台湾鍬形採集紀行




    はじめに

K氏宅にて・・・

私:「海外採集行きたいでね〜」
T氏:「行きますか?」
私:「そんなに簡単にいけるの?」
T氏:「大丈夫ですよ!」
私:「Kさん一緒に行きますか。」
K氏「私はミャンマーの方が・・」
T氏:「ミャンマーいいですね〜」
ALL「台湾に行きましょう!」

と、こんな感じだったと思います。2002年冬の事だったように記憶しています。
残念ながら翌年の春先からSARSが流行し、その年は採集を残念、今年2004年無事採集から戻ってこれたので報告したいと思います。

県外採集さえまともにやった事の無い私は、少し不安もありましたが、台湾での採集経験者であるT氏が同行してくれる事もあり、向こうでのガイド等々の段取りは全てお任せし、こちらは何が採れるか?果たして(採ったところで)持込の方は大丈夫なのか?(標本、生体ともに)先方へのお土産はどんなものが喜ばれるのだろうか?等々、しょうも無い事ばかり考えているうちに、出発当日になりました。ワクワク。
注:クワガタの輸出入に関しては双方の許可が必要です。


   2004.7.9(初日)

AM10:30の便に乗るため9時頃に関空に着いたのであるが、チェックインに40分もかかってしまい、両替やらでとても忙しかった。3万円両替して8000(元)圓。ちなみに採集費用は、車のガソリン代、宿泊費(現地協力者分含む)、発動機等レンタル代、お土産代(桃)を入れても3人で割ると1人4000元も使わなかった。

さあいよいよ出発、AM10時30分関空発の便に乗り込み、T氏とは台北空港で落ち合うことにしました。

台北空港にて:左端:K氏、T氏と段取りをするウー氏

さあいよいよ採集に向けてレッツゴー、空港で出迎えてくれた、ウー氏、シュウ氏、ジャックバック氏(以下ジャック)、それに私たち3人を乗せて先ずはライトトラップの準備という事で、発動機、ライト、ガソリン等を積み込む。しかし、5人乗りの箱バンに6人はつらい、途中でウー氏とジャックを降ろし、彼らは2時間くらい遅れて別の車で来るという・・・。果たしてわれわれ3人はどこに連れられていくのであろうか・・・

T氏は、ウー氏とその後の段取りについて色々と話していたそうだが、当初予定していたオクマンタイは、先の台風の影響で道路が寸断されたらしく、クワガタ屋にとってはある意味聖地であるパーリン(巴陵)中心に、ライトトラップ、灯下回り、樹液採集をするという。

シュウ氏とわれわれ3人は、途中「オネエチャン」の話で盛り上がり、郊外に点在する「ビンラン」売りの小屋?めぐりをすることに・・。
「ビンラン」とは、台湾の嗜好品で独特の販売方法をとるようであった。是非!行かれた時はお試しあれ。

道中、シュウ氏は英語のほうはまったく駄目な様であったが、日本人ガイドを何度か経験しているらしく、「サイシュウ」「クワガタの名前」「GO」という言葉だけでパーリンへ着いていた。途中、険しい山道を日本では考えられない猛スピードで突っ込み、どうやらここからは日本語を使わないでと言われ(実際は警察署の前だけだったかのかも知れないが)、途中買出しと採集許可を貰った桃屋では、車からは降りずにただただ笑顔で笑うしかなかった。しかし、昼間から酒をあおり陽気な人たちであった。

そうこうしているうちに最初のポイントに着き、どうやら今夜はココでライトトラップをするらしい。
ライトトラップの準備をし、殆ど終わったところでK氏が適度に朽ちた材を発見、斜面を広場まで持ち上げ割ってみる事に・・


材から訳の分からない幼虫(2種類)、ヒラタ、ヒョウタン、マメ発見!!

割った材の全貌:直径30cm程、長さは4〜5mであった。

後に、この際採集したマメは、「高山豆鍬形」とウー氏と筆談し、遅れてきたウー氏とジャックは我々が割り残した材を暗闇にも負けず割っていた姿が不思議であった。どうやらかなりレアな虫らしい・・・・私は密かにオオクワガタを割り出したかったのであるが・・

さあ、薄暗くなってきて、エンジンスタート!途中で合流したジャッカル氏+お連れの方(名前は最初に紹介されたのであるが忘れてしまった・・ゴメン!)は、同じ広場の別方向でライトトラップ設置完了!ウー氏とジャックはまだ来ない・・・

シュウ氏が発動機のリコイルを引く。彼のスタイルは見てのとうりである・・。
後は待つだけ。桃をむさぼるT氏。

記念すべき海外ライトトラップ採集第一匹目飛来!私の思い出に残る第一匹目は和名「フタテンアカクワガタ」であった!
「フタテンアカクワガタ」現地にて撮影。PM7:30頃。新興温泉、1100m付近。

シュウ氏がもう一方のトラップから笑顔で持ってきてくれた・・・。私達はまったく興味なし・・・。どう反応してよいものやら悩んだ一品。
シュウ氏はもともとカミキリ屋で、我々が喜んでくれると思ったのかも?

結局、PM10:30頃までトラップを行ったのであるが、本日はお目当てであったオオクワ、シェンクリングは飛来しなかった・・・うーん残念!
ホテル(民宿)までの道中、灯下採集するということで撤退。しかし、この灯下でもオオクワ、シェンクを拾えなかった・・・

一旦ホテルに荷物を運び込み、(既にPM11:30は過ぎていたと思うのであるが、)2班に分かれて樹液採集(ショックツリー)、灯下回りをすることに。私は、シュウ氏に「こい」(もちろん日本語ではない)と言われ、ジャッカル氏たちと共に4人で夜の森に・・・。
少し心配ではあったが、ワクワクしていた。

K氏とT氏は、再び合流したウー氏とジャックと共に灯下回りに行くという。健闘を祈る!

ホテルから採集ポイントまでの道中、中国語なのでまったく分からない、たまにジャッカル氏が英語で話しかけてくれるが、言ってる事は分かるのだがなかなか単語が出てこない・・やっぱり日本の英語学習は間違っているのか!

ともかく最初のポイントに到着。コンクリートでできたガードレールを乗り越え森に入る。道から下なので斜面は急で足を踏み外したらどこまで落ちるか分からない・・ホントにこんなところで採集するのか?!

シュウ氏は毎度の事のように皆に指示し、私には一番上の平らなところで「この辺を見ていろ」と言っているようだ。その後シュウ氏は履いていたビーチサンダルを脱ぎ、裸足で樹を上っていった。、私はとにかく「OK!」と言って、揺らした木から落ちてくる虫を待った。

最初に落ちてきたのは「シカクワガタ」のメスであった。海外樹液採集第一号である。
残念ながら後はフタテンアカ数匹のみであった。

次の樹に向かう。今度は少し危険なところまで入っていく。シュウ氏が私を気遣ってくれ、しきりに「OK?」と聞いてくれるが、私は「OK」と言ってついていくしかない。心の中では「ヤバイ」と思いつつも、好奇心の方が勝っていた。
やっと私の見ているポイントを指示され、シュウ氏はさらに下のほうまで降りていく・・ビーチサンダルで・・
合図と共にキックをするが「ボウズ」であった・・・。その時、

車が山道を通過するのが分かった。急にあわただしくなり「ライトオフ」の声が聞こえた。
どううやら夜間山に入ってクワガタ採集をするのは公に認められていないらしい。

その後何箇所かポイントを回ったが、採れた虫は、「ザウテル」「シカ」「フタテンアカ」「高砂ミヤマ」「ミヤマ」位であった・・まだオオクワは採れていない・・「ザウテル」狙いであったので、期待はしていなかったのではあるが・・

途中でK氏たちと落ち合い、ホテルに戻って今日の採集は終了した。AM2:00頃だったように記憶している。
ジャッカル氏たちは別のホテルを予約しているらしく、このホテルには6人で泊まった。

少しは眠かったが、ホテルに戻ってシャワーを浴び、今日の成果を皆で報告しあった。残念ながら灯下まわりのK氏たちも「オオクワ」「シェンク」は見なかったらしい。

シュウ氏と虫について議論をするT氏。T氏は中国語も少々話せるようだ。

私が所持していた本日の主な成果。現地ホテルにて撮影。

この後、激辛ラーメンを食べて虫を梱包、寝たのはAM4:00位だったと思います。

手前の食べかすが私が食べた激辛?ラーメン。奥がK氏の食べた超激辛ラーメン。かなり辛かったらしく、辛いもの好きのK氏でも、「舌がピリピリする。」と言っていた。私は、奥さんのお土産にと桃屋で買おうとしたら、「日本のラーメンの方がうまいよ。」と言われたが、(日本語の堪能な親父が1人いた。)「このラーメンはココにしかないねん。」と言ったら納得の様子だった。嫁はまだ食べていない・・・。右写真は台湾でよく飲まれている?加糖されたお茶。普通の烏龍茶と書いていても加糖されていないか良く見ないと殆どが甘い・・

今日の大物、「タイワンミヤマ」ジャッカル氏が、長竿で落としてくれた。ホテルにて撮影。台湾では普通種なのだが、結構うれしかった。

ダブルのマットレスが並ぶ6人部屋。K氏はジャックと一夜布団を共にした・・・私は、T氏と共に眠りに着いた・・K氏のいびきが聞こえたときは「やられた!」と思ったが、疲れているので泥のように寝込んでしまった。

ホテルパンフより。

本日の採集場所のおさらい。

ライトトラップ:新興温泉(嗄拉賀温泉)、PM7:00〜10:30、標高1100m付近、気温約15℃

灯下回り:新興温泉(嗄拉賀温泉)〜ホテル(パンフ赤丸)、ホテル〜上巴陵(K氏、T氏、他)

樹液採集:(パンフ)54K〜59K地点

採集できた虫:多く採れた順に、「フタテンアカクワガタ」「シカクワガタ」「タイワンミヤマクワガタ」「高砂ミヤマクワガタ」「ヒメツノヒョウタンクワガタ」「ホソアカクワガタ」「ヒラタクワガタ」「サビクワガタ」「ネブトクワガタ」「マメクワガタ」「ザウテルニセシカクワガタ」「ヤマダクワガタ」「ツヤクワガタ」


   2004.7.10

朝、9:30分頃私が最初に目覚めたようだ。2度寝もできそうになかったし残っていた虫の梱包をすることに。
しかし、先の写真の4人は良く寝ている。

10時頃?ようやく皆が起きだし、朝食をとることに。残念ながら写真は無いのであるが、お粥におかず4品の質素なものであった。ちなみにおかずは、「ピーナッツ」「漬物?」「アゲのたいたやつ」「玉子焼き」

食後は、風呂に入ろうと言う事になり、海水パンツに。台湾での公衆浴場は下着着用とか。K氏は海パンを忘れ個室風呂に。ココはサウナ完備であった。私達は、露天のプールと併設の浴場に。

左右奥の屋根の付いているところが風呂。真ん中がプール。なかなかオシャレな感じだ。私は喜んで泳いでしまい、疲れてしまった・・・

やっと出ました、左写真左側が私、右が今回大変お世話になったウー氏。右写真左がT氏、右がK氏。風呂上りのビールを片手に談笑中。ジャッカル氏たちとも無事合流。

左シュウ氏、右ジャッカル氏。
?氏と、シュウ氏。

さっき朝飯を食ったところなのに昼飯を食って出発する事に。これも写真が無いのだが、おかずは外の水槽で泳いでいた?マスの焼いたやつ、ナスのたいたやつ?牛肉の煮込み?さっき外で羽をむしっていた鳥の焼いたやつ。ナス以外ひととうり食べてみたがマスが一番あっさりしていて旨かった。

ホテルを後に。今日は朝から晴天であった。

今日の採集は、ウー氏からハードなところだと聞いていた。車も専用車?でないと乗り込めないそうで、ワクワク、ドキドキである。

車のチャーターは、先日の桃屋であった。四駆の箱バンの後部座席フルフラットシート?に6人、前部座席にはシュウ氏が乗り込みいざ出発!山に登るのかと思えば下るのであった・・。途中までは少し平坦な周りは桃園の農道を突き進んでいったが、急に勾配がきつくなってきた。およそ30度以上?はあろうかという勾配である。曲がり角(180度ヘアピン?)ではハンドルの切りかえしが必要で、道の方も桃園の園内道なので決して広くはない。私以下、皆、冷や汗モンであった。が、この時は流石に運転を信用し、命を預けるしかなかった。

その山道も慣れてきた頃、コンクリート舗装の道が終わった。ココからはどうやら徒歩みたいだ。
ハイカーも結構行き来している。感じ的には森林公園に付けられた遊歩道的なところの階段を下りていく。

遊歩道を散策?程度に考えていた私は甘かった!!

クワガタの採れる樹があれば、キック、蹴ってもびくともしない太い樹は途中まで登って揺らす。

階段を延々と下る。しかしどこまで行くのであろうか?「もしかして?谷まで?」「一番下で車待ってくれてんのちゃうやろか?」と、色々しゃべりながら下っていく。しかし採れるのは、「シカクワガタ」と「ヒラタ」位であった。

途中階段が土砂崩れにより寸断されていた。写真にポインタ合わせてね!

台湾の人はタフである。山にロープが張られていて、ココから行くみたいだ。日本なら間違いなく通行、立ち入り禁止であろう。

しかしものすごい!大人ならまだしも、ココを小学生くらいの子や、乳幼児にいたってはバケツリレーの要領で送っていく。日本では考えられない・・

とうとう谷まで来てしまった・・

本当に最下部、谷まで来てしまった・・・しかし、綺麗な清流である。台湾の人は水遊びをするために谷まで来るのだという・・私にはある種、修行のためか、信仰のためだと思うくらいの道のりであった。車に乗ったところからは標高差1000m位であろうか?徒歩でも標高差500mは下ったに違いない。

もちろん、お迎えの車なんか来ていない・・・

帰りはもちろん来た道をひたすら登っていく、登っていく・・
行きは下り、採集しながらだったので、楽しく来れたのだが帰りはだたひたすら無言で登っていく・・・
K氏は、「ひざが笑っている。年寄りにはつらい!」と、こぼしているが、何度も休憩しながら登る。
「もうあかん」と、思った頃、舗装道まで出た!皆座り込み、お迎えの車を待った。
ウー氏が何故来なかったのかやっと分かった。

やっとお迎えの車が来た。
今度は何故か軽トラである。7人は軽トラの荷台に乗り込んだ。
しかし、ものすごい(怖い)運転に、私達は恐怖した。台湾の仲間も苦笑いだ。
来るとき切り返しをしながら来たカーブは、ホイルスピンをさせながら、ドリフト状態でクリアしていく。多分一瞬でも止まってしまうと登れなくなってしまうのだろう。本当に恐ろしい・・・・・

真っ赤に日焼けした、K氏の表情が帰りの車の凄さを物語っている?

やっと、ウー氏の待つ桃屋に到着。直後突然降り出したスコールのものすごい事!皆、日ごろの行いがよかったのか、スコールにあわずに済んだ。桃屋でしばし休憩する事に。最初は少し緊張したが、桃屋の主人?が日本語を話せたので安心して会話する事ができた。採れた虫を見せたり、日本の桃と台湾の桃について話したり、しきりに桃を食べろと勧めてくれたり、スコールと共に少し涼しげな気持ちになり、お世話になった台湾の採集仲間に1箱ずつ計5箱、桃をお土産にと買った。1箱、大5個入り500元(圓)、少し高いような気がしたが、まあ観光地なので、日本の相場とたいした違いはなさそうな感じであった。

外を眺める。少し小降りになってきた。止まっている車がウー氏の車。

桃屋で雑談する私たち。桃のほかにも、日用雑貨、カラオケの装置を置いている。昨日は昼間にもかかわらず酒を飲みながらカラオケをしていたのが印象的であった。

雨が上がったところで本日の採集ポイントへと向かうことに。

本日のライトトラップは、シャンパーリン(上巴陵)のラーラーシャン(拉拉山)で行うようだ。拉拉山は国立公園があるので採集には十分注意しなければいけないようだ。もちろん公園内では採集禁止!

上り口では通行検問?が・・この後、2人のバイク警官が途中まで付いてきたのでかなりあせった。K氏も悪い冗談を言うし・・・

ビビリながらシャンパーリンの町並みを撮影。本当は全然問題ないハズ。どっかのHPで見た風景と同じ。ウー氏は今晩のディナーの買出しに・・・

一旦ホテルにチェックインし、採集場所へ。見事な景色に感動すら覚える。

ホテル前の広場より。シャンパーリンの山々。

本日のトラップ完成!

後は飯を食って暗くなるのを待つだけ。チョコを塗った菓子パンがうまかった!

本日は、2箇所別のところでトラップを張る事に。山の上方と少し下で(ココ)、上のほうではジャッカル氏たちが。途中シュウ氏が、「良いのが採れたら持ってくる」と言って一旦別れることに。

本日の方が蛾の量が凄い!期待できそうである。気温も17℃と昨夜より高め。

そうこうしているうちに、K氏が、甲虫の飛来に感ずき、走っていった。採れたものを見せてもらうと「ザウテルニセシカ」の♂であった。
昨日は採れていない、ザウテルの♂に、本日「何かありそう」な予感がした。

今度は私が張り付いていたら、飛んで来た虫が隣の木に止まり、ウー氏にタモ網で採ってもらった。今度は「ザウテル」♀であった。ザウテルは普通種なのか?・・・

次はウー氏が張り付く、何か飛んで来たのを見て私が近づいた。またしても隣の木に止まった虫をタモ網ですくっている。なんと、お待ちかね?「シェンクリングオオクワガタ」であった。しかもサイズは小さいものの♂である。ウー氏から手渡された私は、K氏を呼んだ。「なにかありそう」と思った私の予感はズバリ的中!あとは「タイワンオオクワ」を待つだけである。(途中普通種の飛来は省略。)

トラップ横の木に良く止まった。手前の外灯にも、「テナガ」「フタテンアカ」等飛来。

しかし、「タイワンテナガ」には皆、気を使っていた。台湾の採集仲間も、灯下周りで見つけても無視をするか、拾っても「こっちに来るな!」と、言わんばかりに山に投げ返していた。よっぽど「怖い虫なんや」と内心思った。私は以前T氏から頂いた幼虫を羽化させた事はあるが、あまり気持ちの良い虫とは思えなかった。はっきりいって気持ち悪かった・・・。写真にだけでも収めればと帰国後少し後悔はしたが・・

途中、ウー氏にジャッカル氏達から連絡が入る。なにか飛んできたみたいだ。

PM11:30ライトトラップ終了、本日のトラップにも、「タイワンオオクワ」は飛んで来なかった・・・・

ジャッカル氏達が採れた虫を持ってこっちに来ると言うのでまつことに。
なんと!「オオクワ」「シェンク」が飛んできたそうである。両方とも♀1頭ずつだったが、オオクワのメスのでかさにびっくりした。山で見た感じは46-7mmはありそうな感じであったが、実際は43.5mmであった。その場で図鑑を広げ、タイワンオオと、シェンクのどちらが好きかとT氏に聞いているようだった。話をしたT氏もその場ではどちらかくれるのではないかと思ったらしいが、一旦彼らの自分のケースに戻したので期待をさせては悪いと思って、我々には言わなかったらしい。

ホテルまでの帰路、灯下回りをすることに。残念ながら採れたのはフタテンアカとミヤマくらいであった。しかし、シュウ氏の車をジャッカル氏の友達が運転していたのでおかしいとは思ったが、どうやらシュウ氏が足を痛めたらしい。

ホテルに戻って、今回お世話になった方々との記念撮影。下段右端が若干15歳にして15℃の部屋を持っているというジャック。

この後の別れ際、ジャッカル氏が、我々に今日採った虫をプレゼントしてくれるという。少しは期待していたが、両方くれるとはなんとも太っ腹「感謝」「感激」である。「シーユーアゲイン、ネクストタイム」「サンキュー」「シェイシェイ」と、興奮気味に日本語英語、日本語中国語の訳の分からない言葉ででお礼をいい、熱い握手を交わして別れる事に・・本当に気持ちのいい人たちであった。

この日の夜も、採集した虫の梱包整理と頂いた虫を眺めているうちに就寝はかなり遅くなってからであった。
本日は、K氏と2畳一間で一夜を共にした・・・。


本日の採集おさらい

樹液採集:月美温泉(ハードできつかった所)PM12時頃〜3時頃?

ライトトラップ:拉拉山、標高かなり高い、PM7:30〜PM11:30、気温約17℃

灯下回り:拉拉山(トラップ場所)〜景仁休間旅店(宿泊ホテル)

採集できた虫:多く採れた順に、「フタテンアカクワガタ」「シカクワガタ」「タイワンミヤマクワガタ」「高砂ミヤマクワガタ」「ホソアカクワガタ2種」「ヒラタクワガタ」「ザウテルニセシカクワガタ」「サビクワガタ」「ネブトクワガタ」「ミワオオクワ」「ウスバクワガタ」「ツヤクワガタ」「シェンクリングオオクワガタ」「タイワンオオクワガタ」*シェンクリングとタイワンオオは現地では採集できません。

以下、私が持ち帰った主な虫を写真で紹介します。写りの悪いものもありますがご了承ください。特記の無いものは自宅にて撮影。
タイワンシカクワガタ♂、ジャックがくれた。現地ホテルにて撮影。
タカサゴミヤマクワガタ♂
ヒラタクワガタ♂、詳細は分からないが、今回、一番大きかった。
ウスバクワガタ♂、メスが採れなかったのが残念。
ホソアカクワガタ左写真♂、右写真♀、オスの判別が難しい。ケイセツを見るとか。
フタテンアカクワガタ♂、大小。これが一番採れた。
「高山豆鍬形」♂♀不明。今回採れた虫の中では、多分これが一番レア?
ヒメツノヒョウタンクワガタ♂♀不明。動き回ってうまく写真に撮れなかった・・


   2004.7.11(最終日)

とうとう日本に帰る日が来た。かなり疲れているはずなのであるが、目覚めは意外に良い。

T氏ともお別れの時が近づいてきた写真左端が入り口。恐ろしく狭い部屋。たたみ2畳に2人。またもやダブル。

タイワンオオ♀。唯一梱包から逃げられていた・・ルアーケースに入れていて良かった。T氏は、ルアーケースが空いていたらしく、ヒラタの♀にまんまと逃げられてしまった。♂は無事発見!

T氏曰く「なかなかシェンクと台湾オオ両方くれへんで〜」。前回訪れたときは、70mmUPのオスが飛来したそうだが、絶対に譲ってくれなかったそうである。彼ら曰く「お金ではない」そうである。メスだったからくれたのか、私たちが気に入られたからなのかは分からないのであるが。

ホテルの玄関口には標本が。流石にシェンク、タイワンオオは入っていなかった。

ホテル前にてタイマーにより撮影。本日も快晴。

帰り支度をする面々。

ホテルから、中正国際空港までは2時間ちょっとと、帰りの道中は意外と早かった。PM12:30ごろ到着し、皆で台湾での最後の昼食をとった。ウー氏はラーメンはどうかと聞いてくれたが、カップ麺ばかりを食べていた私達は、セルフサービス式の飯屋風なところでとお願いし、鳥モモ肉の焼いたのと、ヤキメシ、スープを食べた。

空港地下の飲食街。

いよいよお別れである。ホントに切ない。T氏はもう一泊の予定なので一人台湾に残る事になる。羨ましい。
ウー氏とジャックに別れを告げ、再び出会える日が来る事を約束してゲートをくぐった。

空港を後に・・再び来る事を心に誓う私であった・・

以上、2泊3日長いようで短かった海外採集も終わり、PM3:05予定どうり飛行機も離陸した。
今回、初めての海外採集でどうなる事かと思ったが、当初私の目的であったタイワンオオクワの♀も確認でき、K氏のお目当てであったシェンクはペアで確認できた。残念ながらマルバネノコは採れなかったが、採集を終えてみて、本当にこの趣味(クワガタに対する思い入れ)は国境を越えて同じなんだなと思った。そして、今回台湾で協力していただいた、ウー氏、ジャック、シュウ氏、ジャッカル氏達にはほんとうに心からお礼を言いたい。その後のジャッカル氏とのメールには、「今回はあまり採れなくてごめんなさい」という言葉と、「次回は絶対たくさん採れるところに連れて行くので又来て下さい」という言葉が添えられていた。来年こそはオオクワオスを見てみたい!と心に刻む私であった。

最後まで長々と読んでくれてありがとう。また、これから台湾に採集に行こうと思われる方々にとって何かの材料になれば幸いである。

「台灣的朋友真的謝謝」

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