議案第133号 平成13年度和歌山県歳入歳出決算の認定について

議案第134号 平成13年度和歌山県公営企業決算の認定について

反対討論(2002年12月17日 村岡キミ子県議)

日本共産党県会議員団を代表して、平成十三年度決算にかかる、議案第一三三

号と第一三四号に反対の立場から討論を行います。

公営企業会計に関して、土地造成事業については、以前から売却見通しの甘い

土地造成が進められ、県民の負担となっていると指摘してきました。十三年度は和歌山下津港西浜地区貯木場用地の売却では、一億三七〇〇万円の損失がでたとのことです。原価を割らなければ売れないような状況です。地価の下落が止まらないとはいえ、その責任は重大です。

駐車場事業については、委託について、来年度から競争入札にむけた作業をす

すめるということですが、更なる経営努力をおこなうとともに、抜本的な対策の検討が必要ではないかと考えるものです。

五稜病院に関連して。精神科の患者さんが結核となった場合の合併症病棟を設

けていただきたいということが、関係者の長年の要望であり、本会議や委員会でも再三問題になってきたところです。県当局からは「検討する」との答弁がおこなわれてきたところですが、未だに実現をみていません。患者の家族の方が、県内に受け入れてもらえる病院があるという安心感を県民にもってもらうことが必要なことを強調したいと思います。そして他府県にたよることなく、県内で設置することを強く求めます。

電気事業について一言申し上げます。七年前に締結された本県企業局と関西電

力との電力需給基本契約によりますと、関西電力とは平成二十一年度まで、現行どおりに電力売買をおこなう契約がなされています。電力自由化の流れのなかで、将来、売電料金の引き下げを求められることは十分に考えられるところですが、最近、熊本県知事が球磨川の県営荒瀬ダムの撤去を公式に表明しました。県内でも、二川ダムのある有田川の水質悪化が住民の間で問題になっています。県の行政として、あえて電気事業を継続する必要があるのかどうか、根本的な検討が必要になっていると考えます。

次に一般会計、特別会計についてです。

長引く不況のもとで本県の財政状況は、大変きびしいものがあります。十三年度決算は、実質収支は四十二億一八五〇万円の黒字ですが、財政力指数は二四・五%しかなく、公債費負担比率は二〇・八%。これは十一年度につづいて危険ラインとされる二〇%を超えています。一般会計、特別会計を合わせた県債残高は七二九五億円であり、赤ちゃんからお年寄りまで、県民一人あたり六十八万円にものぼっています。

県政の財政運営の基本は、県民の大切な税金を、県民のくらしや福祉を守るために使うことです。平成十三年度は県下でも厳しい不況下で苦しい経営と生活を余儀なくされた時でした。しかし、県の不況対策は十分な成果が上がったとは言えません。また、県下では特別養護老人ホームの不足で一三〇〇人を超える高齢者が待機せざるをえない状況におかれています。さらに県民の要望が強い三十人学級・少人数学級の実現に踏み切ろうとしないなど、積極的な努力を求めたいところです。その一方で、土木型公共事業が大きな比率を占め、関空への出資金など、本来国の責任でまかなうべき予算も組み込まれています。また、決算委員会や本議会でも指摘をいたしましたが、公共工事における高値落札の問題について、県行政はもっと目を向ける必要があります。特に、高い落札率となっている一億円以上の工事については、あらゆる手段で談合をなくし、県民の税金がムダに使われないようにするべきだと考えます。

県は市町村合併について、独自の施策をはじめ、合併促進をはかっています。現在までに、県内三十五市町村を合併重点支援地域に指定しています。県の振興局内に任意の合併協議会事務局を置くなど、「市町村の合併問題」という自治事務の最たる問題について県が介入するのは、地方自治の精神から逸脱したことでないでしょうか。県の合併押しつけには、住民から批判の声が強まっています。那賀郡では岩出町長が単独市制移行の方針をうちだしました。田辺広域八市町村でも、正式な合併協議をすすめている最中に、すさみ、日置川、白浜の合併案が浮上するなど、これまで住民の意見を十分聞かずに、がむしゃらに合併をすすめてきた矛盾が吹き出しています。先の全国町村会大会は合併押しつけに対する強い危機感を表明し、国の地方切り捨てともいえる強制的な合併推進に反対しています。そういう視点からみても十三年度の「合併」関連施策には同意できません。県としても、小さくても輝く自治体づくり、住民の意思を尊重した町づくりをすすめる立場から、合併推進の施策をただちにやめることを求めます。

同和高度化資金の多額の未償還金問題は、和歌山県政における重大な課題であり、同和対策事業を正しく総括するためにも、その全容解明が必要です。また県教委が高校入試にあたり、同和地区等の生徒について、出身中学校長から進学先の高校長と県教委に提出されてきた「補充書」は、入試判定にあたって特別扱いすることを求めたものであり、たいへん重大な問題をもっています。こうした制度は今日の情勢に逆行するものです。直ちにやめるべきであります。以上のような理由により、議案第一三三号、一三四号については反対するものです。