【中山豊議員の質問】(10月16日)

1、南海光学工業(株)の土壌汚染
 県への報告遅れは問題
中山 
有機系化学物質―ジクロロメタン、トリクロロエチレン、シス一・二ジクロロエチレン等五品種―によって、工場内の土壌が化学物質に汚染されていることが、判明したことへの対応、すなわち県への報告がかなり遅れたことの理由は何であったのか。

■ 道浦環境生活部長
 南海光学工業株式会社の報告では、社内で対策を含めた対応を検討したために時間を要したという報告を受けている。

 地下水汚染の恐れ、調査結果はどうか
中山 
この地域の地下水脈の状況はどうなのか。地下水脈の調査、実態状況、これらに対する疑問の解明に当られるよう強く望んでおきたい。

■ 道浦環境生活部長
 事業所を中心に半径五百メートルの範囲内のすべての井戸四十四本を対象として調査を実施した結果、すべての井戸が、地下水の環境基準を満足しており、井戸水への影響はないと判断している。次に河川、水路の汚染調査について、当事業所の周辺二水路、四地点を調査した結果、いずれの地点においても環境基準を満足している。

2、農林水産業まつりについて
中山 
 農林水産まつりとなっているが、農業振興課の予算で水産課の業務ができるのか、疑問をもつ。まつりの実際からみても水産はつけたしというほかない。かつては競輪場で開催されたことを考えると、良好なものになった(マリーナシティで開催)が、都市住民にどれほどアピールし、宣伝したか、どう評価しているのか。

■ 島本農林水産部長
 インターネット、「県民の友」、テレビスポット、ポスター等の各種メディアを通じて近隣の都市住民へ積極的に宣伝した。その結果、開催地の和歌山市をはじめ周辺地域から約四万人の方々が来場され、一定の成果があった。

 山村の抱える課題に応えたものに
中山 
今日の和歌山県の農林業が抱えているテーマが会場に反映されていなかったのではないか。山村産業試験場からのテーマが印象にのこるものであったが、これこそ、山間の生産者のやる気をおこさせるものであった。山村地域の産業おこしにどう寄与するかという立場から、農林水産業まつりを考えるべきではないか。

■ 島本農林水産部長 
 まつりの開催計画に当っては、農業、森林、漁業共同組合初め、関係機関や農業士会、生活改善友の会などの各種団体からなる農林水産業まつり委員会で協議している。会場の各ゾーンの展示等については、情報関係や試験研究の紹介など、生産者のみならず、県民の関心の深い環境や情報などのテーマもっとり入れ、実施をしてきた。
中山 
水産関係の部分が希薄でなかったか。

■ 島本農林水産部長
 県民の方々に水産業の置かれている状況なども理解していただけるような展示内容のイベントとするよう創意工夫を加え、積極的に展開したい。

3、米価の下落責任は政府の米政策に
中山 
 外米の輸入と自主流通米の入札の値幅制限廃止が大きな引き金になり、収穫のまだ終わらないうちに、来年の減反が五万ヘクタールの追加が報道されている。減反の目標達成へ、上乗せ助成が打ち出されようとしているが、米価の崩れは、米を市場原理にゆだね、自主流通米の値幅制限まで取り払った政府にある。このような政策がつづく限り、生産者の意欲は失われるばかりだ。十三年度の米の生産調整対策と、それをうけての今後の県の考え方について

■ 島本農林水産部長
 今後とも関係機関と一体となり、農業者の理解と協力を得ながら生産調整の推進に努めるとともに、地域の立地条件を生かした園芸作物の定着による高収益農業の展開と良質米の計画的生産を組み合わせた水田農業の確立を図っていきたい。

4、道路問題について
中山 
 国道三七〇号線阪井地区内バイパス計画と野上中から野上町にむけての鉄道線路敷の活用計画の取組み状況。

■ 大山土木部長
 国道三七〇号線阪井バイパスについては、平成二年に都市計画決定に向け計画案を公告縦覧したところであるが、反対意見が多数のため、都市計画決定に至らず今日に至っている。海南市をはじめ地元役員の皆様のご協力を得ながら都市計画決定に向けて、努力する。
 県道奥佐々阪井線のバイパス事業については、現在、海南市野上中地内から野上町小畑地内の厚生病院までの約一・六キロメートル区間と野上町下佐々地内の唐渡瀬橋から楠木公園までの約〇・九キロメートル区間の整備を進めているところだ。その中で、海南市域分については、残る用地買収物件が三件となっており、今後とも、海南市並びに地元関係者のご協力を得ながら事業促進に努める。

中山 
阪井地区内現道の維持、補修について

■ 大山土木部長
 国道三七〇号、海南市坂井地内における現道の損傷についてだが、その原因は、下層コンクリート舗装の亀裂によるものだ。これを解消するには、下層のコンクリートを除去し、新たな舗装を行う必要があるが、コンクリート破砕の夜間作業に際して、騒音等の問題もあるため、海南市はじめ関係者のご協力を頂きながら地元調整を行って参る。

中山 
国道424号北野上地区内の歩道(通学路)設置について
■ 大山土木部長
 当該区間は、交通量が多く通学路となっているところから、歩道の設置は必要であると認識している。平成六年度に歩道設置事業を行う予定で、地元の皆様のご協力をお願いしたところだが、ご理解は得られていない。今後は、海南市をはじめ関係者のご協力を頂きながら、地元の皆様のご理解を得られるよう努める。