2008年6月県議会 建設委員会 概要記録

2008年6月24日

《質問》 松坂英樹委員
 湯浅御坊道路の安全対策についてであるが、有田・広川間の事故が多かったので県警から資料を貰ったところ、阪和道全体の事故件数と比べてみると湯浅御坊道路の件数が非常に高い。負傷者を見ても阪和道全体で年50人に対して湯浅御坊道路はその半分ぐらいの数字で推移している。特に、事故に対する死亡者数をみてみると阪和道では、平成15年で1人、平成16年で1人、平成17年から平成19年は0、平成20年は1人となっているのに対して、湯浅御坊道路では、平成16年で1人、平成18年で1人、平成19年で3人、平成20年で5人となっており、事故が起こった場合に大事故となっているのがわかる。
 事故多発の要因を県としてどう認識しているのか。
 国やNEXCOに対してどのような安全対策を要望しているのか。

《答弁》 若林高速道路推進室長
   4月21日と6月14日という短期間に死亡事故が連続して発生し、県としても非常に重大な事態であると考え、西日本高速道路株式会社和歌山管理事務所に対して事故防止対策を取り組むよう申し入れている。西日本高速道路株式会社も事態の重要性を認識しており、中央部のラバーボールの変更や凹凸舗装など様々な対策について検討を重ねていると聞いている。今後とも、高速道路の安全性を確保するためのあらゆる対策に取り組むよう要望していきたいと考えている。

《質問》 松坂英樹委員
 平成18年6月から平成20年4月までの死亡事故3件と本年5月の単独事故1件がどこで起こっているかを見てみると、112kmポストと113kmポストの付近で事故が集中している。これは、進入車線と本線の合流地点の終わった辺りとゆずり車線が終わった辺りとなっており車の交錯する地点といえる。このような所に特に中央分離帯のようなものを早期に設置することを求めることが大事だと思う。この辺りは、進入車線とゆずりあい車線と走行車線の3車線となっており道路幅に余裕があるので、ゆずりあい車線を廃止して、走行車線を2本にして、真ん中にスペースを設けるなど抜本的、構造的な改善も含めて要望する必要があると考えるがどうか。

《答弁》 若林高速道路推進室長
   吉備湯浅パーキングエリア付近については、委員指摘のような点も含めて、西日本高速道路株式会社は検討していると聞いている。県としてもあらゆる対策に取り組むような要望を積極的に働きかけていく。


《質問》 松坂英樹委員
 県道勝浦港湯川線「岩屋トンネル」について、5月の新聞報道で「トンネルを抜けると海、借金返済には道路財源」との報道がなされ、このトンネルが途中で事業休止となっていて、使われていないということが問題になった。この事態に対する県の総括や教訓はどのように認識しているのか。

《答弁》 久保道路建設課長
   県道勝浦港湯川線について、地元太地町、那智勝浦町の温泉等観光スポットなどリゾート地を結び、災害時等の代替道路として昭和53年に都市計画決定がなされており、その後、地元の要望を受け平成6年度に県単独事業として事業化したもの。
   工事内容としては、全体1.6Kmのうち、0.6Km供用済みであり、そのうちトンネルについては、甫子浦、越瀬、岩屋の3本が供用している。残工事として、トンネル1本と橋梁1橋を含む約600m区間である。

   事業執行が止まっている理由としては、平成11年頃から社会情勢の変化により県予算も厳しくなり、県道路整備事業費全体が減少したため、やむを得ず見直しを実施。地元にとっては必要な道路であると認識はしているが、県財政状況に鑑み、平成14年度より予算措置は行っていない。
   現在、本県の道路整備については、選択と集中を徹底し、優先度の高い路線から順次、事業を行っており、現在の財政状況下においては、この道路の事業再開は考えていない。

《要望》 松坂英樹委員
 要望があり事業執行したものの、休止に至った判断はやむを得なかったものであると思う。休止したことにより事業効果が出ていない結果や、途中までの事業費が結果としてムダになったのではないかという声、これらを県民がどう判断するのか、また必要性や経過も含め県の姿勢が問われるところである。和歌山県内全域において今後とも検討して欲しい。


《質問》 松坂英樹委員
 今度の議会の補正予算の中に那智勝浦新宮道路の可変式標識設置の予算が警察予算から出されているが、なぜ、完成してから後に別建てで予算要求が出てくるのか。標識類は道路建設費の中に入っているものではないのか。

《答弁》 若林高速道路推進室長
   可変式標識等交通規制表示は、有料の高速道路については、従来の公団以来、西日本高速道路株式会社が設置し、その他の道路については、公安委員会が設置することがルールとなっている。したがって那智勝浦新宮道路の可変式標識は公安委員会で設置している。

《要望》 松坂委員
 高速道路の規格で作って国道バイパスで供用し、60kmで始めて70kmに変更すると段階を踏んでいるのでこういったこととなっていると思う。縦割りで高速が持つのか警察で持つのかという話はあろうかと思うが、県財政全体から見ると県単独事業とするより高速の事業ですると初めから位置付けてもらう方が負担も軽いし、県民から見ても後から二度手間のように工事をすることは単価が高くついたり交通規制がはいったりするので、こういった点を国に要望していると聞いているが今後ともそれをお願いしたい。


《質問》 松坂英樹委員
 有田川の堆積土砂撤去と立木伐採についてであるが、高速道路4車線化工事に伴い上流部に溜まっている土砂と立木を撤去してほしいとの要望がある。
 特に立木が生い茂り、土砂も心配だが、立木の撤去要望が今年になってたくさん寄せられている。有田川の堆積土砂の撤去と立木伐採の今後の計画について聞きたい。

《答弁》 鈴木河川課長
   有田川町内では、現在、高速4車線化に伴う土砂撤去及び護岸の整備を重点的に実施している。
   立木伐採等の維持管理については、治水機能の確保、河川環境への配慮等地元意見を聞きながら適切に対処していく。


《質問》 松坂英樹委員
 次にダムの震災対策についてお聞きします。岩手・宮城内陸地震でダムの被災状況が報道されているが、ダム湖の半分の容量の土砂が流入したとの報道があり心配している。従来ダムの震災対策については、ダムはコンクリートの固まりのようなものであるから大丈夫との答弁であったが、県はダムの被災状況についてどのように把握しているのか。また県内ダムへの対策について聞きたい。

《答弁》 鈴木河川課長
   岩手・宮城内陸地震の報道されている空撮写真等を拝見すると、宮城県の荒砥沢ダム上流部で大規模な地すべりが発生しており、ダム湖に土砂が流入しているような状況も写真から見受けられる。現在、行政機関や複数の研究機関が現地調査等を行っている段階であり、今後、その調査結果が取りまとめられるものと考えている。
   本県のダム周辺において、現状として地すべり等の兆候は現れておらず、一方で全国の未知の活断層については、文部科学省が今後本格的に調べる方向で検討を始めると報道されている。
   今後、それらの調査結果を参考にしながら、対応を検討していく。


《要望》 松坂英樹委員
 有田川の二川ダムは、破砕帯が北側の斜面にあり、ダム湖の国道を通行止めにしなければならないような崩落が起こったところである。0%の確率の場所でも地震が起こっており、確率が高いといわれている場所では、40年前の建設当時の知見だけではなく、現在の耐震基準対策を国と歩調を合わせて対策を協議してほしい。


《質問》 松坂英樹委員
 入札改革についてお伺いしたい。
 部長の説明にもあったが、設計や調査、測量など委託業務についても6月から条件付き一般競争入札が導入されているとのことだが、導入するに当たっては県民の意見を集約した上で、制度を微修正してスタートしたと思うが、県民の方からどんな意見が出され、どういった部分を取り入れたのか。

《答弁》 本田技術調査課長
   委託業務の条件付き一般競争入札の導入に当たっては、パブリックコメントを実施するとともに、県内6カ所できめ細かい説明会を実施し、県民、事業者等の意見等の把握に努め、制度に反映してきた。
   パブリックコメントの状況等は延べ229件の意見があり、大半は地域要件に関することで、これを踏まえ測量一般業務で県内一円としていたものを250万円未満については5ブロック、250万円以上の業務については2ブロックに変更している。

《要望》 松坂英樹委員
 そういった県の原案からの変更などもしたということだが、この条件付き一般競争入札は、委託業務以外にも工事、建築等の面も併せて、これで完全だというものではないと思う。
 今後、公共調達推進委員会の中で検討がされるということだが、県民の実態や状況、意見を踏まえて改善を進めていくよう要望する。


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