中山豊議員(12月11日)               2000年12月議会表紙に戻る

 【1】里山文化を豊かにする樹種の増殖
 耕作を放置された農地を借りて、水をため、苗代のようにして自然の回復を試みている。予想以上の結果をみることができて、自然は条件さえ整えば回復し、破壊さえしなければ保全できるとの確信をもっている。
 カヤ、ケンポナシ、ムクロジ、カリン。「紀州木の国」といわれる和歌山は、すばらしい木材を生産して豊かな財をなしただけでなく、南紀熊野にむけて豊富な樹種におおわれ、あるいはその恵みが川や海に及び、漁業をさかんにしてきた。
 山は豊富な樹種に満たされることが不可欠であり、人の力を借りなければ増殖しえない木もある。それらの木がことのほか、里山文化形成に重要な役割を担っていることを考えるにつけ、民俗性の薫り高い里山文化を再生し、保持していくため、林業センターの支援をお願いしたい。
 ■島本農林水産部長
 林業センター林木育種場では七十二種の広葉樹を育成している。なおいっそうとりくむとともに、環境、教育など他の分野との連携も深めて、里山林をはじめとした森林とふれあえる機会づくりなどにつとめていきたい。


 【2】「IT革命」について
 ITの成果を国民の生活向上に役立たせることは、政治の姿勢に大きく関係すると考える。情報格差がますます広がり、急激な進展についていけない、置いていかれる多くの人が生まれるのではないか、危惧するところだ。とくに、高齢者、障害者については気になるところであり、県として情報格差の解消をどのようにすすめていくのか、県民すべてが新しい技術の恩恵に浴することができるようにどんな対策を考えているのか。
 IT革命によって新しい雇用が生まれることが期待されるが、失う人も多いとされる問題にどう対応するのか。
 パソコンの活用で障害者の活動範囲や知識を飛躍的に拡大できる力を発揮している例があると聞く。障害者への支援は行政の責任で進める必要があると考えるが、人材育成や体制への考え方を聞きたい。
 ■木村知事
 在職者のIT職業能力訓練をおこなう事業主への支援、離転職者の再就職のための情報技術取得訓練を展開していく。障害者支援では、講習会の開催、研修会への参加促進などにとりくんでいきたい。


 【3】海南市の上水道移管問題
 一九七一年以降、県営紀ノ川第一工業用水道が海南市上水道への給水となっている不正常な状態にある。県の工業用水の水利権を移管し、海南市が取得することが正常化のかなめだ。正常な状態にしたいと、県、海南市双方において努力されているときくが、
今後のとりくみについて、ききたい。
 海南市は未給水地区に給水したいとの考えを長年もっている。このため新しい水源の確保が何よりも肝要だ。見通し、支援についてききたい。
■辻企業局長
 使用目的にあった工業用水道事業法にもとづく適正化のため、海南市に移管の申し入れをおこなってきた。移管後の送水管工事に多額の投資が必要なことなどから移管に至っていない。
  
■安居企画部長
 現状の正常化を前提として、海南市が大滝ダムにダム使用権を確保することで、海南市、建設省等の関係機関との協議をすすめている

                           12月議会表紙に戻る