2008年12月県議会 農林水産委員会 概要記録

2008年12月12日

《質問》 藤井委員
   国の緊急経済対策ということで、治山事業の増額補正を計上しているが、経済対策として実施するのであれば、地元の活性化につながることや早期発注を進めていくことが求められると考える。今回の事業内容はどういったものか、また、地元業者への発注となるのか、さらに早期発注にどう取り組んでいくのか、お聞きしたい。

《答弁》 森林整備課長
   12月補正でお願いしている治山事業については、山地災害の防止や水源かん養機能の早期回復を図る目的で、平成21年度予定箇所を前倒しするもので、事業内容としては、荒廃渓流や山腹崩壊地の復旧、荒廃森林での間伐による森林整備を実施するものである。工事発注については、事業規模からみて、全て県内業者を対象に実施する予定で、地元への経済効果にもつながると考えている。また、早期に測量を発注し、本工事の入札を迅速に進める予定である。

《要望》 藤井委員
   今後も経済対策として、公共事業の増額や事業の前倒しなどもあると思うので、県内での仕事に結びつくような事業を厳選するとともに、一般競争入札で難しい面もあると思うが、工事箇所の近隣業者への発注や早期発注に心掛けて取り組んでいただきたい。

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《質問》 藤井委員
 燃油や生産資材の高騰対策について、漁業では今後1年間、省エネ操業に取り組めば燃油高騰分の9割、肥料では7割を補填する制度があるが、秋以降、燃油価格が大きく下落しているため、現在では価格高騰分に見合った対策にならないのではないかと考える。県として、これらの制度をどう捉え、効果を上げていくためにどうすれば良いと考えるか。また、制度の趣旨を活かせるような制度設計やスキームの組み替えなど、状況を見ながら国に対しても意見を言い、漁業者や農業者にとって価格高騰対策として有効であったといえるような制度にしなければならないと考える。こういった点についての考えをお聞きしたい。

《答弁》 農業環境保全室長
   肥料・燃油高騰対応緊急対策事業は、肥料・燃油の使用量を2割以上低減する農業者グループに対し、費用増加分の7割を助成するもので、肥料対策については、低減技術のメニュー数が少ないことから、より多くの農家が対象となるよう、県内で多く使われている有機配合肥料を特認技術として認めるなど、国と協議しながら制度の活用に努めている。肥料価格については、現在のところ高止まりで推移しているため、取組農家には助成金が交付されるものと考えており、本事業を積極的に活用して農家の負担軽減に努めて参りたい。

《答弁》 水産振興課長
   省燃油操業実証事業については、県内で取組の早いところは10月1日から事業を開始している。本事業の基準となる燃油価格は昨年12月となっており、現在の価格はそれを下回っているところもある。このため、当初想定していた効果はかなり薄まっているものの、この実証事業の取組期間が1年間であり、その間に燃油価格が再び高騰することも考えられるため、今後もこの事業を進めて参りたい。なお、国に対しては、昨年12月となっている価格の基準月を変更することができないかと要望しているが、その方向での回答は得られていない。

《答弁》 果樹園芸課長
   燃油価格が下落傾向にあるためか、現在のところ、相談窓口への農家からの相談は無い状況であるが、依然として燃油価格が高く、施設園芸農家の経営に大きな影響を与えていることから、県としては、今後も施設園芸の省エネ化に取り組んでいくことが重要であると考え、今議会で施設園芸省エネ栽培支援事業の増額補正をお願いしている。

《質問》 藤井委員
   燃油価格高騰対策と銘打つ事業が、実際に1年間取り組んだ結果、効果が無かったということにならないよう、どうすれば良いか考えていく必要がある。昨今の状況下で、漁業では事業に参加する漁船数も増えてきておらず、効果に対する疑問の声も出ている。効果をどのように上げていくかといった観点から、制度のあり方についても関係者の意見を聞きながら、生きた制度となるようにしていただきたいと考えるが、この点についてどう考えるか。

《答弁》 農林水産部長
   今後の価格動向を見ながら、制度がうまく活用できるよう、農林漁家のために努力して参りたい。なお、採択要件等を含めて要望があれば、国へ伝えて参りたい。

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《質問》 藤井委員
   消費が低迷する中で、農産物等の売上げ不振による農林漁家の経営悪化が懸念される。経済全般を視野に入れた農林水産業振興の方向性、考え方をお聞きしたい。

《答弁》 農林水産部長
   昨今の経済情勢の中で、これまでのように高い物が売れる状況ではなくなってきている。このため、これからは食品加工業者・食品業界と一体となった加工も含めたアグリビジネスの展開により、産業としての裾野を広げ、生産コスト低減や雇用創出につなげる仕組みを作っていくことが農業や地域の活性化のために必要であると考えている。こうした取組を通じて、日々の価格動向に左右されない、地域経済を担う足腰の強い農林水産業に発展させていきたい。


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