2009年6月県議会 福祉環境委員会 概要記録

2009年6月25日
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《質問》 奥村規子 副委員長
 レジ袋の無料配布中止が1月23日から行われたが、県民一人一人が参加し、循環型社会を作っていくという中で、一つの大きな取り組みのきっかけとして始まり、マイバッグを持たれている方が90%以上という報告も聞いているが、これをきっかけに運動として、さらにそういう意識を広げていくという面で、今後どのように考えられているかお聞きしたい。
 また同時に消費者の立場から、有料化になって、特に最初はご高齢の方がゴミ袋が無くなったと不自由さを訴えられていたのだが、温暖化防止の一つとしてやはりゴミを少なくしていくという意識の中で、これを広げて運動になっていかなければいけないと思う。
 そういった中、無料配布中止ということで、事業所としての出費も減ったと思うが、そのような費用がどういった形で使われていくのか。こういう運動や温暖化防止の事業を積極的に、事業所のゴミもどう減らしていったのかというところも含め、それが進んでいるというところが県民・消費者に見えるようになっていかなければと思う。そのような点で、今後取り組みとして考えられていることがあれば教えていただきたい。

《答弁》 循環型社会推進課長
   レジ袋の無料配布中止の実施に関連する質問であるが、2点あったかと思うが、1点目はこの運動を通して今後のゴミの排出抑制、削減等をどのような方向付けでやっていくかということ、2点目は、事業者の方々の収益金等の話であると考えている。
   1点目であるが、先ほど部長説明にもあったように、1月23日から県内で31事業所、店舗数で192店舗の主に食品スーパー等でスタートされているが、現在も、この運動をより一層県内全域に拡大していこうと、いろいろな事業所に働きかけをしているところである。今後、県内での一層の拡大を図りつつ、この運動の目的でもある、小さな取り組みであるが、これによってゴミが少しでも減っていくのだということを今後あらゆる機会を通して県民にPRなりアピールをして、それをもって県民の環境意識の高揚を図りつつ、家庭から出るゴミを少しでも減らしていきたいと考えている。
   2点目の収益金等については、1月23日スタートにあたり、各事業者の方で消費者の方々に少しでも不便を掛けるのではないかということで、マイバッグの無料配布をしたり、マイバッグを持ってきていただいた来店者の方々にはポイントを付与したりということを事業者の方で取り組んでいただいているところである。また、ある一定期間であるが、例えばレジ袋の還元セールとかいった、特別セールの実施をして消費者の方々に還元をしたというような経過もある。今後こういった経費削減に係る収益金についても、環境保全活動や地域貢献活動に使っていくということで、事業者の方々にも総意として了解を得て いるところである。

《質問》 奥村規子 副委員長
 ゴミを減量していく意識を広げると言われたが、ひとつ気になったのが、以前からだが県庁の中でも各家庭でも、和歌山県では各市町村ごとに分別の数の格差がずいぶんあると思う。県庁の中は事業所ゴミとしていろいろなものを一括し一般ゴミとして出すことにはOKのようだが、やはり分別をしっかりしていくことが県庁内でも必要ではないかと思っている。そういう点も検討していただきたいと思う。各市町村により分別の数にばらつきがあると思うが、県としてはどのように考えているのか。

《答弁》 循環型社会推進課長
   一般廃棄物の分別収集については、基本的には市町村でそれぞれ分別の計画を作って、その基準に則ってそれぞれ分別の、また、収集する品目を定めているところである。県としてもそういった分別収集に係る促進計画を作っているが、いろいろな可燃ゴミとか容器包装関係のゴミがあるが、できるだけ排出の削減をしたり、リサイクルできるものはリサイクルするということで、市町村共々県民の皆様にもいろいろな機会を通じてPRして、ゴミの排出抑制、リサイクルに取り組んでいるところである。

《要望》 奥村規子 副委員長
 ある県民の方から、しっかりと分別をやっていて殆ど再生するものや資源ゴミなどに分けているのだが、最終的にはどうしても生ゴミだけが残ってくる、ということを言われている。最終的に生ゴミの処理をどうするかという問題は、今後県としてもいろいろな面で市町村への支援等を考えていただきたいと思っている。
 最後に、例えばスーパーなり事業所としてゴミを減らす、容器を少なくするといった工夫をしていることで何か成果があれば教えていただきたい。お弁当の仕切りにビニールなどが使われているが、それを食べられるものを使い、全部消費できるようにするということをテレビで見た。例えばお弁当の中にはカップみたいなビニールが入っているが、それを食べられるものにして、工夫して使ってゴミを減らしている企業もあるようなことを聞いた。そういったことや事業所自身もどう努力をしているかということが消費者にも見えるように運動を広げていければと思っている。

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《要望》 奥村規子 副委員長
 感染症対策について要望である。
 感染症指定医療機関が和歌山医療圏にないので、早急に整備をしてほしい。
 また、肝炎対策について、肝疾患診療連携拠点病院が和歌山県内にないので、これについても早急に整備をしてほしい。

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《質問》 奥村規子 副委員長
 児童虐待防止法が改正され、虐待が疑われる場合は通報し対応することになったが、この一年間の虐待への取り組み状況はどうか。子どもが施設や在宅で過ごす状況はどうなっているのか。

《答弁》 子ども未来課長
   平成20年度に県の児童相談所に寄せられた相談件数は、前年度に比べ64件減り、427件となっている。平成17年度から市町村でも相談を受け付けているが、平成20年度は前年度に比べ若干減っている。但し、平成18年度と比べれば増えており、増加している傾向の中で、平成20年度は減少したものである。
   相談を受けた中で児童養護施設等への措置は1割程度で、残り9割は在宅となり見守っている。通告が有った場合は、48時間以内に安全確認し状況を判断しており、在宅となった方も児童相談所で引き続き訪問等を行っている。また、市町村においても要保護児童対策地域協議会で関係機関が情報の共有等連携して取り組んでいる。

《要望》 奥村規子 副委員長
 在宅が9割と圧倒的に多い中、虐待の原因は複雑に絡んでいると聞いており、虐待の対応が完了するのは難しいと思うが、保護者への支援が非常に求められていると感じており、支援体制を十分に継続していってほしい。まだまだ課題もあると思うのでよろしく願いたい。

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《要望》 奥村規子 副委員長
 高齢者の問題で、議案にもある軽費老人ホーム無憂園の廃止は残念に思う。県内に軽費で安心して入れる老人ホームの廃止は、高齢者にとっても、入所した人にとっても、残念であったと思う。
 本議会で質問したときに、耐震ができていないなかで高齢者の命を最優先するということであった。高齢者施策において、命を最優先させるという県の姿勢を改めて確認した。今後ともそのような姿勢を続けてほしい。

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《質問》 奥村規子 副委員長
 介護保険の問題で、4月から新認定制度ということになっているが、新認定制度で認定された人が今の要介護度から変わった場合には、経過措置を適用されない新しい認定制度での本来の要介護度を本人に必ず通知をすることにはなっていないので、現場では新認定制度では要介護度がどうだったかが知らされないので、いろいろ意見を聞いている。その点について県としてはどう考えているか。

《答弁》 長寿社会課長
   4月から要介護認定の方法が見直しされ、申請者の希望に応じて、新しい要介護認定の方法により審査・判定された要介護度が従前の要介護度と異なる場合に、前の要介護度とするという経過措置が行われている。本来の新しいやり方での要介護度を併せて通知をしている市町村が、今現在県内では3市町で、この要介護度について古いやり方と新しいやり方の結果を両方通知することについての県の考え方は、今実施をしている3市町というのは独自の判断で行っており、国からの通知でも本来の要介護度も併せて通知するようにという指示はきておらず、本来の要介護度も通知していなくても問題はないということで、本来の要介護度を通知するかどうかについては各保険者の判断であると考える。

《意見》 奥村規子 副委員長
 各保険者が判断すればよいということで受け止めたい。

《質問》 奥村規子 副委員長
 今年度介護報酬が3%アップされたが、実際に介護職員の給与や待遇改善につながったのかどうかの検証はどのようにされるのか。

《答弁》 長寿社会課長
   この4月の介護報酬改定における影響の検証作業について、今回介護労働者の確保に主眼をおいたプラス3%の改正がなされたところだが、国で改定の影響調査(事後検証)が10月以降に実施される予定と聞いている。検証結果がいつ出るのかはっきりとした情報はないが、昨日開催された「社会保障審議会介護給付費分科会」において、調査実施委員会委員長は、調査を10月に実施し、来年の4月以降に分科会で結果報告するというスケジュールを示している。当初は年度内には調査結果がまとまると思っていたが、4月以降に少しずれこみそうである。

《要望》 奥村規子 副委員長
 4月以降、実際には介護報酬は3%上がったが、加算という形式が多く、実際には直接給与を上げることには至っていないという事業所や従業員の話を聞く。議案第114号にある処遇改善等臨時特例基金設置も関係するので、ぜひとも、介護職員の方が希望を持って働けるような改善に結びつくようにしてほしい。

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○ 議案に対する採決宣告
○ 議案第108号、議案第110号〜議案第116号、議案第122号〜議案第125号は、全
  会一致で原案可決

○ 請願に対する質疑・採決
○ 請願第16号は、採択すべきものと決定
○ 継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし



09年6月県議会

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