしかなかったはずである。
ニセコの山々が見えたが、曇っていてアンヌプリは確認できなかった。

平野部に下りると、羊蹄山が遠くに見えた。山の南側では、夏の南風が山に当たり、上昇気流が生じで雲が出るが、北側は逆に下降気流になり、雲が消える。羊蹄山の北西部にあたる場所だから見えたわけだ。それなら、この時期は山の北側を通るルートをとった方がよかったのかもしれない、と後から考えた。順光を考えて南側を通ったのだが、曇りの日は、そういうことも考える必要があることがわかった。

岩内には10時25分に到着した。ここからいよいよ積丹半島だ。ここはおすすめドライブコースとして紹介されていた。確かに、奇岩が何カ所か見え、青空になってきて青い海が見えた。

ドライブ中、そんなに他の車に出会わなかったのに、神威(かむい)岬に着くと、たくさんの車が止まっていた。遠くからでも、岬の方へ歩いていく人の群れが見えた。車から降りて丘を登っていった。女人禁制の門があった。昔と違って、今は女性も通行可だ。

一番上の展望台からは、シャチホコみたいに海から立った岩と、エメラルドグリーンの海が見えた。太陽光線の方向から、ちょうど良い時間帯だったのだろう。岬を12時に出た。
余市宇宙記念館には13時10分に着いた。ここは日本人初の科学宇宙飛行士毛利衛さんの出身地で、ゆかりの品を展示している。毛利さんが宇宙で行った実験道具や着た服、表彰状、その他、宇宙に関するものが置いてあった。ここには約1時間いた。




小樽には15時に着いた。車を置いて、運河まで歩いた。

写真を撮った後、倉庫の中の店を少し見て、駐車場まで戻った。そして、ルタオ本店でケーキを食べようと、駐車場を探した。お目当ての駐車場の番地をナビに入れたが、とんでもない所に行った。それで自力で駐車場を探した。ルタオ本店の2階に行くと、順番待ちの人が5,6人いた。席に案内されて、注文を聞かれるやいなや、「ドゥーブルフロマージュのケーキセット、ホットコーヒーで」と答えた。待っている間、店内を見ていた。ケーキの方は、さすがに人気の商品、生クリームと柔らかいスポンジの風味が抜群だった。800円でこの雰囲気を味わえるのは嬉しい。1階でお土産を買った。ルタオの商品はチョコを使ったものが多く、持って帰っているうちに溶けてはまずいと、チーズ入りのプリンといったようなものを買った。


ルタオの周辺は、小樽の土産物屋さんが集まっている。メルヘン交差点の名もついている。北一硝子館がいくつも店を出していて、それぞれ入ってみたら、確かに、商品の感じがそれぞれ違っていた。色々見てみたが、特に買わなかった。また、オルゴール館にも行ってみたが、余計に買おうとは思わなかった。こういう感じの商品は今までにも余所で見たり買ったりしてきたが、実際に使うのは難しいということを実感している。硝子製品なら、装飾品ぐらいだろう、実際に私が使うのは。


夕闇が迫っていた。高速を使うと、札幌まで30分。一般道だと1時間とあったが、この夕方という時間帯は渋滞の可能性があるので、高速を使うことにした。この旅初の高速道路だ。小樽が始点の札樽道。何てことなかった。札幌北で下りるのかも思っていたら、ナビは札幌西で下りろとの指示。ナビの言うままに走った。赤煉瓦の北海道庁旧本庁舎の裏側に行き、車内から撮影。(裏側なので観光客はいなかった。)レンタカーの返却場所を確認し、再び、南方へ。一方通行に気をつけて、大通り公園とテレビ塔を横目に見て、ガソリンスタンドまで行った。満タンにして、ニッポンレンタカー札幌南口営業所に車を入れた。8時返却予定の7時過ぎ到着。2日間で437km。運転では全然危ないことがなかった。
北向かいのセンチュリーロイヤルホテルでチェックイン。ここは、駅からすぐ近くツイン食事なしで6000円と格安。ホテルのロビーも豪華で部屋まで荷物を運んでくれた。シティホテルの様だ。すぐに、地下鉄からすすきのまで行き、狸小路6丁目まで歩いた。駅から結構距離があった。喜来登で「味噌ラーメン」を食べた。豚肉と野菜を炒めたものを縮れ麺にたっぷり載せていて、食べても食べても量が減らなかった。味はしっかりと付いていて、本場の味噌ラーメンを汗だくになりながら最後まで食べきった。
大通り公園まで歩き、ライトアップしたテレビ塔と池、町並みを撮影した。そのまま北へ歩くと、松山千春35周年パネル展示の看板が見えた。TSUTAYAだった。中へ入り、若い頃の写真を懐かしく見ていた。店員さんに撮影の許可を得て、何枚か撮影した。
さらに北へ歩くと、右側に時計台の表示があった。そのまま行くと、ライトアップされた白い時計台が見えた。25年ほど前に、ここへ来たのだが、何せツアーである。バスをすぐ近くに止めて、記念写真を写したらすぐ出発。だから周りの風景は全く記憶がなかった。時計台の周りは普通のビル街で、そこだけ異質の空間であった。昼間見た赤煉瓦の北海道庁もライトアップされているかと思い、行ってみたが、真っ暗闇であった。結局、すすきのからホテルまで歩いて戻った。


ホテルのバスルームには、1991年製の小さなテレビが置いていた。このタイプのテレビは昔、友人の下宿で見たことがある。地デジ化しても、20年前のテレビが映っていることに小さな感動を覚えた。

8月27日(月)
8時の飛行機なので、逆算して6時の電車に乗ることにしていた。すると5時15分には起きなければならない。目覚ましをそのように合わせていたが、普段私は、4時台に目を覚ますことが多いので、時計が鳴る前に起きていた。
5時40分にチェックアウトし、すぐ近くの札幌駅に行った。明るい所で見た札幌駅、時計の星が可愛かった。

JR札幌駅6時発の電車に乗ろうとホームに行くと、既に大勢並んでいた。ほとんどの人が、大きな荷物を持っていた。電車に乗り込むと、私の前には2人の白人が座っていた。2人とも若い男性で、一人は半袖半パン。ふくらはぎの筋肉がコリコリしていた。体全体を見ても、いかにもスポーツマンである。そこで思い出した。昨日あった札幌マラソンに参加した人に違いない。そう思って車内を見ると、いかにもマラソンしましたって感じの人が何人かいた。
6時48分に新千歳空港に着いた。チェックインは少し並んだだけで、7時5分には済んだ。お土産にわかさいもを買った。これは秘密の県民ショーやシルシルミシルで紹介された話題の商品らしい。荷物検査も並ばずにすんなり行き、7時半に搭乗口へ行った。余裕を持って早めの電車で来たが、あと30分遅くても間に合ったか。
8時に予定通り、飛び立った。今度も左側窓際だったが、羽の上だったのであまりよく見えなかった。それでも、遠くに富士山や、若狭湾のリアス式海岸、小豆島、鳴門大橋、淡路島、神戸などが確認された。そして、予定通り、10時に関空に到着した。
朝はサンドイッチだけで、少しお腹がすいていたので、関空で神座ラーメンを食べた。何もトッピングしなかったので、牛肉と白菜の醤油ラーメン。昨日の味噌ラーメンに比べると、あっさりした味で物足りなかった。
そのまま、帰宅するのはもったいないので、りんくうタウン駅改札内のコインロッカーに荷物を入れ、アウトレットでエレッセ夏用上下を3分の1の値段で買い、靴やバッグも買おうとしたが、それほど気にいったものもなかったので、エレッセだけにした。
JRで帰り、駅まで家族に迎えに来てもらった。
予定した内容はすべてこなせた旅行だった。今回も無事に帰って来られてよかった。
内容 |
交通費 |
宿泊費 |
食費 |
入館料 |
買い物 |
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マイレージ特典航空券手数料 |
2,000 |
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御坊−関空 |
1,830 |
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関空−御坊 |
2,770 |
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ニッポンレンタカー |
24,350 |
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函館コンフォートホテル |
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5,000 |
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函館コンフォートホテル |
|
5,000 |
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洞爺山水ホテル和風2食付き |
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8,150 |
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札幌センチュリーロイヤル素泊まり |
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6,000 |
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飲み物 |
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200 |
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函館空港−函館駅 バス |
400 |
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函館駅−函館山 バス |
360 |
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山頂 スパゲティ |
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1,300 |
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函館山ロープウエー片道 |
640 |
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魚市場−函館 市電 |
200 |
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あけぼの食堂海鮮丼ウニカニホタテ |
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2,050 |
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市電バス1日券 |
1,000 |
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旧函館区公会堂 |
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300 |
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函館ハリストス正教会援助金 |
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200 |
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函館駅−浪漫館タクシー |
850 |
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土方啄木浪漫館 |
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600 |
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啄木の短歌集 |
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1,200 |
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新撰組手ぬぐい |
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420 |
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浪漫館−五稜郭タワータクシー |
930 |
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五稜郭タワー展望 |
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840 |
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五島軒イギリスカレー |
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800 |
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箱館奉行所 |
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500 |
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トラピスチヌ修道院でバター飴2袋 |
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500 |
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湯の川温泉雨宮館風呂 |
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400 |
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函館駅前ビアホール |
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1,200 |
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あけぼの食堂ウニ丼 |
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2,300 |
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長万部かなやのかにめし |
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1,050 |
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昭和新山駐車場 |
410 |
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昭和新山−有珠山ロープウエー往復 |
1,450 |
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洞爺湖有珠山ジオパークガイドブック |
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1,260 |
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洞爺湖遊覧船 |
1,320 |
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コーヒー |
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120 |
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毛利衛余市宇宙記念館 |
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500 |
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ルタオ本店ケーキセットドゥーブルフロマージュ |
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840 |
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ルタオミミエデンフロマージュ6個 |
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1,800 |
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ルタオ小樽色内通りホワイト18枚 |
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1,200 |
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小樽駐車1時間18分 |
400 |
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ガソリン23.5g |
3,455 |
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ファミマでパン飲み物 |
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400 |
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味噌ラーメン |
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700 |
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わかさいも6個 |
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600 |
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わかさいも12個 |
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1,200 |
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札樽道ETCとくわり |
400 |
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交通費 |
宿泊費 |
食費 |
入館料 |
買い物 |
合計 |
計 |
42,765 |
24,150 |
10,960 |
3,340 |
8,180 |
89,395 |
