◎総務委員会(藤井健太郎県議の質問と県の答弁)
◎福祉環境委員会(村岡キミ子県議の質問と県の答弁)
◎農林水産委員会(松坂英樹県議の質問と県の答弁)
◎文教委員会(雑賀光夫県議の質問と県の答弁)


総務委員会

 藤井健太郎県議は、法人事業税に外形標準課税を平成16年4月から導入する議案に対して、外形標準課税は事業所の利益に対して課税されるのではなく、資本金や人件費などを対象に赤字法人であっても課税されるもので、今日の厳しい経済状況のもと、企業経営や人件費をさらに圧迫させるものとなり、県税収入や県経済に与える影響などの調査をし、慎重に対応すべきではないかと質しました。当局は、全国一律に資本金1億円を超える事業者に対して課税されるもので、税収については全国ベースでは増減はないと聞いている、議会の議決をいただいたら事業者への説明と理解を求めていきたいと、答えました。

 コスモパーク加太事業について、金融機関から県に対して438億円の債務保証を求められ、県も土地開発公社に105億円を無利子貸付しているところから、今後の県の事業のすすめかたを質しました。藤井議員は、コスモパーク加太事業は県土地開発公社の自主事業であり、公社が事業をすすめ返済財源を捻出すべきもので、今後どのように事業をすすめていくのか、質しました。県は、ふるさとづくり特区の活用を含め事業の推進を検討していきたいと答えました。また、藤井議員は、議会のコスモパーク加太対策検討委員会の報告(公社、県、金融機関が三者それぞれ相応に負担を分かち合い、協調することで解決する)以後、三者の協議内容について詳細に当委員会に報告するよう求めました。県は、議会の報告を踏まえ交渉をすすめてきたが、金融機関との合意に至らず、6月末に償還期限を迎えるが、金融機関は7月以降の交渉継続に同意しており、今後もねばり強く交渉していくとし、その経過については当委員会に報告していくとしました。また、総務委員会として、金融機関の参考人招致について論議がされましたが、結論は持ち越しとなりました。

藤井議員は、南海・東南海地震に備えての防災対策のひとつとして、県の公共施設の耐震診断、耐震補強の進捗状況について質しました。県は防災センターの整備を進め、庁内各部の地震対策としてのアクションプログラムの策定を進めているところであり、長期的に対応していくとしました。藤井議員は、県の施設で避難場所と指定され広く広報されているにもかかわらず耐震診断もされていない施設もあり、住民の命と安全を守るためにも早急に年次計画を立てて、耐震診断と必要な耐震補強などの対応をすすめるべきと要求しました。

福祉環境委員会

 村岡キミ子県議は看護教育について質問しました。現在県内には4835名の准看護師が就業しており、そのうち正看護師を目ざす者は定員50名の県立和歌山県看護学校しか受け入れが存在せず、狭き門となっている現状を指摘し、県による移行教育の早期実現を求めました。また議員は、働きながらという条件のもと、正看護師になるにはどんなに早くても3年はかかってしまうという現状で、経営者側の協力は絶対に必要であり、経験を積んだ准看護師も交えて、関係者と話をつめていってほしいと強調しました。

 村岡県議は県が「こころの医療センター」に結核病床を併設すると答弁していたのに、未だに合併症となった患者の受け入れを奈良県に依存している現状を指摘。県内の患者は県内でフォローするという原則から外れており、患者の安心を行政が保障していくことは当然で、県はダラダラとした検討の仕方を改めるべきだと主張しました。県は患者数が減少している状況のもとでの設置は困難だと答弁しました。

 現在、和歌山県内において「駐車可」の許可証の発給は、許可基準が心臓疾患で1級の手帳所持者には認められるのに、3級では認められません。自動車による移動でないと行動が困難な3級所持者の現状を見れば、法基準が実状に合っていないことは明らかです。また、介護認定するためにケアマネージャーが使用する自動車にも「駐車可」が認められていません。村岡県議は県に対し、制度上必要だと思われる時には柔軟的に発給をするよう公安委員会にも働きかけてほしいと要求しました。県は要望していくと答弁しました。

 財団法人グリーンピア南紀の債務を、出資割合に応じて県が70%、那智勝浦町と太地町が各15%を負担するという地方裁判所の調停案の議決を求める議案が提出されました。村岡県議は、出資割合に応じて債務負担を行うという前例をつくることになり、それでは県民の理解は得られないとして、慎重に審議することを求めました。

 平成14年度に企画提案事業を実施し、NPO法人を募集したところ、53件が名乗りをあげ、うち6件が採択されたことに対し、村岡県議は採択された事業内容について、県に対し資料請求を行いました。

農林水産委員会

@松坂英樹県議は、ミツバチ転飼調整について質問しました。3年ほど前から、無許可でミツバチの巣箱を置く業者があり問題になっています。県は撤去命令を出すなど業者を指導してきましたが、この業者から正式な許可願いが出されれば法律上「許可せざるをえない」としています。松坂県議は「既存の養蜂業者はたいへん不安に思っている。今後の方法(転飼調整)については養蜂組合などと十分に議論し、結論をおしつけないよう」求めました。県は「養蜂業者のみなさんの合意を得ずに強行するようなことはしない」と答弁しました。

A「減」「無」農薬栽培など「特別栽培」の基準となる「慣行レベル」(標準的な農薬散布回数)を県が決めました。しかし、生産者からは「回数が実際の散布実態とは大きくかけはなれていて、減農薬栽培のハードルが高い」(例、ミカンでは13回となっているが、実態は20回ぐらいではないか等の意見)との声が出ている一方で、消費者団体からは「県ごとに数値もバラバラで、透明性が低い」との意見もあります。松坂県議は「農家や研究機関・消費者代表を含む公的な検討の場を設定し定期的な見直しをすべき」だと指摘しました。

B愛媛県のJAで光センサー選果機の入札で不正(談合・入札書換)が発覚し、JAのみならず、県職員の関与が明らかになり大問題になっています。松坂県議は「愛媛では国から補助金の返還を求められるさわぎとなっている。最大の被害者は農家だ。和歌山県内でも近々入札が予定されているが、入札参加企業を増やすなど、入札が公正に行われるよう指導する必要がある」と指摘し、県は「今後とも指導してゆく」と答弁しました。

C有田川などではアユの冷水病が発生し、「アユが釣れない」と、釣客が例年の半分程度に落ち込むなど大打撃をうけています。松坂県議は状況の報告を求めた後「水産試験場などを先頭に抜本的な対策を研究するよう」求めました。

文教委員会

授業できない教員の問題について、何人かの委員から対応を求める意見がだされました。小関洋治教育長は、いろいろなケースがあり、ストレスによる精神疾患だから専門医にみてもらう必要があるが本人が拒否しているケースもあると答えました。

雑賀県議は、精神疾患は社会的にも偏見があるため、本人がそれを認めたがらないという難しさがあり、教育長も言うように専門医から治療を受けるべき疾患であるという認識のもと、対応すべきだと指摘しました。

 また雑賀県議は、県内の教員のうち3%の教員が1ケ月以上の病気で休んでおり、これは県庁職員・警察職員とくらべても比率が高く、病休をとる教員が増加傾向にあるのではないかと県に質問しました。そして長期の病休をとっている教員への有効な対策を県に求めました。県は教員の病休は特に増えていないという答弁にとどまりました。

雑賀県議は、高校生の就職問題について、就職アドバイザーという事業で銀行に勤めていた方が、企業回りで就職先をよく開拓してくれたという話を紹介し、本事業においては適材を得ることも大切だと指摘しました。なお、現在県では労働局で「トライアル雇用」といって、若年者雇用(30歳未満が対象)では現在、年度末で就職が決まっていない高校生では8件が実施中です。


(2003年6月26日)
※日本共産党議員の委員会での質問と県の答弁の要旨を掲載しています。