2009年9月県議会 反対討論  藤井健太郎      2009929
   日本共産党県議団を代表して、議案第132号および議案第144号に反対の立場から討論を行います。
   議案第132号は、平成21年度一般会計補正予算であり、歳入歳出にそれぞれ193億3371万8000円を増額補正するものです。歳入のうち国庫支出金が166億4500万円を占め、その内訳は道路整備のための交付金42億円、経済対策交付金74億円、基金造成のための交付金29億円などで、歳出予算は普通建設事業の152億円、基金積立の30億5000万円が中心となっています。
   歳出予算において、これまで、一般財源が厳しいもとで、先延ばしされていた各種試験場など公共施設の耐震補修、生活道路・橋梁の整備、検診車の更新、感染症対策としての備品購入、携帯電話不感地区の解消など、県民生活にとっても地域経済にとっても評価できるものであり、国からの交付金を財源として行う経済対策としての事業には反対するものではありません。
   ただ、予算計上のありかたに疑問を残す事業があります。今回、新たに県立射撃場の整備5億5000万円が鳥獣害対策事業として予算計上されています。有害鳥獣による県内の被害は依然として大きいものがあり、県民生活を擁護していく上でも、狩猟技術の向上や事故の防止に向けて身近な場所に射撃場を整備することの有用性は認められるところです。しかし、予算審議にあたっては、全国的に問題となった鉛被害をはじめ周辺の環境整備や地元同意、建設後の維持、管理運営のありかたなども詰めておく必要があろうかと思います。
   今議会の知事の説明では、詳細はこれから中身を詰めていき、設計をした上で住民に説明して、合意を得たうえで建設にかかるということでした。それならば、今回は基本設計の予算計上だけにして、しっかりと施設整備と今後の管理運営のありかたを詰めたうえで、建設予算の計上をすればよかったのではないかと思うところです。今回の予算は、設計費と建設費を含めた予算として計上されています。地元同意は地元となる自治体で行うとのことでありますが、地元住民への説明はこれからということです。国体競技での活用ということも視野に入れての整備をすすめるということならば、地元の理解と協力はまさに不可欠の問題となってきます。環境面での配慮や建設予算への反映など、地元協議や関係団体との間で乗り越えなければならない課題も多々生じてくるでしょう。現段階において、県と町のどちらが計画全体に責任を持つのか、はっきりしていないという重大な問題もあります。後日に禍根を残さないためにも、今議会での全体予算としての計上は時期早尚ではないかと思います。したがって、今議会での予算計上については賛同できません。

   議案第144号は、県が施行する土木はじめ建設事業の補正に伴い、市町村からの負担金を徴収するための議決を求めるものとなっています。
   わたしたちは、かねてより、国に対しては国直轄事業の県負担金の軽減廃止を求め、県に対しては、県工事の市町村負担金の軽減廃止を求めてきました。本来、県土の整備保全や災害防止対策は県の責務であり、市町村の地形や財政力にかかわりなく負担をもとめることには無理があると主張してきたところです。
   知事は、今議会で、来年度からの市町村負担金の徴収については原則廃止を明言されました。そのことについては歓迎するものでありますが、今議会での市町村負担金の徴収についての案件には同意はできません。


09年9月県議会

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