2009年6月県議会 反対討論    雑賀光夫
                                                2009年6月30日

   日本共産党議員団を代表して、議案第109号についての反対討論をおこないます。
   議案第109号は、「地方税法の一部を改正する法律」の公布にともない、県税条例の一部を改正するものでありますが、高額所得者の株式配当および譲渡益の優遇を含んでいる点から反対であります。
   上場株式等を市場で売買することによってえられる所得と株式配当に対する課税は変遷がありますが、平成21年からは以前から適用されてきた軽減税率を撤廃し、原則20%とすることになっておりました。しかし、特例措置として平成21年、22年にかぎって上場株式等の配当については、100万円以下だけを税率10%、譲渡益については500万円以下にかぎって10%としていたのが、これまでの税法であります。それを、平成21年から23年まで一律10%にしてしまったのが、このたびの税法改正に含まれる問題であります。
   個人資産家の場合もあれば大企業や銀行など機関投資家の場合もありますが、株式配当益100万円以上、譲渡益500万円以上のケースで減税の恩恵にあずかるわけです。その一方で、庶民の預金利子には20%の税金がかけられます。
   このことで県税収入がどの程度減収になるのか担当課にお伺いしましたが、試算はできていないということでありますが、国レベルでは、約1兆円の減収になるという推計があります。国会での討論で、わが党の佐々木憲昭議員が、株式等の売買益にたいする減税では、合計所得100億円超のわずか10人に183億円の減税がおこなわれている実態を示しました。これは国税庁の「06年分申告標本調査」によるものです。また株式配当にたいする減税では、豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長に対し、07年度で1億6000万円の減税がもたらされたという試算を示しました。
   いま、日本は格差の大きな社会になってきています。こうした時、税金は所得の再配分の観点から徴収されるべきです。それでこそ景気対策になります。よって、議案第109号には反対することを申し上げ、討論を終わります。


09年6月県議会

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