環境を守る住民運動交流

ようこそ!







交流学習会よびかけ  
2,10交流学習会の報告  

司会者あいさつ(武内さん)
主催者あいさつ(汐見さん)
名田産廃処分場(瀬戸さん)
紀州の梅を守る会(田中さん)
いずみ山系を考える会(花田さん)
梅原に産廃処理場をつくらせない和歌山大学の会(江利川さん)
ひとこと発言より
「環境を守る住民運動ネット・和歌山」結成総会(3月31日)
経過報告(真田)・閉会あいさつ(雑賀)
「園部産廃」反対運動署(投稿)
「梅原産廃」不許可の報告



         


環境を守る住民運動交流学習会(2月10日)よびかけ

                                                                        

    (よびかけ人)                「フオレストシティ計画の許可取消を求める会世話人一同             和歌山から公害をなくす会・医師     汐見文隆             松井クリニック院長           松井和夫             和歌山中央医療生協元副理事長      大森米三郎             和歌山勤労者山岳連盟役員        井本 良二             和歌山市大運動実行委員会        里崎 正             日本科学者会議役員           布施慎一郎             和歌山県地域・自治体問題研究所副理事長 真田寿雄           和歌山県住民運動連絡会(旧県リゾート・ゴルフ場問題連絡会)  「地球環境をどう守るか」……これが21世紀にひきつがれた最大のひとつであり、わ が国はこの問題でも大きな遅れをとっています。     和歌山でもこのテーマはますます重みを増してきています。しかし、この和歌山でも、 20世紀最後の10数年間は、リゾート・ゴルフ場問題やゴミ処理場をはじめとした乱暴 な開発計画に抵抗する住民運動が県下各地で同時多発的におこり、少なくない地域で、そ れらの阻止に成功するという、特筆すべき成果もあり、大規模開発に依存する勢力を根底 からゆさぶる運動が高揚した期間でもありました。   世紀をこえてたたかかいつづける「フオレストシティ」や橋本の産廃・ダイオキシレン 問題、雑賀崎の埋め立て、紀伊丹生川ダム、梅枯れ、LNG火力など、「環境をどう守るか」 を共通のテーマとした各地の住民運動の交流と結束こそがいま求められているのではない でしょうか。 大集合!そして大前進!  その第一歩として表記のつどいを呼びかけます。                 

と き 2001年2月10日(土)午後2:00〜4:30 ところ 和歌山勤労者総合センター

当日は、各住民運動の交流と新しいネットワークにむけたとりくみについて話し合います。                                          連絡先  和歌山県地域・自治体問題研究所(真田寿雄)
TEL/FAX 073-425-6459(火・木)0736-77ー5622(それ以外)

         


環境を守る住民運動交流学習会が開かれました。(2月10日)


  2月10日、勤労者総合センターで「環境を守る住民運動交流学習会」が開かれました。
 狭い会場は、いすが足りないかと心配なほどの満員に。
  @名田産廃処分場問題連絡会、A紀州の梅を守る会、B梅原に産廃処分場をつくらせな
い和歌山大学の会、Cいずみ山系の開発を考える会からそれぞれ報告。
  つづいて、日置川原発に反対する30キロ圏内共闘会議、日高原発に反対する30キロ
圏内共闘会議、宮前のボートピア建設反対する運動、LNGを考える関電株主の会・わか
やまなどからとりくみの報告。
 「和歌山環境ネットワーク」関係者からは、「環境ネットは住民運動とは性格が違い、
個人参加ですが」と前置きして、活動が紹介されました。
  最後に、「環境を守る住民運動ネット和歌山・準備会」を結成することが確認されまし
た。
  以下、報告・発言を順次紹介します。(原稿が整理できたものから)

         


【司会あいさつ】 武内まゆみさん

 産廃問題、ダム建設、乱開発の後始末など和歌山県の環境問題が大きなテーマになり、
住民のみなさんの運動も広がり、運動の交流会を是非やってほしいとのことで、今日は「和
歌山県住民運動連絡会」と「フォレストシティ計画の許可取り消しを求める会」の共催で
開催した。
         


【主催者あいさつ】 汐見文隆さん


 住民運動連絡会は一〇年以上前に発足。当時危機感を持ったのはゴルフ場の建設問題で
私が講演に行き農薬の怖さなどを話した。最初は金屋町で、私が話した翌日に住民投票が
あり一票差で勝った。その奥の清水町。南から古座町。これは古座漁協が反対している半
分は壊れそうだが、町長が強固に押している東側は危ないと。串本の海中公園のゴルフ場
予定地は、私を呼んだ人が前日に現地を見て滑ってケガをしたというひどい山だった。町
長が強烈に押している由良町。湯浅町山田山。これは後の町長の妻木さんに言われて行っ
た。貴志川町。貴志川ゴルフの拡張でつい最近終結した。粉河町鞆淵。そしてフォレスト
シティの女性達に話した。
 このように和歌山県中がゴルフ場になりそうな形跡だった。それが、今言ったところは
全部止まっている。それは住民運動の力というよりも経済情勢の変転による。しかし住民
運動によっていくらかでも食い止めている内に経済変動の時期になって止まったというこ
とではないかと思う。その後に唯一残っているのはフォレストシティ計画だが、これもま
さに残骸が残っているというもの。
 あの当時、海南市に全日空がゴルフ場をつくるとして、一つの自治会だけが最後まで反
対したらその自治会のうえに橋を渡してつくると言い、これはだめかと思った。これも計
画時には金がいくらでも出せると思ったのが、金がなくなったという時の流れで潰れた。
 現在は産業廃棄物が一番大きな問題になっているようだ。今日はお話を聴かせてもらい
いくらかでも勉強したいと思っている。住民運動は場合によっては無力と思えても、懸命
に努力すればどこかで報われていくのが私の経験であり、みなさんも大いにやっていただ
きたいというのがお願い。                                 

         

一、名田産廃処分場問題連絡会 瀬戸幸作さん

 前に橋本市で全国産業廃棄物問題連絡会の集会の折り、紀の川筋をバスで案内してもら い、ここもここも産廃で埋められている、粉河町はほとんどということを見て、いつの間 にか和歌山県下が産廃で埋められてしまっていることを感じた。  御坊市名田町の計画だが、「要請書」と「楠井産廃処分場計画の問題点」を見て欲しい。 私たちがこの運動を始めたのは今から二年前の一九九九年春。それまで水面下で建設の計 画が着々とすすめられ、私たちが知ったときは計画はほとんどできあがっていたという状 況だった。地元名田町楠井地区に広さ八九、〇〇〇平方メートル、容量四五〇万立方メー トル、橋本の約一〇倍の大きさ、ほとんど全国一という計画。  実際の計画のすすめ方は非常に非民主的な方法で、楠井区長中心の執行部だけで詳しい ことは区民にも知らされなかった。私たちは気が付いて楠井区の反対住民と学習会を持と うとした前日、楠井区内で賛否の投票をとって、それもゴミ捨て場が要るか要らないかと、 要る者は○をせよとのことで、説明文もない白紙に○×を書かせて集めたもの。それで三 分の二以上あったので区内の賛成が得られたとして進めようとした。御坊市に対しても交 渉したが、地元楠井区の意向は誘致賛成だと言い、反対の意見を聞こうともしないで無視 し、どんどん進めようとしてきた。  地元の反対住民も非常に危機感を持って運動を進め、私たちも最初は「産廃処分場問題 を考える会」をつくり、さらに「名田産廃処分場問題連絡会」という形で進めてきた。そ の間、橋本の秋田馨さんに何回も来てもらい各地域地域で小さな学習会を開き、ゴミ弁連 の梶山先生にも来てもらい集会をもち、その他にも集会をもったり、ビラをまいたりして 運動を進めてきた。  現在のところ隣接の印南町の津井区山口区でも反対運動が起こり、ほとんど全戸が反対 署名をしてくれ盛り上がってきている。楠井地区では、その地域は個人持ちの土地と区の 土地で実際には名田生産森林組合の土地となっている。その土地を大栄環境(株)が借りて 埋め立てて返すということになっているが、森林組合の土地についても全くその手続をし ないで、貸す仮契約をしてしまい、手付け金の一〇〇万円も受け取った。今そのことが問 題になっている。森林組合でその土地を正式に処分、貸すということになると総会を開い て三分の二の賛成が必要という定款がある。それに従わないと正式な貸借にならないとい うことで、むこう側はそれをクリアーしようとしているか、全く目途が立たないという状 況。生産森林組合を解散して、楠井地区の山にしようとしているが、それも総会を開かね ばならず実際は困難。最近では反対派の班長も執行に加わってきて、区長も独裁的な動き はできなくなってきている。  産廃問題についてはご存知であろうし、他からも出てくるので省くが、一昨日二月八日 に和歌山県知事に要請を行い、印南町の山口区、津井区、御坊市塩谷町その他の地域の署 名を集めて知事宛に提出した。既に昨年二月二日の一、七〇〇筆と合わせて四、九八五筆 の署名を提出した。県にこれだけの反対があり問題があるのだから許可しないようにと申 し入れた。  しかし、会社側、御坊市、名田の楠井区長等はさらに計画を進めようとしているのでい つどういう形で新たな方向が出てくるかは分からない。さらに運動を深めていきたい。

         

二、紀州の梅を守る会  中田 建司さん

 南部梅林はほとんど被害のない所だったが、梅枯れが来た。特に北西斜面は梅の花が咲 いてもちらほらしかつかない。全然花が咲かない、実もならない、葉も出ないという木も 増えてきた。  梅枯れ問題は一九八七年くらいから発生した。田辺市の秋津川、上芳養。南部川村の市 井川地区から原因が分からないが梅が枯れ出したと言い始めた。今では南部町、南部川村、 田辺市辺りは日本一の梅産地だが、去年までの累計で少なく見積もって約二〇万本、被害 面積で二〇%近くになっている。被害本数は過去最高を更新し続けている。去年の発生は 田辺市は一昨年よりは少なかったが、逆に南部川村、南部町ではすごく増えて、面的にも 広がっている。これは農家だけの問題ではなく、梅産業は干したり、パック詰めしたり関 連産業への影響もある。  消去法で、関西電力の火力発電所の大気汚染が原因ではないかと考えている。理由は四 つある。@梅より先に山桜が枯れ始めた。栽培しているわけではないのでおかしい。A御 坊火電の計画時の環境アセスメント、県の園芸試験場の実施した試験でも御坊火電の灰の 最大着地点が半径一四キロから二四キロ地点に一番たくさん落ちることが明記されている が、ちょうどそのあたりから枯れ始めたという状況と一致する。Bそれから実を成らせ過 ぎというが、三〜四年の幼木から枯れ始めた。だから被害を受けて木を植え替えて何とか なるかと思ったが、実がなる前に枯れ大変だ。C水分不足とか言うが、御坊火電の稼働前 の一〇年間の方が稼働後の一〇年間より年平均降水量は少なかったということから見て も、消去法で考えて御坊火電しか理由は考えられないと思っている。  そんな中で一九九四年に今の御坊火電の隣りに第二火力発電所の計画が持ち上がった。 オリマルジョンという汚い燃料を炊くが、四四〇万キロワットだ。今の火電と合わせて六 二〇万キロワットという日本最大になる。こんなものができたらとんでもないことになる ということで、反対運動を始めた。九六年に「御坊第二火電建設に反対する日高郡市民の 会」と「田辺・西牟婁の会」が結成されて、第二火電計画の撤回を求める署名が取り組ま れ、御坊市に隣接する四町、美浜町、日高町、川辺町、印南町のいずれも住民過半数の署 名を集めて県に提出した。ほかにも延期署名など、あの地域で合わせて一〇万名の署名が 集められた。そういう世論の盛り上がりがあり、直後に知事は国の電通審への意見表明を 見送ったが、県議会の推進決議の後押しなどもあり、九七年七月に受け入れ表明をした。 去年二月五日に着工したが、その後四月に、関西電力は第二火電は四年以上延期と発表し ている。  紀州の梅を守る取り組みが、これと同時並行的に始まった。シンポジウムやいろいろな 取り組みを重ねてきたが、瀬戸先生などに中心になってもらい日本科学者会議と日本環境 学会の先生方で梅枯れ調査研究グループをつくり、農家の立場で原因解明に取り組んでい る。その一方で和歌山県が一〇人の学者に依嘱した「うめ対策研究会」が去年三月に最終 報告を出したが、御坊火電とは関係なく、水分不足とか不適正な栽培管理とか諸々の複合 要因ではないかと関西電力を免罪したでたらめな報告が出された。日本科学者会議と梅枯 れ調査研究グループの先生方がその後三点にわたって要望した。@県のうめ対策研究会の 全データの公開A御坊火電の煤塵と燃料の提供B御坊火電は最低一〇年以上停止して再開 するならすべての炉に脱硫装置を設置せよと要望した。関西電力は今のところそれには答 えていない。  第二火電は去年春に四年以上延期ということになった。これは電力需要が伸びないこと や自由化の影響により、当初の需給より見込みが落ちているということ。気持ちはほっと しているが、計画自体を中止に追い込んでいかなければと思っている。今後も運動に取り 組み続けていくが、関西電力、県にそれぞれ責任を果たしてもらい、地域の梅産業を守る という立場に立たせていかなければならないと思っている。  みなさんの住民運動の経験も学びながら運動に生かしていきたい。   なお梅枯れ対策期成連盟副会長・坂本学氏のメモを預かってきましたので、ご紹介しま す。 梅農家の声    梅枯れ対策期成連盟副会長 坂本 学  平成12年度において、梅枯れ問題最大の出来事といえば、和歌山県梅対策研究会が3 月末に、また、JA紀南と関西電力による梅生育障害対策研究会が4月に相次いで研究結 果が発表されたことである。この二つの研究会は、表面上は別々にやっているように見え たが、裏ではつながっており、ほとんど同じ内容の報告となっている。  和歌山県が当初から言い続けていた事を裏付けるような報告である。ミツバチの放飼に よる着果過多、完熟化による負担増、高温化、乾燥による養水分不足、貯蔵養分不足、台 木の問題、農地造成による土壌の悪さ、弱剪定園や深耕をしない園の増加などと不適正な 栽培、樹体管理が要因とされている。  しかし、どれをとってみても、それに該当しない園でも発生していることから、納得で きない。その他、フザリウムなどの糸状菌もあげられているが、今のところ、直接これら によって枯らされるものではないという結果もある。これらの要因から、あたかも農家側 の責任であるかのような報告でまとめられている。  それなら、いわゆる専門家である暖地園芸センターや南部川村梅21センター内の梅園 で発生しているのは何故か。また、なぜくい止める報告ができないのか。おかしな木があ れば、すぐ切ってしまい、苗木に改植して人目にさらされない様にしているのは何故だろ うか。  山桜の枯れにしても、乾燥や他の木に被圧されて枯れたのだという。梅枯れとは無関係 だと言うが、何も管理されていない桜も同じ地帯で枯れているということは、残された共 通点は、大気環境の悪化が原因だとしか考えられない。  これらの最終報告に対し、トレーサー実験に使われた黒岩山の風向や、酸性雨の報告が、 捏造だということ。降水量の差によるものではないことや、樹勢や木肌の違いが、栽培管 理の差によるものではないことを、ビデオやスライドで反論した。  そして、最大の疑念である御坊火力は、昭和59年(1984年)から運転を開始し、 多い月には、70%という操業で、年間平均も30〜40%と稼働していたものを、研究 会が発足した平成9年(1997年)からは、14%〜10%と年々落として、大気、特 に御坊火電は影響ないと決めつけている。  そんなに関係ないと言うのならと、その煤塵を要求しても、関西電力は出してこない。 県に言っても受け付けないし、関電に要求もしない。田辺市長が梅対策協議で使うからと いって要求してもことわられ、未だによい返事はもらっていない。  これらの研究会は、企業側から選ばれた学者が多い中で、まともな結論がでる筈がない と予想はしていたが、農家側から推薦された学者は、それぞれ1名と少なく、会議の中で も孤立してしまい、せっかくの研究成果も抑えられたり、抹消されたりで、非常に残念な 結果になってしまったが、われわれは、このままで終わる訳にはいかない。そこで、こち らの考えに協力していただける先生方に、研究を依頼し、今後もこの運動を続けていく方 針である。  そして、9月には知事選挙があり、木村新知事が、県の最重要課題の一つだということ で、梅枯れ現地視察が10月に行われ秋津川、芳養、岩代と見てまわった。特に、岩代で は、田辺からも大勢応援にかけつけ、プラカードを出してアピールもしました。しかし、 12月4日に知事室へ訪問したときには、知事の口から、ミツバチによるならせすぎ、除 草剤をやるからだ。大気汚染は中国や東南アジアが原因である。そして、農家の中には、 連盟(梅枯れ対策期成連盟)の言っていることとまったく違う人もいるなどと言って、今 まで(前知事の時代)県が言っていたのとまったく同じ答えが、返ってきました。そして、 岩代地区から出した要望の回答が、「御坊火電が直接の原因と明らかでない以上、今のと ころ操業停止を申し入れる考えはない。第2火電はとめられない」という。脱硫装置にし ても、今のところ、3号機だけです。煤塵や燃料に関するデータの提出も直接関電に要求 してほしいということで、県は責任逃れをしています。これでは、梅枯れに苦しむ農家に とって最悪の県の対応となりました。                       以上、                


いずみ山系の開発を考える会
         花田次郎さん

 私たちの会は一九八九年、一一年前三八名で結成した。この会がなぜできたかというと 和歌山大学から東に二キロメートルの近畿大学付属高校から千手川までの県内三二〇ha の山を開発するという大規模開発計画が持ち上がったため。東西二キロ、南北一、五キロ の山を潰してゴルフ場や住宅団地をつくるという計画だった。これも初めは下に住んでい る地域住民は何も知らず、やっと何か開発するぞという話が出てきて知ったという状況。 有功(いさお)、直川、鳴滝団地の上から山が全部なくなるという話になり、規模の大き さに先ずびっくりした。  河北地域は交通渋滞が大変激しく毎朝渋滞を起こしている。それと、浸水の問題。大き な雨が降ると所どころ浸水する。この問題が地域住民の一番心配したこと。この状態なの に更に上を開発するのかという話になり、先ずどういう計画なのか業者に説明を求めに行 ったが、業者は今未だ説明する段階ではないと、なかなか説明会をしてくれない。県や市 に内容はどうなのか教えてほしいと言ったが、「内容を公開する必要はない。そういう法 律はない」と、門前払いを何回か食らった。何回か行ったときにちょろっと図面を見せて もらった。  先ず内容を説明せよということで地域の人たちが立ち上がり、半年後に二〇〇名を越え る団体になった。なぜかというと地域の奥さん方が立ち上がり始めた。お母さん方は口コ ミでいくので動き出したらすごい。一年後には三〇〇名を越える住民団体になった。それ で県や市も初めはなめたような言い方ばかりしていたが、県交渉、市交渉をやるごとに数 が増えてくるので、やっと県も大体の図面を見せてくれるようになった。業者に説明会を しろと、用地買収が終わったらやるということで、それなら図面をよこせと言ってやっと 二年くらいかかって図面を手に入れた。  そういう状況でどうもこの開発はおかしい。中身が何か変になってきたぞと。当時はバ ブルの絶頂期で土地の値段がうなぎ登りに上がり、山を初め一〇〇万で売ったのが、四年 後には一千万になり、最後には二千万になったそうだ。そうした中で土地を売らせるため に業者はあの手この手を使い、「うちの若い連中はなかなかおとなしくいてへんので」と かいう言い方をして、どんどん土地を買収していく。開発をやられたら困るということを 地域住民は知っていたので、最後まで売らない人が多かった。  全国的な乱開発を止める運動で、当時立木トラスト運動がはやっていた。土地を買うお 金はないので立木だけを一本千円とかで買うというもので、やっと一人地域の地主さんと 契約ができて立木トラストを始めた。  どうも行政の動きが業者寄りだということで、当時土地買収で土地の値上がりを押さえ るために、国土法で県や市が適当な値段で売買されているかチェックしていたが、その元 締めの県の企画部長が実は国土法に違反して自分の土地を売買していた。表向き一千万で 売買して実際自分は一千五百万もらっていた。こういうことが一九九五年のフォレスト事 件と言われ、大阪地検特捜部が入って捜査が始まり、企画部長が家宅捜索されて判ってき た。国土法と所得税法違反により開発業者である和興開発の社長が捕まり、所得税法違反 で実刑判決になった。  一九九四年に乱開発を押さえるために林野庁がゴルフ場の規制に乗り出して、二〇〇万 立方メートル以上の土地の切り土を認めないという基準をつくったが、それが適用された 一九九四年六月一〇日の期日ぎりぎりに和歌山県内から二〇件のゴルフ場計画の申請が出 された。これが俗に言う駆け込み申請というものであった。  九五年に都市計画の申請が出されたが、県は地元の反対が強いということでなかなか許 可を下ろさなかった。そこで和興開発の社長を交代させた。業者をバックアップしている のは紀陽銀行で、買収費に六〇〇億使ったという状況があった。許可を出したのが一九九 七年一月二二日、申請後四年一〇ヶ月。前の西口知事が許可を出したが、開発の担当者で ある建築課長や森林課長に聞くと「紀陽銀行を助けるために出さなんだら仕方なかったん よ」と言っていた。  そこで私たちは開発許可を出した県に不服審査を申立て、開発審査会に提訴した。開発 審査会というのはもともと県の御用機関で、答えは分かっていたが、その手続を踏まなく ては裁判が行えないということによる。一年後に開発審査会が妥当な開発だとして申請を 却下するが、その一ヶ月後に会社が倒産して会社更生法を申し立てた。会社がないのに許 可だけが生きているというのが現状。  裁判しても実際開発しないのに中身について話そうという妙なことになってきた。会社 更生法が出されたが、開発許可書を作った元の東急建設も下りたと、紀陽銀行はこれを許 さんと裁判しているが、どうも東急建設が勝つような状況。業者はいない、会社はないと いう許可書だけが残っていて、県は遅まきに許可を返上せよと言っている。裁判所も片一 方で会社はあかんと言っておいて、許可書だけは有効という立場の妙な状態になってきて いる。  県、市が言うにはおまんらには裁判を起こす権利はない。原告不適格と。裁判の今の状 況だが、判事三人がいるが開発許可が本当に有効かどうかの中身、この開発をやっていけ る能力があるかどうかは論議しなくて、県が出した手続だけがいいかどうか審査しようと いう消極的な雰囲気だ。審判を下せないのならこちらは大阪高裁にいくぞと言っている。  行政と地域住民が大きく係わる開発の問題について地域住民が係われないのか。これを 突破しない限り、今の産廃の問題でもそうだが、行政と業者の問題について地域住民が係 わることができない。三月六日の裁判をぜひ傍聴してもらい、勝利できるように協力をお 願いしたい。地域や生活に係わる問題に地域住民が裁判の中でも認められるなら、業者や 市だけの問題という論議が通用しなくなる状況がつくれると思う。  この程一〇年の活動をまとめた冊子を千部作り一冊千円で販売している。私たちは一〇 年間に六〇〇万円のお金を集めて活動を続けてきた。地域の問題は長い闘いになると思う が、受け継いで明るい展望を開けるようにがんばっていきたい。

                  


梅原に産廃処理場をつくらせない和歌山大学の会
              江利川春雄さん



 私たち和大の会は一月二五日に発会式を迎えて、できたてのほやほやだが非常に意気高
く教員と学生とが一緒になってがんばっている。
 先ず今回の事態だが、昨年一一月七日に地元の民間業者が孝子(きょうし)峠を抜けて
和歌山市内に入るいわば玄関口の高台に産廃中間処理施設を作るという
計画を住民に知らせずに、いきなり市に申請書を提出した。ようやく住民が知ったのは三
週間後の一一月二九日読売新聞のスクープによる。
 計画に反対して地元自治会の署名運動が展開され、一二月の年末のあわただしい時期

に一万五千から二万の署名が住民から一気に集まった。恥ずかしいことに和歌山大学関係
者はほとんどこのことを知らなかった。住民と大学が切り離されていた。住民の切実な問
題に対して、知性の府などと称する大学がいかに鈍感でいたかを心から反省し、その分い
ま頑張ってやっている。 
 私たちが知ったのは冬休み明けの一六日頃で、事態の深刻さを把握し、戻ってきた学生
と運動を開始した。「産廃設置に反対する河西の会」の結成集会が二〇日にあり、橋本の
秋田さんの実態報告を聴き、橋本の惨状を伝えるビデオを観て、愕然とした。産廃とはこ
んなに恐ろしいものかとようやく分かった。そこでの怒り、危機感が運動の原動力になっ
ている。
 それらの先輩達に学び、二五日には和大の会の結成集会を開き、一〇〇人近く集まって
くれた。産廃問題に関しては学生も住民もいかに意識が高いか身を持って思い知らされた。
口コミで地域住民が三〇人くらい和大に馳せ参じてくれた。大学の垣根を取っ払って、教
職員、学生、地域住民が一体となった運動が一月後半から急速に展開されている。
 そうした闘いの中でいろいろなことが分かってきた。まず非常に許し難いことに、業者
が市長の許可が下りていないにも拘わらず、早くも産廃施設をつくっている。明らかに違
法行為である。資料の裏に図面があるが、私どもの調査で業者の事務所として市の建築許
可を得て昨年の一二月に着工している。ところがこの図面を等尺にして産廃プラントと重
ね合わせると産廃の管理棟とピタリと一致する。こういうやり方をするところを信じろと
言う方が無理だ。これに関しては来週早々にも市長や担当者を追及していきたいと思って
いる。
 私たちは二月二日に市長と直接会談を持つことができた。市長が言うには、慎重に対応
するために都市計画審議会にこの問題をかけるとのこと。そして岬町からもこの産廃問題
には非常に強い反対意見があり、町長名で建設中止の申し入れが出ているので、その点や
やわれわれ地元の住民運動も考慮して軽々には建設のゴーサインは出さないという確認を
取るまでに至っている。
 そうさせた背景には業者のいい加減さに対する憤りがある。そして、巨大な産廃施設を
学校のすぐそばに作るということへの強い怒りがある。建設計画では四五トンと四八トン
の二つの炉を一日二四時間操業で運転し、廃プラスチック、どんなウイルスに汚染されて
いるかわからない医療廃棄物、廃タイヤなど、ありとあらゆるものを焼却するというのだ
から。市長に提出した署名は九日間で二五〇〇集め、これは和大の構成員四五〇〇の過半
数で、現在は三八〇〇まで広がり第二次、第三次の集約を続けていくつもりだ。
 ぜひここで理解してもらいたいのは、大学の側、文教施設のそばに作るということの重
大性である。(地図を示しながら)これが孝子峠をぬけて県境の予定地だ。二六号線があ
ってそこから一キロ少しの所に和歌山大学がある。厚生省のガイドラインで環境アセスメ
ントは四キロが義務づけられているが、業者は二キロしかやっていない。その二キロの中
ですら和歌山大学、貴志中学校、小学校はすっぽり入るが、本来の四キロの範囲には保育
園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学まで入れて三〇の学校・教育施設がある。
 これほど学校が集中し、子どもたちが集まって、しかも和大の周辺には学生アパートが
あり、人口が増えている。そこにダイオキシンその他を排出する施設をつくったときに一
体どうなるか。
 ダイオキシン類のなかには地下鉄サリン事件のサリンの二倍の毒性、青酸カリの数千倍
から一万倍の毒性を持つ猛毒物質もある。どんな微量でも安全ということはなく、蓄積さ
れ、体外に出にくい。そして強い発ガン性を持ち、心臓、肝臓、腎臓、あらゆるところに
障害をもたらす。とりわけダイオキシンは一種の環境ホルモンで
もあるので、深刻な生殖異変をもたらす。若い学生や子どもたちが集まる場に最も作らせ
てはならない施設が産廃なのだ。
 また農業者が数多くいるが、所沢事件を思い出してほしいが、直接的に土壌汚染、特に
葉野菜を汚染する。のみならず風評被害という形で産廃がある地域の野菜類は大暴落して、
農家には大変な打撃を与える。しかも梅原地区の予定地周辺には多くの溜め池や川があり、
土入川から紀の川を通って周辺の海に流れ込むが、そうしたとき加太や雑賀崎をはじめと
する漁業者にも大変な被害をもたらすことが予想される。しかもここには大きな断層があ
るが、この近くはかつての断層の跡の破砕帯という、地盤が崩れていて地下水が浸透しや
すい地質であることも判っている。あらゆることを考えて、こういった場所に産廃の大規
模な施設をつくることは極めて許し難いことだと言える。
 もう一点は二六号線は非常に狭い道路で、アップダウンを繰り返して、交通事故の非常
に多い所だが、和歌山大学にはその二六号線しかアクセス道路がない。そこに一日三〇〇
トン以上の産廃を破砕・焼却するため膨大な数のトラックが疾走することになる。和歌山
北署管内で最も事故を起こしているのは残念ながら和大の学生たちであり、多くの命がす
でに奪われている。それにさらに拍車をかけるかたちでの事故、交通渋滞が引き起こされ
るということを、われわれは学生の命を預かる者として放置できない。
 こういった闘いだが、一番元気なのは学生と地域住民。地域住民はすごい。生活者とし
ての感覚というか、とにかく子どもに有害なものがばらまかれるということは許せないと
活発に運動される。私たち和大の会の署名も地域の人が「自治会で配るのに足りなくなっ
たからください」と、私の家まで取りに来られる。和大の会は地域の中に浸透してたくさ
んの署名を集めてもらっている。
 運動交流ということで話すが、効果的に運動を展開するためには、難しい数式や表だけ
ではだめで、もっと直感的にも事態を訴える必要がある。橋本の産廃の被害を描いた報道
と和大の会の取り組みについてのテレビ・ニュースを入れて二〇分くらいにまとめたビデ
オを各地に回し、観たら回覧してもらっている。効果は絶大だ。授業の前にこのビデオを
観せて、ざわついていた学生たちがしーんとなった。学生の意気も行動的だ。月曜日は授
業がないから署名は休もうと言ったら、「だめです先生、授業がなくてもやりましょう」
と言われ、私たちが元気づけられると同時に突き上げられてやっている。
 課題としては、とりわけ理工系の先生方の取り組みが慎重で弱いことだ。この闘いは科
学的なデータに基づいて相手を論破するだけの力が必要。例えばダイオキシンがどういう
ものであるとか、こういう地形の所に三〇メートルの煙突が二基立つわけだが、風向きが
こうだとどこまで拡散するかといった科学的なシュミレーションが要求されるが、まだま
だそうした点が不十分である。われわれ文科系人間はすぐ「これはあかん」で走れるが、
走らない人たちをどう動かすかが次の課題。活発な運動で理解を得つつあるので、そうい
う人たちを取り込みながら力強い運動を展開していきたい。
 


【和歌山大学の学生さん】

 初めに私がこの運動をやるきっかけになったのは、「河西の会」の結成集会に参加して
から。産廃というものを全然知らなかったが、将来教職を目指しているので机の上の勉強
だけではだめだと思って参加し、そこで橋本の秋田さんの話を伺ってすごい衝撃を受けた。
これは何かしなければいけないという危機感で次の日先生と署名活動を始めた。
 現地調査では業者と会った。「住民がなんて言おうが、学校がいくつあろうがそんなこ
と俺らの知ったこっちゃないんや」とか、「法律の問題、うちと行政の問題だから首つっ
こんでくんな。なんで学生が来てるんや」と言われて、本当にショックだった。
 「安心やろ」と言われたが、ますます不安がつのった。
 大学でも産廃問題を知らない人が多いというのが実状なので、とにかく一人でも多くの
学生と先生にこの実態と運動を知らせて、学生の力をうまく引き出し、そしてなかなか腰
の上がらない先生方には学生の方から「先生たるもの何で?」と言ってどんどん和大の方
も盛り上がっていきたい。
 この会の実際の世話人は三人の先生と四人の学生で、あとは時間があいた子、ちょっと
アルバイトが今日はない子とか気軽に来れる会を毎週設けている。だれが会員だとかどこ
の団体とかでなく、みんなパッと来て、「勉強できて何かやれることない?」というのを
目指している。楽しい問題ではないが、長期戦になると思うので、そんなふうにやってい
きたい。
 和大の会で旅田市長宛のハガキを作った。メッセージを書いて送るようになっているの
で五〇円カンパで一枚一〇〇円で買ってもらえたらありがたい。署名の方もよろしくお願
いしたい。



                  


ひとこと発言より

日高原発反対三〇キロ圏内住民の会
               瀬戸 幸作さん

 細々ながら運動を続けている。今、日高町長は反対でがんばっているが、最初から自分
は三期しか出ないと言っていて、来年秋に町長選を迎える。
 昨日の新聞でも東京電力が今後の発電所の建設をすべて凍結したとのこと。関西電力も
電力需要の低迷、自由化で火の車ではないかと思われる。国は地球温暖化の中で原発で逃
げ切ろうという姿勢は変わらず、原発問題はいろいろ問題が明らかになってきているが非
常に見逃せない大きな問題である。
 五月には住民の会でも集会を開く。原発、火力に反対する将来の見通しを住民が持つこ
とが大切であろうとのことで、自然エネルギーでどこまでいけるのかという問題をはっき
りさせるために、大阪大学にいた林智先生と今バイオマスの取り組みをしている和大の中
村太和先生を招き学習会を持つ予定。
 環境問題に関して、反対していく以上それに対する見通しを持たないとどうしても運動
が弱くなるのではと考えている。 


和歌山大学学生の母親
 
 息子が和大に世話になっている。去年の春和大の保護者会の総会に参加して、馬券売場
建設反対の発言をした。 以前、私の住んでいる那賀郡の岩出町や他の町にも以前舟券売
場が来そうになった経験もあり、総会でも発言し運動を起こせたらと思ったが、誰も同調
してくれなかった。その後、建設されないということで安堵していた。
 今度は産業廃棄物処理場ができるかもしれないということになり、子どもが通っている
学校で保護者ができたらという思いがある。子どもの友達の母親に署名を広げていきたい。


和歌山環境ネットワーク  竹山 美紀さん
   
 個性が強く環境に関心の深い方々が集まって、連絡を取り合いみんなで結びつこうと一
九九八年一〇月の設立から二年半やってきた。
 去年の四月から二部構成にして環境講座活動を会員・花田さんの店(浜の宮カンタデル
ソル)で毎月行っている。昨日第九回として橋本の秋田さんに来てもらい産廃の報告を聞
いた。
 もう一つの活動が『環境ジャーナル』という雑誌で元ニュース和歌山編集長の重栖隆さ
んが編集し、一〇月一〇日に創刊号を発行した。次ぎの一年間の活動について三月の会議
で決めてつなげていきたい。結集力が弱まっていることが昨日の会議でも問題になった。
 今日は勉強になり来てよかった。住民運動はターゲットがはっきりしていて、そのため
に皆さんの力を合わせて目的を達成する方に向いているが、環境ネットワークはどうした
らいいんだろうかというと、連絡を取り合う、情報を交換し合う、『環境ジャーナル』に
皆さんの活動をたくさん載せ発表してもらうという役割でこれからも活動をどんどん続け
ていきたい。第二号としてゴミ問題を出す予定なので、産廃や梅問題の報告をご投稿下さ
い。


場外舟券売場建設反対連絡協議会  高木俊行さん

 私は和歌山市の宮前小学校の育友会会長をしている。今年は和歌山市のPTA連合会の
会長、県のPTA副会長もしている。その私が今日ここへ呼んでもらったのは「場外舟
券売場建設反対連絡協議会」の会長にはからずもなってしまったため。
 私たちの場合は生活環境というのは当たり前だが、場外舟券売場という競艇のギャンブ
ル施設をつくらせるかどうかの分かりやすい問題である。お配りした資料は一月一七日の
会の結成総会のレジメで、おおよその流れは分かってもらえると思う。
 計画されているところはユートピアという風呂と演芸場の施設の跡地で、去年八月三〇
日に閉鎖になり、地域の住民は閉鎖されたことをほとんど知らない状態で、地元の連合自
治会と老人会から建設推進の請願書が閉鎖からまだ二週間経たない九月一一日に市議会に
提出されていた。ある人から知ったが、その請願では宮前地区全員が賛成しているという
ことで、とにかく住民は何も知らないし、少なくともPTAは反対していることを表明だ
けでもしようと、反対の要望書を提出したのが審議される前の日だった。
 A4の一枚の要望書で今まで建設に向かって進んでいたのが、急ブレーキの音が聞こえ
てくるようだという報告も受けた。議会のことも何も分からないしお金も力もないが、一
生懸命やれば何とかブレーキをかけられるのではないかと今までやっている。
 取りあえず署名活動にかかり一ヶ月余りで七万名近く集めることができ、宮前地区だけ
で人口が一万六千名ほどで一〇、一二三名が反対してくれた。地域の総意として賛成して
いることは絶対にない。
 一二月議会に請願を出すために一七名の方に紹介議員になってもらい、請願者も四九団
体集めることができた。毎日市議会に行き、会ってくれる人にはどんどん会ってもらおう
と運動をしてきた。何とかなるかと思ったが、推進派の巻き返しが激しく、もう一度継続
審議ということになってしまった。これからどうするかということで私は小学校だが、今
まで小学校、中学校、自治会別々に動いてきたが、それをまとめるために連絡協議会の設
置が必要ではないかと今回つくった。
 考えてみると連合自治会長がほとんど独断で同意書にはんこを押したという状況になっ
ていることに気がついた。見回してみると今宮前地区にはパチンコ屋が六店、ラブホテル
が四〜五店、葬儀場も家の横で大きなのをつくっているが四店ある。これらを出すときに
は地元の同意書を出すことが必要だと思うが、横で工事しているのに私は同意した覚えは
ない。
 そこから連合自治会というのは一体どういうものか考えるようになった。結局単位自治
会長の親睦団体と思うが、行政側からすれば連合自治会に話をすれば単位自治会に話が下
りて一般住民まで話が行くだろうと。逆に住民からすれば連合自治会に話が上がって、行
政までいくという形態にはなっていない。単位自治会長の集まりの連合自治会が同意する
と地元の同意というふうに取り扱うと行政は楽でいい。しかし、連合自治会、連合自治会
長の同意が必ずしも地元住民の同意ではないことはいくつかの事例が示している。
 これからも長くなりそうだが、運動していて怪文書も出るし、自分の仕事も放っている
ところもあってしんどいこともたくさんあるが、やっているといろんな人に会えて話をさ
せてもらえるのが楽しい。私たちの運動はやれるだけやってみようと始まったが、もう一
度力を合わせていきたいと思うので、どうかよろしくお願いしたい。




LNGを考える関電株主の会わかやま
             汐見 恵さん   私たちは住金の埋め立ての跡地にLNGを関電が建てることに反対している。先日新 聞で埋め立て地の土を取って測ったらものすごい値のダイオキシンが出たということは知 っていると思う。それに関して市、県、関電に説明せよと申し入れをした。  そこで急遽二五日一時半から経済センターで勉強会をすることにした。環境監視センタ ーの中地先生を呼んで行うので聴きに来てほしい。関電も二月中には説明会を開くと約束 したので新聞などで報告されると思う。

         


「環境を守る住民運動・和歌山」結成総会
経過報告(真田)と閉会あいさつ(雑賀)


結成までの経過  

  県地域・自治体問題研究所  真田 寿雄 さん

 住民運動ネットワークの事務局担当として経過を兼ねていささかのアピールをしたい。
 経過は二月一〇日に当センターで第一回目の環境を守る住民運動ネットワーク準備会を
兼ねて、交流学習会を行った。それから準備会を何回か重ねた。
 第一回目は二月一〇日の交流学習会が終わった後で、準備委員になってもらう方二〇数
名に残ってもらい、名前、申し合わせ事項などあらましを相談し、その後二回準備委員会
を開いた。了解してもらったのは準備委員に幹事として総会で選出してもらい、引き続い
て運動を強めていきたいという流れで準備してきた。
 最初の呼びかけはフォレストシティの許可取消を求める裁判闘争を支援する会と一一年
前から連絡を取り合った、県リゾート・ゴルフ場問題連絡会(現在、県住民運動連絡会に
改称、事務局担当真田)の二つの団体でおこなった。
 きょうは発足総会だが、二月一〇日以来、目まぐるしくそれぞれの住民運動が前進して
いる。そのメイン報告をおもにしながら、後で提案事項をみなさんに承認してもらい、四
時から第一回幹事会を開きたいとの段取りにしている。
 討論の時間が欲しいので経過報告は大変簡単だが、以上で終わらせていただく。どうぞ
よろしくお願いしたい。






「環境をまもる住民運動ネット・和歌山」
       結成総会閉会のあいさつ

        国民要求実現和歌山県大運動実行委員会
                    雑賀 光夫 さん

  幹事の一人に選ばれました「国民要求実現大運動実行委員会」の雑賀です。本日の会議
での熱心な討論、ご苦労さまでございました。
  前回の準備会もそうでしたが本日の「環境をまもる住民運動ネット・和歌山」の立ち上
げについて、「こんなネットワークを待っていた」という期待の声がよせられています。
 全県各地で、環境を守る住民運動がたくさん広がっています。この力をひとつにまとめ
ることが必要です。同時に、長引く不況で丸正の閉店に象徴されるような地域経済の崩壊
の中、原発でもいい、産業廃棄物処理場でもいい、ギャンブル場でもいい、なんでもいい
から和歌山へもってきたらいいという動きも、ますます強まってくるでしょう。私たちは、
環境を大事にしながら人間が住みやすい和歌山にするために、知恵と力を合わせなくては
なりません。
  たとえば、紀ノ川の上流では、丹生川ダム建設を考える運動が広がっている、下流では
水道局の組合が、市民においしい水をとどけたいという思いから運動している。中流で、
紀ノ川の水で農業を営んでいる農民組合のみなさんをふくめて、「紀ノ川を守るネットワ
ーク」ができないのかという声があります。
  「ネットワーク」というものは、お互いにしばられないで緩やかに情報を交換し合うも
のです。私は、それが緩やかなるがゆえに、無限の可能性を持っているように思います。
「ネットワーク」のさらなる発展にご協力をお願いしまして、閉会のあいさつとさせてい
ただきます。






         


「園部産廃」反対運動署名への御協力のお願い


「園部産廃」反対運動署名への御協力のお願い
私の移住地「園部・有功地区」での産廃反対運動に立ち上がる

            和歌山大学教育学部分会  原 通範

こうして私の地域での産廃反対運動も始まった

 私たちの住む園部でも、やっとその重い腰が上がった。園部で産業廃棄物処理を
営むS興業は昭和38年頃からこうした廃棄物処理というか、「廃油処理」という
「野焼き」=田んぼの上で廃棄物に油をかけ、直接燃やすことから始めたそうだ。
 当時は風が吹くとあたりの田んぼの稲は真っ黒けとなり、かなり離れたところでも
真っ茶色か、もしくは緑色を帯びているものであっても、その中は空洞であったと
言われている。今は、当時と違って、貼付している写真にあるように、10m〜2
0m位の高さの煙突からあのように黒い煙を吐いて、当時よりも遠くまでばい煙を
運んでいっている。
 私たちが川永地区(栄谷に移る前の和歌山大学の移転候補地)より園部に引っ越
してきたのは1989年(平成元年)が始まって間もない、肌寒い3月春休みに近い頃
だった。引っ越して間もないある日の夜、家畜を焼いたような、鉛の腐ったような
何とも言えない匂いが充満していることに息苦しさを感じた。それがS興業の営む
産業廃棄物中間処理場(以下、園部産廃という)との出会いであった。この匂いを
まともに嗅ぐと、当時まだ鍛えられていた私の体でも、すぐに咳き込み、窓を閉め
切らずにはいられないものだった。地区の自治会で、新しく引っ越してきた私たち
に対する説明会があったとき、あそこに文句をつけると恐ろしいよ、との忠告を受
けたりもした。実際、「ひどいなあ。ええ加減にしろ!」と思うことはあっても、
いつしか産廃の臭いがする環境に慣れていったのと、和歌山大学での生活面でけっ
こう忙しい毎日を送っているので、産廃反対運動に立ち上がる勇気とエネルギーを
持ち合わせることもなく過ごすことになってしまった。
 私の妻は昨年の秋頃から地元の有志たち数名で園部産廃について小さな学習会を
開いて考えるようになりつつあった。その集まりを、「いずみ山系の開発を考える会」
=通称『フォレストシティ山の会』にちなんで『有功の環境を考える会』と名付けた。
私が参加するようになったのはこの3月頃になってからのことである。

中地重晴講演で得た認識
 
 先日「有功の環境を考える会」主催で中地重晴氏(大阪の環境監視研究所)に来て
いただいて地区全体で学習会を開いたとき、次のような重要な事項を学習すること
ができた。
 1)産廃と一般ゴミ焼却
 日本でダイオキシン問題が本格的に取り上げられるようになったのは1996年頃から
で、1997年12月には環境基準の新ガイドラインというものが出されて、従来の基準
の8倍〜800倍ダイオキシン濃度を厳しく規制するように決められた。その実施が来
年12月からであるという(表参照)。新ガイドラインの設置に伴い、多くの地方自
治体は大型のゴミ焼却炉を購入し焼却システムを改善することによって、1997年度
から1998年度にかけて、一般ゴミ焼却ではダイオキシンの年間排出量が約4分の3
減少したのに対して、産廃の方は4分の1の減少しか見ていない。産廃では大型焼
却炉への変更はまだ行われていず、地方都市や田舎の中小の民間事業者の所有する
小型焼却炉に依存し、現在の産業社会では産廃需要の高まりに反比例して産業廃棄
物処理場は不足の一途をたどっているそうである。

 2)小型焼却炉はなぜダイオキシンを多く発生するか
 
 この話の前に一言。橋本市や私たち園部の焼却炉は1日あたり4.5トンの焼却能力、
一方梅原産廃に取り上げられたものは1日あたり45トン級と48〜96トン級のもの。
市町村のゴミ焼却炉はさらに96トン以上級のものだそうだ。
 ダイオキシンは800度以上の高温下では発生しにくく、低温下で発生する。小型焼
却炉は一定時間毎に燃焼した後の灰が下にたまる構造になっており、それを一々取
りだして新たに廃棄物を投下して再度燃焼させねばならないようになっているので、
灰がたまったらスイッチを切って灰を取りだし、廃棄物を新たに投入して燃焼させ
る。燃やし始めと燃え尽きていくときは低温状態になるのでダイオキシンを多く排出
する。大型焼却炉では燃焼と冷却を並列的に運転できるシステムになっており、連続
的に高温下での焼却を続けることができる。だからダイオキシンの発生は押さえられ
るのである。

 3)いま園部産廃では2000トン以上の廃棄物が野ざらし(写真参照)

 園部産廃のS興業では日に2回、燃焼〜消却のサイクルを取って廃棄物焼却をして
いる(朝と夕方の両方で燃やし、1昼夜とも焼き続けている)(写真参照)。要す
るにダイオキシンはのべつ幕なく出されているわけである。だから燃焼結果として
の灰の排出も多く、それが、以下に述べる野積み状態の廃棄物の後ろに一定期間保
管されている。
 一方、野積み状態にされた廃棄物が現在では、中地氏が見たところでは少なくとも
2000トン以上は貯まっており(一説では和歌山市の青岸エネルギーセンターが火事
の時に引き取った物が貯まった結果とも言われている)、日夜廃棄物を燃焼させ続けな
ければならないのである。しかし炉それ自体は、ルールに従えば1日あたり4.5トン
しか燃やせないので、いま野積みされているものの焼却に単純計算で少なくとも400
日程度は必要となる。
 
 来年の12月まで残り500日余り。和歌山市は昨年11月にこの業者の新たな焼却炉
設置の申請に対して不許可の決定を下しているので、この園部産廃で廃棄物の納入限
度はまもなくという事態を迎えている。ところが野積みされた廃棄物はさらに積み上が
るばかりで、いっこうに改まる気配はない。聞くところによると、この不景気の時期に
も拘わらず産業廃棄物の値段はどんどん上がるばかりだそうだ。

 いま、橋本の産廃で残された廃棄物が1万トン、地中にはさらに40万トン埋まって
いるとのこと。県民税が今年度の予算では6億6千万円投入されて、昨年と合わせ
て約9億円。今後さらにどうなっていくかは不明という、結局安上がりに民間に産
廃を処理させる結果、そこの住民や動物、環境などの犠牲とともに県民全体の損失
につながる結果となっている。私たち園部産廃においても市民税を投入して後処理
せざるを得ないようになる事態を、私たちはいま心配しています。(これは和歌山
市に住む住民全体にとっても損失になる。)
 要するに私たちは立ち上がらざるを得ないのです。「有功の環境を考える会」名
で署名用紙を作成しました。皆さん方の御協力をよろしくお願いいたします。

 ところで蛇足ですが、梅原産廃建設予定地よりさらに和大に近い三笠の池の上の
ところで日夜小型焼却炉から産業廃棄物の焼却が行われております。風向きでこの
和大にも、私の所と全く同じような臭いが立ちこめていることがあります。これに
ついてもぜひ、大学として声を上げて行くべき時が来ているのではないでしょうか。

====================
原 通範
〒640-8483 和歌山県和歌山市園部1257-59
TEL&FAX 0734-62-0539
mitinori@cypress.ne.jp
勤務先 和歌山大学教育学部
住所 〒640-8510 和歌山市栄谷930 
TEL 0734-57-7264 FAX 0734-57-7413
mitinori@center.wakayama-u.ac.jp
====================
               
         


梅原産廃問題、不許可の報告

前略 和歌山大学の河音です。
梅原産廃問題では、日頃より厚いご支援を賜り、ありがとうございます。
本日(4月25日)旅田和歌山市長が公式に施設前面不許可を決定・発表しました。

市による公式の不許可理由は下記の通りです。

1)産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める
技術上の基準に適合していない(廃掃法第15条の2第1項第1号)

2)産業非秋物処理施設の設置に関する計画および維持管理に関する計画が
当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全について適正
に配慮がなされていない(廃掃法第15条の2第1項第2号)

また、これにあわせて、
「梅原の産廃処理場建設に反対する住民連絡協議会」は、
下記のような声明を発表しました。

一、旅田市長が梅原の産廃処理場建設計画に「不許可」の決定を下したことを歓迎し、こ
の問題に対する市長の姿勢を高く評価する。

一、この決定は、130,000名に及ぶ反対署名、1,300人を集めた住民集会、満場一致の市議
会決議を引き出した請願活動など、地域と大学が一体となった強力な反対運動の成果であ
る。

一、これで住民、議会、行政がすべて建設反対で足並みを揃えた。
事業者はこの事実を重く受け止め、ただちに計画を白紙撤回し、長期的な視野に立って地
元住民と共存共栄できる事業活動を進めてほしい。

一、もし事業者が裁判等で争う姿勢を示すならば、我々も受けて立ち、計画の白紙撤回ま
で断固としてたたかう。

以上です。

本日の市長「不許可」決定により、運動は一つの大きな成功と画期を迎えたわけですが、
明日には貴志地区自治会における選挙が控えており、また、業者がいかなる行動に出るの
か、未だ定かではなく、まだまだ予断を許しません。

これまでのみなさまのご支援に感謝しますとともに、引き続きご協力を賜りますよう、よ
ろしくお願いいたします。



         

紀伊丹生川ダム建設を考える会
              木ノ本 たかみ さん



 私は橋本に住んでいます。紀伊丹生川をみなさんご存知ですか。地元の者は玉川狭と呼んでいます。橋本市と九度山町の間を流れる川です。橋本の少し奥の高野町富貴を川の源として、紀の川に注ぐ三五キロ程の清流で、幅が一〇メール程の小さな川です。その川は自然豊かで、地元の人たちがそれぞれの石や岩石に名前を付けた四十八石で有名です。玉川漁協があり、アマゴやアユの放流をしており、年間二五万人の人が川遊びにやってきます。
 今年二月に玉川漁協の総会で、「ダム建設を考える会」の役員数名が役員になりました。玉川漁協は、はっきりとしたダム建設反対の態度を表明していませんでした。
 「考える会」が漁協とともに玉川峡を守っていこうとしています。
 二〇年前(昭和五四年)に玉川峡にダム建設が持ち上がりました。十三年程前(平成一年)に建設省(現国土交通省)が現地に入り、調査を始めました。水没する二〇数戸の人たちが中心いなって十二年ほど前に反対運動をして、反対署名を持って参議院に提出したそうです。しかし、私は橋本に住んでいて、九度山町の動きを知りませんでした。その人たちは、高齢となりその運動は下火になり、現在に至っています。
 私は三年前にこのダム建設計画を知り、「考える会」を立ち上げたのも玉川峡が好きであるからです。建設省は治水と利水のためにダムが必要であると言っていますが、先ずこれが正しいのかどうか、何でも反対するのでなく、とにかく資料をもらって、「考える会」で三年間勉強してきました。
 そこで分かった利水について簡単に説明しますと、利水とは、大阪府と和歌山市に送水することでした。和歌山市は武内まゆみ議員が市議会で追求し、紀伊丹生川ダムからの水は和歌山市としてはいらないという結果となりました。
 和歌山市の一五倍の水を大阪府に送水するという計画ですが、現在、大阪府は水あまりです。大阪府営水部(大阪市はこれとは別に水道水を供給)、一日最大二六五万トン、これは平均ではなくて、一番ピーク時で夏場あたりにこれだけ要ると言っています。ここ数年、大阪府の給水量は一日二〇〇万トンで、府の確保している水利権は二三〇万トンあり、三〇万トンあまることになります。
 大阪市も二〇万トンほどあまっています。そして大阪府と大阪市とはもし大阪府で水が足りなくなれば、大阪市より水をまわしてもらう約束をしているようです
 今年の二月に大阪府営水道は、十三万トンに下方修正しました。
  水の需要が、いつまでも右肩上がりにならないことに気づいたのです。大阪府は水あまりであり、財政的に非常に苦しいので、もっと下方修正したいところですが、それ以上下方修正すると、紀伊丹生川ダムの必要性がなくなるので、国土交通省の手前、十三万トンという数字がでてきたのではないでしょうか。

国土交通省に対して大阪府も水は十分あり、本当は非常に財政的に苦しいので水は欲しくないが、同省の手前そう言えないので一三万トンだけ修正したという経過がある。
 現在、利水については府も水があまっているので、府に給水しなくても向こうの人たちは何ら困ることはない。去年の夏、府の水がめである琵琶湖が非常に渇水したが、私たちが八月末に府営水道に聞いたところ、「いつも通りの給水だった」と確認している。去年のように渇水しても淀川の水だけで十分やっていける。

 国土交通省は治水について、紀伊丹生川ダムができないと紀の川で洪水が起こると言っています。治水においてはダムに頼らない総合治水がアメリカ、ヨーロッパやアメリカでおこなわれています。特にアメリカでは不必要なダムは壊して、元の川にもどそうという動きです。

  紀伊丹生川ダムは百五十年に一回の洪水を想定して作られるダムです。五〇年に一回起こる洪水に対して、遊水池に運動公園やレクレーション施設をつくり、公民館は高床式にして洪水をやりすごす。大雨のときだけ遊水地として利用し、洪水が過ぎ去っていけば、また公共施設として活用する。遊水地には、民家などの住宅建築を控えるように規制する。
 今、世界はそういう流れになっています。国土交通省にダムに頼らない治水をお願いしていますが、遊水地をつくると高くつくといわれています。紀伊丹生川ダム建設には一,五六〇億円という税金が費やされます。むだなダム建設のために大切な税金を一,五六〇億円も費やしていいのでしょうか。
 玉川狭には貴重な動植物が生息しています。ダム建設がはじまると、多大な影響が出ると考えられます。一度壊した自然は、二度と元にもどりません。玉川峡をダム建設から守るためには、是非ともみなさんの力が必要です。どうか、ダム建設反対の世論を高めるために力を貸してください。
 最新のニュースによれば、ダム建設事務所が三月末に鍾乳洞の発見につい記者会見しました。幅一〇メートル、高さ三メートル、奥行き五〇メートルほどの大きさです。ダムができればと水没することになります。専門家による調査と保存をもぞむものです。
  県指定名勝になっている玉川峡をダムのそこに沈めるにはは忍びないと地元の画家が玉川峡の絵を書きました。本会は絵を絵はがきにしてダム反対を訴えてきました。
 みなさん、二一世紀というのは自分たちの住んでいる自然を守る世紀だと思います。むだな公共事業にお金を費やさないで、自然と共生する世紀の始まりです。三年間、ダム反対の運動を続けてきましたが、まだ運動をやめることはできません。今日参加したみなさん、私たちの活動を応援して下さい。二一世紀はまさにこの環境ネット運動を進めていく世紀だと思っています。   
 



         

住金公害は、いまも
   住金埋立地にLNG火電をつくらせない会                     中村 行子さん

 この会は今は細々とほとんど活動はしていなません。
 私は松江にいて住金の煙でやられた。そして職場では六十谷のS興業の煙にやられ、県と市へ黒い煙が出ていると3回程電話しました。一回目に市に電話したときは、職員が学校へ来て、学校の焼却場はもう閉じているのに燃やしていると電話がきたと言われ、事務長にしかられました。私はS興業と知らずに、土手のところの煙と言ったのだが、学校と思ったようです。次ぎに県に言ったら、市に言ってくれと言われました。
 最近また黒い煙が出ていたので県に言ったら、市に言ってくれと言われました。私は市は辞める(S興業に許可を下ろさない)ようだから、県もしっかり対策を考えてほしいと言ったら、わかったとの返事でした。
 車でS興業を見に行くと真っ黒やグレーの煙が出ている。囲いをしたところから白やベージュ色の粉砕したものが山のように積み上げられている。一時減ったが、また高々と積み上がっている。そして太く短い2本の煙突から黒やグレーの煙がもくもくと出ている。
 自分の家の壁に黒いものが付くので、周辺の新しい家を見たらやはり同様であり、かなりやられているのではないかと思います。 
 十六年前、もとそこに住んでいた教師から、ぜんそくが多いと医者が言っていたと聞きました。息子がぜんそくで今も時々発作を起こすとのこと。小さい頃にぜんそくになると、治りきらないのかと思うし、私のようにぜんそくではなかったが、肺を少し悪くした者もいます。
 住金の方は相変わらずで、最近昼も臭く、薬品臭やいつもの臭いのときもあり、かなり離れたところでも同じような臭いがするときもあります。私たちはLNGよりも住金をなんとかしてもらいたいという気持ちが強いのです。大きすぎてみんなあきらめ何もしていない。
 住金には煙突がたくさんあるが、すべての煙突から煙が必ず出るということが分かりました。夜が多いし、時々白くひょろひょろ出ていたりします。あそこに住んでいるかぎり、住金とつき合っていかなければならないので、住金の公害を減らすような対策を行政が住金に要求していってほしい。
 それには私たち住民ががんばらなければなりません。園部の産廃の問題では、私たちも職場でやられているので、署名など一緒にやっていけたらと思います。