この日は全くのフリー。チェックアウトして荷物を預かってもらった。首里城近くの石畳道を見たいとバス停へ行った。しかし、石畳の道を通るバスは本数が少なく、30分待たなければならないことがわかった。時間がもったいないと思って、タクシーで行った。バスなら200円のところが、810円かかった。石畳道は金城というところにあって、ここは首里城に近いにもかかわらず、運良く戦火を免れた。「日本の道100選」にも入っているということでぜひ撮影したかった。
石畳道の下から上って行った。予想通り風情のある道だった。石の隙間から生えている雑草の緑がちょうどよいアクセントになっていると思った。坂の勾配がきつくて息が切れた。坂の途中に村屋と書かれた家があった。そこに女子中学生が1人座っていた。そこで写真を撮っていると、もう1人の女子中学生が坂の上から下りてきて、2人は話し始めた。どうやら待ち合わせをしていたらしい。彼女らは、「暑〜い、もう半袖でいいのに」というようなことをしゃべっていた。紺の冬の制服を着ていた。確かに暑かろう。街を歩いている人は、半袖なのだから。それと気づいたのだが、沖縄の子は方言をしゃべっていないんじゃないかと思った。沖縄の歌を聴くと、さっぱりわからないのに、彼女らが話している内容ははっきりとわかった。

三叉路には石敢當と書いた石碑が見られた。これも魔よけらしい。

がじゅまるの木と天水瓶(てんすいがめ)があった。これは観光用のモデル。実際の瓶はもっと大きかったそうだ。沖縄は昔から水不足になりやすかったので、がじゅまるの枝葉より気根を通じ瓶に至る水をためていたという。ぼうふらがわいているときは、縁をたたいて沈んだすきに汲み取ればよいらしい。
そしてようやく広い道に出た。そこは首里城公園の入口だった。守礼之門の前で吹き出る汗をぬぐって沖縄の衣装を着て写真を撮った。料金は写真サイズが小さい2500円の方を選んだ。ちょっと高いと思ったが、一人旅で自分の写真が少ないので思い切って撮った。帯はせず手で押さえてそれを隠すようにして笠を持った。

琉球国王の墓、玉陵(たまうどぅん)へ行った。2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産として登録された。今回、それらもできるだけ見たいと思っていた。普通のツアーではここは訪れないみたいだが、行ってよかった。石積みの様子をじっくり見られたからだ。石は石灰岩。孔がぼこぼこあいている。

そして昨日訪れてはいたが、もう一度ゆっくり門をくぐって行った。昨日は団体だったのでゆっくり見られなかった。とてもきれいな水が出て琉球国王の飲み水に使われたという井戸ものぞいてみた。今も綺麗な水が出ていた。正殿に入るには料金が要ったので行かなかった。休憩所で首里城のビデオを見た。疲れた体を休めるのにちょうどよかったし、ビデオの内容もよかった。日影(にちえい)台というものがあった。日時計だ。標準時より30分遅れらしい。台湾人と思われる団体が多かった。台湾の人はなんとなく顔だけでもわかる。丸顔で眉毛が薄い人が多いし、サングラスをかけている人が多いようにも思う。

雨が降ってきた。旅行の最後でよかった。これまでは曇ってはいたものの雨にはならなかったから。バス停に行った。小学生の兄弟が2人、お婆さん2人、子供2人とお母さんの旅行者。バスは遅れていた。お婆さんが小学生の兄弟に「あんた達兄弟ね。いくつ違い?」と尋ねた。それから色々話をしていたが、やっぱり方言らしいものは聞けなかった。
ホテルで預かってもらっていた荷物を受け取りホテルを出たところで、空港行きのバスが前を通った。国際通りは渋滞するので急げば次のバス停で間に合うと思った。傘をさして、車輪付きの袋、バッグ2つと重かったが、必死に走った。バス停に間に合ったと思った。ところが、そのバスは無情にも私の前を通り過ぎた。私が立っていたのは市内循環のバス停で、そのバスは市外を回っているバスだったのだ。松尾のバス停は2カ所あって市内と市外では違うのだ。知っていたのにあわててしまった。雨が降っていて荷物が濡れていた。このまま、バス停で立っていたらますます濡れそうだった。それでタクシーを止めた。空港まで1050円だった。
荷物を預け、昼食を食べに行った。もう一回沖縄そばを食べたかった。客が並んでいる店が多かった。丼を売りにしている店「志貴」があって、ラフテー丼の写真が目に入った。その店は比較的すいているようだったので入ったラフテー丼といっても洋風のデミグラソースの味付けだった。ちょっとがっかりした。それも美味しいのだが、初日に食べた沖縄風の味付けで食べたかった。
飛行機はほぼ時間通りに飛び、無事に関空に着いた。関空で30分電車を遅らせた。大きな荷物を持っていたので、すべての駅で階段を使わなくても帰ることができるように考えたのだ。日根野にはエレベーターがあるし、和歌山駅では乗る電車を選べば、乗り換えでも同じホームで乗り換えできる。そしてうまくいって、予定通り家に着いた。
初めての沖縄。海は綺麗に見えなかったけど、なんか気に入った。言葉が通じるのがいいし、料理が口にあった。本土とは異なる雰囲気。デイゴの花も見られた。今度はかんかん照りの頃に来てコバルトブルーの海を見てみたい。
