インフルエンザは、患者のせきやくしゃみからインフルエンザウイルスに感染して起こる重い風邪です。
冬のはじめから春先にかけて流行することから、流行性感冒とも呼ばれています。
患者数は1月半ばから増え始め2月初めにピークを迎えたあと、3月くらいまで流行します。
インフルエンザウイルスはのどの粘膜にくっつくと30分で増え始め、1〜2日で症状が出ます。
感染力が強いため幼稚園や保育園、学校で爆発的に流行するのが特徴。
流行し始める前、11月から予防接種で免疫をつけておくと、かかっても重くならずに済みます。
日本では毎年5〜10%の人がインフルエンザにかかるといわれています。
人口から換算すると、患者数は600万〜1000万にも上ります。
インフルエンザは、はしかのように一度かかって免疫ができたら、もうかからないということはありません。
なぜならインフルエンザのウイルスは、人の免疫機構を巧みに逃れるように、少しずつその形を変えるからです。
このためインフルエンザは毎年流行するのです。何度かかってもかかる可能性がなくならない、そこがこの病気のやっかいなところ。
中にはひと冬に2回以上、インフルエンザにかかる人もいます。





冬にインフルエンザが流行する理由

○寒さや乾燥で、鼻やのどの防御機能が低下している
○低湿・低温でウイルスの感染力を維持する
○大勢が室内に集まり、ウイルスが充満しがち





インフルエンザと風邪のちがい

インフルエンザウイルスの感染で起きるインフルエンザは、風邪よりも急激に発症し、強い全身症状が現れるのが特徴。




症 状
1〜3日の潜伏期間の後に、突然40度前後の高熱が出て、疲労感、鼻みず、のどの痛み、せきなどの呼吸器症状とともに、頭痛、関節痛、腰痛、筋肉痛などの強い全身症状を伴います。ときには、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状も出てきます。
筋肉の炎症を起こし、足の痛みを訴える人もいます。また、目の充血やのどの粘膜が赤く腫れたり、首筋のリンパ節が腫れることもあります。





治 療
A型の場合は、アマンダジンという薬が効きます。ただし、耐性(薬が効かないウイルス)ができるため効力は長続きしません。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、A型・B型ウイルスともに有効で、しかも耐性ウイルスができにくいというメリットがあります。
いずれの薬もインフルエンザの症状を軽減し回復を早めますが、発病してから48時間以内に使用を開始しないと効果がありません。
インフルエンザが疑われる症状が出たら「すぐに医療機関へ行くこと」が治療の鍵になるのです。
発熱は、体が病原体を攻撃しようとするために起こるものなので、ふつうはおさえないほうがよいのですが、頭痛などがあってやむをえない場合には、比較的安全なアセトアミノフェンという鎮痛解熱剤を使うこともあります。





解熱剤は、病気そのものを治す薬ではありません
インフルエンザ脳症・脳炎に対して、ジクロフェナクナトリウムという解熱剤とメフェナム酸という解熱剤の危険性が指摘され、これらの解熱剤はインフルエンザの子どもには使用できなくなりました。
肺炎などの二次感染を防ぐため、必要があれば抗生物質を使います。
家庭でのケア 脱水症状を防ぐため、十分に水分を補給し、安静にすることが大事です。
衣服や湿度を調整するなど、そのほかの手当ては、かぜ症候群(安静・保温・栄養)と同じです。
熱が3〜4日たっても下がらず、せきやたんがひどくなるようときは、早めに受診します。熱が下がっても、2、3日はウイルスが排泄されていることもあるので、ほかへの感染を予防する意味からも十分な休養が大切です。




小児のインフルエンザの特徴

小児のインフルエンザは成人のインフルエンザとの共通の部分も多いが、以下のような特徴があります。
1)最高体温は成人に比べ高く、特に5歳以下のインフルエンザでは約10%に熱性けいれんをともなう。
2)鼻汁、中耳炎、腹部症状をともなう例が成人に比べ多い。
3)新生児が感染した場合、症状に乏しいため、原因不明の発熱として扱われることがある。
4)仮性クループあるいは細気管支炎の原因となる。
5)神経症状の出現率が成人に比べ高い。
6)小児では、筋炎や肺炎の合併率が高い。

また小児では、経過中に一度インフルエンザが治ったかのように解熱し、半日から1日で再び高熱を認める場合があり、2峰性発熱といわれます。
母親の免疫の存在する間は認められませんが、生後6カ月頃からしだいにみられるようになります。
1〜4歳で著明となり、その後加齢とともに少なくなります。




“かぜ”とは・・・
鼻やのどに起こる急性の炎症のことをまとめてよんでいて、1つの独立した病気の名前ではありません。
主には空気中をさまよっているウイルスが鼻から入り込み、咽頭や扁桃、喉頭などの場所に炎症を起こしますが、進行すると気管支や肺にまでウイルスは侵入します。
ウイルス以外にも、細菌や他の微生物が風邪の原因になることもあります。





かぜの症状
かぜによって現れる症状は、入ってきたウイルスや細菌に体が抵抗し、それらを取り除こうとしているために起こるものです。


鼻 み ず
鼻にウイルスが入り込むと、鼻から分泌される鼻みずが多くなります。
この中にはたくさんのウイルスが含まれます。


くしゃみ
鼻の粘膜にウイルスがくっついて刺激されると、それらを追い出そうとしてくしゃみがでます。


鼻づまり
炎症によって鼻の粘膜がはれ、鼻腔がつまります。

のどの痛み
のどで生体防御隊がかぜのウイルスと戦っていると、のどが赤くはれたり、痛んだりします。

せ  き
気道にウイルスがくっつくと、それを追い出すためにせきがでます。

た  ん
たんは、気道に入り込んだウイルスなどを包み込んで追い出す粘液です。
たんが黄色っぽくなったら、細菌に感染している証拠です。


発  熱
ウイルスや細菌は体の臓器に感染し、そこで炎症を起こし増殖し始めます。
ある一定の量まで増えると炎症を起こした部分から、発熱中枢を刺激する発熱物質がたくさん出てきます。
熱が上がっていくと、ウイルスなどに対する力(免疫)が体の中に作られ、どんどん増えていきます。
免疫力が高まると、やがてウイルスなどが力を失い、病気が治っていくのです。
ウイルスは、37度ぐらいで最も増殖が活発になり、39度ではほとんど増殖できない状態になります。
発熱はウイルスを増殖させないための一種の防御反応なのですから、素人判断で解熱剤を飲むのは危険です。
医師の指示に従うようにしましょう。





★これまでと違う症状が出たら、もう一度病院へ!★

一度病院で診てもらっていても、前と違う症状が現れたときは、もう一度診察を受けましょう。
特に以下の場合は急を要します

○意識がはっきりしない     
○けいれんがある
○嘔吐・下痢が強く、尿の出が悪い
○息をするのが苦しそう






インフルエンザ 普 通 の 風 邪



 39〜40度の高熱。

 頭痛、筋肉・関節の痛み、倦怠感
 などの症状から始まる。

 鼻みず、せき、のどの痛みなど
 呼吸器系の症状が遅れて出てくる。

 症状が悪化する。

 大体症状が治まるまでに1週間ほど、
 完治するまでには10日〜2週間ほど
 かかる。


 平熱〜37.5度。

 くしゃみや鼻みず、のどの痛みなど
 呼吸器の症状から始まる。

 呼吸器症状の他、ウイルスによっては
 胃腸症状などが起こる。

 症状が徐々にやわらぐ。

 発病後3、4日で熱は下がり始める。
 約1週間で完治するのが一般的。







 インフルエンザの患者がせきをする
 と、空気中にウイルスがばらまかれ
 それを吸い込むとウイルスに感染す
 る。


 空気感染するため流行しやすい。

 風邪をひいた人が、ウイルスのついた
 手で物を触ると、そこにウイルスが付
 着する。
 その場所を介して、ウイルスが広がっ
 ていく。(接触感染)

 空気感染はしない。





風邪のウイルスはこんなに飛ぶ!


せ き の 場 合        くしゃみの場合
距離 3.5メートル 距離 5メートル
速さ 時速160q 速さ 時速290q





インフルエンザ予防法

ウイルスに感染する機会を減らすことと、ウイルスに負けないように環境や体調を整えることが大切です。
乳幼児は家族から感染することが多いため、家族そろって予防策を!!




@帰宅したら洗顔・手洗い・うがいを忘れずに
流行しているときは、外出するたびに手、顔、衣服にウイルスが付着してしまいます。
外出から帰宅したら石けんを使って、手と顔を洗ってウイルスを落としましょう。



A人混みを避ける
デパートや電車など、人の集まるところにはウイルスもいっぱいいます。
この時期の赤ちゃんや小さな子どもを連れてのお出かけはできるだけ避けましょう。
どうしても外出するときは、込まない日時を選び短時間で済ませるように心がけて。



B温度・湿度を適切にコントロール
ウイルスの活動を抑えるには、部屋の温度と湿度を適切に保つことが大切です。
室温は20度前後、湿度は60%前後を目安に調節し、1時間に1回は窓を開けて新鮮な空気と入れ替えましょう。
洗濯物を室内に干すだけでも部屋の湿度を上げることができます。
加湿器を使うなら掃除をこまめにして衛生的に。



C規則正しい生活リズムを
体力がないとき、疲れているときは、インフルエンザにかかりやすくなります。
流行の始まる年末年始は、生活のリズムが乱れがちな時期。
規則正しい生活リズムで、食事や睡眠をきちんととって体調を整えましょう。



Dインフルエンザワクチンの接種
インフルエンザのワクチン接種を受けると、インフルエンザにかかっても症状が軽くて済み、早く回復します。
とくにまだ予防接種を受けられない6カ月未満の赤ちゃん、卵アレルギーで接種できない赤ちゃんがいる場合は、家族が予防接種を受けておくことが、赤ちゃんの予防にもなります。
また、お年寄りや他に病気がある人やその家族の人は、積極的に予防接種を受けましょう。


E積極的な水分補給を
冬は空気が乾燥します。風邪ウイルスは乾燥に強く、空気中で元気に活動します。
しかし、人のからだは乾燥に弱く、鼻やのど・気管支の粘膜が乾燥するため抵抗力が弱まり、風邪をひきやすくなります。

子どもやお年寄りは特に水分不足になりがちです!
乾燥からからだを守るために、積極的な水分補給が大切です。





からだの乾燥サイン

・のどがイガイガする
・唇がカサカサする
・顔がつっぱる
・手がかさつく など

子 ど も お 年 寄 り

からだの機能が未熟。

からだが小さいため、成人に比べて水分量
が少ない。

すぐに熱が出たり、下痢や嘔吐などを引き
起こしやすい。



体の機能が低下。

からだを占める水分の割合が低いうえに、
機能の低下によって水分を蓄えることが
できない。

のどの渇きを感じにくくなる。

トイレに行くのを嫌うために、水分をとる
のを控えてしまう。





インフルエンザのワクチンについて

感染を防ぐ有効な手段は予防接種だけ。


ここ数年インフルエンザの流行が続き、5歳以下の乳幼児が年間200人も合併症で命を落としたという報告があります。
冬に流行するインフルエンザは、脳炎や肺炎など命にかかわる合併症を起こすこともあり、抵抗力の弱い赤ちゃんにはとても怖い病気です。
A型インフルエンザに効く薬ができましたが、1歳未満の赤ちゃんにはまだ使えません。感染のリスクを抑え重症化を防ぐには、適切な時期に予防接種を受けるしかないのです。6カ月未満、卵アレルギーがある(ワクチンにはわずかながら卵の成分が含まれているため、ワクチン接種によりアレルギー反応を引き起こす可能性がある)など、接種できない人がいる家庭では、家族が予防してうつさないことが大切です。
接種する回数は、中学生以上の子ども、大人、お年寄りは1回、小学生以下の子どもと乳幼児は、間に2週間以上あけて2回接種すると効果が上がります。

インフルエンザは12月下旬から1月にかけて流行し始めます。
流行期までに免疫をつけておくには、11月中に1回目の接種を済ませることがポイント。
赤ちゃんはインフルエンザの免疫がまったくないため、2回の接種が必要です。
接種間隔は1〜4週間ですが、3週間以上あけるとより効果的です。
遅くても12月上旬までには2回目を済ませましょう。
ワクチンの効果が十分に得られるのは、2回目接種の4週間後からですが、2週間以降からある程度の効果は出始めます。
ワクチンの効果は、免疫がついてから約5カ月間続きます。
医療機関によって接種料金が異なるので、事前に確認をしてください。

予防接種をさけた方がいい人・・・
ワクチンの原料である卵に対して、アレルギーがある人、急性の病気にかかっていたり発熱している人など。
副作用を心配している方もいらっしゃると思いますが、後遺症を残すような副作用は、100万人あたり0.36人、死亡は同0.06人ときわめて低くなっています。
その意味では、他のワクチンに比べて安全性はずっと高いといえます。




インフルエンザと合併症


気管支炎
最初は乾いたようなせきが出て、胸が痛くなることがあります。
しだいにせきがひどくなり、吐いたり、ゼーゼーと息が速くなる場合もあります。 数日後には、せきが黄色いたんを伴い、ゴホゴホという湿ったせきに変わります。2歳以下の赤ちゃんでは、たまったたんを吐き出しにくいのでゼロゼロすることもあります。
気管支が狭くなるため、息を出すときにヒューという音がして呼吸が苦しくなったり、肺炎に進行することもあります。
5〜10日たつと、せきは徐々に少なくなります。熱は、出る場合と出ない場合とがあります。


肺  炎
インフルエンザを発症してから高熱が5日以上続き、せきがでるときは肺炎の疑いがあります。
肺炎はウイルスや細菌が肺に侵入して炎症を起こす病気です。
ウイルス性肺炎は、たんがからんだせきが長く続くのが特徴で、悪化すると呼吸困難を起こします。
ウイルス性肺炎の中では、インフルエンザウイルスによる肺炎が最も重要です。お年寄りや慢性呼吸器病のある人では重症化しやすく、また細菌感染によって細菌性肺炎に移行しやすい。
細菌性肺炎は、4日以上の高熱が続き、ぐったりして青白くなります。
激しいせきと、呼吸が速く苦しそうになるのが特徴です。 



熱性ケイレン
感染症で高熱が出ると、ときには熱性けいれんを合併します。
例えばインフルエンザにかかった乳幼児では、5%程度が熱性けいれんを合併するという調査結果も出ています。
熱が急激に上がるとき、高熱の前ぶれとしてけいれんを起こします。 大人は熱が出る前には寒気や震えを感じますが、赤ちゃんや子どもは けいれんという大きな反応を示すのです。
熱が上がりきってしまうと、ひきつけは起こりません。
発作を起こすのは6カ月頃からで、5〜6歳頃までには起こらなくなり後遺症は残りません。
インフルエンザ脳症の症状として起きるけいれんの場合は、10分以上続く、繰り返し起きる、けいれんが治まっても意識がないのが特徴。
すぐに救急車を呼びましょう。
熱性けいれんの場合も早めに受診を。 



脱 水 症
インフルエンザにかかると、体力が落ちて食欲がなくなります。
普段に比べ水分を摂る量が減るばかりでなく、下痢や嘔吐、発汗によって体からもたくさんの水分やミネラルが失われます。
このようになると内臓の働きが悪くなり、重症になるとおしっこが出ない、目がくぼむ、意識がはっきりしなくなるといった症状が現れます。
乳幼児は簡単に脱水症に陥るので注意が必要です。



急性中耳炎
インフルエンザの合併症ではいちばん多く、のどや鼻についた細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入り炎症を起こす病気。
中耳に膿がたまると鼓膜にかかる圧力が高くなるため、耳が強く痛むのが特徴。
炎症が進むと鼓膜が破れて耳だれが出ます。耳だれが出ると痛みや熱は治まりますが、慢性化しないように治療することが大切です。
子どもの耳管は太く短くのどに近いので細菌が中耳に入りやすい。



筋  炎
こむら返りに似た症状。
発熱とともに両足の腓腹筋(ひふくきん)に痛みを感じ、立てなくなったり、つまさき立ちになったりします。
予後には心配はなく怖い病気ではありませんが医師による治療が必要です。



心 筋 炎
ウイルスの感染で心筋が炎症を起こし、心臓の働きが低下し突然死につながることがあります。
心筋全体がはれて心臓が肥大します。
発熱やせきなどの風邪症状のあと、数日から1週間くらいの間に、動悸や息苦しさなどが現れ嘔吐することもあります。
重症になると全身にむくみが出て、意識がはっきりしなくなります。
逆に症状がほとんど現れず、そのまま治ってしまうこともあります。



髄 膜 炎
脳脊髄をとりまく硬膜、くも膜の炎症。
細菌性髄膜炎は、発熱や激しい頭痛が起こり吐き気や嘔吐が見られます。
乳児では何となく元気がない、ぐったりするという症状で特徴的な症状は少なく、その後に大泉門がふくらんできたりします。
幼児期以降では、首の後ろの項部(うなじ)が張ってかたくなります。
意識が低下したり、物が二重に見えたり、けいれんを起こすこともあります。体の片側が麻痺する片麻痺を生じ、後遺症が残る場合もあります。
ウイルス性髄膜炎は、無菌性髄膜炎の大半を占め細菌性と同様の症状が出ますが、症状に応じた治療でほとんどは後遺症を残さずに治ります。



インフルエンザ脳症
インフルエンザが原因で、日本の乳幼児の1万人にひとりが急性脳症を発症。インフルエンザに合併する急性脳症。
インフルエンザにともなう急性脳症を発症した患者のうちで、その3分の1が死亡、3分の1に重い後遺症を残し、残り3分の1は治ります。
高熱後1〜2日以内に突然長いけいれんを起こして意識障害が出たときは、インフルエンザ脳症の疑いがあります。
脳症を合併するときは、ほとんどはじめの日か2日目に起こっています。9割がけいれんを起こし、けいれんする前にも奇声を発する、意味不明の言動、ふらふらするなどの異常が見られます。
脳といっても、ものを考えたり、手足を動かしたりする大脳と呼吸や循環など生命に関係する延髄などの脳幹とでは症状も随分違います。脳幹に異常が出る急性脳症では、けいれんは短いものの早期に重体となり死亡する例が多く、大脳の異常ではけいれんが長く続き命は助かるが後遺症を残す傾向があります。



急性脳症
細菌やウイルスが感染して、脳がむくむ病気。
発熱することが多く、嘔吐や下痢を伴います。そのうち急にけいれんを起こしたり、意識がもうろうとしたり急に倒れたりします。
意識障害やけいれんは治りにくい傾向があり、運動機能が失われたり知的障害が生じる場合があります。


ライ症候群
炎症をともなわないで、脳にむくみが生じる病気。
ライ症候群は、脳症の他に全身の臓器に脂肪沈着を起こします。
水ぼうそうやインフルエンザなどに続いて発症する場合が多く見られ、嘔吐、意識障害、けいれんが起こり、肝臓・腎臓・心臓などの全身の臓器が侵されることもあります。

(注)
ライ症候群は、解熱剤(アスピリン等・サリチル酸製剤)を服用していた人で、風邪症状や水ぼうそうにかかって何日かした後に発症する急性脳症。
平成10年、アスピリン等サリチル酸系医薬品について、15歳未満の水ぼうそう、インフルエンザの患者に対する投与を原則禁忌とする措置がとられています。


ギラン・バレー症候群
( 急性多発性神経炎 )
自己免疫異常のひとつで、末梢神経に対する抗体が血液中に出現し、神経の機能を一時的に麻痺させてしまう病気。
風邪の症状が起こってから1週間ほどして、足が重い、しびれるというような症状がある日突然始まり、数日のうちに手足が動かなくなります。
重症の場合は呼吸の麻痺のほか脳神経にも麻痺が及び、顔面神経麻痺なども加わることがあります。
そのほか、物を飲み込みにくいといった症状も起こることがあります。知覚の麻痺は軽いことが多く、手足の先端に軽いしびれがあるだけです。
運動症状は数週間で回復し始め、しだいに麻痺が治ってくるのが普通です。
麻痺が回復するまでの間に、肺炎などの合併症を起こさないように注意すれば、やがて病気は治っていきます。
早期に診断をつけてもらうことが大切ですから、疑いがある場合早く神経内科など専門医を訪れる必要があります。