2009年月県議会 建設委員会 概要記録

2009年月2
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《質問》 松坂英樹 委員
 来年度から市町村負担金を原則廃止することが表明され、歓迎するものである。私ども共産党県議団は、国に直轄事業負担金の廃止を求めながら市町村に負担を求めるのは道理がないこと、そして、県土の整備保全や災害防止対策というのは、市町村の財政力とは無関係に発生するということを指摘して、市町村負担金は基本的に廃止すべきだとこれまでも主張してきた。今回の知事の決断はこの点で理にかなったものだと評価するものである。知事は市町村負担金の持ってきた性格からみていくつかに仕分けをして、廃止をするものや例外的に残すべきものが考えられるということで、来年度に向けて今後県として、また市町村とも詰めていくと表明をされているが、県土整備部所管の市町村負担金にも様々な性格のものがあり、今後検討することになると思うが、この市町村負担金はこれまでどういう理屈で徴収をされてきたのか、また今後の見通しの方向はどうか回答されたい。

《答弁》 県土整備総務課長
   まず、これまで市町村負担金を徴収してきた根拠について、一番根本となる法律が地方財政法の27条であるが、都道府県が土木であるとか建設事業を行う場合に、その区域内の市町村を利するものについてはその受益の限度において経費の一部を負担させることができるという規定がある。

   こういう規定を根拠に県としては、市町村が受ける利益であるとか、あるいは他府県の状況、あるいは事業の過去からの経緯等を考慮しながら市町村と協議のうえで負担をしていただいてきたところである。

   次に市町村負担金の見直しの考え方について、委員ご指摘のとおり、これまで国直轄事業負担金について廃止していこうということを国の方へ訴えていたわけであるが、これに対して市町村から負担金を取るのは、矛盾しているのではないかという考え方もあり、全国知事会の方でも国直轄事業負担金制度の改革の趣旨を踏まえて見直しをしていこうということになっている。

   そこで和歌山県としてもこういう矛盾があるということから、原則的には22年度から市町村負担金を廃止していこうと考えているところである。

   そして、市町村負担金を取る事業、取らない事業、このあたりについてはまだ今後検討を重ねていくところであるが、大きく考えて、まず第1点として、例外的に負担金が存続するものとしては、受益者が限定的で本来は受益者が負担すべき事業であるが市町村が受益者の負担軽減のために肩代わりしているような事業、これについて負担金を存続するようにする。第2点目として、使用料的な性格のもの、流域下水道事業などが該当するが、この2つについては性格的に存続が考えられるというところで検討をしている。

   その他に、市町村と県との役割分担という観点から、適切な役割分担をしたうえで市町村事業と考えられる事業もあるのではないかと考えている。

   今後、市町村の意見を踏まえながら、かつ事業の内容であるとか性格も検討して今後のあり方について進めていきたい。


要望》 松坂英樹 委員
 今回、144号で出されている市町村負担金なんかをみても、災害の対策という面があるわけだから、面積の広い自治体が財政が裕福だということではないわけで、そういった点でも、是非この方向、しっかり市町村とも慎重に協議しながら進めていただきたい。

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《質問》 松坂英樹 委員
 今回の補正予算案で県営港湾施設管理特別会計に7,224万円を繰り出して、和歌山下津港のガントリークレーンの改修を行うことが提案されているが、改修の理由とその概要を示されたい。

《答弁》 港湾空港振興課長
   ガントリークレーンの修繕ですが、このガントリークレーンは平成元年製造で東京港埠頭公社から平成13年に購入したものである。最近故障等による高額な維持管理費が必要となってきたので、利便性の向上と有効利用を図るため、この際改良、補修を行うこととしたものである。内容は機能向上のためのオーバーホールである。


《質問》 松坂英樹 委員
 このガントリークレーンの年間の利用料収入がどれくらいで、維持経費にどれぐらいかかっていたのか示されたい。

《答弁》 港湾空港振興課長
   
維持費は過去3年間の平均が約2,900万円。平成18年から修繕の費用がかさんできたためで、それまでの平成16、17年では約1,000万円強であった。
   ガントリークレーンの使用料収入は平成16、17年では約1,100万円、平成18、19、20年の平均では約400万円である。これは全体的な貨物量の減に伴うものである。収入にはその他入港料や港湾施設使用料等もある。


《質問》 松坂英樹 委員
 400万円稼ぐのに2,900万円かかっているということで、非常に財政負担が大きいと思う。利用見込みの甘さというのもあると思う。国際コンテナターミナルという大きな看板を掲げていながら残念ながら、ガントリークレーンが使われているのを見たことがない、という声も聞かれる。週にどれくらい使われているのか、また今後どのような利用の見通しをもっているのか、示されたい。

《答弁》 港湾空港振興課長
   定期便として釜山航路で週1便、昨年から神戸港の内航フィーダー輸送で隔週1便ある。取扱貨物量については、平成19年で、20フィートコンテナで約4,800個である。主な貨物としては、輸入は化学工業品、輸出は古紙、産業機械である。経年的に貨物量は減少傾向にあるが、世界的な景気変動の影響が強いと考える。今後は内航フィーダー輸送も含め、取扱拡大に向けた、ポートセールスを積極的に展開していきたい。


要望》 松坂英樹 委員
 コンテナターミナルであるから、設備が先か需要が先かということになるが、今回、国の交付金を活用して維持管埋コストを縮減するという措置はやむをえず了とするものであるが、過大な見込みに基づいた施設整備の問題点を指摘して、県民の負担とならないよう、今後の有効活用を要望する。

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    09年9月県議会

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