出石〜城崎〜玄武洞〜コウノトリの郷 往復600kmの車一人旅  2012/3/27(火)〜2012/3/28(水)

高校全員無事合格。不合格一切なし。一生懸命指導した甲斐があったものだ。自分で自分をほめたいとは誰かが言った言葉だが、まさしくその気分。記念にどこか行きたい。色々考えたが、車で行くのが手軽でよいし、前から行きたいと思っていたコウノトリの郷へ行くことにした。それならいっそ大学卒業旅行で訪れた玄武洞を再度しっかり見て、シーズン終わりのカニを楽しんで来よう、ということで城崎温泉に予約を入れることにした。楽天トラベルで一人宿泊できる和風、部屋食可能の宿を見つけた。ネットのドラぷらで検索して阪神高速湾岸線、神戸線、播但道で和田山ICまで行くコースが、一番料金が安かった。時間は最短ではなかったが、気になる程でもなく、距離も短かったし、何せ湾岸線は割とすいていて最近よく通るので慣れている。それでこのコースに決めた。

当日朝7時、車のナビで検索をかけると、思っていたコースがすんなり出なかった。5ルートの中にもなかった。取りあえず、泉大津まで行くことにした。泉大津でナビの設定をすれば何とかなるだろうと思った。

7時10分に出発。泉大津と播但道の市川で休憩、和田山ICには11時半に着いた。ガソリンを入れた。地元よりリッターで10円安かった。ガソリン高騰の折、得した気分だった。しかし、そこからが少し変だった。ナビのまま行くと、雪が積もっている山道を行ってしまった。途中、溝にはまっている車があった。どうしよう、戻ろうかと思っていた矢先、向こうから一台の車がやってきた。ナンバーは地元のものではなかった。観光客らしい。なんとか通り抜けられそうだと思い、そのまま行くことにした。慎重にゆっくり行った。山道を登り切り、下り坂になったところで再び、対向車に出会った。そんな道を10kmほど行ったろう。ようやく出石にたどり着いた。地図で確かめると、和田山から八鹿まわりで出石へ行く方がよかったということに気づいた。

出石は城下町。ガイドブックで決めていた「鶴屋」で辰鼓楼(時計台)を見ながら皿そばを食べた。店に入る前にもらったサービス券を見せて一皿サービスしてもらい、合計6皿。出石そばはウズラではなく、鶏卵と山芋とネギをおつゆに入れて食べる。鶴屋は秋篠宮夫妻も訪れた名店。座敷に座って外を眺めながら食べるのは風情があってよかった。味ももちろん良い。

出石城の上まで登り、家老の家を見学した。家老の家は、子どもの頃、近所にあった旧家を彷彿とさせるもので、あの家にもこんな長刀が飾ってあったなぁと思い浮かべた。出石城には中国人観光客が10人ほどいた。こんな田舎にも中国人は観光に来るということに少々驚いた。京都や奈良ばかりではないのだ。

出石から豊岡経由で城崎には2時頃着いた。宿に行く前に、文芸館に行った。学生時代にも行ったということを、この旅に出る前にアルバムをめくって確認したのだが、全く覚えていなかった。ついて思ったのは、確かに文芸館ではあるが、建物そのものは全然違っていた。立て直していたのだ。展示しているものも全く覚えていなかったので新鮮な気持ちで見学することができた。1時間ほど居て宿に向かった。城崎荘は桜並木の川沿いにある。道はとても細く、車一台がようやく通れる幅。宿に着いて、車を前に置いたまま、フロントへ行った。しかし、フロントには誰も居ず、声を出して呼びかけても音沙汰がなかった。しばらくして年配の女性が出て来て、車をどこへ置けばよいのか聞いていると、後方から車が来てしまった。近くに駐車できそうもなかったので、とにかく旅行バッグだけ玄関に置いて、車を発進させて広い道の方へ行き、グルッと一回りして木屋町のコイン駐車場に入れ、歩いて宿に戻った。玄関にはさっきの女性以外に別の女性も居て、車のことを聞いてくれて、そこはお金がかかるので別の駐車場に入れ直しに行くと言った。宿の車に一緒に乗っていき、コイン駐車場から出し、その女性の後について行った。ガソリンスタンド奥に青空駐車場があった。そこに置き、再度宿の車に乗って戻った。

部屋は6畳。昔ながらの旅館という感じ。洗面所、トイレは部屋にあり、夕食を部屋まで運んでくれる。夕食は6時にしてもらうことにした。お茶とお菓子をいただき、一息ついた後、お風呂へ行くことにした。まず、宿近くの「まんだら湯」。最初だったので、頭髪、体をしっかり洗いたかった。頭は泡立ったが、いくらボディシャンプーをつけても体が全然泡立たなかった。湯をなめてみると、少し塩辛かった。こういうお湯は泡立たないものだから仕方ないとあきらめた。

6時前に帰ると、既に部屋に料理が並んでいた。ちょうど仲居さんが来て、カニすきのガスコンロと、焼きがに用固形燃料に火をつけてくれた。そして「すぐにお造りを持ってきます」との事。カニスキ鍋、茹でカニ、焼きかに、お刺身(魚)、グレープフルーツ、雑炊、外湯チケット付きで17000円。一人なので、食べ方を気にせず、取りにくい部分はしゃぶりつくようにした。普段よく食べる私だが、ボリューム満点で食べきれず、雑炊までたどりつけなかった。カニ味噌入り雑炊を楽しみにしていたのだが・・・。

部屋のテレビを見てお腹がこなれた頃、再び、お風呂に出かけた。まずは、2番目に近い「御所の湯」。この温泉は外観も内装も豪華で京都御所をイメージしたものらしい。フロントロビーにある人物壁画が美しかった。しかし、写真に撮るのは、はばかられた。脱衣場は満員で、ムンムンしていた。しかし、浴場は広くゆったりしていた。

続けて、近くの「一の湯」。ここは誰かが一番良い湯と言ったことから名がついたらしい。うろ覚えではあるが、以前城崎に来たとき、最初に一の湯に入ったような記憶がある。ということは、この近くに泊まったのだろうか。旅館名は全く覚えていなかった。一の湯は客が少なく、内装は地味だった。湯をなめてみたが、先に入った温泉ほど塩辛くなかった。

一の湯の近くにある、「柳湯」に行くことにした。しかし、そこに行くと、本日休業の札があった。観光案内の紙には、火曜定休とはなっていなかったので臨時休業か。元来た道を戻ると、一の湯の隣に足湯をする所があったので、少し冷えた足をつけてしばらく暖まった。隣に与謝野晶子の歌碑と歌ポストがあった。

道の反対側に飲料場があった。コップが置いてあったので、それを軽く洗い、温泉の湯を少し飲んでみた。たくさん飲む勇気はなかった。なんてことない味だった。

射的やピンボールができる遊技場が賑わっていた。街の雰囲気全体がレトロでいい感じだった。下駄の音がカランコロンと鳴っているのもいい感じ。職場の旅行については、城崎みたいにメジャーな温泉より、香住や久美浜の民宿に泊まり、カニ料理そのものを楽しんだ方がよいという意見を持つ人が多いように思うが、今回、城崎に来て、城崎はやっぱりいいと思った。一人で行っても全然寂しくないし。伊勢屋で縮緬の小物を手にとって楽しんだりした後、土産に旅館のお茶菓子でよく出されるらしい「だんじり太鼓」を買った。

部屋のテレビはシャープ製20インチ。最近、自分の部屋のテレビを買い換えたくて色々研究している。23インチくらいで斜めから見ても綺麗なものがいいと思っている。だから、ホテルに泊まったときに見るテレビが気になり、大きさや写りにも気をつけて見ている。これくらいの大きさだと部屋に圧迫感はないからいいかもと思ったりした。かといって、せっかくのライブDVDは大画面で見たいしという葛藤もある。ということでまだしばらくは研究か。

2日目の朝、いつものように早く目が覚めてしまった。ガイドブックを読んだり、テレビを見て過ごす。7時から外湯に入れるので、その10分前に宿を出た。途中、小雨が降り、どうなることやらと思ったが、とにかく「鴻の湯」まで行った。客は少なかった。
湯から上がり、外に出ると雨はやんでいた。

宿に戻り、朝食場まで行った。部屋ごとに、料理が並べられていて、私は一番奥の「楓」が表示された場所に行った。野菜が高いからなのか、野菜料理がなく、その代わりにヒジキ、味付け海苔、わかめ入り味噌汁など海草料理が多かった。他に温泉卵、湯豆腐、焼き魚、漬け物。夕べあれだけ食べたのに、ご飯を食べなかったせいか、お腹はすいていたので完食した。

8時半過ぎにチェックアウトし、駐車場まで送ってもらった。そこから、玄武洞を目指した。玄武洞は学生時代に行っている。しかし、今回ガイドブックを読んで初めて知ったのだが、そこには、他に青龍や朱雀の名がついた洞が玄武洞と合わせて5つあるということで、ぜひすべて見たいと思った。

9時に玄武洞ミュージアム駐車場到着。近くの階段を上っていった。まず、向かって右端の青龍洞から。下に池があり、節理が美しかった。80歳くらいのおばあさんが一人、パラソルの下で写真などを売っていた。声をかけられて見ると、写真はきれいだったが、高かったし、自分で撮るので買わなかった。おばあさん、小遣い稼ぎに協力できなくてごめんなさい。青龍洞の説明板にも、ここは玄武洞より美しいと書いてあった。確かに、実際、次の玄武洞を見ると、納得できた。次の洞へ行こうとすると、工事中で立ち入り禁止のテープが張られていて、作業員達が仕事をしていた。仕方なく、いったん下りて、北の方へ行き、階段を上っていった。南朱雀洞と北朱雀洞があった。それらは先の洞よりずっと小さくみすぼらしかった。説明板によると、北朱雀は溶岩の先端部で、冷え方の違いで節理が六角形になっていなくて、岩がゴツゴツしているとあった。だから一番南の青龍が綺麗な節理をしているのかと納得した。残りの白虎洞へは工事で立ち入れなかった。五洞制覇のつもりが残念だった。

今回玄武洞を訪れて初めて知ったことに、玄武岩という名前の由来は、まず初めに玄武洞という名前がつけられ、そこから玄武洞を構成する岩石の玄武岩がつけられたということがある。さらに、玄武洞はその形が中国四神の一つ玄武に似ていることからつけられたこと。玄武というのは亀に蛇が巻き付いたもの。玄武洞の6角形の柱状節理が亀の甲羅に似ていることや、上下の長い柱と蛇が巻いた様子を横から見たものが似ていることから名付けられたということである。なるほど、勉強になった。

見学を終え、駐車させてもらった玄武洞ミュージアムの2階にある石の花・華のミュージアムに行った。入場料600円と少々高いが、世界一と言われるミュージアムは、流石に素晴らしかった。初めに20分くらいの映像を見せてもらった。これも知らなかったことがたくさん紹介されていた。まさしく、地球科学の勉強になった。玄武岩には鉄分が含まれているので磁気を持つ。それと、地球の磁気が定期的に南北入れ替わっていることが原因で、玄武岩ができた時代で、磁気の方向が北を向くものや南を向くものが場所によって違うということ。プレートの動きは、その下にある液状マントルの対流が原因であること。展示されているものも、金塊や精錬不要の金、銀、銅やエメラルドなどの原石、光る石など見応え満点。600円の価値は充分あった。

10時半に出発し、11時コウノトリの郷に着いた。駐車場からカメラを持たずに先に文化館へ行った。そこで展示物を見ていると、コウノトリについて説明してくれるという放送があった。
車から望遠レンズ付きのカメラを持ち出し、先に公開ケージのコウノトリを撮影した後、向かって左側の観察サイトを目指した。そちらの方へ行く人はほとんどいなかった。しかし、行ってよかった。観察サイトにはスコープが置いてあって馴化ケージの様子が見えたし、歩いていると上空を放鳥したコウノトリが飛んでくれて撮影できた。合計3羽が飛ぶ様子を見ることができた。
コウノトリ本舗で無農薬の「コウノトリを育むお米」などを買った後、1時にそこを出発した。大満足のコウノトリの郷観光であった。

但馬空港の近くに但馬牛料理で有名な西田屋の支店があり、そこでリーズナブルなハンバーグ定食を食べようと目指した。私が行った時は他に誰も客はいなかった。定食1800円と食後のコーヒー150円。ハンバーグは分厚く、ねっとりと弾力感があった。上にデミグラスソースを自分でかけて食べる。外の風景を眺めながら食べていると、男性が一人来店して焼き肉定食を注文した。これは2500円。山の上にあり、街からは遠いし、また敷居も高いのかもしれない。客がこれだけだと赤字かも。味はとても良いのでもったいない感じがした。

2時西田屋を出て、予定していたことを全部実行できたので、そこからは帰ることを考えるのみ。どの道を帰ろうかとナビで色々調べたが、やっぱり来た道を行くのが無難と考えた。それで第2神明、神戸線、湾岸線を通るルートに決めた。しかし、神戸市内に入ったとき、渋滞情報が入ってきて、ナビを離れ、高速から下りて適当に湾岸線方向へ行った。ちょっと迷ったが、何とか乗ることができ来た。ただ、湾岸線に入るとき、左側の列に入るのに苦労し、無理矢理入ったら後ろのトラックにクラクションを鳴らされた。
和歌山SAで梅うどんを食べ、じゃばらポン酢を買い、帰宅したら8時頃だった。
高速料金 10,000
ガソリン 6,000
城崎荘2食付き(カニなど) 17,000
出石駐車場 400
鶴屋 皿そば(5皿) 850
城崎文芸館 400
城崎だんじり太鼓10個 700
城崎だんじり太鼓15個 1,100
玄武洞ミュージアム資料 300
玄武洞ミュージアム入場料 600
コウノトリ文化館協力金 100
コウノトリを育むお米2kg 1,400
コウノトリ本舗ハンカチ 450
西田屋ハンバーグ定食 1,800
西田屋コーヒー 150
じゃばらポン酢 735
合計 41,985