2008年9月県議会 文教委員会 概要記録

2008年9月24日


《要望》 雑賀光夫 委員

 高校入試の問題については、できるだけ早く対応していただきたい。

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《質問》 雑賀光夫 委員
 今、緊急の問題になっている食品の安全の問題について、汚染米が全国で大問題になって、いろんな給食や病院などに使われている。文教委員会の前に、和歌山ではそのような問題はないのかと問い合わせしたら、今のところないということであった。その後、私のところに入った情報で、すぐる食品のある加工食品が昨年から学校給食に使われていたということがわかった。22日に教育委員会担当者に連絡をし、そういうことはないのかと問い合わせした。海南市議会でも緊急質問があり、病院などでも使われているという調査がされているということであった。このことについて教育委員会ではどのように把握されているか。

《答弁》 中島健康体育課長
   ご指摘のすぐる食品の製品について、早速業者に連絡をとり情報提供を求めた。その結果、11の対象商品を把握した。そこで、市町村教育委員会等に情報提供をし、現在、学校給食への使用の状況を調査中である。

《質問》 雑賀光夫 委員
 こういう問題が起こった時に教育委員会は、問題のある食品を扱っていた会社を調べてみたら和歌山に売っていたということが明らかになった時点で、初めて調査をすることが多い。しかし、新聞等では報道されない間から現場の情報が私たちのところに入り、私たちからすぐにお知らせした。教育委員会としては、こういう問題があった時には、報告がある前にそういう食品を使ったことはないのか、すぐに問い合わせて調査すべきであったと思うが、そのような危機管理体制についてはどうなのか。

《答弁》 中島健康体育課長
   その点については、知事部局と連携しながら、文部科学省等から情報収集を行い、各市町村教育委員会等に対し、今まで3回にわたり通知を発している。内容については、安全性の確保に万全の注意を払うこと、学校給食の衛生管理の一層の徹底管理に努めること等々であるが、今後とも知事部局の関係課と連携しながら対応していきたいと考えている。

《要望》 雑賀光夫 委員
 その点はしっかりやっていただきたい。

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《質問》 雑賀光夫 委員
 次に給食の問題について、先日、白浜町の給食施設を見せていただいた。大変立派な新しい施設ができていて、地元のPTAや校長を含んだ運営協議会が開かれ、いろいろ議論されていて大変結構なことだと思ったが、この施設で扱う給食の量が当初の計画から大幅に増えてしまい、施設が大変狭く、設計に無理があるようであった。私が視察した日も部分的な改修に取り組んでいた。設計を担当した会社が倒産して、設計の中身について文句をいう相手がなくなってしまい、町の方で苦労して改修に取り組んでいるということであった。今後の教訓として、市町村の教育委員会では給食センターを作るというような経験は何度もあるものではなく、そのためのノウハウは市町村の教育委員会では蓄積のしようがないので、その点、補助金を出して監督する立場にある県の教育委員会から、ノウハウについて指導・助言することが大変大事ではないかと考えるがどうか。

《答弁》 中島健康体育課長
   共同調理施設の建設にあたっては、我々も何がしかのノウハウがあるので、設計の計画段階で相談があれば、建設委員会の図面等へのアドバイス等で対応していきたいと考える。

《要望》 雑賀光夫 委員
 図面などを一応、県に出しているようであるが、もう少し突っ込んでいろいろ助言をしてあげれば、できたばかりの新しい施設をすぐに直すというようなことはなかったのではないかと思うので、今後、このことを教訓にしていただきたい。

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《質問》 雑賀光夫 委員
 私の手元に、生活困窮家庭の状況と子どもたちへの影響についてのアンケート調査をまとめたものがある。和歌山県の教職員組合がまとめたもので、今の状況のなかでは大変貴重なものであると思う。格差と貧困と言われているなかで、学校現場の中でも大きな問題となっている。教育委員会にも届けているので教育長も見られていると思うが、これを読んだ感想と、県教育委員会としてこういった問題をどのように調査されているのかをお聞きしたい。

《答弁》 山口教育長
   このアンケート調査については、先日頂戴し、拝見したところである。これを拝見し、今の子どもたち或いは家庭の状況を見ていくなかで、生活に困っている状況が出ており、その家庭の状況を背景にして子どもたちが苦しんでいて、いろいろな問題を抱えていることが把握できる。この間題については、それぞれの学校で工夫改善できること、学校と他の機関が連携して解決していけること、地区や地域などの校内外のネットワークを駆使してカバーして解決していかなければならないこと、我々教育行政で解決していかなければならないこと、もっと幅広い国政を含めた行政で解決していかなければならないこと等様々な改善の概要が考えられる。また、保護者自身もそのなかでご理解いただき、協力いただかなければならないことも出てくると感じる。私たちがこのような調査をすることは意義はあるとは思うが、私たちが実施した場合、学力テストの場合もそうであるが、それぞれの地域別に実態はどうかと明らかにしていくことは非常に難しく、比較をしてしまうことになってしまう。それぞれの市町村や各学校が、なんらかの形で自分たちの身近な地域の課題をしっかりと把握できる調査をしてもらい、それを積み重ねていくなかで、和歌山県全体の状況が分かるという形にもっていく方がいいのではないかと思っている。

《質問》 雑賀光夫 委員
 1つの団体の実施したものだが、十分に参考にして活用いただきたい。こうした問題に対する学校現場での対応能力を高めていくことについてだが、以前、学校事務職員が自主的に集まって、先生にアドバイスできるよう生活保護や就学援助について勉強会をやっているという話を聞き、それはすごいことですねと言ったことがあった。学校現場の皆さんが対応する力量を高めている。細かい制度的な問題については、学級担任や教科を教える先生は弱いと思うが、その点、事務職員は強い。自分のクラスで生活に困っている児童生徒がいたら、そのことを学校長や学校事務職員にすぐ報告し、就学援助や生活保護の適用が受けられないかどうか相談するシステムにすれば、それなりに対応できる。そういう点で、教員の研修の場で、教科の教え方の研修だけではなく、子どもたちの生活状況に関する対応についても研修で身につける必要があると思うがどうか。

《答弁》 中村教育総務局長
   各学校で担任が中心になって、生徒の生活指導をやっている。生徒個々の状況については様々であり、それに対応できるような社会資源、就学援助、生活保護制度や修学奨励制度、授業料の減免制度とかをどのようにして必要な生徒に情報提供していくかということは大事なことだと考える。研修や学校での事務職員と教員との連携等により、しっかりやっていきたい。

《質問》 雑賀光夫 委員
 このアンケートの中で私が答えたものが一つあるが、以前県議会で、私が地方税の回収機構に付き添い、税金を取り立てる場に立ち合ったとき、前々から困っているのであればなぜ早くから修学援助や生活保護を利用しなかったのかと思うケースがよくあるという話をした。そういう制度があるのを知らずに、どこにも相談するところがなくてぼろぼろになってから、税金や国保税を滞納する状況になってしまっているという問題がある。生活保護についても、これも本会議で話したことがあるが、ぼろぼろになってからでないと受けられないと思っている人がいる。そういう社会風潮もある。そういう段階にならなくても、生活保護などの制度を使えるということを知っているのと知らないのとでは全然違う。その点よろしくお願いしたい。また、研修と併せて、簡単な手引きを作成すれば、それを担任が活用できるなど、学校現場で役立つと思うがそれについてはどうか。

《答弁》中村教育総務局長
   高校生の場合には、入学の時点で減免や貸付金の制度などについて、学校を通じて説明しているところである。制度をできるだけ生徒や保護者に知ってもらい、その制度を受けることで教育を受ける機会が確保されると認識している。そういった面でもしっかりやっていきたい。

《質問》 雑賀光夫 委員
 この中にも出てきているが、ある校長の意見で、生活が困っている生徒については民生委員にまわして、就学援助や生活保護についてやってもらうことになるということであるが、直接、学校長の意見でそういう制度が受けられるようにすることについてはどうか。

《答弁》 黒田総務課長
   就学援助の問題については、準要保護児童生徒に係る就学援助は、三位一体の改革により、平成17年度から国の補助制度が一般財源化され、市町村の単独事業となった。よって、就学奨励の手続きや必要な添付書類についても、市町村が定めた要額等によることになる。申請者の負担軽減という面から、申請書類等の簡素化について市町村にお願いしていきたい。

《要望》 雑賀光夫 委員
 よろしくお願いする。貴重な情報であるのでぜひとも生かしていただきたい。

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《質問》 雑賀光夫 委員
 県独自の学力調査を6年間続けてきて、2年間休むのは結構だと思う。私は、当初から学力調査については頭から反対するものではないが、学校間のさげ比べにならないよう、教育に歪みを生まないようにと言い続けてきた。文部科学省の学力調査でも学校ごとの調査結果の公表は一律にはせず、大阪府では公表するという府知事の意向に市町村の抵抗で大問題になっている。和歌山県でも始めから、原則公開できているから少し異常な状況で、よくこれで目立った歪みが起きなかったとほっとした気持ちでいる。学力調査を実施するにしても、たとえば、ある年に実施したらその実施結果に基づいて学校はいろいろな研究や工夫を行って、その後5年なり10年経ってからその成果が表れたかを検証すればよいと思う。それを毎年、しかも文部科学省が実施するより多くの学年で実施してきたことにどんな意義があったのか、6年間続けてきた意義を伺いたい。

《答弁》 山田教育センター学びの丘所長
   6年間続けてきた意義であるが、1年、2年で分からないものは3、4年で分かったり、1回で分かる項目もあるが、4年、5年と継続して初めて分かる項目などもある。その年度特有の課題なのか、毎年共通する状況から生まれる課題なのか、全県的に共通して課題の見られる学習内容の定着状況などを、数年にわたって追跡してきたという意義は大変大きいものがあったと考えている。

《要望》 雑賀光夫 委員
 同じことを毎年やらなければ分からないというものではないと思うので、今後のために参考にしていただきたい。


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