●生石山ススキ原復元について

◇中山−先に幾度かとりあげたことの結果として申せば、おこがましいところでしょうが、この度補正を組まれて生石山ススキ原復元へ向けて、地元のとりくみに県が支援をおくろうと予算措置されたことは、大変評価をしたい。月並みな言葉でいえば嬉しい。これは単に、とりあげたことの結果を出してくれたという個人的な立場からのものではなくて、

    県がとりくんできたものを保存会やボランティアの皆さんが引き継いでやっている同事業であるところから、県は手を引いたのではないという強い励ましと支援の保証として受けとめられ、激励を与えることになるからです。

    生石山大好きの地元小学校の児童生徒の学習の発展として、大きな展望を与えることになるから

    地元自治体の協同してやろうとする連帯感を促し、強化させることになるから

    中でもふるさとの山を愛し親しむ心の育みは、山にかかわり、山で汗をかき働くことを通じてこそ育まれると思うからであります。

それを促すとりくみとなるからであります。生石山のススキ原復元に、人知れず心を寄せている多くの人々とともにお礼を申し上げ、これが完全に遂行されるまで力添え願いたい。そこで以下おたずねします。

@    これの全体計画について

A    防火水槽設置は、隣接する山に山焼きが及ばないための策の一つだと思われるのだが、山焼きにあたる人的体制はどのようにされるのか。

B    ススキ原復元により、生石山は一大観光資源として活用されることを見通せば、自ら登山道としての役割を担ってくる県道野上清水線の整備が求められる。これらについての御所見を。

 

○秋月成夫環境生活部長―金屋町、野上町等周辺自治体、ボランティア等にも広く参加を呼びかけ、協力しておこなう。安全を十分に確保し、山焼き面積の段階的な拡大など、より効果的な山焼き実施に向け準備する。

○大山耕二土木部長―現在設置している待避所以外でも、地元関係者の協力を得ながら道路整備を進めたい。

 

●農作物被害対策について

◇中山−先の議会でタイワンザルをとりあげ、続いてイノブタ論争を試みるとしてお話を聞いて頂いた。結果、農作物被害を起こしているのはいろいろあろうが、海南地域では大方はタイワンザルとイノブタだと認知されるに至ったのではないか、ということになった。今回はこれに加えて、アライグマを新たに登場させてみたい。今夏にいたって急激に出現し、スイカやブドウなどに被害が出たと話がもちきりであります。次から次へと加害動物の新手(あらて)が登場して、農作物に被害を加える環境をどうみたらよいか、というのが基本課題としたいのであります。

 ある時は人工林で山の内容を変えてしまって、動物の食べるものがなくなり、動物の棲息に適しないものとなったことから、餌を求めて人里近くへ出没するようになった。きのくに線は、紀南の方面で鹿が電車にはねられ、事故死が多発するようになったとの話がありますが、同じ現象とみてまちがいなかろう。しかし昨今の話に山に餌がなくなったから、人里に下りてくるというのは一面的で、動物も学習を積むというか、山にある餌より人里近くにいて、人間が作る農作物の方がうまくて豊富にあるというところに至って、人間の居住圏にまで侵入してくるのだという見方をされる傾向にあるようにも聞くわけであります。

 それとは少し異なると見るのだが、今夏、アライグマという新手が加わったことから、さらに複雑対策化してきているとみるのであります。というのも、アライグマは日本在来の動物でないとのことです。やっかいさが加わるというものです。これら加害者に対して対症療法的な被害対策では追いつかなくなってきているのではないか。 要はこれらと共生関係を保ちながら、人間が好ましい自然環境を保持するために、もろもろの状況をどうとらえ、どう対処したらよいかが問題なのではないでしょうか。これらについての見解をまずは求めたい。

次に、タイワンザルを餌付けして捕獲するとの方針を確定し、そのとりくみをすると踏み出したが、これについての実績というか成果というか、問題などを明らかにする必要があろうかと思うがどうか。そしてこのとりくみは、本年のみにとどまらず、生きものを相手にしてのことだからかなり腰を据えたとりくみになろうと思われるが、どうなのか。また、業者に委託されたとのことだが、今後に備えての問題もあるのではないか。さらには、イノシシ類の被害防止は捕獲することだとのことだが、これがタイワンザルの棲息領域を結果として拡大させてしまうことになったのではないか。

 今まで出現したことのない地域で、タイワンザルを見かけるという話をよく聞くようになったがどうか。例えば船尾山あたりで見かけるようになったとのことです。これは当初の方針とは異なる結果になっているのではないか。餌付けしようとして取り組み始めたが、イノシシ類の対策が加わり当初の期待と異なる結果を引き出してしまったということではないか。とはいえ、依然としてイノシシ類の被害が続出しているが、今年は防護柵を設置するとの支援策を打ち出し考えてくれたようだが、これについて農家の皆さんから意見が寄せられている。

 例えば、モデル地区を設けて、とのことだが、他に被害を拡大しかねないとの話です。まずは地区全体についてどうするかを協議し、しかるべき最も効果的な方策を打ち出させるやり方をなぜしないのか、等様々の意見がある。

防護柵設置についてのコンセンサスのとり方がうまくいってないのではないか。ご意見をうかがいたい。問題は捕獲しきることだと思うが、これらについての対策は、打ち出しえていないのではないか。イノシシ類にしろタイワンザルにしろ満足した対策が打ち出されていない。

 次にアライグマについて。まずは今夏の被害実態を把握されたい。農家の皆さんはこれについて、まだタヌキと言ったり正確な状況認識にはない。被害状況の把握とあわせ、これが何なのかを正確につかむところから始めるべきではないか。犯人は何ものかも混迷状態にある。また、農家の皆さんは被害を当局に申し上げても何等の対策も講じられない、跳ね返りがない、ということのようです。これは大変ナンセンスなのであります。行政への信頼を頭からなくしてしまっていることを物語っているとみるからである。このような状態を克服するためにも、実態を的確に把握するように指導してください。

 寄せられてくる話を総合すると、アライグマは木に登り、作物を荒らす。地上の作物はもちろん、思いもよらない被害を受ける。これに対するに、新手の加害者としての対策は確立していないのが実態。どうされるのか、お聞かせください。

 住民たちは申されます。農作物に被害を加えるのはサルだけではない。むしろサルからアライグマにうつった。サルは人間の生活・生存権をおびやかしかねず、また、家屋・屋根に登り、走り回り、瓦をずれさせ、雨漏りはするようになるは、あまつさえ瓦をめくったり悪さをする。それのみか、家の中に入ってきて仏壇の供物を頂いて、外から帰ったら仏壇の前に大きなサルが座ってにらみ返すという。朝出かけに洗濯機を回していなかったのに、昼帰ったら回っていたり、様々である。

最後、これらについて、かつて高田県議がちょうど二年前に提唱されたことでもあるが、国の委託研究を受けることも含めて、科学的にすすめる調査研究機関を立ち上げる必要を感ずる提起をしてお考えを求めたい。県民のこれら自然環境、中でも人間との共生関係などについてのコンセンサスというか、世論形成の上からも設けてもらいたい。

 

○秋月成夫環境生活部長―地域の実態把握、国や他府県の情報収集に努めつつ、普及センターや市町村等関係者が一体となり効率的な防除対策を推進したい。

 

●県道整備促進

◇中山国道(424号、370号、42号)については今回はおあずけにし、今回は海南市内の県道の実情を述べながら、これらの整備促進について求めたい。海南市内の県道は和歌山野上線、森小手穂線、小野田内原線、岩出海南線、秋月海南線、海南金屋線、海南吉備線、海南和歌山線、さらに海南市は東北部、ことに高津地区の皆さんに深いかかわりのある和歌山橋本線等、それぞれ主要な幹線道であり、まさに地域住民の生活道路であります。

 国道もさることながら、県の管理道路にいたっては大変で、昭和・平成の代にいたっても遅々として手がつけられていない状態にあるのが実態であります。またこのような姿は海南だけでなく、県下全域に共通だといえるのではないかと思う。計画的に順序を決めて地域住民の協力を得て、整備されたい。中には岩出海南線、和歌山野上線のようにとりくまれ、住民を励まし、期待を大きく寄せられている道もあることはあるのですが、何しろそれなりに理解を寄せられるところまで進められないかと、常に思うところです。

何につけても、それらについてもいろいろと状況を交えた説明責任を果たされるよう訴えたい。地元自治体をたずねて、この道についてこうしたいが、今のところこうなんだと、何年かに一回は話に入るくらいのことをして下さってもよいのではないか。「県道」という名の道はこの地域にあるが、それが地域の住民にとって何なのかも生涯語られないまま済まさざるをえないところもあるのではないか。これでは地域の活力を引き出すことにはならない。道路行政は工事をすすめるだけにはとどめてはならないのではないか。

 

○大山耕二土木部長―優先順位を決めて計画的に整備を進め、地元説明会も実施している。用地買収が難航している箇所は、協力の得られる別の箇所へ事業展開する。

 

●広域ゴミ処理計画について

◇中山−これも以前の議会に引き続いての問題であります。それだけに要点だけにいたしたいと思います。

 ダイオキシン類発生が大きな問題とされるところとなり、平成9年に国がダイオキシン類発生防止ガイドラインにもとづき、広域化し、1日当たり少なくとも100t以上24h焼却化を打ち出された。平成10年5月、1市9町(海南・海草・那賀郡)の広域処理施設を共同で建設することを協議会で決定。

平成11年3月、和歌山県はゴミ処理広域化計画をたて、当初の計画を変更され、平成20年4月稼動予定とされ、その計画に基づいて、県下のゴミ処理広域化計画がすすめられることとなった。県下のすべてについて、申し上げるつもりはない。問いたいところは、海南市にかかわる地域について、この問題がどうなのかをおたずねしたい。

用地選定の経緯を見れば、5ヶ所の候補地から平成12年10月、コンサルタントから井ノ口上の段スポーツ公園周辺がよしとして結果が出され、平成12年11月の用地委員会および協議会で承認決定されたとのことである。今日、広域ゴミ処理建設へ向けて、地区住民たちに理解を求めるべく説明会を開いたり、関連するとりくみが進められているようであります。

ところがこの動きとは別に、ダイオキシン対策は背に腹かえられない立場に立たされた各自治体は、例えば海南市は14億9800万円(国:3億7000万円、県:3000万円)をかけて、平成13年度に下津町は9億1700万円(国:1億9700万円、県:3000万円)をかけて、排ガス高度処理及び灰固形化をこれも13年度につくりあげている。そして、今年12月1日からのダイオキシンの新しい規制が適用されることとなる。これらの事情を勘案するにつけ、以下の諸点についてお考えをお聞かせ願いたい。

@    焼却プラント、リサイクル施設、最終処分場の施設一体を、井ノ口上の段スポーツ公園周辺の地を適地として用地委員会及び協議会で承認されたといわれるが。ところで平成14年12月実施の国の新たな規制を既設の管内施設は明確にクリアできるところにある。それでも尚、315億円かけて広域処理施設建設をし、各自治体に多大の財政的負荷をかけることは検討しなおすべきではないか。最も住民、自治体の利益にかなうものにすべきと思うがどうか。

A    この計画は協議会がゴミ処理にかかわる当時の状況のあぶりを受け、多角的検討に至らないまま用地選定に急ぎすぎたその結果にくくられることなく、その後の事態の変化に柔軟に対応しきれていない状態を改めさせる必要はないか。

調査費・用地代を含め、350億円及び他の諸経費や長距離運送にかかる等のランニングコストを考える時、妥当性・不合理性を強く見きわめるべきと思うがどうか。

B    貴志川町自身、長期地域作り計画にもとづき、町の個性的な発展計画をもっておられるが、これをさておいて広域ゴミ処理場にとって替えさすことになろうかと思うが、区民、町民の理解と協力が得られにくいところにあるのではないか。貴志川町自身が考えることとはいえ、県の立場から広域化計画をこれらの事情とのかかわりをみて、再考すべきでないか。強く押せば、不都合を強いることになる。これについてどう考えるか。

C    県立公園や町の自然環境保全区域及び山田川、貴志川等の環境問題とのかかわりなど、県の自然環境行政との不合理性は危惧されてならない。これについてどうか。

 

○秋月成夫環境生活部長―ごみ処理広域化は必要。地域住民への説明や周辺環境への配慮等について関係市町村に指導し円滑に進めたい。

 

●JR阪和線快速電車の海南駅までの増便について(要望)

◇中山−これについても先の議会で申し上げたところです。 以後、海南市当局はこれを受けて、さらに乗降客増加策を具体的かつ強力に押し進める立場から、9月・10月・11月の90日間、藤白神社、鈴木屋敷、川端通り、伝統会館、塗物館及びマリーナシティへの周遊バスを走らせる、等のとりくみを計画実施。県からJRと交渉するに有利に展開されるため、実態を造りあげようと並々ならぬとりくみをされようとしている。これらを受けて、引き続きの支援を重ねて申し上げたい。