2008年9月議会
 奥村 規子
一般質問と答弁


  2008年9月16日


− 項目 −

1.  高齢者が安心してくらせるために
(1)高齢者世帯の経済的状況について
    ・   低所得世帯への支援策
(2)「わかやま長寿プラン2006」における居宅サービスの利用及び介護保険施設      整備の進捗状況と評価について
(3)「わかやま長寿プラン2009」における施設及び在宅ケア体制の整備について(4)訪問介護サービスについて
  ・同居家族がいる場合の生活援助の考え方
(5)深刻な介護職の人材不足について
  ・原因と対策の必要性及び資質の向上
(6)医療・介護・福祉の連携について
  ・現状と県行政の役割

2.  障害のある子どもの放課後活動の保障を
小学校から高校生まで安心して放課後を保障するための支援策について

3.  道路の安全整備について
(1)   子どもやお年寄り・障害のある人の目線でパトロールを
(2)   路面標示や側溝などの補修について



1.高齢者が安心してくらせるために
(1)高齢者世帯の経済的状況について
  ・低所得世帯への支援策

《質問》 奥村規子 県議
   議長のお許しを得ましたので、3つの項目にわたって質問させていただきます。
   第1の項目は、[高齢者が安心して暮らせるためについて]です。
   ちょうど昨日は国民の休日、「敬老の日」でした。ある新聞の読者の川柳欄に「色褪せるどころか消えた“敬老日”」とありました。改めて、高齢者のみなさんがどのような気持ちで過ごされているのか思わずにはいられませんでした。
   今、県民のくらしは生活必需品の値上げが続き大変です。その上、9月からは電気料金も値上がりしました。大半の人は賃金が減り雇用は不安定、その上に年金、介護などの社会保険料の引き上げや、定率減税の廃止など、増税負担の重さに耐えられなくなってきています。高齢者にとっても一層高負担の時代になっており、生活状況も大変厳しいことになっています。
   県がおこなった高齢者一般意向調査(回答数1,669)では、本人の年間収入額50万円未満が10人に1人あり、100万円未満35.3%と300万円未満44.5%、合計すると300万円以下が8割を占めています。内閣府の高齢者の経済生活に関する1996年度意識調査では、1番は「子どもと同居、子どもに助けてもらう」、次に「生活費を節約して間に合わせる」、3番目が「貯蓄を取り崩してまかなう」でした。ところが2002年調査では1番が「生活費節約」35.4%で、次に「貯金を取り崩す」27.1%、「子どもと同居、子どもの援助」が26.4%で3番目に下がっています。経済不況が続く中で、子どもの家計も厳しく頼るわけにいかず、貯蓄を取り崩してもまだ足りない。「がまんと節約」を一番の選択肢として、生活を切り詰めて暮らしている実態が浮かび上がります。
   訪問介護のヘルパーさんにお聞きすると、訪問先で食事を作ろうと思っても冷蔵庫の中にほとんど食材が入っていなかったり、野菜くず一つ捨てるのも気を使うと言っています。萎れきったニンジンの切れ端があったので声をかけると「お湯につけてふやかすとまだ食べられる」と言われ、生活を楽しむには程遠い暮らしぶりに、心が痛むと言っています。
   先に高齢者の低収入の実態をあげましたが、高齢者の生活を支えている収入は7割近くが公的年金等です。25年前、高齢者の医療費一部負担金が導入され、その後もさまざまな形で負担がのし掛かってきました。2000年には介護保険料の年金からの天引きが始まりました。さらに3年後、介護保険制度の見直しで保険料引き上げ、2年後には介護施設入所者の食費・居住費の全額自己負担になりました。翌年の06年には介護保険料がふたたび引き上げられ、その上今年4月より、後期高齢者医療制度の導入で保険料の天引きが始まりました。来年は3度目の介護保険制度の見直しです。これ以上の負担は過酷です。貧しい年金収入、医療や福祉の負担増が次々と押しつけられ、今、低所得の人が福祉サービスや医療から排除されるような事態までおこっています。
   そこで知事にお尋ねいたします。負担が増え続ける高齢者の暮らしをどのようにお感じになられていますか、また低所得世帯への支援策についてお答えください。


《答弁者》 知事
   本県の高齢化は全国に先行する形で進行しておりまして、10年後にはおよそ3人に1人が高齢者になることが予想されていることから、皆さんにいつまでも元気でお暮らしいただくように色んな政策を考えていかないといけないと考えております。
   また、医療や介護が必要な方や将来必要となっても、しっかりと対応できる和歌山県を作っていきたいと考えております。このことは先に策定いたしました長期総合計画の中でも重要な柱として位置付けております。
   現在、高齢者を取り巻く主要な生活問題は、福祉保健部長から聞いたのですが、5Kといわれている、健康・介護・家族・孤独、それに経済だということだそうでございます。経済問題も一つの課題となっていることは、承知しております。

   先程、貯金の取り崩しということがありましたけれども、貯金のない人とか、あるいは、色んな医療等々に費用がかかる、そういう方でも安心して暮らせるようにするというのが、大事なことではないかと思います。

   昨今の経済情勢がたいへん厳しい状況の中にあっても、先般実施した「高齢者一般意向調査」からは、自分や家族の健康や病気に気を使い、子や孫との団らんや友人・知人との付き合いに生きがいを感じながら、社会奉仕・ボランティア活動などにも意欲を燃やしている高齢者の姿がうかがわれ、感銘を受けたところであります。

   また、高齢者の中には今までに培った経験や知識をもとに、地域に役立ちたいというお考えの方も多くいらっしゃるように感じております。
   今後こうした就労等による生きがいの場を広げることも大切なことではないかと考えております。
   低所得世帯への支援策といたしましては、介護保険制度をはじめとしたそれぞれの分野で既に取り組んでおりますけれど、生活保護制度なども最終的なセイフティーネットとして重要であろうと思っております。
   私は、高齢者が生きがいを持ち、不安なく安全・安心に暮らせる社会を守ってまいりたいと考えております。



《再質問》 奥村規子 県議
   知事に再質問をお願いしたいと思います。
   高齢者施策全体に、就労や生きがいを持って元気に過ごされている方なども含めて施策をお話していただきましたが、私たちは、よく地域を回って聞かせていただくんですけど、生活保護基準以下の暮らしをされている方の声というのも結構多いんです。収入50万円以下、100万円以下の方は明日どうしていけばいいのか、また、病気になったらどうしたらいいのかと絶えず不安を抱えている、そういった今の生活の実態をぜひ調査をするなどしていただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。


《再答弁者》 知事
   実態の調査をもっとやったらどうかということですが、そういう実態調査を知らずして、行政をすべきではないと思っております。そういう意味で今からあらためて実態調査をしますといったのんきなことで行政をやっているつもりはないのでございますけれど、さらに、実態の把握については、全県をあげて取り組みながら、この問題に限らず、すべてそうなのでありますけれど、すべて実態に即した行政をしていくように努力する。その前提として、実態の把握に全県をあげて取り組むという趣旨は徹底してまいりたいと考えております。



(2)「わかやま長寿プラン2006」における居宅サービスの利用及び介護保険施設整備の
   進捗状況と評価について

(3)「わかやま長寿プラン2009」における施設及び在宅ケア体制の整備について

《質問》 奥村規子 県議
   に、[介護保険の問題について]福祉保健部長にお尋ねいたします。
   来年4月には、介護保険は3年ごとの「見直し」を迎えます。
   06年度からの第3期の事業計画では、介護保険料は引き上げられましたが介護報酬が引き下げられ、これが介護の人材不足や事業者の経営難のもとになりました。また「要支援1」「要支援2」という介護区分が設けられ、介護予防サービスが導入されるとともに、訪問介護やデイサービスなど在宅サービスの回数制限、車椅子や特殊寝台など福祉用具の貸与がされず、軽度介護者へ厳しいサービスの抑制となってきました。施設入所者には食費や居室料の自己負担をもとめました。特別養護老人ホームの在宅待機者は解消されず、県内では今、2,372人にものぼっています。
   いくつかの事例を紹介します。80歳の男性が、週4日の通所介護を利用していました。脳梗塞の後遺症による軽い右半身の麻痺があり、リハビリを意欲的に行っていましたが、06年改定後の認定調査の結果、要支援2となり、週2回しか利用できず、その結果、次第に筋力の低下、硬縮が著しくなり、尿失禁するまでになってしまいました。
   ある人は、がんばってリハビリをした結果、介護度が軽くなって要支援となり、福祉用具貸与が受けられず、つらい思いをしています。
   97歳のMさんは、18年前に御長男を御巣鷹山の日航機事故で亡くしました。一人暮らしで最近下肢の力が弱まっています。特別養護老人ホームへの入所を希望していますがなかなか入れません。
   高齢者のみなさんは、戦火をくぐりぬけ、また今の日本を支えて生きてきた方々です。県が策定している「わかやま長寿プラン2006」にあるように、健康で長寿を喜びあえる社会としたいと願うものですが、この進捗状況と評価について、同時に来年度の「わかやま長寿2009」における施設および在宅ケア体制の整備についてお答えください。


《答弁者》 福祉保健部長
   「わかやま長寿プラン2006」における、平成19年度末の介護給付対象サービスの進捗状況でございますが、居宅サービスでは、訪問介護の平成19年度の目標数約169万回に対する供給量が約217万回で約129%の達成率となるなど、概ね計画どおりのサービスが要支援者、要介護者の方に提供されてございます。
   次に、地域密着型サービスでございますが、認知症対応型共同生活介護では、目標利用者数1ヵ月あたり1,196人に対して997人の利用者で、約83%の達成率であるものの、他のサービスでは50%を下回るサービスもございます。
   これは、デイサービス等を実施する事業者が既に存在するため、地域によっては参入する事業者が少なかったことなどが理由として考えられるところでございます。
   続きまして、介護保険施設でございますが、特別養護老人ホームは目標整備数4,829床に対し整備済数が4,603床で整備率は約95%、介護老人保健施設は目標整備数3,338床に対し整備済数が3,287床で整備率は約99%となり、今年度の整備予定を含めますと、いずれもほぼ目標どおりの整備が達成できるものと考えてございます。

   「わかやま長寿プラン2009」における平成21年度から平成23年度の間の第4期介護保険事業支援計画は、国の定めます「介護保険事業に係わる保険給付の円滑な実施を確保するための基本指針」に即して策定することが介護保険法で規定されてございます。
   この基本指針では、第4期計画は、第3期計画において設定した団塊の世代が高齢期を迎える平成26年度の目標に至る中間段階として位置付けられており、本指針によりますと、介護老人福祉施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設等介護保険3施設及び認知症高齢者グループホーム等介護専用の居住系サービスの適正な整備といたしまして、平成26年度における要介護2から5の認定者数に対する施設・居住系サービス利用者の割合は37%以下であること等が参酌標準として定められております。
   これらを目安とした上で、特別養護老人ホームの待機者数等、特に要介護度重度者への重点化を考慮に入れながら、市町村をはじめ関係機関と十分協議を行い、次の計画で整備を進めてまいりたいと考えてございます。
   なお、療養病床再編にともなう医療療養病床から介護老人保健施設等への転換分につきましては、計画の目標値の外数として別途整備を進めてまいります。
   次に在宅ケア体制の整備でございますが、今後需要の増加が予想されます訪問看護、訪問リハビリテーション等の訪問系サービスや通所リハビリテーション等の通所系サービスの充実を図り、在宅介護サービスの基盤整備を進めるとともに、地域における見守りサービス等の充実を図ってまいりたいと考えてございます。



(4)訪問介護サービスについて
  ・同居家族がいる場合の生活援助の考え方

《質問》 奥村規子 県議
   次に、訪問介護サービスについてもお尋ねします。
   この間、和歌山市のいくつかの事業所を訪問させていただきました。そこで同居家族がいる場合、生活援助の制限がきつく、事業所、利用者のみなさんがたいへん困っているという意見をお聞きしました。77歳の女性で、息子さんと二人暮しの要介護2の方です。昼間は一人で福祉用具やデイサービスなど、いろいろなサービスを利用しながら何とか在宅ですごしています。しかし、息子がいるという理由で生活援助が受けられず、非常にショックを受け、体調を悪くしました。そもそも介護保険制度の基本理念は、高齢者の「自立支援」『尊厳の保持』ということであり、個々の状況に応じた適切なサービスが提供されるよう、利用者のみなさんを不安や失望に陥れることのないようにすべきと考えます。改めて県として、同居家族がいる場合における訪問介護サービスの生活援助の考え方についてお聞きします。福祉保健部長おこたえください。


《答弁者》 福祉保健部長
   家族等と同居している利用者であっても、家族等の障害・疾病等の理由により、家族等が家事を行うことが困難な場合、訪問介護の生活援助サービスをご利用いただけることとなってございます。
   同居家族の障害・疾病のほか、障害や疾病が無い場合であっても、一律かつ画一的に判断すべきものではなく、同様のやむを得ない事情により家事を行うことが困難な場合には、適切なサービスが利用できることが適当であると考えてございます。
   具体的には、個々の利用者の状況に応じて、保険者である市町村及び介護支援専門員や介護サービス事業者が協力して判断すべきものであると考えてございます。
   このことにつきましては、同様の趣旨の通知が国からも出されており、市町村に通知するとともに、サービス事業者にも周知しているところでございますが、今後とも、適切な介護保険制度の運営とサービスの提供につきまして、市町村及び事業者の指導に努めてまいりたいと考えてございます。



(5)深刻な介護職の人材不足について
  ・原因と対策の必要性及び資質の向上

《質問》 奥村規子 県議
   最後に、介護職の深刻な人材不足の問題についてお尋ねします。
   介護を担う現場のみなさんは、利用者の信頼、笑顔、ありがとうの言葉に「介護や福祉の仕事をしていてよかったと思う」と言われています。毎日くたくたになりながら、何とか働いているのが現状です。人並みの生活ができない低賃金、子育てをしようと思ったら転職せざるを得ない。介護福祉士の養成校では、定員割れが激しいと聞いています。また、事業所が介護職を募集しても応募がないなど、介護を提供する体制が非常に不安定になっています。
   日本医療労働組合連合会は、介護・福祉労働者の労働実態調査をおこないました。和歌山県も含め、7,000名を超える回答が集約されています。調査では、半数以上の人が「仕事をやめたいと思った」と回答しており、その理由として、「賃金が安い」50・3%、「仕事が忙しすぎる」45%、となっています。一割近い人たちが、10万円未満の賃金しか得られていません。
   安定的な人材確保の条件を確立し、専門職にふさわしい教育・研修制度を保障することが大事だと考えます。県としても介護報酬の引き上げを国に要望していますが、今すぐに正規、非正規を問わず、賃金に一定額の上乗せをするように国へ働きかけることや報酬改定を前倒しして引き上げるなど、喫緊の対策を講じるべきと考えます。
   県として、人材不足の原因や、県民の求める介護に応えるためにも資質の向上にどの様に取り組むのか、考えをお聞かせください


《答弁者》 福祉保健部長
   県内の介護職員の人材不足は、平成19年度の介護関係の有効求人倍率が2.55倍と県全体の有効求人倍率の0.90倍に比べて非常に高くなっていることからも、人材不足が生じているものと認識してございます。
   人材不足の原因といたしましては、仕事内容がハードであるにもかかわらず賃金が低いことが大きな一つの要因であると考えてございまして、このことから、去る6月、国に対して、来年4月の介護報酬の改定にあたっては、介護労働者の確保に主眼をおいた適切な介護報酬の引き上げを要望したところでございます。
   介護報酬の改定につきましては、現在、国におきまして「介護事業経営実態調査」を踏まえ検討されているところでございますが、引き続き機会をとらえて、適切な介護報酬の設定について働きかけてまいりたいと考えてございます。
   また、先頃出されました国の概算要求では、新規事業として、福祉・介護人材確保のための緊急的な支援50億円及び地域における人材の確保5億3000万円が要求されており、今後、国の予算編成の動向にも注視しながら、国の施策の活用も含め、介護職員の新規確保や、現在従事されている方々へのサポートなど介護職員の人材不足に資する施策について、検討してまいりたいと考えてございます。
   なお、介護職員の資質の向上につきましては、利用者に質の高い介護サービスを提供し、介護保険制度の充実を図るためにも重要であるとともに、介護職員の人材不足対策にも資するものであると考えてございます。
   このことから、事業所に従事する介護職員を対象に、介護技術の向上を図る研修を介護普及センター等で実施するなど、必要な知識・技能の向上に努めているところでございます。
   今後とも、介護職員の資質の向上を図るため、各種研修の充実を図ってまいりたいと考えてございます。



(6)医療・介護・福祉の連携について
  ・現状と県行政の役割

《要望》 奥村規子 県議
   県は、2006年10月時点で2,893床ある医療・介護療養病床を、2012年度末で1,551床にすることを目標とする、医療費適正化計画を策定しました。06年度の医療改定で、全国で38万床を15万床にするという削減計画を打ち出したことにもとづくものですが、この計画は数値目標が先にありきの「机上の空論」であったことを当時の厚労省の担当者が明らかにするなど、実態を無視した、医療費抑制の狙いをむき出しにした計画であり、全国的にも大きな批判があがりました。厚労省はその後、全国で作られた計画を積み上げ、さすがにこの数値目標を事実上撤回し、介護の療養病床は廃止されますが、医療療養病床は現状をほぼ維持するものになってきています。しかし、療養病床に入院する患者のうち、「医療の必要性が低い」と判定された人の入院費に対する診療報酬を減額し、病院経営の面からも病床削減をすすめ、その結果、高齢者が病院から追い出される非情な事態もおこっています。
   介護保険制度においても、その導入でそれまで介護に占める国庫負担の割合が50%だったのを25%に引き下げました。そこから介護サービスの改善を求めれば、高齢者の保険料負担に跳ね返るという事態がおこっています。介護療養病床も、発足時には国が奨励して全国各地で生まれたものでしたが、2011年度末まで僅か12年で廃止するというものです。
   医療費や介護保険への公費負担を抑制し、高齢者を医療現場や病院から追い出すというのは、この間大きな問題になっている、後期高齢者医療制度と一体の考え方です。
   今、県民が非常に困っていることのひとつに、病気になっても急性期や重症期の治療はこの病院、集中的な治療が終われば次の病院を探さなければいけないという状況にあることです。何箇所も受け入れ先を探さなければいけないということをよく聞きます。
   医療・介護・福祉が総合的に機能するようなしくみが求められていると思います。県は、国がいう数値目標どおりの療養病床削減計画を推進するのではなく、「医療・介護難民」を出さないよう、状況に応じて療養病床を確保し、地域のなかでの医療・介護・福祉施設を守り、拡充するための支援を強めていくことこそ必要だと考えます。
   その点をつよく要望するものです。

《知事に再要望》 奥村規子 県議
   介護保険制度の見直しというのはお年寄りにとって、どのような暮らしをしていけるかという大変重要なことであると思いますが、その制度が2009年に見直しされる、それが一方では各市町村の頭を悩ませていると思いますが、サービスの要求が増えれば保険料が上がっていくというような状況になっていくと十分な老後や介護生活ができないと思うんですが、県として、国が国庫負担を多くしていくことも含めて、合わせて2009年の計画のときには要望を強くしていただきたい、県民に介護保険料の引き上げで負担が増えることのないようにしていただきたいと思います。


2.障害のある子どもの放課後活動の保障を
   小学校から高校生まで安心して放課後を保障するための支援策について

《質問》 奥村規子 県議
 [障害のある子どもの放課後活動の保障を]についてです。
   子どもの成長発達や、保護者の就労支援・レスパイト実現の観点から、障害のある子どもの放課後や長期休暇中の支援の保障・拡充を求める声が強まっています。
 障害のある子どもの放課後活動は、特別支援学校での学童保育、地域の一般の学童保育事業での障害児受け入れなども広がっていますが、児童デイサービスや障害児タイムケア事業での学齢期障害児の受入数が大きく増加しています。
   ところが、障害者自立支援法施行にともなって、学齢期障害児を支援してきた経過措置型の児童デイサービスが廃止されるのではないかと不安の声があがっています。
   障害のある子どもの放課後活動の支援のあり方について、地域の学童保育事業への受け入れも含めて、今後本格的な保障にとりくんでいくことが必要かと考えますが、県として安心して放課後を保障するため、どのような支援策をお考えですか。


《答弁者》 福祉保健部長
   現在、学齢期の障害児を対象に集団療育を行う経過措置型児童デイサービスの実施や市町村地域生活支援事業である日中一時支援事業により障害のある主に中高生等について日中活動の場の提供を行っているところですが、今後とも、実施主体である市町村と連携し、事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
   また、放課後児童健全育成事業、学童保育のことでございますが、保護者が就労等により昼間家庭にいない主に小学校低学年の児童を対象に、遊びや生活の場を提供し、子どもの健全育成を図っているところでございますが、障害のある子どもの利用についても、専門的知識のある指導員の配置やバリアフリーの施設改修の実施など実施主体である市町村と連携しながら、可能な限り受け入れ体制の推進に取り組んでまいります。
   なお、経過措置型児童デイサービスにつきましては、今回、平成21年度の障害者自立支援法の見直しが行われる中で、そのあり方についても検討がなされているところでありますが、本県では、多くの障害児が経過措置型児童デイサービスで必要な療育支援を受けている現状に鑑み、当該事業を新たな事業体系とするなど、より多くの障害児が必要な療育支援を受けることができるよう制度整備について、近畿府県一体となって、国に対して強く要望しているところでございます。



《要望》 奥村規子 県議
   お母さん方の努力や和歌山県としての対応の努力によって進んでいる面というのも確かにあると思うんです。ただ、子どもの成長発達といったことを考えると、ふつうは小学校や中学校というのは地元の地域で育っていくわけですが、障害をもっている子どもさんが支援学校へ行くということになれば、バス通学も含めて通われている、地域から離れている中で放課後をどう過ごしていくかという問題では、地域の中で障害のある子ども、障害のない子どもも含めて、地域のふれあいとして放課後を過ごしていけるようなものを、お母さん方も望んでいる面があるんじゃないかと思います。そういった体制をしていくのにも、専門的で柔軟性をもった対応のできる方が必要になってくると思うんですが、そういうことも含めて今後、取り組んで検討していただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。


3.道路の安全整備について
(1)子どもやお年寄り・障害のある人の目線でパトロールを
(2)路面標示や側溝などの補修について

《質問》 奥村規子 県議
   最後の項目、[道路の安全整備について]2点お尋ねします。
   和歌山市内で、住民のみなさんが町並みウォッチングということで、日常生活でなくてはならない身近な道路を実際歩きながらチェックをしました。とくに学校の通学路や、医療機関・公共施設周辺など見て回りました。
   そのなかで、「溝ぶたに隙間がある」、「信号時間が短く、車いすやお年寄りが渡りきれない」、「道路標示がほとんど消えかかっている」など、危険な道路箇所が明らかになりました。
   県としてもパトロールをされていることですが、子どもやお年寄り、障害のある人の目線でパトロールをすることが大事と考えますがいかがでしょうか。
   県の道路関係経費の状況をみますと、生活道路の維持・補修などの経常経費が年々減少しています。1990年度予算を見ると道路橋梁費の経常的経費は63億円ですが、2006年度では34億と半減しています。こうしたことが保守点検や維持補修を遅らせているのではないかと心配するものです。
   路面表示が大変すり減って消えている状態の箇所もありますが、安全上の問題、町並みの美観の問題など考え速やかに書き直すこと、側溝の補修など、どのように行っているのかお聞かせください。


《答弁者》 県土整備部長
   「子どもやお年寄りそれから障害のある人の目線でパトロールを」についてでございますが、道路パトロールについては、道路管理を行う上で大変重要なことだと認識しており、県管理の道路の全路線について、定期的にパトロールを月1回から4回実施しております。これ以外にも、季節による臨時パトロールも地域の実情に応じて実施し、自動車や自転車の通行の安全確保に努めております。
   また、ご指摘の子どもやお年寄り・障害のある人の目線での道路点検につきましては、自治会からの要望、小学校、障害者の団体等との話し合いや現地調査により、歩道や通学路区間等の状況の把握に努めております。
   今後も、特に歩道や通学路区間について、より一層の注意をもって道路の点検を実施していく必要があると認識しております。
   路面標示や側溝などの補修についてでございますが、交通量の多い道路のセンターライン、外側線や交差点マークは摩耗が激しく、薄くなっているところがございます。
   また、側溝の蓋につきましても、歩道内で車が多く横断する乗り入れ部に損傷が発生し、歩行者や車いすの通行に支障を来す場合がございます。

   このような箇所の補修につきましては、パトロール結果や自治会、住民等からの連絡などの情報を受け、早期に対応が必要な個所から順次補修を実施しているところでございます。


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9月県議会 奥村規子 一般質問=08年9月16日