松坂英樹 200712月議会一般質問・答弁       20071210

質問内容

@ ミカン対策について

A      新長期総合計画と新年度予算における農山漁村対策について

B 県指定史跡である鳥屋城山の城跡について

C      県立高校等の授業料値上げについて

D      再質問


建設委員会での質問と答弁



《質問 松坂県議》

1、ミカン対策について
(1)07年産ミカンの生産・販売状況

 まずミカン対策について質問をさせていただきます。本年2007年度産ミカンは、夏に雨が少なかった影響で糖度が平均1度も高く、たいへん甘くておいしいミカンとなっています。撰果場でも「光センサー導入以来最高のの数値」といわれていて一生の内に何べんもない甘さやと評判です。ところがこの苦労して作ったミカンですが、値段の方はたいへん安値に泣かされている現状です。
   11月の市場平均単価は1キロ160円程度と、昨年よりもキロ当たり100円も安いのです。表年といわれて安かった一昨年と比較してもわずかに上回るだけであり、今年は表年といわれながら、小玉傾向であり、値段のつくLM級の量が少なく、農家手取りの減少は深刻です。
 私は知事のトップセールスにごいっしょして大阪市場に出向き、先月末には東京の大田市場にも行って、関係者から市場の状況調査をしてまいりました。どちらの市場でも「11月の早生ミカンの出荷量のダブつきという構造的な問題に加えて、10月末の極早生が出荷終了期を前にして大量に市場におしよせ、過去に例のないほどの滞留を生んだ」という分析をお聞きしました。
   またこの安値には、格差社会の影響に加えて石油製品や食料品などの相次ぐ物価値上げが、消費者の財布を直撃し消費の落ち込みをまねいている面も大きいと指摘しなければなりません。
 今年のミカンの安値、生産者からみれば「こんなにうまいミカンがなぜこの値段なのか」という気持ちで一杯です。これまで、生産量が多すぎると安いといわれて生産調整をし、おいしいミカンを作れば売れるんだといわれてがんばってきた、ところがこの間の現実は「ミカンが多くても安いし少なくても安い、甘い年もそうでない年も安い」という状況が続いてきたのです。幸い昨年は価格形成がもちなおしていい値段をつけたわけですが、昨年以上においしいミカンがこの有様では展望がでてこないし、後継者も育ちません。
   今年の和歌山県産ミカンが、食味がよくておいしいにもかかわらず安値となっている状況をどう分析し、対策を打とうとしているのか、ご答弁を願います。


(2)ミカンの販路拡大(3)ミカン加工食品

 次にミカンの販路拡大やミカンの加工食品についてお尋ねします。ミカンの消費を拡大してゆこうと思えば、おいしい和歌山県産ミカンをPRし、和歌山ミカンのブランド力を高めてゆくことが大切です。県がこの間、知事先頭に様々な方面で生産者といっしょに努力をされている点を評価するものですが、まだまだ課題は山積していると思います。
   生果を食べてもらう努力とともに、消費の裾野を広げるためには、ジュースをはじめとする加工食品は欠かすことができませんし、その果たす役割はいっそう大きくなってきています。オレンジ自由化を機に国内ジュース原料の利用がすすまなくなり、農家の声としては、ジュース用ミカンは安くて少ししかとってくれないのに、高いジュースを農協から買わされるとの声が絶えませんし、ミカンの加工食品といえばジュースかゼリー止まりというように商品のバリエーションも広がりがなかったように思えます。そんな中ですが、最近はこれまでのミカンジュースのイメージを変えるような美味しい個性化商品などが光ってきた。この流れをいっそう広げてゆくべきだと考えています。
   この冬、「料理やスイーツの素材に有田みかんを」とインターネット上の日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」で有田みかんを特集し、レシピを募集したところ、「いつもはレモンで作っていた料理も、ミカンを使うと色もきれいで大成功」というような具合に、たいへん好評であったようです。情報化社会の中でアイデアは予想外の広がりをするものです。
   東京市場に調査に行ったとき、有楽町にある和歌山県産品のアンテナショップ「わかやま喜集館」にも伺いました。店頭では今、ゼリーのカップの中に小さなミカンが丸ごと3個入った有田のミカンゼリーが売り上げ2位になるほど売れているそうです。これは先日テレビ番組で紹介された影響だそうで、「何これ!ミカンがまるごと入ってる!しかも3コ!」と職場へお土産に持って帰るお客さんで大評判だそうです。この界隈は各府県のアンテナショップも多く、マスコミもカメラをもってネタさがしによく来るそうで、そういう意味では「わかやま喜集館」はよくがんばっていると思います。
   その時、消費拡大の話題で伺った話ですが、「エディブルフラワー」というのがあるそうです。「食用の花・食べられる花」という意味で、見て美しい・食べておいしい「料理に使える花」を栽培し販売する、また粉状にして料理の色つけや香りつけに使うものもあるそうです。花農家の方は、「花の消費を伸ばすには、色々やってるんだ」と語ります。ミカンの加工品も、ジュースなどの消費者に直接届く最終商品だけでなく、料理人やパテシェにも使ってもらえるような素材や中間加工品の幅も広げることが必要ではないかというお話を伺い、まったくそのとおりだと思いました。
   そしてそれをすぐに実感する出来事がありました。「わかやま喜集館」を出て東京駅の八重洲口で取組まれていた「東京駅美味しい6週間・まるかじり和歌山フェア」をのぞいてきました。これは県もバックアップした、和歌山県の食材を使ったイベントです。地下街や飲食街の参加店舗の前には、ミカンやカキ・トマト・キヌサヤ・マグロ・トビウオなど和歌山の食材を使った商品や料理のパネルが掲示されています。ミカン関係をまわるとジュースやケーキが多かったのですが、「まぐろとみかんのカルパッチョ」の看板を出しているお店に入り注文してみました。私はマグロやサラダといっしょにミカンを口にして、このミカンの味にとても新鮮な感動があったのです。というのは、どうやら私の頭の中には、ゼリーとかサラダに入っているミカンというのは、あのシロップにつかった味のミカンというかシロップ味しかうかばなかったんですね。それがみずみずしい本来のミカンの味だったんです。旬のミカンが料理の中ですばらしい味を出していたのです。ミカンの産地にいながらこういう固定観念にとらわれていたのかと再認識したのです。
   そこでお伺いします。ミカンの販路拡大については今年度の取り組みの状況と今後の強化点について、また消費拡大に欠かせないミカン加工食品について、その方向性と展望について県はどう考えておられるのか、ご答弁を願います。


(4)機能性成分の研究

 続いてミカンの機能性成分の研究について伺います。昨年はミカンダイエットがずいぶん話題となりましたが、今年もミカンの機能性成分に関する報道が続いています。この10月だけでも、@ミカンのβクリプトキサンチンがメタボリックシンドロームに対して予防効果が期待できるとの日本肥満学会での発表、A厚生労働省研究班の調査で果物に脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患になりにくいことがアメリカの医学専門誌で発表、Bまた独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所などが行った調査で、ミカンに骨粗しょう症の予防効果があることが骨粗しょう症の国際専門誌に掲載、等があいついで報道されました。
   諸外国と比較して果物消費量の少ない日本の食生活を改善するためにも、また消費者の健康志向にぴったりと照準をあわせ、県としてこれらミカンの機能性成分の研究とアピールに一層力をいれるべきだと考えますがいかがでしょうか。


《答弁 下林農林水産部長》

   本年産のみかんにつきましては、ご承知の様に、表年にもあたりますことから、10月1日の調査によりますと、本県では前年対比121%の18万5千トン、同じく全国では124%の104万トンの生産が見込まれてございます。
   果実につきましては、お話ございましたように、小玉傾向でありますが、平年に比べて糖度が高くて食味も良いということで、価格的には順調な販売ということでスタートいたしておりましたが、11月に入りまして、他産地におきまして極早生みかんの着色の遅れ等もございまして、早生みかんとの出荷時期が重なったということから、価格が低下をいたしてございます。
   こうした中で、全国組織でございます果実生産出荷安定協議会が中心になりまして、生食用の果実の一部を市場隔離をいたしまして、加工用に回す緊急対策が、11月の26日から、今日、12月の10日の間実施されてございまして、現在、回復の兆しも出てきているということでございます。
   また、最近のみかんの消費動向についてでございますが、一人当たりの消費量が約5kg程度ということで、以前に比べまして、大きく減少いたしてございます。また、一方、飲料など簡便な加工品というのが非常に伸びておりまして、その消費構造も大きく変わってきてございます。今後、高品質生産は勿論でございますが、産地間競争に打ち勝つブランド力の向上に加えまして、販路拡大や食品産業と連携した加工品づくりなど、新たな取り組みが必要であるというふうに考えてございます。
   こうしたことから、本年7月に策定いたしましたアクション・プログラムに基づきまして、知事を先頭といたしましてトップセールスの実施、また、和歌山フェアの開催、それから東アジア地域への試験輸出など、販路の拡大に積極的に取り組むとともに、振興局単位に、J Aあるいは商工会また地域の食品加工業者などで構成いたします協議会を立ち上げまして、地域の特色ある地場産品を活かした新しい加工品づくりや、食材フェアを通じた新たな用途開発に取り組むなど、産業としての裾野を広げるということにしてございます。
   また、機能性成分の研究についてでございますが、これまでβ−クリプトキサンテンの発ガン抑制効果など、みかんの持つ様々な機能成分が解明をされてきてございますが、消費拡大の観点からも非常に重要であるというふうに考えてございます。
   このため、平成18年度から戦略的研究開発プランによりまして、県立医科大学や社団法人である和歌山県農産物加工研究所と連携をいたしまして、ポリフェノールの含有量の多いミカンの栽培法の研究や柿酢入りミカン果汁の健康への影響に関するモニター調査などに取り組んでございます。
 ´今後とも、機能性に着目した取り組みを積極的に行って参りたいと考えてございます。


《質問 松坂県議》

(5)石油高騰対策

 さて、この柱の最後に、石油高騰対策についてお聞きいたします。
 昨今の原油価格高騰による国民生活への影響はたいへん大きいものがあります。ミカンのハウス栽培に使用するA重油などは、これまで1リッター40円程度であったものが、去年は70円、そして今年は85円と、2倍を超える価格となってきています。有田地方では、ハウスミカンの農家をはじめバラやスプレー菊など花のハウス栽培をしている農家などから悲鳴が上がっています。私は和歌山県の進むべき方向としては、石油高騰に対する有効な対策をうつとともに、ハウス栽培などの燃料に木材チップや木質ペレットなどの森林エネルギーを生かす取組が不可欠だと考えています。
   石油高騰対策では、国に対しても緊急の対策をとるように求めるものですが、県としてもできることから早急に取組む必要があります。石油高騰問題、とりわけ県内の主要産業である農林水産業への影響と県としての対策はどうお考えでしょうか。


《答弁 下林農林水産部長》

   石油価格の高騰につきましては、経営の中で燃料糞の占める割合の高い施設園芸や、また水産業にとりまして、深刻な問題であると認識してございます。
   現在、国におきましては、中小企業や農林漁業者に対する緊急対策をまとめる方針を決めまして、議論が進められているところでございます。
   県といたしましては、これまでも農業では、平成17年に策定した「省エネ技術対策指針」に基づきまして、ハウス内の温度のムラをなくす循環送風機、また加温温度をきめ細かに管理する変温管理装置などの省エネ設備の導入について支援を行ってございます。
   さらに、現在、民間の協力を得まして、従来の重油焚きボイラーとヒートポンプを組み合わせることによりまして、高い石油削減効果が得られる暖房装置や温風式の木質ペレットボイラー等について、実証試験を開始したところでございます。
   また、水産業におきましては、県独自の緊急対策といたしまして、過去一年間の石油相当額を限度とする運転資金の利子補給、それから省エネ型エンジンの導入に対する近代化資金の上乗せ利子補給を行う融資の受付を、県信用漁業協同組合連合会において、本日から開始したところでございます。
   今後も引き続いて、省エネ対策を進めるとともに、国の緊急対策の動向等も見守りながら、積極的に対応して参りたいと考えてございます。


《要望 松坂県議》

   ミカン対策では、価格も若干持ち直してきたという報告とともに、販路拡大や食品産業と連携した加工品づくりなどについて積極的に取組んでゆくとの答弁があり、石油高騰対策でも融資の分野で一歩を踏み出すとの答弁もいただきました。ミカン対策は有田地方の元気の源、和歌山の元気の源ですから、引き続き全力を上げていただくことを要望しておきます。
   一つだけ追加で注文をつけるなら、和歌山県を走っているJRきのくに線の特急くろしお号・オーシャンアロー号の車内販売のカートに並んでいるミカンジュースは、なんと愛媛県のポンジュースなんですよ。知事ご存知でしたか。
   せめて県内を観光客をのせて走る特急や、関西空港などにおいても和歌山のミカンが元気にアピールをする姿が見えるように、県としても働きかけを強めていただくよう要望しておきます。



《質問 松坂県議》

2、新長期総合計画と新年度予算における農山漁村対策について
(1)「限界集落」に対する支援施策について

 質問の2つ目の柱にうつります。新長期総合計画と新年度予算における農山漁村対策について質問をさせていただきます。

 まず、いわゆる「限界集落」に対する支援施策についてです。私は6月県議会の質問で「限界集落」を問題提起し、県としての取り組みを訴えました。仁坂知事は新長期総合計画の中で対応を検討してゆきたいと答弁されました。秋には県としての過疎地域での調査もし、振興局単位でも議論が積み重ねられたと聞いています。今議会では新長計の「素案」により、和歌山県の将来像とそれにむけた取組の概要がしめされ、政策課題をさらに練り上げている最中とのことです。
   和歌山県の将来像を描くときに、農山漁村の果たす役割とめざすべき姿は欠かすことのできない課題です。都市と農山漁村はそれぞれに役割があり、補い合いながら21世紀の人間社会を支えてゆくものだと思います。「自然の中で、人間らしく生活をしたい」「自分自身が、大きな機械の歯車のひとつではなく、かけがえのない一人の人間として、生きがいを感じられる地域社会」そんな願いにこたえるのが農山漁村なのです。
   フランスのミシュランというガイドブックが東京版を発行しまして、東京では三ツ星だ行列だと大騒ぎをしていて、いかがなものかと思いますが、あのミシュランガイドブックというのは本来、本国フランス版では、29ある三ツ星レストランのうち19のレストランはパリ以外の町にあり、1000人・2000人の小さな町の良い料理屋・農村レストランを紹介しているという話を聞きました。そしてそこには世界中からお客さんが訪れ、土のにおいのする料理を楽しんでゆくのだそうです。
 長野県へも先月うかがったのですが、栄村の「ゲタ履きヘルパー」という近所のオバちゃんの介護がうけられる制度や、下条村の「若者住宅による若年人口増加」など、へき地を逆手に取り、身の丈にあった福祉や医療・定住政策は、たいへん住民の満足度の高い取組となっています。田辺市の旧中辺路町や旧大塔村へ調査に行くと、「限界集落」で暮らす高齢者がとても表情豊かで元気であることにすばらしさを感じると同時に、不安としては「病気になった時のこと、病院や買い物への交通手段、鳥獣害対策」などが出され、県内共通の課題だと感じてきました。
   仁坂知事はこの新長期総合計画、そしてそのスタートの年となる来年度予算、この中で農山漁村と「限界集落」問題をどう位置づけ、どう議論し、計画や予算に取り入れようとしているのか。知事のご所見を伺います。


(2)中山間地における交通手段の確保

 つづきまして、こういった中山間地における交通手段の確保の問題をお尋ねします。県内どこでも公共交通には深刻な事態が進行しています。路線バスは赤字による撤退が相次ぎ、有田の谷でも、有田鉄道バスの楠本路線が廃止されたのに続き、上湯川清水線が廃止に向けて減便、花園清水間が来年度から国・県の補助対象からはずれてしまい補助金が出なくなることで先行きが不透明。こういったまったなしの状態となっています。
   そんな中、住民の交通手段を確保しようと努力が広がっています。昨日、日曜日の朝日新聞に長野県の木曽町の取組みが「木曽路に命の交通網、すべて山の中の町の挑戦」として特集されていました。1町3村の合併でできた木曽町は人口13000人、面積は476平方キロ。高齢化率30%をこえる町が、「思い切った交通対策をとらないと地域が崩壊しかねない」そんな思いで、合併をきっかけに町全域をカバーする交通網を自前で作り上げたといいます。「以前はバス停まで歩いて30分。荷物は持てず、買い物もできなかった。今は安く自宅まで送ってもらえて、本当にありがたい」という老婦人は、自宅から40キロはなれた病院に月2回通いますが、料金は乗り合いタクシーと幹線バスを乗り継いで片道200円。民間路線バスの時は1500円かかっていたそうです。
   高齢化により車に乗れない交通弱者が増えてゆきます。有田川町でもコミュニティバスの運行を始めましたが、県内各地でコミュニティバスやタクシーなどの努力や工夫が広がっています。ところが、現在の支援制度では、@不採算路線の赤字補填と、Aバス路線が廃止された区間のみの代替交通立上げ補助しかないのが実情です。これでは、これからやろうとしているところには光が当たらないし今の焦点からずれていると思うのです。
   交通という分野では県のかかわるべき役割が大きいと考えます。中山間地における交通手段の確保という点で、県内市町村がこういった取り組みに踏み出しやすいように、県としてもこれまで以上に支援してゆく必要があるのではないか。この点については企画部長にご答弁を願います。


(3)合併によって削られた地域をささえる施策の見直し

 3つめに、合併によって削られた地域をささえる施策の見直しという点についてお伺いをします。
 有田の旧清水地域や田辺市の旧町村部を回り、市町村の担当者の方々からも、住民の実態から見てどんな施策が望まれているのか、どんなことが必要だと考えているかと聞いたところ、同じような傾向の問題意識が返ってきました。
   それは、集落機能が低下した個々の住民を支援しようとしたときに、旧町村で工夫されていた、2戸以上でなくても補助対象とするような様々な制度、たとえば、歩いて登る道しかなかった自宅に、車が入ってこれるような進入路を作る際に支援する制度や、大雨の後水道に使っている沢水の取水口、これが泥でつまるんですね、っこれをを役場から委託して掃除に行ってもらう制度など、こういったへき地のハンディを補う仕組みが、市町村合併の調整の中で、止むなく、またことごとく廃止された現実があります。決して贅沢を望むわけではない、そこで暮らしてゆくために、平地では考えられない、へき地のハンディを補うための手立てや施策なんですね。「限界集落」に必要な支援を検討する際に、こういった地域の現状や課題、現場に合わせた制度がカギとなるというご意見です。
 ªªこれらを見直し再評価し、中には新しい形で復活させることもたいへん意味があると感じてきました。これを復活させようとすれば市町村は重い腰をあげなければなりません。公共の仕事というのは、ともすれば小さい事業は市町村の責任で、一定の規模以上は県がになうといった「規模による住み分け」がされていますが、こういった考え方に固定化することなく、集落をささえ維持するための知恵を絞った工夫・こういった市町村の動きが出てくるとするならば、県としてもしっかりと支援すべきではないでしょうか。この点についても知事のお考えを聞かせていただきたいと思います。


《答弁 仁坂知事》

 ªªいわゆる限界集落への対応につきましては、新長期総合計画における「誇れる郷土づくり」の項目の中で検討を進めており、策定本部会議等においても、特に時間をかけて議論を重ねているところでございます。
   これまでの議論の結果、農山漁村の持つ多面的な機能や置かれている現状を分析した上で、地域の実情や住民の意向を十分踏まえ、市町村と連携しながら、集落維持等のための総合的対策を実施するということを基本的な方向性として導き出そうとしております。
   これまで農山漁村対策として、特産物の振興などの就労対策、簡易水道などの生活基盤整備、都市住民の田舎暮らし支援や子ども達の農山漁村での体験交流などを実施してきたところでございます。
   今後、議論の内容をふまえ、定住環境の整備や地域資源等を活用した活性化推進策など、集落機能維持対策等の施策充実に向けて、一層努力してまいります。
   なお、合併後の施策の話もあわせてございました。合併した後、各市町村の中で人口の少ないところを不当になおざりにする。あるいは、旧町村の施策が不当に無視される。というようなことはないと信じておりますが、以上述べました考え方の元で、集落機能維持対策等の施策充実に向けて努力していきたいと思っております。


《答弁 森企画部長》

新長期総合計画と新年度予算における農山漁村対策のうち、中山間地における交通手段の碓保についてお答えいたします。
   公共交通機関は、地域の実情によって役割が異なることから、国や市町村、又事業者と連携しながら、その実情に即した利便性が高く住民生活を豊かにする、交通ネットワークを維持・充実していくことを目標に新長期総合計画を策定中であります。
   県では、幹線となる県内40系統のバス路線の運行欠損額や低床バスの購入に対し支援することによりまして、広域的な 路線の維持碓保を図っているところでございます。
   一方、市町村では、路線バスが廃止された後に地域住民の交通手段を確保するために、あるいは市町村合併に伴い住民サービスの格差を解消するためにコミュニティバスが導入されておりまして、本年11月現在では18市町村において運行されております。
   ご指摘の交通手段の確保につきましては、コミュニティバスをはじめデマンドバスやデマンドタクシーの導入など、市町村や事業者、地域住民と一体となり、地域の実情にあったきめ細かな接続向上と、交通ネットワークづくりの確立に努めてまいります。


《要望 松坂県議》

   「限界集落」・農山漁村の問題では、知事からも「なおざりに」されないようにと、率直な想いを聞かせていただきました。実態をつかみ、市町村とも連携し、総合的な全庁的議論としてすすめているという答弁をいただきました。今後の取り組みが前に向いて進んでゆけるよう要望をしておきたいと思います。



《質問 松坂県議》

3、県指定史跡である鳥屋城山の城跡について
(1)史跡の現況について(2)今後の取組の方向性

 続きまして3番目の柱、県指定史跡である有田川町鳥屋城山の城跡について質問をさせていただきます。
   この間、住民の方から「鳥屋城山の山頂にある城跡に行ったが、草ぼうぼうで、イノシシが遊歩道や石垣やらを掘り返し、たいへん荒れたまま放置されている。県の文化財に指定されているということだが、こういう状態で放っておいていいのだろうか。草狩りのボランティアぐらいならできるので少しでも協力させてもらいたいと思っている」との相談を受けました。
 私も現地の状況を知らなかったので、住民の方々とともに実際に鳥屋城山に登ってみました。県・町の担当者の方々も同行していただきました。有田の平野と山なみを一望できるすばらしい大パノラマに感動するとともに、中世の山城跡ということで荒々しい「石垣」や敵の攻撃に備えた「堀切」などが確認され、古代へのロマンを感じました。しかし残念なことに、ご指摘どおり城跡には低潅木やススキが生い茂り眺望もきかず、イノシシの被害も多数見られ、荒れ放題という印象を受けました。
 この鳥屋城史跡については、「和歌山県の城」という書籍の中でも「鳥屋城は、紀伊の中世城郭の中ではその存廃が確かな史料に登場する貴重な遺跡である」と紹介されています。こういった中世の城は江戸時代の文献しかのこっていないものが多い中、湯浅氏と畠山氏によって南北朝の時代から秀吉紀州攻めまでの約200年間にわたって継続的に使用されてきたことが、その当時の一級の文献資料で残っているという、なかなか例のない貴重な山城跡なのだそうです。ところが、その一方で、詳しい現地調査や発掘調査、資料分析がされてこなかったために、詳細なデータや図面・出土品などがほとんどないと聞いて、驚いたと同時に、これはなんとかしなければと思いました。
   そこで教育長にお尋ねします。鳥屋城山は県文化財指定をしている唯一の山城跡であり貴重な史跡であるが、県としてこの現況をどう認識しておられるか。そして、地域住民の関心を高め、郷土の地域資源を大いに生かして地域づくり町づくりをすすめるという点からも、今後有田川町と力を合わせて、城跡の調査・保存・整備に取組むべきではないか。以上2点についてご答弁を願います。


《答弁 山口教育長》

   鳥屋城山の城跡は県文化財指定唯一の山城跡であるが、その現況をどう認識しているかということにつきましては、和歌山県には多くの山城跡がございますが、その中で、これまでに中世の城跡として県史跡指定されているのは、鳥屋城山頂に築かれた鳥屋城址だけであり、現在、本丸跡が残っておりまして、東西に長い方形の平地になってございます。
   山頂までは旧金屋町により遊歩道が造られておりますけれども、季節により草が生い茂るなど、歴史をたどる場所としてふさわしいとは言い難い状況であると把握をしてございます。
   次に、町とともに城跡の調査・保存・整備に取組むべきではないかということにつきましては、鳥屋城址は鳥屋城山の山頂の一部のみが県史跡指定されてございますけれども、城跡全体の把握、史跡追加指定のために不可欠な土地等の権利関係が明らかではなく、見直しが出来ない状態になってございます。
   県といたしましては、現在有田川町で進めおります地籍調査の早期完了を促しまして、その成果を得た時点で、指定の見直し、保存整備等を町教育委員会とともに検討を進めてまいりたいと考えます。



《質問 松坂県議》

4、県立高校等の授業料値上げについて
(1)授業料値上げ中止を(2)経済的困難への支援

 質問の最後の柱として、県立高校等の授業料値上げについて質問をさせていただきます。議案第167号は県立高等学校をはじめ看護学校・農業大学校などの授業料の値上げを提案するものです。
   弱者切りすての構造改革路線のもと、格差社会といわれる問題は全国的にも、そして県内でも深刻化しています。非正規雇用が増大し年収200万円以下の世帯が急増しているなど、貧困の裾野が広がっています。経済的理由などから授業料の減免を受ける家庭が増加傾向にあります。平成15年度には6%であった減免率が、平成18年度には7、8%にまで上昇しています。そして平成15年度にはなかった授業料未納者も18年度には累計24件となっています。
   この経済的困難が、家庭のすさんだ状況や、ひいては子どもの心に困難を生み出す、大きな要因ともなっていることに私はたいへん心を痛めています。私はこの議案が発表されてから、有田管内の中学校・高校の関係者の方々からお話を伺いにまわり、子どもたちを通して見えてくる深刻な状況と、そして子どもたちとしっかり心をつないでがんばっておられる現場の先生方のご苦労をお聞きしてきました。
   たとえば家庭訪問の時刻がたいへん遅くなっている傾向があります。何か問題を起こしてから指導するのではだめだからと、気になる子どものことを学年などで相談し、電話ではなく顔を見て話をしようと家庭訪問などをするそうですが、仕事を終わって帰ってくるのが8時を過ぎる家庭が多くなってきている。その仕事もパートとかだと休んでもらうこともできない、正社員なら1時間休みをとってもらうなどもできるが、パートだと1時間ぬけるとすべてにかかわってくる。2つも3つもパートをかけもちしている。こんな苦労が見えてくるそうです。
   これはある県立高校の新入生の手引きです。入学時に費用について説明をしています。中身をみますと、授業料11万5200円に加えて、制服代で10万円、体操服で1万8千円、PTAなど諸会費で2万円、入学寄付金で1万8千円、学校独自の運営協力金に5千円、この他にもクラスでの集金が年間1万円などとなっているそうです。
   このように、授業料の他にも父母負担となる諸経費の集金が重くのしかかっています。学校運営やPTAの会計も厳しさを増していますが、その要因の一つにこの間の県補助金など財政支出削減があるのです。補助金の削減が結果として父母負担増という形でふりかかっているわけです。長引く深刻な不況のもと、授業料値上げには慎重の上にも慎重であるべきです。なぜ今回授業料値上げをするのか、どうしても値上げしなければならないのか、色々な補助金が削られているが授業料値上げでそれが少しでも戻るのか、など県民の目は厳しくむけられています。私はこの厳しい経済状況のもとでは、機械的な値上げは止めるべきだと考えますがいかがでしょうか。
 また2点目に、これまでも機会あるごとに、授業料減免制度の基準を見直して、必要な家庭が減免を受けられるよう改善を求めてきました。が、このことをはじめ様々な手立てを検討し工夫して、今こそ経済的困難をかかえながら子育てをする県民を、支え守る姿勢が必要ではないか。以上2点について教育長のご答弁を願います。


《答弁 山口教育長》

   県立高等学校の授業料につきましては、これまでも適正な受益者負担となるよう地方財政計画や他の都道府県の動向を考慮の上、改定を行ってまいりました。
   既に国の平成19年度の地方財政計画において、高等学校の授業料については改定されているところであります。全国の半数以上の県においては既にそれを踏まえて改定をしております。
 ´´残りの都道府県につきましてもほとんどが平成20年度からの改定を予定しているところでございます。本県におきましても、これらの状況を踏まえ、平成20年度入学生から授業料の改定をお願いするものでございます。
   次に、授業料減免制度は、経済的な理由により修学が困難な生徒に対して、授業料の免除を行い修学機会の確保を図る対策の一つでございまして、その基準と運用については、県民の理解が得られる負担の公平性が必要でございます。
   従いまして、この公平性を確保するため社会保障制度の根幹である生活保護基準を判定基準としております。
   生活保護世帯につきまして、生業扶助の中で高校の修学費が対象とされておりますが、それ以外については、生活保護基準に準じる世帯には全額免除を、収入が生活保護基準の1.2倍までの世帯につきましては、半額の免除を行ってございます。
   なお、減免対象にならない生徒については奨学金制度を含めた修学支援制度全体の中で対応をしてございます。
   厳しい財政状況でございますけれども、今後とも修学支援対策として、教育の機会均等と進路選択を保障する「セーフティネット」の観点から、公平性を担保しつつ、真に必要としている生徒が、必要な時に利用できる制度となるよう努力をしてまいりたいと存じます。



《再質問 松坂県議》

   最後の授業料値上げの件では教育長に再質問をさせていただきます。答弁をお聞きして私が感じたことは、まず値上げの理由というのが、国の基準に沿っての値上げを各県ともにするのだから理解してほしいとのことだったと思いますが、三年ごとの値上げだって、その年に上げる県、次の年に上げる県、和歌山もこのうちに入ろうとしているのですが、そして3年間かけて少しずつ上げる県、値上げを見送る県と様々に対応が分かれているわけで、画一的な対応にならなくてもいいのではないかということを感じました。
   また、授業料減免制度の見直し等のなんらかの手立てを求めたのに対し、困難な生徒には、授業料減免と奨学金で対応していますよという答弁でした。その上で、教育の機会均等と進路選択を保障する「セーフティネット」となるよう努力するとの答弁を聞かせていただきました。
   これは制度の問題ですから、一存ではいかないことは充分承知しているつもりです。しかし、本当に援助の手が必要な家庭に、必要な援助がされているかというと私はまだ不十分だと訴えているわけです。
   これも現場でお聞きしてきた話ですが、給食費を滞納していた子どものケースです。給食費を払うということは就学援助を受けていない家庭です。小学校と中学校それぞれに子どもがいて、月々8000円からの給食費が負担になっていたと。何度も連絡をとり、家庭訪問もするがいつも家は留守のようで連絡がとれていなかった。仕方がないので、学校の帰りに子どもといっしょについて帰ってみると、真っ暗な家の中から電気をつけてお母さんが出てきたというのですね。留守だったのではなくて、電気をつけずにいたのです。お母さんは失業中だったそうで、先生に何度もわびながら支払いの約束をしたそうです。そしてしばらく期間をおいてからお母さんは学校にやってきました。その手にはやっと入った失業手当のお金がにぎりしめられていたというのです。
   就学援助や授業料免除、本当にこのセーフティーネットが予防的役割を果たせているでしょうか。減免基準の金額も、パートを2つも3つも掛け持ちして必死に働いていることが、わずかに基準を上回っていたりと、画一的に金額だけで線を引くことがいいのかどうかという悩みの声もお聞きしました。こういったボーダーラインすれすれでがんばっている家庭にも、授業料の値上げだけではすまない出費がどんどん重なるわけです。
   これ、何らかの手立てを検討できないでしょうか。食い下がるようですが、再度、この授業料値上げ問題で、もう一度教育長のご答弁を願います。


《答弁 山口教育長》

   再質問をいただきました授業料の問題でございますけれども、値上げをせざるを得ないという状況につきましては、和歌山県としても、財政的に非常に難しい困難な状況の中で、一定の負担増をお願いせざるを得ないという状況が一般的な状況でございますけれども、ただ、私どもとすれば、むしろ積極的に上げたいというよりも、やはり、国の状況に合わせて行かざるを得ない面もある、というそこの事情を、逆にご理解いただきたいなという風に思っております。
   それから、基準の適正、適切さと言うことについて、議員がご紹介頂きましたように、大変苦しい家庭が決して珍しくない状況もあるということは、重々、承知してございます。私も現場におりました時に、そのような家庭に度々遭遇致しました。その時に、例えば、前年度の収入は充分あるけれども、会社のリストラにあってですね、今、大変生活に困っているような状況もございました。そういう場合には、個々のケースに応じた、かなり丁寧な、弾力的な対応も県の方でとって頂いた経験もございます。
   そういうこともございまして、一律に金額だけの基準で措置するということはさけるようにですね、丁寧な対応を心掛けてきていると思いますので、今後とも個々の具体的なケースに応じた丁寧な対応ができるように、心掛けてまいりたいという風に考えます。


《要望 松坂県議》

   教育長からは、苦しい家庭がめずらしくない状況、また個々のケースに応じた丁寧な対応をしてゆきたいとの決意もお聞きしました。
 この問題は今後の議会での議論と新年度にむけたとりくみに譲りたいと思いますが、ぜひですね、長引く不況や格差社会といった、社会の波に翻弄されながら、懸命に成長していく和歌山の子ども達に、心よりそいながら取組んでいただきたい。新年度事業でもふまえていっていただきたいと、このことを強く要望をいたしまして質問を終わります。



200712月建設委員会

質問 松坂委員
   第1点目に入札制度改革についてお伺いする。これまでも官製談合事件を受けた入札制度改革が進められて本議会の一般質問でも公共の仕事の発注方法や入札方法のあり方についてずいぶん議論された。いわゆるダンピング防止という観点から公共工事の入札には調査基準価格が設けられて、それ以下の入札についてはチェックが行われる仕組みになっているが、この安全性や品質の確保はもちろん、下請け業者が泣かされないようなチェックシステムの構築は今後とも引き続き改善していく必要がある問題だと考えている。先日行われた耐震工事の設計業務の入札で落札率が33.03%という入札があった。大変低い落札率だということで注目している。同時にこの設計業務は調査基準価格などの設定がないと聞いている。県が調達・発注を行うものの中でこういった調査基準価格などの設定をしているものはどういうもので、底値の設定をしていないものはどういうものがあるのか、それはどういう理由で仕分けられているのか。

答弁 本田技術調査課長
   最低制限価格の設定について、建設工事5千万円以上で調査基準価格を設けている。5千万円未満は最低制限価格としている。土木関係建設コンサルタント業務、建設関係コンサルタント業務、補償関係コンサルタント業務、測量業務、地質調査業務などの委託業務は最低制限価格を設けていない。また、建設工事においても予定価格250万円未満の工事や構造物として残らない渡藻や構造物の撤去工事についても最低制限価格を設けていない。

質問 松坂委員
   委託業務とか撤去工事、こういったものについて最低制限価格や調査基準価格を設けてないということであったと思うが、撤去工事などでも極端に安い価格であれば、廃棄物の処理をはじめ、きちんとした内容を示すことが出来なければ落札決定をすることには問題もあろうかと思う。様々な業界の過去の実態を見ても市場価格から極端に低いということは、その価格で受けても辻棲が合うというカラクリがあったから、そういうことがあったのであって、そのカラクリがまかり通ること自体、今は通る時代ではないし、赤字を出してでも実績を作りたいと言って取りに来ることもあると思う。捜して取るという商売にも限度というものがあって、不当なダンピングが出来る体力のある大手企業に結果として支配されてしまって、中小業者が泣かされ育成の障害となるということも考えられる。
   今回、質問した設計業務についても安全性が問題とされてきた。いくら安くても心配ないという考え方では賛成出来ない。設計業務に限らず価格だけの勝負となれば全国チェーンの大手企業に分があるのは当然であって、地方公共団体の発注業務としては疑問がある。公共の仕事を受ける業者には社会貢献をさせてもらうという、地域のための仕事をさせてもらうという精神が求められるし、発注する方にも仕事をしてもらうという姿勢が相互に要ると思う。そういう意味で公の仕事のあり方とか発注や入札方法は、価格だけが正義や、コストダウンだけが至上命令というのでは住民のための公の仕事として不適切であると考える。
 ´そこでもう1点お伺いする。この設計業務をはじめ基準価格、最低制限価格を設けていない、今、説明があった分野に対する今後の方向性などをどういうふうに考えているか。

答弁 本田技術調査課長
   委託業務については、条件付き一般競争入札の導入に向けて検討中であり、最低制限価格の設定についても検討課題のひとつと考えている。

要望 松坂委員
   是非、十分に検討するよう要望する。

質問 松坂委員
   河川整備計画についてお尋ねする。
   現行の新河川法では河川の整備計画に住民が参画する仕組みが取り入れられた。これまでは河川管理者や行政に任せっきりであった管理・治水・環境等に住民が関わることによって防災・環境意識の向上など寄与するものと期待する。
   和歌山県が管理する河川で河川整備基本方針や河川整備計画が策定されている河川はどこか。

答弁 鈴木河川課長
   県内で河川整備基本方針が策定済みの河川は、亀の川・加茂川・日高川・切目川・南部川・左会津川の6河川です。
   また、河川整備計画については、切目川・南部川・左会津川の3河川です。

質問 松坂委員
   地元の有田川もまだですが、今後の策定方法や願番はどうなっているのか。

答弁 鈴木河川課長
   現在、河川整備基本方針の策定に向けて検討している河川が8河川であり、その中に有即日も含まれている。有田川については、河川整備基本方針を策定後、速やかに河川整備計画を策定する。
   また、河川整備計画については、作業中の河川が6河川であり順次作業を進めている。

質問 松坂委員
   二川ダムの水利権の更新について伺う。二川ダムは、1965年の完成から50年の月日が近づいている。この間、二川ダムの水を利用する岩倉発電所等、県有の発電所が売却された。その時「ダムが発電優先とならないか、洪水対策は大丈夫か。」という住民の声があがった。集中豪雨などによる災害の不安が増大している。ついては、2010年の水利権更新の行政手続きはどうなっているのか。

答弁 鈴木河川課長
   水利権更新の事務手続きについてだが、二川ダムの水利権については、許可期限が平成22年1月11日となっており、その日の6ケ月前から1ケ月前までの間に、水利権者である関西電力株式会社から河川管理者である和歌山県に対して更新申請書が提出されることとなっております。

要望 松坂委員
   発電所は県営の時代は、許可を受けるのも許可を与えるもの和歌山県知事であったが、関西電力に譲渡されたわけだから、相手も立場もあるが、地元自治体・流域住民ともに十分議論した上で、手続きをされたい。

質問 松坂委員
   議案第169号について、この議案は県営住宅の家賃滞納者への住宅明け渡し、滞納家賃請求の訴訟に同意を求めるものであるが、これらの個々の案件については、家賃滞納者に対する実情を踏まえ丁寧に指導をしてきたのか、また、裁判の当事者能力のない人を訴えることはないのか、これらを十分に調査のうえで上程しているのか。
   この点について、きちんと確認したい。

答弁 丸山住宅環境課長
   今回上程させて頂いている方は、伊都振興局管内の県営住宅で2名、和歌山市及びその周辺部の県営住宅で5名、計7名上程させて頂いている。
   今回の7名の方は、直接臨戸、あるいは電話で確認を行っているので、決して本人が上程のことは分からないというような状況はない。


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