09年2月県議会 文教委員会 雑賀光夫
2009年12月14日
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

通学路の安全問題
《質問》 雑賀光夫 委員
 最近、女子学生の悲惨な事件等があり、その関係からも、通学路の防犯の観点から安全対策をという声が寄せられている。
 私に寄せられた話は、秋月海南線で、海南高校から亀川の方へ他のところを通って行く道が大変暗いということであった。私も前から聞いていたので、工事事務所に何とかしてほしいと言っていた。ところが、なかなか腰を上げてくれないので、孫を持つ女性が、「事故が起こらないと何にもならないのか。もう自分が直接言う」ということで、自分で言いに行った。工事事務所の人は大変まじめな人で、自分で見てきて、確かに暗く、道路灯の電気が切れているところもあったというような報告をもらった。
 その話を聞いて考えたが、今、多田委員から話された大雨の問題でも、通学路の浸水対策等、県教育委員会で全体をつかむことも大事であるが、一番よくわかっているのは学校であるので、校長が生徒の通学で危険な箇所について行政に対して「ここは危険なので何とかしてください」と発信することが大事なのではないか。県教委として、市教委としてつかむことも大事であるが、それを待ってどうこうするのではなくて、自分のところの子どもが危なければ「何とかしてください」と発信することが大事である。どこへ言っていいのかわからなければ、県教委へ言って言うべきところを探してもらったらいい。私も、海南高校の校長先生に直接そのことをお願いした。
 通学路の安全対策全般について県教育委員会がつかむということと同時に、校長が自分のところの子どもの安全のために、危険であれば危険であると発信することを指導するのが大事だと思うが、どう考えるか。

《答弁》 健康体育課長
   通学路の防犯・安全対策は大変重要な課題である。毎年、折に触れて県立学校や市町村教育委員会を通じていろいろと話をしているところである。
   今、委員から御指摘のあった点についても、学校現場でしっかり状況を把握して、安全対策等々できるように指導してまいりたいと思う。

《要望》 雑賀光夫 委員
 それでいいが、校長はそういうことに余り慣れていないので、どこへ言っていいかわからない。自分のところの子どもの安全の問題は学校だけで守れるわけではないので、危険だと発信することが大事だということを校長会等の機会に伝えていただくよう要望しておく。


和歌浦公園の名勝指定にかかわって
《要望》 雑賀光夫 委員
 きょう、琴の浦の温山荘が名勝に指定されたのはうれしい話である。この間題で、私は、その前にあるギラギラしたラブホテルを偽装ラブホテルではないかと追及し、警察も偽装ラブホテルと思っていると言ったが、調べてみると指導ができないような難しいこともあるようである。あのときも、天下の名園・温山荘の前にふさわしくないと言ったが、また改めて取り上げていきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

《質問》 雑賀光夫 委員
 名勝の関係で、和歌浦公園が名勝の指定を受けるという話がある。
 今度の本会議で、中国との関係で、杭州の西湖と和歌浦がよく似ており、熊楠と孫文の出会いの地という観点から申し上げた。4、5年前にも和歌浦について、万葉、芭蕉、夏目漱石、孫文・熊楠の出会いなどを含めて和歌浦の観光に生かしたらどうかということを申し上げたことがある。
 今度の名勝の指定で私の言ったことが生かされてくる気がするが、この名勝指定に関わってどうなっていき、どんな段取りなのか、聞きたい。

《答弁》 文化遺産課長
   和歌の浦は、平成20年6月に県指定の名勝史跡に指定している。私どもとしては、この和歌の浦を国指定の名勝あるいは史跡に指定されたいと考えており、ただいま作業を進めている。
   国指定については、意見具申という形で地方から文化庁へ書類を提出し、文化審議会で審議されるが、できるだけ早い機会に意見具申を文化庁に対して行いたいと考えている。

《質問》 雑賀光夫 委員
 私が申し上げた万葉、芭蕉は当然であるが、夏目漱石が和歌山で講演をして、それを題材にした「行人」という小説に具体的な地名が出てくる。それから、孫文・熊楠立ち会いの地でもある。また、西湖と和歌浦が大変よく似ているが、江戸時代に和歌浦を整備するときに西湖に模して整備したと言われている。そういうことも今度の名勝指定という観点として取り上げられているのか。

《答弁》 文化遺産課長
   和歌の浦は、徳川氏が紀州に入ったときに、家康を祀る宗教的地域として整備した地域である。その後、多くの文人墨客に愛され、また南方熊楠が孫文と再会した地でもある。また、杭州の西湖に似ていることについても、今年5月に作成した「和歌の浦学術調査報告書」にも触れている。
   国指定になると案内板を設置するので、公園を管理する県土整備部サイドで案内板を設置する計画になっているが、私どもと協議し、そのようなことについても触れられるよう申し上げるつもりにしている。

《質問》 雑賀光夫 委員
 夏目漱石は「現代日本の開化」という大変有名な講演を朝日新聞社主催で行った。その場所は、今は根来にある旧県議会の建物である。夏目漱石ファンならだれでも知っている大変有名な講演であり、思いあたる場所であると思う。
 その旧県議会の議場の保存も、また課題となっている。木造建築としても非常に値打ちがあるものと聞いている。
 そんな点で、ここも観光に重なると思うが、その議場の保存の取り組みというのは、その後、どうなっているのか。

《答弁》 文化遺産課長
   夏目漱石は、明治44年、和歌浦を訪れた際に、当時一番丁にあった旧県会議事堂で「現代日本の開化」というタイトルで講演をしている。その旧県会議事堂は根来寺境内にあるが、ただいま移築保存に向けて地元と協議している。
   今後、移築候補地の地盤の調査や埋蔵文化財の調査など、各種の調査を行った後、移築保存の作業を行いたいと考えている。

《要望》 雑賀光夫 委員
 和歌山には歴史的な値打ちのあるものがいろいろあるので、それらを掘り起こしながらやっていければと思う。


◇ 議案に対する採決
   議案第167 和歌山県立中学校及び高等学校設置条例の一部を改正する条例
   案第175号 平成21年度和歌山県一般会計補正予算(減額補正追加案件)
   は、全会一致で原案可決

◇ 請願に対する採決
  議請第7号 「教育改革についての請願」は、継続審査するべきものと決定

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

09年12月議会   雑賀光夫プロフィール、質問一覧   雑賀光夫ホームページ