2009年6月県議会 文教委員会 概要記録

2009年6月25日
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 雑賀光夫 委員
 私は元学校現場にいて教職員組合に関係をし、今はそこを離れた人間であるが、先ほど教育長から冒頭でお話があった最近の不祥事の問題は私のよく知っている人間もかかわっている問題であり、大変ショックであるし非常に残念に思っている。今後こういうことが二度と起こらないよう願っているということを冒頭で申し上げたい。
 まず、今度の補正予算の問題である。これは夢のような話で、どこにお金があったかと思うようなすごい予算がついている。後で耐震補強の問題も9月に出てくるが、国レベルで言うと、こういう支出をして今後どうなるのか、政治の根本を転換しない限り消費税の引き上げにいかざるを得ないではないかなど色々な議論もあるが、ここは和歌山の県議会であり、国で枠組みが作られたもので和歌山に引っ張ってきて使えるものは有効に使ったらいいという、現実的な判断で考えていきたい。そういう立場で後からの採決には臨みたいと思っている。
 質問の1つは、教員の採用試験の問題。今、教育長から大型の採用試験というふうに言われたが、2月の県議会で私は「定数内講師を減らすべきだ、そのため教員の採用人数を増やすべきだ」と申し上げた。
 教育長は「(定数内講師を)減らすように努力をしてきた」と言われたが、実際、前の年まで見てみると減っていない。「実際、努力だけでなく減るという結果を出してもらわないと困るよ」という話をさせていただいて、教育長も「やります」とお答えいただいたので、今年は去年よりも採用試験の人数が増えるんだと思って期待した。そしたら結果として去年より増えていないが、これで定数内講師は減らすことができるのかという点をお伺いしたい。

《答弁》 学校人事課長
   採用検査の件であるが、まず定数内講師の人数は、平成20年度から平成21年度にかけて61名減っている。本年度の採用検査の人数については、昨年度は295名、本年度は275名と20名定員を減らしているが、いずれも300名近くという非常に多くの採用人数になっている。
   採用人数は、定年退職者及び勧奨退職者、それから学校の統廃合、特に小規模な学校の統廃合を含めて決定している。定年退職者の数は非常にかたいところであるが、勧奨退職者や定数の増減というのはなかなか掴みづらいところもある。そんな中で本年度275名の採用を行うが、今の時点では、本年度ぐらい定数内講師が減るのではないかと考えているところである。ただ、勧奨退職の数がもっと増えたときには、言っていることと違うとのお叱りを受けるかもわからないが、ご理解いただきたい。

《質問》 雑賀光夫 委員(要望)
 わかった。私が質問した2月議会の時点では61名が減るというのは出ていなかったので、これでは減らないのではないかと心配したが、そういう結果が既にもうこの4月に出ているのであれば私のずっと言い続けてきたことが前向きに進んでいるということであり、大変ありがたいと思う。引き続き、さらに減らしていただきたい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 雑賀光夫 委員
 次の間題であるが、ここしばらく本会議でも文教委員会でもこれまで数年間やられてきた教育改革の総括。いろんな意見があるが、総括ということが非常に大きなテーマになっている。よく議論になったのが中高一貫の県立中学校の問題、それから高校入試の問題は大問題になって、これは1年前倒しでやって結果として良かったという話で大変うれしく思う。それから今度、学区制の問題も、この委員会でも坂本委員が言われている。本会議でも、そういう学区制撤廃がよかったのかという議論をしてきている。そういうあたりでいろいろな検討をしていくということで、議会でもいろいろな意見がありながらも、検討が必要だというのが総意になってきていると思うし、文教委員会でもそういう議論がやられてきた。そういう点で、既にそういう検討を始められているようであるが、どういう枠組みでそういう検討をしていくのか、その辺について伺いたい。

《答弁》 総務課長
   今の雑賀委員の、どういう枠組みかという御質問であるが、従来からも本県教育改革の一層の推進を図る観点から「きのくに教育協議会」を設置している。本県の教育の在り方について広く県民の方々から御意見をいただき、ずっと協議を重ねてきたところである。
   今回もまた立ち上げ、第9期を迎えるが、今回のテーマは「本県の学校教育の今後の在り方について」で、「生徒指導上の課題の解決」とか「確かな学力の向上」とか、6つの柱を立てて協議をお願いしたいと考えている。
   その協議会の委員の選任に当たっては、当然協議していく内容に応じて専門的な知見を有する方々に御参加いただき、より広範に多角的な観点から御意見をいただけるように、大学教授等学識経験者、関係団体や関係機関の代表者、また教職員の方々、PTAの代表の方々等にお願いしている。
   「きのくに教育協議会」とその他のいろんな検討委員会との関係であるが、例えば、中高一貫教育の協議会が立ち上がっている。「きのくに教育協議会」の中で、教育改革の議論をする上で、中高一貫教育の話とか学区制の話とか、そういう検証や議論を踏まえた御意見を伺う必要がある場合については、「きのくに教育協議会」においてそれらの協議会の御意見を踏まえながら教育改革の議論を深めてまいりたい。

《質問》 雑賀光夫 委員
 今、「きのくに教育協議会」を基本にしながら中高一貫の専門協議会を開いているということだが、それ以外にそういう検討委員会というのはあるのか、今の段階で。

《答弁》 教育長
   今ちょっと課長が触れたが、中高一貫教育については、設置している中学校とそれを取り巻く周りの中学校長会やPTA、あるいは市町村教育委員会関係者とか、そういう方々に入っていただいて、中高一貫教育をどう評価して、これからどのように進めていくのかというような調査をしている。こういった専門的な部分の意見を検討したり、聞き取り調査は既に入っているが、それを「きのくに教育協議会」の中にも反映させていくという形で進めていきたい。ほかに委員会としては、「社会教育委員会」とか、様々な委員会が設置されているので、そういったものの意見を「きのくに教育協議会」の中で反映させながら総括評価に生かしていきたい。

《質問》 雑賀光夫 委員(要望)
 十分論議をして合意が得られるようにしていただきたい。
 私は、「ニュービジョン研究会」の場合は、どうしても教育委員会事務局が、世論誘導というか、自分が持っていきたいところへ資料を提供してやったという印象を強く持つので一一いや、そういうことはないと言われるんでしょうが、そういうことにはならないようにお願いしたい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 雑賀光夫 委員
 運動会の問題である。
 5月の末に海南市内で運動会が2か所で開かれていたので見てきた。テントがたくさん立っていた。本部席と救護席にテントが立って、生徒の席にはテントがないと思っていたら、子供の席へもテントを立てていて、教室からいすを持ち出していた。私は、これを見ながら、先生方はどんな論議をしたのかと想像した。しかし、考えてみれば、暑ければ木陰で休めばいいが、子供は終わりまで見ているので、一番いい環境でしっかりと競技ができるようにとのことでの条件をつくる判断を先生方はされたのだろうと思い、これでいいと思った。ただ、しかし、テントは風が吹いて倒れたりすると危ない。現場の先生は、それもまた気を遣うと言っていた。
 そのような中で、最近、気になるのは、暑い時期に運動会が開かれること。以前、私たちの頃は、10月のお祭りが終わって、お祭りのごちそうをお弁当に詰めてもらったりしていたが、今は時期が早くなっている。私たちのころは、9月から行進やタンブリングなどの練習を暑い中でやらされて嫌だった思い出もあるが、このごろ、9月の中旬ぐらいで終わってしまう。学校としても、いっまでも運動会の練習ばかりやっていると、落ちついて授業時間を確保できないという問題などもあり、このような時期を決めているのかと思うが、暑い中で運動会をすることは子どもの健康上の心配もする。教育委員会として、このことについてどのように考えているのか。

《答弁》 学校指導課長
   運動会の開催時期について調査をしたところ、小学校は9月下旬が131校、10月の上旬が94校、併せて全体の86%はこの時期に行っている。9月の中旬というよりは下旬か10月の上旬の開催である。
   開催に当たっては、健康体育課から事前の熱中症等に対する注意事項について通知を出すなどして、各学校で取り組んでもらっている。

   昨年度、熱中症等において病院等に運ばれたという報告は受けていない。学校行事に関しては、学校長が年間の行事バランスや児童生徒の安全管理という点で配慮しながら設定している。今後も、熱中症対策等について十分注意を喚起していきたい。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

○ 議案に対する採決宣告
○ 議案第108号は、全会一致で原案可決
○ 請願に対する質疑・採決
○ 請願第7号は、継続審査すべきものと決定
○ 継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし


09年6月県議会

雑賀光夫プロフィール、質問一覧