2009年6月県議会 奥村 規子 一般質問
2009年6月19日
1.新型インフルエンザ対策について
(1)県の新型インフルエンザ対策の基本的な考
え方について
(2)感染拡大の防止策について
(3)入院受け入れなど医療体制の強化について
2.肝炎対策の充実について
(1)県の取り組み状況について
(2)肝炎患者の支援策の確立にむけて(要望)
3.バス路線の充実で住みよいまちづくりを
(1)だれもが安心して利用できるバスの運行について
(2)公共交通機関の空白地域におけるバス路線の整備について
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1.新型インフルエンザ対策について
(1)県の新型インフルエンザ対策の基本的な考え方について
《質問》 奥村規子 県議
1つ目は新型インフルエンザ対策の問題です。
今年の3月末、新型豚インフルエンザにカリフォルニアの2人の子どもが感染し、人・人感染が起きていることをアメリカCDCが4月22日発表しました。ウィルスの感染はメキシコ、アメリカ、カナダと拡大し、日本では5月9日、国内ではじめての新型インフルエンザ感染が確認され、1週間前の6月12日にWHOによりパンデミック宣言がされました。6月10日までの感染者数は世界74ヵ国27,737人うち死亡者141人です。日本では6月18日現在689人の感染が確認されています。死亡者がないと言うことが幸いです。当県においても5月27日にはじめて20代男性が新型インフルエンザ患者として確認されました。
この間ずっと24時間体制で対応されてきた関係機関、関係者の皆さんのご苦労にはまず心から敬意を表したいと思います。
国は非常に致死率が高い鳥インフルエンザウィルスが変異した新型インフルエンザの対策ガイドラインや行動計画をつくり、これを適用してきました。
県としても平成17年12月に策定された「和歌山県新型インフルエンザ対策行動計画」が今年度4月に改定されたところでした。
今回は豚由来のH1N1であり弱毒性といわれています。重症度は低いけれども感染力が非常に強いということです。現状は小康状態とみられています。しかし世界的にも感染者は拡大しており、日本でも秋から冬にはインフルエンザが流行することも念頭に、今回の対策から教訓を明らかにし、備えを整えることが重要だと考えます。あらためて現時点での県の新型インフルエンザ対策の基本的な考え方について知事にお伺いしておきたいと思います。
《答弁者》 知事
今回の新型インフルエンザは、感染力は強いが、多くの感染者は軽症のまま回復しており、抗インフルエンザウイルス薬の治療が有効であるなど、季節性インフルエンザと類似する点が多いとされているところです。しかしながら、基礎疾患のある方を中心に重篤化することも報告されており、県民の生活や経済への影響を最小限に抑えつつ、基礎疾患を有する方等に十分配慮しながら感染拡大防止に取り組んでいるところです。
また、現行の国及び県の「新型インフルエンザ対策行動計画」については、強毒性の鳥インフルエンザ発生を想定して策定した経緯があり、今回のウイルスの特徴を踏まえ、行動計画をそのまま適用するのではなく、外出の自粛や集会等の自粛の要請を一律に行わないなど、感染状況や地域の実情に応じて効果的な対策を弾力的に講じていくこととしています。現に他県と違い、現状を踏まえ、そのように対応してまいったところであります。
引き続き、県民の皆様には、正しい情報に基づいた冷静な対応をお願いするとともに、国や市町村、医療関係者等と十分連携を図り、万全の体制の下で、感染防止対策を進めてまいります。
(2)感染拡大の防止策について
《質問》 奥村規子 県議
次に感染拡大の防止策について福祉保健部長にお尋ねします。
どのような感染症においても、まず感染経路を断ち切り感染拡大を最小限にくいとめるということが県民の命を守る上で鉄則です。そして他県でみられたような感染者への誹謗中傷や過剰な反応をすることのないように正確な情報が必要です。そして落ち着いた対応がひとり一人できるように日々、予防策を身につけるよう周知徹底を図ることです。
今回、感染の早期発見、早期治療、拡大防止のうえで、保健所の役割の重要性が改めて確認されたと思います。感染の可能性のある人への追跡調査や発熱相談など、各保健所はフル回転されましたが、しかし保健所の人員がこの間、減らされてきていることが全国的にも問題となりました。舛添厚生労働大臣は予算委員会で、保健所の人員確保について、国としても「必要な危機管理拠点としての機能を維持していきたい」と表明しています。県内保健所でも体制の強化が求められると思います。
また大阪府や兵庫県では感染者の増加により「発熱外来」に患者が集中し、病床がパンクする状態になりました。和歌山市でも保健所が「発熱外来」を設け、その間は通常の予防接種などの保健所活動を中止する状況でした。発熱した場合、やはり一般医療機関に受診するケースも多く、「発熱外来」が数多く設置されることと、一般医療機関で、他の患者、特に慢性疾患患者や妊産婦と分離して、発熱患者が診察を受けることができるようにすることが必要だと考えますが、この対応策についてお聞かせください。
《答弁者》 福祉保健部長
本県の新型インフルエンザ感染拡大防止策につきましては、相談窓口の設置、早期発見・早期治療体制の整備等を進めて来ているところでございます。
県民からの相談に応じる体制につきましては、4月27日から各保健所及び難病・感染症対策課に相談窓口を設置し、その後、国内での患者発生を受けて24時間体制で対応をしているところでございます。
感染者の早期発見・早期治療につきましては、県内の保健医療圏域を基本として医療機関に発熱外来の設置を進めてきております。感染を心配される方に対しては、保健所の発熱相談センターによる相談を介して、発熱外来への受診勧奨を行い、診察後、感染の疑いのある場合には速やかに遺伝子検査や積極的疫学調査等を行っております。
県民への情報提供につきましては、県のホームページやマスコミ等を通じ、最新の国内外の情報を迅速に提供するとともに、手洗い・うがいの励行、咳エチケットを呼びかけるなど、個人で取り組める感染予防策の励行をお願いしているところです。
今後とも、県新型インフルエンザ対策本部を中心とした全庁体制の下、関係機関と連携して感染拡大を防止するための総合的な取り組みを推進してまいります。
(3)入院受け入れなど医療体制の強化について
《質問》 奥村規子 県議
感染者の入院受け入れも問題です。県内で第2種感染症指定医療機関は6病院24病床であり、和歌山市を含む和歌山医療圏には感染症指定医療機関がない状態です。感染症病床拡充についてどのようにお考えでしょうか。
そして依然として医療現場では医師・看護師不足の深刻な問題が横たわっています。そのような中で今後ともどのような緊急事態が起こるかわかりません。充分な医療体制が整っていることこそ県民が安心して落ち着いて対応できるものではないでしょうか。人的体制が深刻な中どのように乗り切っていくのかもお尋ねします。
最後に、だれもが早期受診できるために、国民健康保険証の資格証明書が発行されている世帯、無保険となっている世帯、また生活苦のなかで自己負担金が重くて受診が困難だという世帯への対応が必要です。政府は、資格証明書の発行世帯について、発熱外来を受診した場合に保険証所持と同様の対応をするよう措置をとりました。和歌山市などではこの内容を資格証明書発行世帯に郵送で通知しています。この措置を徹底するとともに、発熱外来に限らず一般医療機関への受診にも対応できるようにすることや、低所得者の方への医療費負担軽減をはかることが必要だと考えます。この点での対応を検討されるよう求めるものです。
《答弁者》 福祉保健部長
入院受入をはじめとする医療体制の整備についてでございますが、各保健所を中心として関係医療機関との調整を図りながら、病床の確保や相互の連携強化などを進めてきたところです。
今後の新型インフルエンザの医療対応については、国の基本的対処方針を踏まえ、重症者及び基礎疾患を有する方などに対して適切に入院治療を行うとともに、感染防止対策を講じた一般医療機関においても発熱外来機能を確保し、患者の直接受診にも対応した入院受入体制の拡充を進めてまいります。
今後とも、県医師会、県病院協会等の関係団体の協力の下、医療従事者など限りある医療資源を十分に活用しつつ、多数を占める軽症者の自宅療養の支援も含め、各保健所ごとに医療連携体制を構築して対応してまいります。
《再質問》 奥村規子 県議
知事に再質問をさせていただきます。
新型インフルエンザ対策の基本的な考え方で、基礎疾患がある方を中心に、これから重篤な状況にならないように拡大を防いでいくといったことを言われています。先ほども質問させていただきましたが、このさき第2波が来たときのことが県民にとっても大変心配するところだと思いますが、今回は感染力が強く、広がる可能性も非常にあるわけです。そういう状況を一歩踏み込んで、拡大を防いでいく条件づくりを行政としてどうやっていくのかということが、今後求められていくと思います。
私が特に心配するのは、ワクチンの問題はメーカーを含めていま国がいろいろ対応していると思いますが、県内に住まわれているすべての人にワクチンが行き渡ることになるのかということです。また費用負担の問題で、子どもの年齢によっては2回しなければいけないときがあり、医療機関によって値段が違います。2人の子どもで1万円近く要る場合やそれ以上かかることもあり、とても親までインフルエンザの予防接種に費用をかけられないといった問題も出されています。今後ワクチンについてはできるだけ公費負担やいろいろな検討もしていただきたいと思いますが、感染拡大という意味で大きく捉えますと、できるだけ医療機関にかかりやすい、ワクチンを受けやすい条件づくりについて県の方針といったものはまだだと思います。知事としての考えをお聞かせください。
もう一つは重症化を防ぐということで、議会の最初の知事説明では「今期のときには和歌山県民1人も泣かさないぞ」というような熱い決意も伝えてくれました。いま医療現場で医師や看護師が非常に厳しい状況におかれているもとで、患者が重症化した場合のことや、できるだけ重症化を防いでいくことが最大限必要ですが、そういった意味で知事の決意、考え方をぜひお答え願いたいと思います。
《再答弁者》 知事
今後どのように拡大を防ぐかという議論でございますが、今回和歌山県で1人感染の方がお出になりましたけれども、そういう時も、それからその前に日本に入って来た1回目の対策本部の時も、ずっと申しあげておりましたが、今のところ毒性はたいしたことはない、したがってきちんと手当をすれば普通の人はそう怖くない、しかし、重篤の病気を別途持っているような人に感染するとちょっと危ないかもしれない、ですからそれを前提にして考えていくと。
しかし、未だ実は流行っていない。和歌山では特に未だ流行っていない病気なので、初めのうちは流行らないに越したことはないので、まず隔離をするというようなことも考えます。これは発熱相談センターと発熱外来の組み合わせが一番良いと思います。
しかしながら、もっと流行ってくると、今度は全部の人を発熱外来ないしはその病院に入院して隔離するということは難しくなってくるので、その時は重症の人をむしろ入院させて残りの軽症の方は適切なる治療を自宅等々でやってもらうということになるでしょう。
流行らないに越したことはないのですが、もっと流行ってくると、重篤の病気を持った人を感染することから守ることが大事ですねということをずっと申しあげて、その方針に従ってやってまいった訳です。
今後、この方式がどうかという点については、国中を挙げて大議論が行われて、そういう動向も踏まえながら、我々は対応を考えていくのですが、今のところこの方式をさらに充実していくということで、今回の補正予算にもインフルエンザ対策でいろんな強化のための予算をお願いしております。
例えば、患者受け入れに必要な病院の設備をもうちょっと強化するとか、あるいは機材を買っておくとか、そういう点で今のこの流れがスムースに行われるようにしておくというのが、我々今考えておるところでございます。
ワクチンの問題については、実は今後どういう風にこれを作っていくのか、ご指摘のように、私も実は今確たる答えはありません。
国の問題だろうと仰っていたんで、そのレベルで考えないといけない話だと思います。従いまして、それがどういう風に展開していくかということを踏まえながら考えていかないといけない訳で、あるいは費用負担をどうするか、そういう問題についてはその都度、また我々はきめ細かく考えていきたいと感じております。
《再々質問》(要望) 奥村規子 県議
感染を拡大させないための体制をどうとっていくかという問題について要望しておきたいと思います。
専門スタッフ、医師、看護師不足のなかで、この間、市町村を含めれば保健師さんの人数は増えてはいます。しかし、介護関係やその他の業務が大変多くなっていて、こういった感染対策、緊急時の対策という意味では県の保健師さんは次第に人数も減っているのではないかと思います。そうした体制も含めて今後十分考えていただきたいと思います。また看護師のほうでも、これは救急医療の状況・体制になってきますが、こういった緊急時を想定しながら看護師の需給計画も見直していく際に考慮していただきたいと思います。
2.肝炎対策の充実について
(1)県の取り組み状況について
(2)肝炎患者の支援策の確立にむけて(要望)
《質問》 奥村規子 県議
次に2項目目の肝炎対策の充実について質問いたします。
日本においてB型・C型肝炎ウィルスの患者数・感染者数は300万人とも、350万人とも、推計されています。
多くの患者はウィルスに汚染された輸血、血液製剤の投与、集団予防接種時の注射針や筒を共用した医療行為により肝炎ウィルスに感染しており、この病気は医療行為によって感染した医原性疾患です。
B型・C型肝炎は、慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行する危険性の高い、深刻な病気です。肝硬変、肝がんの年間死亡者数は4万人をこえ、その9割以上がB型C型肝炎ウィルスに起因しています。既に肝硬変、肝がんへと進行した患者は長期の療養に苦しんでいます。多額の治療費を要するため経済的にも困難に直面しています。
ある方の手記です。第1子出産時(24歳)にB型肝炎ウィルスキャリアであることがわかって以来、この病気についてずっと頭から離れることはなく苦しんできました。子どもが小さい時はB型肝炎のことが知られると感染を恐れて、「仲間はずれにされないか」「わたしも差別されるのではないか」と口に出すことができず、ずっと抑えて生活してきました。検診にも行かず、16年目の52歳で発病していることがわかったときは、既にF2の状態で、あと5〜10年しか生きられないかも知れないと説明されました。それ以来、インターフェロン治療を半年間、その後の抗ウィルス剤を服用するなど治療しました。自分の場合副作用が強く、「この苦しみは自殺しなければ開放されないだろうと思うくらい苦しみました」と記されています。長男も「自分もお母さんのようになるのだろう」と引きこもりになり、30歳の娘も母子感染によりB型肝炎を発病してしまい、壮絶な2年間を過ごした今は、「薬の服用もやめ開放されましたが、病状の変化は著しいのです」と綴られています。
私も看護師として働いていたころは多くの無念の声を聞きました。今はすでに子どもや夫を残し亡くなられた方もいらっしゃいます。インターフェロンの治療さえ受けられない方もいます。肝炎患者さんで、肝炎対策を求めたいと私にお話された方は、その2週間後なくなられました。
こうしたもと、薬害肝炎被害者救済法が成立し、薬害製剤による感染であれば救済されることになりましたが、しかしウィルス性肝炎の原因は圧倒的には薬害以外の医療行為です。国では平成20年度から「新しい肝炎総合対策」がスタートし、治療費補助がおこなわれています。これは原因を薬害に限らない意義あるものですが、すでに肝硬変、肝臓がんに進行した人、インターフェロン治療ができない、効かない人は対象とはなりません。
また肝臓病は障害者手帳の対象にもなっていません。内蔵機能に関して、障害年金の対象となっていないのは肝臓のみです。
ウィルス性肝炎の膨大な感染は国の血液行政・薬事行政の誤りの結果だと考えます。その点から肝炎患者全体を対象に、治療費補助や生活支援、障害認定を含めた恒久対策が求められていると思います。
県の肝炎対策の取り組み状況はいかがでしょうか。福祉保健部長お答えください。また、県としても一刻も早く肝炎対策の基本法制定を求めるよう、要望したいと思います。
《答弁者》 福祉保健部長
県における肝炎対策の取り組みにつきましては、感染者の早期発見、早期治療を目的に、保健所及び約530の協力医療機関において肝炎ウイルス検査を無料で実施するとともに、インターフェロン治療に伴う経済的負担を軽減するため、平成20年度からインターフェロン治療費助成制度を運用し、平成21年5月現在、約700人の方が肝炎インターフェロン治療受給者証を交付され治療を受けているところです。
また、今年度からは一定の要件を満たし、医師が必要と認める感染者については、助成期間が1年から1年半に延長され、さらに、課税額の合算対象となる世帯家族の範囲の見直しにより自己負担額が軽減され、利用者の視点を踏まえた制度改正がなされたところです。
今後とも、インターフェロン治療費助成制度の普及啓発を進めるとともに、専門医療機関と密接に連携を図りながら肝炎対策を推進してまいります。
《再質問》(要望) 奥村規子 県議
肝炎の患者さんの実態がどうなのかということがなかなか掴みにくい問題だと思いますが、インターフェロン治療の受給状況の実績を聞かせていただくと、今回は申請者数の殆どがインターフェロン治療をやっているということではありました。
しかし、これを希望している人、やりたい人ができているのかということや、働きながらこの治療を受けるのは非常に大変であり、副作用の問題や、仕事場でインターフェロンを受けていると知れるとあまりよくないと言われたりといった心配も抱えながら受けている現状があるので、生活支援や環境づくりの面でもぜひ力を入れていただきたいと思います。そのためにはまず肝炎の患者さんの実態を掴めるように、ぜひ努力をしていただきたいと要望します。
3.バス路線の充実で住みよいまちづくりを
(1)だれもが安心して利用できるバスの運行について
《質問》 奥村規子 県議
最後の項目3つ目です。住みよい街づくりのためのバスなど公共交通の拡充について質問させていただきます。
子どもやお年寄り、障害のある方が安心してバスなど公共交通機関を利用できることは基本的な生活条件の1つであると考えます。これは山間地の深刻な問題であるとともに、和歌山市など市部にとっても、重要な問題となっています。
和歌山市在住の方から路線バスの廃線でたいへん困っているとの話がありました。その方が住まわれている地域は紀ノ川北岸と国道24号線バイパスに挟まれた小豆島地区約120軒の在所です。以前は、通勤時間帯等はバス2台が続けて走行していた時代がありました。しかし、次第に朝夕2本となり、現在は全面廃止となっています。高齢化にともない通院者が増え、仕方なくタクシーを利用していますが、和歌山駅に出るだけで往復4,000円必要です。
和歌山市内には、かつて県もかかわり宅地開発を進めてきた地域で、今では高齢化し、路線バスがなくて困っている方がたくさんいらっしゃいます。
また和歌山市の紀三井寺団地でも、バス路線の廃止が計画されています。
どこに住んでいても、だれもが安心して利用できるバスの運行の必要性についてどのようにお考えですか。企画部長にお尋ねをします。
《答弁者》 企画部長
これまで、バス乗り場と歩道の段差解消、或いはバス優先レーン、ノンステップバスの導入などに取り組んできたところでございますが、現在、国におきまして、ユニバーサルデザインの考え方に基づき「移動等円滑化の促進に関する基本方針」で、平成22年12月までにバス総車両の30%をノンステップバスにすることを目標に定め、その達成に取り組んでおります。
県でも、この目標を達成するため、バス事業者等と協力し、ノンステップバスの導入などを図ることにより、子どもからお年寄り、障害のある方などにも安心して乗っていただけるような環境の整備に努めてまいります。
(2)公共交通機関の空白地域におけるバス路線の整備について
《質問》 奥村規子 県議
県の長期計画においては健康長寿日本一をめざすことからも、また、にぎわいと交流を支える公共インフラを整備するということからも、交通機能の充実があげられています。空白地域におけるバス路線の整備を強力に進めていくことが求められていると考えますが、いかがですか。
《答弁者》 企画部長
議員ご指摘のように、バス路線の減便、或いは廃止などによりまして地域住民の方が大変不自由なさっているという状況がある一方で、利用者の減少により、事業者が経営悪化に苦しんでおられるということがございまして、これは大変難しい問題でございます。
県としては、公共交通の確保というのは県民生活に不可欠の公共インフラであるという認識のもとに、最大努力をしているところでございますけれども、こうした場合の方策の1つとして、地域の多様なニーズに応えながら、公共交通の活性化を図るために、地域住民の方、それからバス事業者、そういった方々にも参画していただいて、市町村が設置いたします協議会で取り組む事業に対して支援する「地域公共交通活性化・再生総合事業」が、国におきまして平成20年度に創設されております。
現在、県内におきましても、有田市、日高川町など6市町で設置された協議会におきまして、この国の制度を活用し、公共交通のない地域への新たな乗り入れや路線の見直しなどにより、バス路線の活性化に取り組んでおります。
今後、県も積極的にこの協議会に参加すると共に、他の市町村におきましても、こうした取り組みを行っていただけるよう働き掛けていくなど努力を続けてまいりたいと考えています。
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09年6月議会
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