●県や市への住民要求アンケートの結果から
◇金田私どもが新宮市の全世帯を対象に13項目の「県や市への要求アンケートのお願い」を実施したところ、市内全域から505通の回答(8月20日現在)をいただきました。回答総数のうち、各項目に○印された以外に御意見を記入された方は433名にのぼり、県政や市政、そして共産党に対する疑問や提案を含め色々な意見や要望があり、勿論厳しいご意見もありました。

 この結果は資料としても貴重なものであり、市民の方々の日頃からの政治に対する思い、くらしに対する意識の高まりを表すものではないかと思い、「住民こそ主人公」の政治実現の立場で、この結果から質問していきます。

 

〜新宮港第2期工事はムダな公共事業〜
◇金田−新宮港第二期整備事業(佐野湾埋立て)について、アンケートでは「必要だ」「期待している」は、合わせて44人。「無駄だ」「自然破壊だ」を合わせると464人(複数回答あり)でした。佐野湾埋立を決定した1997年当時から、この事業は将来の見通しもない自然破壊のムダな港湾事業であり、売れる見込みない土地造成によって多額の借財を後世に残すだけの整備開発計画ではないかと云われ、現在でも中止を望む声は根強くあります。

  現在の新宮港は主に木材の中継基地として1979年S54に供用を開始し、5つの岸壁がありますが取扱貨物量は、93年(H5)の103万dをピークにして2000年は59万dと4割以上大幅に減少しています。それでも、第二期整備後の計画貨物量は187万dと想定されており、2000年の3倍です。

 その取扱貨物の品目の1つである、製紙の原料チップは2000年の取扱量7万dに対し、計画は72万dと10倍を増える無謀ものです。この72万dは、今の新宮港の総貨物量を超えるものであり、製紙産業も不況から市内にあった巴川製紙も王子製紙も撤退しており、あまりにもかけ離れた数字です。そのチップは、現在新宮港を利用していない三重県の紀州製紙が、新たに利用する事を期待するもので、三重県の一企業の利用を見込んだ港に和歌山県だけが莫大なお金をつぎこむ事も理解できません。

 貨物の取扱量は減少し、過大な取扱量の計画は破綻しているのですから、当然貨物量の見直しが迫られていると考えますが、当局の見解をお聞きします。

 また、仮に耐震性の岸壁が必要だとしても、この状況では今ある岸壁を改修すれば解決する問題であり、佐野湾を埋立て新たに耐震岸壁を含む3つもの岸壁を新たにつくり、工業用地を造成する事業は必要ではなかったと思います。

 また、港の埋立地17万uの生産活動による経済効果を期待していますが、u単価3万3千円ではどれほどの企業の進出が期待できますか。さらに、当初計画とは違って港の背後にあった巴川製紙が撤退し跡地15万uが新たな工業用地として誕生し、土地は余っています。これでは、埋め立てた工業用地が売れ残り、この事業が地域経済の活性化とは逆の方向に進むことが懸念されます。

 さらに、県も新宮市もかねてから重要港湾昇格を要望していましたが、全国の重要港湾が地方港湾に格下げになる状況では実現されていません。この様に、新宮港を取り巻く環境は悪化し、ムダな公共事業となっています。

 しかし、埋立も進み、岸壁もほぼ出来上がっており、いまらさ港本体の工事の中止は無理だと思います。事ここに至っては、例え自然破壊の無駄な公共事業だったとしても、新宮港が釣り堀公園化し、工業用地にペンペン草がはえるのを避けるために、新たな振興策や利用計画が必要だと思います。

 例えば、今後すすめられる100億円の防波堤工事は、中止も含め再検討し、そういった財源で震災対策のための備蓄基地を紀南地域のあちこちに作ることも1つの案です。県は耐震岸壁の重要性を強調しますが、地震で仮に港が壊れなくても、そこにアクセスする道路が確保できるかはなはだ疑問です。海岸沿いの国道や大雨でよく崩れる国道168号が、南海地震でそのまま通行確保が出来るとは考えにくい事です。災害時のことを考えるなら、相当長期のライフラインの途絶にも対応できる、備蓄基地を整備した方が、よっぽど効果があると思います。 しかし、新たな計画の前提には今までの計画を検証し、見通しの甘さやムダについて、反省し原因と責任を明らかにすることが必要です。そうしなければ、過ちを繰り返すことになります。

 そして、その総括と反省の中から、佐野湾埋立事業に反対や不安を持っていた地域の方々が協力できる環境が創れると考えます。当局の見解を求めます。

 もし、そうでないとするならば、何を根拠に貨物量が増え、生産活動による経済効果及び雇用促進の効果などが期待できるのか、具体的にお答え下さい。

 この項の最後に、新宮港に関連して住民から、「港の埋立や防波堤の設置の影響で、台風が来る度に、佐野川河口に押し寄せる波が高くなって、川の水位を上げている」との心配の声がよせられいます。潮の流れや浸食の状況調査、浸食に対する対策が必要だと思いますが、県の考えをお聞かせ下さい。

 

○木村良樹知事―企業誘致による雇用の創出や物流の効率化による地域経済の活性化を目指す。地域の特性に応じた進出企業や活用方法を真剣に考えねばならない。

○大山耕二土木部長―計画貨物量の実現に向け、新規貨物の獲得や新規企業の誘致などに精力的に取り組んでいる。佐野川河口部には環境に配慮した緩傾斜護岸を整備する計画である。

 

〜休日夜間急患センターの早期設置を〜
◇金田県民が「いつでも」「どこでも」「等しく」保健医療サービスを受けられるようにする事は県の基本理念です。 県民一人一人の命の重さは同じであり、その生命と健康に関する県の施策も公平に行われるのは当然であり、不公平であるならば県行政の怠慢であり、県民の不幸です。こうした、不幸は直ちに解決すべきです。 県の保健医療計画では、県下の7つの保健医療圏で休日・夜間急患センターを整備するとあり、昭和49年から那賀・和歌山・伊都・有田・御坊と設置され、平成7年に田辺広域休日急患診療所と6つの保健医療圏に設置されました。しかし、新宮圏域には未だ設置されていません。早期設置を求める私の質問に、2000年9月議会では「今後とも休日夜間の診療体制が未整備な地域の整備を促進する」とし、2001年2月議会では「振興局を中心として、圏域内での医療に関する課題の中で検討していく」との答弁でした。

 私どものアンケートの結果も、「必要だ」と答えた人は428人・85%と急患診療所の設置を求める声は圧倒的で、「不必要」はわずか5人でした。住民は急患診療所の設置を強く求めています。

 現在までの取組状況と、今後の見通しについてお答え下さい。

 

○白原勝文福祉保健部長―「新宮保健医療圏医療体制検討会」を設置し、検討をすすめている。県としても設置に向け積極的に推進したい。

 

〜熊野の自然と生活環境を守れ〜
◇金田この項3番目の、熊野の自然と健康を守る環境行政の実現についてです。

 アンケートの結果では、熊野の自然や環境について、「関心がある」「少し関心がある」を合わせて354人・70%で、「あまりない」が30人でした。

 熊野古道の世界遺産登録について、「賛成」は227人・45%、「反対」は40人で、「わからない」と答えた方は127人・25%と少し残念ですが、自然や環境について関心は高いと思われます。

 世界遺産登録にも関連して熊野川沿いの不法投棄の撤去について、特に白見の滝付近の埋立や投棄は、自然公園法にも廃掃法にも河川法にも違反しており、撤去にむけて一層努力され早急に解決して下さることを、強く要望します。

 さて、新宮市松山での環境破壊の恐れのある産業廃棄物の建設業者の自社処理については、この議場で写真も示し何度も取り上げてきました。焼却炉の使用方法やその燃えがらの処理、また産業廃棄物の処理が適正に行われていたのか、8月8日の立入調査の結果から実態を明らかにして下さい。

 また、業者から改善計画書は提出されましたか、その計画も含め今後の取り組みについてお答え下さい。

  この業者が関わって、9月7日に新宮の地方新聞に広告がなされました。その広告の内容は「平成14年5月30日に建築リサイクル法が施行され、…残念ながら、排出者の名において廃棄物を適正に処理しなかったり、不法投棄などで生活環境の汚染と業界の信用を傷つける行為が今なお後を断たない」とし、「環境への社会的責任を負う業界の社会的、経済的地位の向上と地域の生活環境の保全など公共福祉の増進に寄与することを目的とした、新宮圏域解体工事業組合を設立した」と云うものです。同じ日に、和歌山県解体工事業協会を同じ業者が新宮に住所を置いて設立したと和歌山市で新聞広告されました。

 この設立に行政はどの様に関わっているのか、今後建設廃棄物のリサイクルが積極的に推進することを願う立場から、お尋ねします。

 

○秋月成夫環境生活部長―松山の業者に対し、八月八日立入調査を行い、判明した不適正な処理については期限を付し適正に処理するよう指導した。

○大山耕二土木部長―和歌山県解体工事業協会は任意に設立された民間団体で、行政として関与する立場にはない。

 

〜納得できない同和対策事業(中小企業高度化資金)〜
◇金田第4項目の、納得できない同和対策についてですが、アンケートの結果では、「同和対策はやめるべき」に○印した人は241人で、「推進すべき」の11人を大きく上回っています。同和貸付金の滞納や同和啓発事業に多くの意見があり、「法的には終わった」と言っても、今もってスッキリしない人が多くみられます。 だからこそ同和行政の「負の遺産」の1つである中小企業高度化資金の多額の滞納問題について、納得できる対策が必要です。不透明な「同和融資」の解明は同和問題の真の解決と、県政の民主化のためには不可欠であると思います。

 高度化資金の滞納額は、12年度の74億円から13年度は107億円へと33億円も増え年々悪化しており、返済率が一割以下の組合が8つもあるなど、こんなに不良債権化している融資制度が他にあるのでしょうか。

 しかし、議会での質問に対し県は「情報は非公開」と消極的立場で、倒産して不良債権化した組合についても具体的な答弁はなく、到底納得出来ません。

 そのため、6月27日付けで公文書開示請求を行いましたが、貸付先名・実行年度・資金種類が消された数字だけの資料が開示されただけです。(資料1参照)

 開示を求めたのは、「中小企業総合事業団に報告している中小企業高度化資金貸付にかかる平成13年度延滞貸付先一覧表のうち、すでに廃業している件」であって、営業している組合への開示請求をおこなっているものではありません。 「貸付先名、実行年度、資金種類」が明らかにされなければ、実態を正確に把握し、同資金に係る県行政の執行が適正なものであったのかどうかさえ知ることはできません。

 この高度化資金は、総事業費の80%を国と県が無利子で融資し、20%が自己資金です。その自己資金について、和歌山県信用保証協会が関与している場合が多く、高度化資金の滞納とあわせ、返済が滞ってることが危惧されます。

  次に、8月7日付けで、先の開示請求の対象となっていない、「中小企業総合事業団がすでに償却済みの協業組合にかかわる交渉経過に関する文書類」の公文書開示請求を行いました。しかし、これも貸付先名などを塗りつぶした資料が開示されただけです。(資料2参照)

 14年も前に倒産し競売も終わり、中小企業団が償却処理し、県の貸付金1億5900万円が回収不能の状態、すなわち県民のお金が返されない状況だのに、既に存在しない組合名すら知らせないのでは、行政の姿勢が疑われます。

 倒産し不良債権化した組合の利益と、公費の支出の適否を県民に明らかにする公益性をハカリに掛けたら、当然県民の公益性を優先させるすべきです。それが、行政の責任ある姿です。

 この延滞貸付先状況表を見ると、貸付金額の6億7999万8千円に対して、延滞金額は4億8949万1732円です。その延滞金の事業団分3億3040万3千円は平成8年3月に回収不能として中小企業団が債権償却していますが、残り1億5900万円は県の債権として残っています。返済された額は、貸付金額から延滞金額を差し引いた額1億9050万6268円となりますが、その額は昭和63年10月4日の競売による配当受領額1億9050万6268円と一致し、この組合から競売するまで県に1円の返済もなかったことがわかります。

 こんな状況であっても、この組合の事業計画について厳正な審査が行われていたと云うのですか、お答え下さい。

 また、協業組合名すら明らかにされていないので断定はできませんが。(誤りがあれば指摘して下さい)この組合の総事業費は8憶5千万円で、その内の80%6憶8千万円は県の融資で、残りの20%のうちの15%1憶2750万円は市の同和産業構造改善資金の融資であり、残り5%の自己資金4250万円に信用保証協会が関与していたと思われます。そして、県にも市にも1円の返済もしないまま倒産し、土地や建物などが競売にかけられたと見ることができます。

 融資総額8憶5千万円に対して、競売落札価格は2憶3085万円で、三分の一と云う事は、バブル崩壊の前でもあり常識的に考えたら担保価値以上の過剰融資なかったですか、そうした融資をおこなった県に何の落ち度もないと考えているのですか。お答え下さい。

 同じ様なことが、他の組合でも考えられます。県は、自身がおこなった中小企業高度化資金に関する活動の内容を隠すのでなく、情報を県民と共有し、社会的な世論を高めて、延滞の回収を促進する立場にたつべきです。知事は先の議会で「今後その焦げつきについて、ガラス張りの中でどのように県民の方々の納得を得ながら回収をしていくかということが大きな問題」としていますが、しかし現状はこうです。今後、どのように県民の前に明らかにされるのかお答え下さい。

 この問題は、昨年の12月に新聞で、複数の元融資担当者が「同和対策事業としての側面が重視され、採算性だけで判断できず過大な融資を認めた案件が多かった」していると報道されましたが、県の認識と一致しますか、お答え下さい。

 

○木村良樹知事―廃業していても法人格が残っており利益を害する恐れがある場合は、開示にも慎重を期すべきである。開示への異議申立てについては、情報公開審査会に意見を求める。

○石橋秀彦商工労働部長―貸付審査は適正におこなわれ、個別案件を見る限り事務手続き上問題はなかった。

 

〜佐野川・荒木川の早期改修を〜
◇金田第5項目の、佐野川・荒木川の早期改修についてですが、アンケートに寄せられた個別要求で多かったのがこの問題です。当地区の浸水被害は年に2〜3回発生し、流域一帯は常に浸水の被害を受け、特に昨年9月30日には、佐野会館に避難しなければならないほどの大きな被害を受けました。

 蜂伏の住宅化が進み、県立みくまの養護学校や看護学校だけでなく、保育園や中学校や高校など多くの公的施設があり、新宮医療センターが診療を始めましたが、佐野川・荒木川の浸水で救急車両が通行出来ない状態が生まれており、道路の冠水による交通の遮断は生命にも関わる重大問題です。

 二級河川の佐野川3.6kmは、1974年(昭和49年) から県の単独事業として改修事業が開始されましたが、30年かかって50%の進捗状況です。

 そして、河口より2.1kmまで一部を残し用地買収を終わっていますが、工事費は2000年に2憶5千万円、2001年は1憶5千万円、2002年の当初予算は8千万円と年々減少しており、改修が進みません。 また、荒木川は、900mに対して市道までの間340mが平成8年度で完了してから進んでいないために、地元から「荒木川の早期改修要望書」が知事に出されているほどです。

 何度かこの議場でも要望していますが、その浸水対策がより一層の緊急性を帯びており、佐野川・荒木川の改修と、荒木川上流の砂防堰堤の完成は住民の切実な願いです。県は住民のこの切実な願いにお答え下さい。

 

○大山耕二土木部長― 用地難航箇所がある。地権者の協力を得られれば引き続き改修をすすめる。堰堤一基はすでに完成し、今年度残り一基を事業着手している。

 

●障害者が安心して利用できる支援費制度に
◇金田障害者福祉制度が、2003年4月から大きく変わります。いまは、障害者が福祉サービスを利用する場合、措置制度によって国と自治体がサービスの提供に直接的な責任を負っています。しかし、来年度からは、介護保険と同じように、障害者本人が利用したいサービスを決め、みずからサービス事業者を選んで「契約」するしくみになります。障害者の「契約」にもとづくサービス費用のうち、本人負担(利用料)を除いた費用を、国・自治体が「支援費」として助成し、県下で26351人の利用が見込まれます。

 「支援費制度」の導入を決めた「社会福祉法」は、行政責任を現行より大幅に後退させたため、次のような問題があると思います。

 第1は、福祉サービスの確保は原則として障害者個人の責任とされ、国や自治体は「支援費」の助成など、あくまで第三者的なものとなることです。

 第2は、在宅、施設ともにサービスが圧倒的に不足しており、「自由に選択できる」どころか、新制度発足の前提条件すら欠く現状にあることです。

 第3は、障害者・家族の負担が増大する心配があることです。

 このような問題をかかえ、10月から市町村で申請受付が開始されまが、すでに混乱と不安を生み出しています。新制度の実施がせまったいま、国や自治体が障害者福祉にたいする公的責任を十分に果して、障害者が安心して利用できる「支援費制度」にするための対策を質問します。

 @ 障害者が自立して生活できる「支援費制度」にするには、制度について関係者に周知徹底する極めの細かい対応が求められますが、実態は市町村によって格差があり、県の積極的で親切な対応が求められおり、その対策を伺います。

 A市町村が、障害者の生活実態と要求に見合ったサービスの提供がおこなえるよう、独自の上乗せ措置を積極的に存続・拡充することを支援するなど、現行のサービス水準は絶対に後退させないという、県の決意をお聞かせ下さい。

 B障害者の生活実態を反映した認定が、どれだけ保障できるのか大きな不安があります。市町村は、支給の可否とともにサービスの支給量、支給期間、障害程度の区分(3ランク)を決めますが、最初から家族介護を前提にするのではなく、障害者が地域で自立した生活を送ることができるよう、必要で十分なサービス量を認定すべきです。そして、支給決定の公正を期すために、市町村ごとに、専門的知識をもつ人たちによる集団的な審査体制を確立し、家族や施設職員の声も審査に生かすことが必要です。また、情報提供・相談窓口の体制を充実するとともに、申請待ちではなく積極的に障害者を訪問し、要求を掘り起こす体制が必要です。これらについて、お答え下さい。

 Cどんな新しい制度も、障害者が必要なサービスを受けられなければ、まったく絵に画いたもちです。基盤整備の遅れをどの様に認識し、緊急に打開するのかをお答え下さい。

 D「支援費制度」の対象外となる事業(小規模授産施設、無認可小規模作業所、精神障害者施策など)について、各種補助事業のいっそうの拡充をはかることは当然だと考えますが、県の今後の方針をお聞かせ下さい。

 

○白原勝文福祉保健部長― 制度の周知徹底に努め、必要な整備を図り、対象外施設への助成や精神障害者施策の充実を図る。

 

●新宮市高田地域の道路対策の不安解消を
◇金田最後の質問ですが、新宮市の高田と蜂伏を結ぶ林道高田蜂伏線約13`が、今年度で休止されることになりました。なぜ、今頃との思いです。 平成8年に着工し、平成10年に最初の切り取り面に大きな崩壊があり130b進んだだけで工事が中断し、地質調査が行われました。

 平成12年9月に和歌山県公共事業再評価委員会で審議されましたが、事業は継続となりました。もちろん、事業主体は新宮市ですが、私は12年の9月議会の一般質問で、県からの技術的なアドバイスや工法への配慮、財政的な支援をお願いし、県当局も、技術指導を行ってまいりたいと答弁されました。

 しかし、平成13年には3度も法面崩壊があり、地元住民からも工事に対する不安や疑問の声が上がりました。それで昨年の決算特別委員会で、こう何度も崩壊する場所での工事継続は問題があると、見直しを求めましたが、県は「今度はきちっとやる」と云っているからと工事を継続させました。しかし、結局は法面崩壊が続き環境破壊につながることから、休止し改めて調査するとしています。

 総事業費30億4千万円のうち、4億8千万円が投じられ、県も20%負担しているのに、わずか130b約1%しか進捗せず工事が休止されます。そうした判断も必要な事だと思いますが、何度か指摘もあったのに、何故もっと早く判断出来なかったのかそこが問題です。結局判断を誤り、こんな無駄な税金の使い方をした事の責任は問われます。県はどの様に総括し、対応するのか説明下さい。

 また、高田の住民のみなさんは、生活道路としての林道に期待をしていましたが現実は厳しいものとなりました。それだからこそ、県道高田相賀線への想いは一層強くなっています。高田第1号トンネルの着工と、那智勝浦町への県道の延長に格別のご配慮を強く要望するものです。

 

○辻健農林水産部長―事業再開にあたり、新宮市の改善策に対して様々な角度から技術指導を行いたい。