=常任委員会(十二月十三日・十六日)=

総務委員会

 村岡キミ子県議は、マリーナシティのわかやま館が開館わずか八年で使用目的を変更することや、県が改修費用九〇〇〇万円を負担しなければならないことは残念だと述べ、わかやま館へのトランスコスモス社の進出協定書には、県の優遇措置だけ明記され、企業が撤退する場合や貸付期間等について何ら具体的記述がみられないと指摘。県は雇用創出、県経済活性化には有効であると述べ、何より企業誘致が最優先という姿勢を示した。

村岡県議は、コスモパーク加太にカゴメ(株)を誘致する計画で、県としては特区事業として取り組むのかどうかについて質問した。県は特区でなくてもいいからとにかく土地利用のために企業を誘致したいという姿勢を示した。

村岡県議は医大跡地にダイワロイヤル(株)が建築予定の宿泊・商業施設が、和歌山城よりも高い建築物をつくることは景観上の問題もあり、土地利用にあたっては周辺住民の意見を聞きながら慎重に行うよう県に求めた。またJR西日本に対し車両にトイレを設置することを県から強力に要請することと、岩代駅に停車する電車と駅ホームの間の四十六pの段差をなくすことをあわせて求めた。

福祉環境委員会

 県が介護保険事業計画策定にあたり今年九月から十月にかけて実施したアンケート調査で、保険料の現状維持を求める人は四〇%、増加もやむを得ないという人は二〇%いた。また県で平成十二年度から一年以上の保険料滞納者は三二四六人いる。鶴田至弘県議はさらなる料金値上げを防ぐためにも、市町村に対しては「上げるな」という指導だけでなく、県も応分に負担するよう求めた。県は貸付基金の返済期限を延長して援助していると答弁。また支給限度額に対する利用率が四〇%にとどまっている理由として、県は利用者の介護保険への認識不足や家族介護があるからだと把握していることについて、鶴田県議はそれが実態と異なる把握であり、実際は利用料一〇%の支払いが困難だからではないのかと質問し、利用料の軽減等を求めた。

 鶴田県議がグリーンピア南紀の閉鎖で失業する十一人について、県は再就職に責任を持って当たるべきだと指摘したのに対し、県は再就職のために太地、那智勝浦町と協力して就職促進のために組織をつくる予定であり、それを通じ全力をあげて対応すると答弁した。原爆被災者の医療援助を和歌山県でも実施せよとの求めに対しては、来年度実施に向け財政当局と協議中だと答弁した。

 今年から子ども会は総合型(年五〇日以上/三〇万円県補助)と集団型(年十二日以上/六万円県補助)の制度になった。同和子ども会は横滑りして総合型になっており、全体的にその総合型への比重は大きくなっている。鶴田県議は子ども会全体の成長が滞っているのは、二つの型の補助金格差が大きいこと、集団型には会場等が整備されていないこと等が原因ではないかと指摘。県は実態把握に努め、今後の施策を検討すると答弁した。

農林水産委員会

高田由一県議が前議会にひきつづき「食と緑の工場特区」について質問した。これは和歌山市の関空土採り跡地の「加太コスモパーク」に、カゴメのトマト生産団地を誘致しようとするもの。栽培方法は水耕栽培だが農地法上は農地とみなされるため、企業が農地を取得できるようになるという問題点を高田県議は前議会で取り上げていた。しかし、国会で審議中の構造改革特区法案は、遊休農地に限って企業に貸付を認めるというもので、高田県議は「和歌山の特区構想は、今回の特区法案では実現できないのではないか」と質問。農林水産総務課長は「そのとおり」と答弁した。このことから今回の特区法案では、カゴメという民間企業がコスモパークの土地を農地として利用できないことが明らかになった。また、雑種地として利用(例えば野菜工場のように完全に工場的に生産する場合など)するのであれば、そもそも特区構想など必要なかったということになる。今回の特区法案づくりの段階で農業関連団体からたいへんな懸念がだされていた農地を民間企業が取得できるようにするということは、政府与党でさえ法案化できなかったのに、農業の家族経営を守ってきたこうした規制を、和歌山県が先頭になって外そうとする姿勢そのものが大きな問題であると指摘した。

建設委員会

 中山豊県議は、重根の土地区画整理事業の促進を海南市に促すとともに、重根区間の整備と阪井バイパスの促進を求め、野上町までの道路整備の状況を質問しました。県は重根バイパスは区画整理事業と併せて進めること、阪井バイパスは平成二年の地元提示を行ったルートを基本として国と計画協議中であり、その中で現在協議中の美里バイパスへの連続性を図っていきたいと答弁しました。また中山県議は、亀の川紺屋橋から下流にかけて智辯高校付近まで繁殖しているアシや雑草について、地域住民から流水を阻害し浸水のおそれがあるという声が寄せられたとして、県に問題の解決を求めました。県は治水面を考慮しつつ、根の張るものは伐根、雑草は除草とするなど、環境にも配慮しながら、順次対策を推進していくと答弁しました。

文教委員会

 金田眞県議は本年度の人事委員会勧告で明らかになった公務員給与カットについて、国の失策による景気悪化の責任を労働者に押しつけるやり方には反対であり、今まで支給された給与を払い戻させる不利益について県はどう受け止めているのかと質問。県は不利益不遡及の原則は尊重するとしながら、三月の一時金で調整すると答弁しました。なおカット分については人事勧告分は二%で四〇歳平均の場合の民間給与格差分としては月平均八五〇〇円のカット、この他扶養手当等も改定に含まれ、それ以外で県独自の分が管理職では二%、その他は一%となり、人勧二%と県独自一%を併せると月額一万二〇〇〇円のカットになる。

 教育基本法改正について他会派から質問があり、赤松壽男教育委員長は改正を是とする発言を行ったため、日本共産党県議団はその発言を撤回するよう申し入れを行った。