2009年月県議会 建設委員会 概要記録

2009年6月25日
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 松坂英樹 委員
 国直轄事業の県内経済効果と地元発注についてお伺いしたい。
 今回の景気対策の補正予算がどれだけ県内事業者の仕事づくりに効果を発揮するのか注目されていると思う。
 例えば、御坊田辺の4車線化、事業総額750億円がどれだけ県内業者に発注を見込めるのか。県境を越えて材料とか下請労働者がどんどんやってくるとかいうことにならないのか。
 日高港湾の水深12mへの港湾整備工事については、マリコンと言われる大手の仕事づくりではないかと、心配の声も聞かれる。
 先の本会議の受注拡大についての答弁の中で、県工事では大部分で県内業者の受注機会を確保しているとの答弁があり、また国の直轄事業では国に県内業者の受注拡大を要望しているとの答弁もあったが、もう少し具体的に国にどんな要望をしているのか、どんな仕組みで県内業者の受注拡大に取り組んでいるのか、答弁をお願いしたい。

《答弁》 技術調査課長
   平成21年6月12日に「平成21年度中小企業者に関する国等の契約の方針」について閣議決定され、その方針の中で、中小企業者の受注機会の増大のための主な措置や、中小企業者向けの契約目標等が盛り込まれている。この閣議決定を受けて、国等において、県内事業者への発注にも取り組んでいくということを聞いている。
   地元受注の見通しについては、この閣議決定を受けて、県内事業者への発注がなお一層図られるものと考えている。また、県内事業者への発注についての働きかけであるが、今後もあらゆる機会を通じて国等に行っていく。

《質問》 松坂英樹 委員
 日高港湾の整備状況について、今回の補正で国の直轄負担金が日高港湾の泊地12m工事に求められているが、日高港の実態から見て、事業の必要性、費用対効果がどれだけあるのかということで質問する。先ず、国と県の間で、この12mの掘り下げ工事は、どういう見通しを持って、どういう事業進捗を考えていたのかという補正予算に至るまでの計画、今回の補正予算によって工期の短縮がどうなるのかの2点を伺いたい。

《答弁》 港湾整備課長
   これまでの計画はどのようになっているかという点については、日高港の港湾整備については港湾計画に基づき進めている。なお、平成16年4月には事業効果早期発現のため、計画水深12mの泊地を水深10mとして供用開始している。残る泊地の増探工事については、平成21年度から着手して平成24年度完了を目途に進めていた。
   今回の補正予算について計画がどう変わるかという点であるが、泊地の工事については、本格的予算が前倒しで確保できたことにより早期完了の目途がついたと考えている。

《質問》 松坂英樹 委員
 日高港湾の泊地掘り下げによる事業効果について聞きたい。全体事業費は30億円になる。今年度補正では15億円の事業費をつけているが、これだけ巨額の整備に見合う投資効果や、事業効果が見込めるのかということについて県としての見解を尋ねる。

《質問》 港湾整備課長
   泊地については、水深10mでは1万トン級の貨物船まで入ることができる。その水深を2m深くすることにより、より大型の3万トン級の入港が可能となる。大型船による貨物輸送を可能にすることにより、物流コストの低減による地域経済の活性化が期待されると考えている。

《質問》 松坂英樹 委員
 10mの水深で暫定供用ということだが、能力が足りないくらい逼迫してきているのか。現在の日高港の利用実績はどうか。

《答弁》 港湾空港振興課長
   公共埠頭での入港船舶数は、平成16年の供用開始以来、約400隻程度で推移しており、取扱貨物量は平成16年から20年にかけて27万トンから40万トンに増加している。

《質問》 松坂英樹 委員
 取扱貨物の中身はどんなものか。

《答弁》 港湾空港振興課長
   取扱貨物の主なものとしては、原木、チップ、砂・砂利である。輸入貨物は、平成19,20年に日高地域の風力発電機材が輸入されている。

《質問》 松坂英樹 委員
 年間400隻程度、平成19年度実績だと465隻であるなかで、1万トンクラスはふじ丸1隻だけである。1万トンから6,000トンの船も1隻だけ。500トンから6,000トンの船が15隻、残り448隻は500トンまでの船である。500トンまでの船なら水深3〜5mで着岸できる。風力発電施設も単発的なもので、企業用地も売れていない。クルーズ船も年に1度の誘致がやっとである。貨物量も急増ということにも至っていない。
 国が30億の事業を本格化させて、結果として無駄使いと言われないのか。部長から答弁願いたい。

《答弁》 港湾空港局長
   原木が主な貨物でもあることから、平成20年11月に植物検疫法の指定港に指定されている。これにより外航船が直接入れる港になったことから、いろんな貨物が期待できるところであり、無駄な事業とは考えていない。

《答弁》 県土整備部長
   すべての公共事業にいえることだが、投資をして、その改修・整備効果を長期的にみることも必要である。相手もあるので県をあげて地元と一緒になってポートセールスに取り組んでいるところである。その際、相手方の要求として整備の水準を問われることもある。県としても、この施設が有効に活用されるよう、様々な取り組みをこれからもしていきたい。

《意見・要望》 松坂英樹 委員
 今回の1次補正は、国レベルでは産業界主導の景気対策の面が強く、バラマキと評される巨額の補正予算が、県民のくらしと県内中小業者の営業にどう効果をもたらすかが問われた。またそのツケを消費税増税で国民に回されるという政策に批判の声が高まった問題だ。一方、今議会に上程されている本県の補正予算で具体化された内容を見ると、一部国直轄事業に必要性・緊急性の疑問を指摘したものもあるが、全体としてみれば県民からの要望にもとづき、懸案事項の前倒し発注という内容になっているということを了解するものだ。
 同時に要望だが、経済対策補正予算の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を例にとると、約85億円が県の基金に積まれ、うち約11億円が補正予算化されたところであり、残りの75億円の事業化がなされる。今後の方向としては、住宅リフォームやバリアフリー化、住宅耐震補強、紀州材の活用、合併浄化槽設置補助などをはじめ、街灯など安全設備の設置など、これまで予算枠の範囲として抽選をしていたり、力を入れたいのに補助額や補助率が少なかったために思うように取り組めなかった県事業の補助引き上げやかさ上げなどといった方法も含め、経済対策の意味で集中的な取り組みもできるようにされたい。交付金の活用方法などを思い切って検討し、より県民生活の身近なところで一層景気対策が進むように要望する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 松坂英樹 委員
 浄化槽の水質検査の案内方法について尋ねる。
 和歌山県水質保全センターから水質検査の案内が届いたが、検査を受けないと30万円以下の罰金と書いてある啓発チラシと振込用紙が入っている。
 「今はやりの振り込め詐欺のようだ。振り込んで大丈夫か。」「高圧的だ。」といった意見が寄せられている。県にもそのような意見が来ているのか。また、どう対応しているのか。

《答弁》 下水道課長
   県の方へは、「このような案内が初めてきた。」等の質問が寄せられており、これまで周知徹底が出来ていなかったということも含めて説明し、案内しているところである。

《要望》 松坂英樹 委員
 浄化槽水質検査の問題では、以前の質問で「検査料が高い」とか「管理と検査は二度手間ではないか」などの意見が出されているとも指摘した。検査義務化についての不理解ということもあるだろうが、県民に取り組んでもらうためには充分な広報と納得が必要であり、是非、改善していただくよう要望する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《質問》 松坂英樹 委員
 湯浅御坊道路の対面通行区間の安全対策について、今般の夜間集中工事において、対策が一気に進んだわけだが、今回どういった対策が講じられたのか。

《答弁》 高速道路推進室長
   湯浅御坊道路の安全対策については、県として、県議会の皆様とともに、交通安全対策について西日本高速道路株式会社に対して申し入れを行ってきたところである。
   西日本高速道路株式会社において、この6月の夜間通行止め期間において、有田インターチェンジから吉備湯浅パーキングエリアのゆずり車線部約2km間で、コンクリート製の中央分離帯を設置し、はみ出し事故への対策を実施している。その他、注意喚起の誘導標、標識、路面標示など、各種対策が行われている。

《質問》 松坂英樹 委員
 県道有田湯浅線、湯浅町田〜楢原間について、田坂トンネルを含む事業が、現在は交通規制を行い法面工事を行っているものの、地元住民に対し説明がないままなので、計画の進捗と今後の見通しについてどうか。

《答弁》 道路建設課長
   県道有田湯浅線について、田坂トンネルを含む湯浅町田〜楢原間860mで事業を実施しているところである。田側については、概ね工事が完成。また栖原側では現在拡幅工事を進めている。残る田坂トンネルについては、楢原側の抗口付近で一部の用地が末取得であり、引き続き、町及び地元関係者の協力を得ながら事業を推進していきたい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

○ 付託議案に対する採決宣告
○ 議案第108号、議案第121号、議案第126号、議案第127号は全会一致で原
  案可決

○ 所管事務調査宣告 異議なし

09年6月県議会

松坂英樹プロフィール、質問一覧