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関西国際空港に係る平成22年度補給金の凍結解除を求める意見書

 関西国際空港は、関西発展のための中核となる国際拠点空港として極めて重要な役割を果たす空港であり、和歌山県にとっても国土軸・国際軸に位置していくために必要不可欠な空港である。
 この観点から、本県は、騒音問題等多様な意見はあったものの、「大阪国際空港の廃止を前提」とした昭和49年の航空審議会答申や、昭和56年に運輸省から示された関西国際空港の計画案等を前提として、関西国際空港の建設に同意したものである。
 その後、1期事業はもちろんのこと2期事業の推進に全面的に協力した結果、関西国際空港は2本の長距離滑走路を備え、完全24時間運用を実現したものの、滑走路等の航空機の離着陸に必要な最小限の施設のみで運用しているところである。今後、「アジアそして世界と関西を結ぶゲートウェイ」「日本初の国際貨物ハブ空港」としての機能を有する国際拠点空港を実現するためには、ターミナル機能の充実、国際貨物施設の整備などの2期事業を長期的視点に立って計画的に進めていかなければならない。
 しかるに、この度、政府の行政刷新会議のワーキンググループは、「事業仕分け」において関西国際空港株式会社補給金について、「伊丹を含めた抜本的な解決策が得られるまでは政府補給金を凍結」 するとの評価を行ったことは、これまでの経緯、関西国際空港の重要性や計画的な整備を進める観点から極めて遺憾である。
 このため、国におかれては、関西国際空港に係る平成22年度補給金の凍結方針をすみやかに撤回されるよう強く要望する。
   
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「環境税」の創設に関する意見書
 

 現在、政府が導入を検討している地球温暖化対策税(環境税)は、ガソリンや軽油、灯油、天然ガス、LPG、石炭といったすべての化石燃料の消費によるCO2の排出量に応じて幅広く負担を求め、CO2の排出削減につなげようとするものであり、その導入時期や手法など制度設計のあり方によっては、産業活動はもとより、農林水産業、国民生活など様々なところに影響が及ぶものである。このため、国民全体の理解を得ることは、必要不可欠であることはいうまでもない。
 特に、我が国経済は持ち直しつつあるものの、雇用情勢は依然として厳しく、更に円高やデフレなど景気を下押しするリスクが払拭されていない状況にあり、先般も、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」という追加の景気対策が打ち出されたところである。
 このような中、地球温暖化対策税(環境税)の導入は、地球温暖化対策の有効な手段の一つであると認識しつつも、一方では景気抑制効果が高い増税となることから、我が国産業の国際競争力を低下させ、ひいては国内経済・雇用に重大な影響を及ぼすおそれも大きい。
 よって、政府においては、単に道路特定財源の暫定税率廃止による減収の穴埋めとして、地球温暖化対策税(環境税)を考えるべきではなく、経済と環境の両立といった観点から、その導入を慎重に検討することを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
環境大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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全国学力・学習状況調査及び全国体力・運動能力調査の
継続とさらなる充実を求める意見書                         
 

 文部科学省においては、全国学力・学習状況調査について、小学校6年生及び中学校3年生の全児童生徒を対象とする現行方式を改め「抽出調査」に変更するなど、実施方法を見直す方針を示した。
 また、全国体力・運動能力調査についても先日の行政刷新会議事業仕分けの中で「抽出調査」への変更が示唆された。
 全国的なこのような調査は、国、各教育委員会、各学校が教育及び教育施策の成果と課題を把握・検証して改善を図るとともに、各学校が児童生徒一人一人の状況を把握し、教育指導の改善などに役立てるためのものであり、本県においても全国調査の分析結果に基づく学校現場での学力・体力向上への取組も根づき始めたところである。
 全国学力・学習状況調査及び全国体力・運動能力調査の目的は、国全体の傾向を把握することにとどまらず、各教育委員会及び各学校が保護者や地域住民の理解と協力のもと、教育施策及び教育活動を改善するとともに、児童生徒一人一人の状況の改善につなげることである。
 よって、国会及び政府におかれては、世界最高水準の義務教育を実現するために、小6・中3の全児童生徒を対象とする全国学力・学習状況調査及び小5・中2の全児童生徒を対象とする全国体力・運動能力調査を継続して実施するとともに、その調査結果を最大限活用するなど、さらなる充実を図られることを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)   国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
文部科学大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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国として地方の声を直接聞く仕組みを保障することを求める意見書
 

 「近畿自動車道4車線化などの道路整備を促進する和歌山県民大会」の決議を受け、12月3日、東京において、県知事、県議会議長、県議会議員、市長会、町村会、町村議会議長会及び民間団体の代表者と県選出の国会議員との意見交換を行う機会を設けたが、民主党の国会議員全員が出席に応じなかった。さらに、国土交通省の政務三役にも会うことができなかった。
 民主党は、去る11月12日開催された同党の全国幹事長会議において、いわゆる陳情一元化の方針を決定したが、本来、国と政党の役割は切り離して考えるべきであり、立法府を構成する政党が、多様化、専門化している国への要望等を一元化して受け、国への窓口を閉ざすことは、民主主義の原則に反するあってはならない行為であり、憲法の保障する国民の請願権を侵害することになりかねない。
 よって、国におかれては、地方の声を直接聞く仕組みを保障するよう強く要望する。
 さらに、提出した意見書については、誠実に回答することを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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「地域科学技術振興・産学官連携」の継続を求める意見書
 

 資源小国であるわが国が持続的な成長を実現するためには、科学技術を発展させるための不断の取組が不可欠である。地域においても、産学官の連携による科学技術振興の活動は、さまざまな産業分野における新たなイノベーションの源泉となり、地域の自立的かつ継続的な発展に大きく寄与するものである。
 今回の「地域科学技術振興・産学官連携」に係る「事業仕分け」では、「国としてはやる必要性がない」との評価により「廃止」と判定された。この判定は、地域で実際に研究事業を進める関係者の志気をくじき、地域における科学技術政策の推進に大きな衝撃を与えている。
 特に、本県では、和歌山県工業技術センターをはじめ県内の各大学及び民間企業等がそれぞれの活動分野に応じて、「地域科学技術振興・産学官連携」に含まれる文部科学省の「都市エリア産学官連携促進事業」や「地域イノベーション創出総合支援事業」を積極的に活用しており、これらの事業は地域産業の技術高度化等に多大な貢献を果たしている。
 このうち「都市エリア産学官連携促進事業」については、現在、「環境調和型資源・技術による機能性有機材料の開発」及び「和歌山の特産果実と独自技術を活用した新機能性食品・素材の開発」の2つのテーマに取り組んでおり、特に後者は本年4月に採択を受けて3年間にわたる産学官共同研究がまさに緒についたばかりであることから、今回の「廃止」判定が研究者に与えた衝撃の大きさは計り知れないものがある。
 地域における科学技術振興・産学官連携の取組はわが国全体の科学技術発展の基盤であり、その推進は国として取り組むべき事業である。このため、国において、「地域科学技術振興・産学官連携事業」を継続するとともに十分な予算の確保を行うことを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
文部科学大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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農林水産業に係る平成22年度予算編成に関する意見書
 

 行政刷新会議は、平成22年度予算概算要求事業の徹底した見直しを行うため、「事業仕分け」を実施し、多くの事業について、「廃止」や「予算要求の縮減」との結論を下した。
 「廃止」とされた事業の中には農道整備事業、里山エリア再生交付金などが含まれ、また、「予算要求の縮減」事業にはかんがい排水事業、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金、強い農業づくり交付金、農業共済掛金国庫負担金、強い水産業づくり交付金などが含まれている。
 本県は農林水産業が基幹産業であり、その発展のために様々な施策を展開しているが、これらの事業の活用は必要不可欠なものであり、「事業仕分け」の結果は大きな影響を及ぼすものと考える。また、県内で既に実施している事業の廃止は、社会資本整備の大幅な遅れをもたらし、県民の生活に重大な影響を与えるおそれがある。
 よって、国においては、これらの事業について、都道府県・市町村などの意見を聴取し、地域の実情を十分理解した上で、農林水産業に係る平成22年度予算編成に反映するよう強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
農林水産大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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地方の道路整備の促進と予算確保を求める意見書
 

 半島地域に位置し、国土幹線軸から遠く離れた和歌山県にとって、紀伊半島を一周する高速道路をはじめとした道路ネットワークの整備は、企業立地や観光振興、農林水産業の振興など、県民の将来のチャンスを保障するものとして、さらに県土の防災対策としても必要不可欠であり、県民が長年にわたり熱望しているところである。
 本県のような地方の住民は、都市部の住民に比べ多くの揮発油税を負担しているにも拘わらず、これまで幹線道路ネットワークは効率性、採算性の観点から需要の大きい都市部から整備され、その結果、本県では未だ高速道路のミッシングリンクが解消されず、国道・県道においても改良率が全国ワースト3位であるなど、道路整備が著しく立ち遅れており、発展を阻害され、日常生活にも支障を来している。
 このような中、待望していた近畿自動車道紀勢線御坊〜南紀田辺間の4車線化事業が執行停止され、さらに来年度の概算要求において道路関係予算が大幅に削減されたことは、ようやく順番が回ってきた本県の道路整備の行方に、大きな危機感を抱かざるを得ない。
 よって、国が果たすべき責務として、これまでの道路整備をはじめとする国土政策において地方が被ってきた不公平を是正し、地方の発展するチャンスを確保するため、地方が必要とする道路整備を遅らせることのないよう、政府・国会は次の事項について留意されることを強く要望する。
 

1 近畿自動車道紀勢線の紀伊半島一周や4車線化、並びに京奈和自動車道や直轄国道などの基幹道路ネットワークは、国が最後まで責任を持って早急に整備すること。(別表参照)
 
2 県内外との連携を強化し県内の一体的発展に資する補助国道等の幹線道路から、通勤・通学をはじめ日常生活に不可欠な県道等の生活道路に至る地方の道路整備を促進すること。(別表参照)
 
3 これら地方の道路整備を着実に進めるために必要な国及び地方の道路予算を確保するとともに、道路整備の遅れた地域に対して優先的に配分すること。 
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)
 
 
 
(別 表)
和歌山県における道路整備の重点施策
 
<基幹道路の整備>
1.近畿自動車道紀勢線
 @紀伊半島一周高速道路の早期実現
  ・田辺〜すさみ間の整備推進
  ・すさみ〜那智勝浦間の早期事業化
  ・新宮〜県境間の早期事業化
  ・那智勝浦道路の残区間の整備推進
 A海南市以南の4車線化
  ・海南IC〜有田IC間の4車線化の早期供用
  ・有田IC〜御坊IC間の4車線化の早期建設
  ・御坊IC〜南紀田辺IC間の4車線化の早期建設
 
2.京奈和自動車道
 @紀北東道路の整備推進
 A紀北西道路の整備推進
 
3.直轄国道事業
 @国道26号第二阪和国道「和歌山岬道路」の整備推進
 A国道42号冷水拡幅、有田海南道路、田辺西バイパスの整備推進
 B国道169号奥瀞道路(U期)(直轄権限代行)の整備推進
 
4.府県間道路
 @国道26号第二阪和国道「和歌山岬道路」の整備推進(再掲)
 A国道480号鍋谷峠道路(直轄権限代行)の整備推進
 B国道371号橋本バイパスの整備促進
 C泉佐野岩出線、泉佐野打田線の整備促進
 
<内陸部骨格道路(県内幹線道路)>
5.X軸ネットワークの整備促進
 @国道168号日足道路、本宮道路(地域高規格道路)
 A国道370号花坂拡幅
 B国道424号滝頭拡幅
 C国道425号福井バイパス
 D国道480号梨子ノ木バイパス、花坂〜大門拡幅
 
6.高速道路関連(ICアクセス)の整備促進
 @県道吉備金屋線(近畿自動車道紀勢線 有田ICアクセス)
 A県道白浜温泉線(近畿自動車道紀勢線 白浜ICアクセス)
 B県道上富田すさみ線(近畿自動車道紀勢線 すさみICアクセス)
 C町道大谷連絡線(代行)(京奈和自動車道 かつらぎICアクセス)
 D県道西川原粉河線(京奈和自動車道 粉河・那賀ICアクセス)
 E泉佐野打田線(京奈和自動車道 打田ICアクセス)(再掲)
 
<街路事業>
7.街路の整備促進
 @西脇山口線(和歌山市)
 A湊神前線(和歌山市)
 B松島本渡線(和歌山市)
 C元町新庄線(田辺市) 等

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河川整備の促進を求める意見書
 

 本県は紀伊半島の西南部に位置することから、これまで梅雨前線活動や台風による豪雨のため、昭和28年水害等、幾多の被害を被ってきている。
 近年では、30年前と比較してゲリラ豪雨の発生頻度は倍増してきており、今年も77日に田辺市周辺での集中豪雨により139棟の家屋浸水が発生、1111日に和歌山市周辺での記録的集中豪雨では家屋浸水被害が3千棟以上に及ぶなど浸水被害が頻発している。
 また近い将来、東南海・南海地震の発生が予想されており、河川整備の必要性、重要性は益々高まっている。
 一方、全国の治水事業費は平成9年のピーク時に比べ、今年度は約6割まで減少しているが、過去10年間では全国98%以上の市町村で水害・土砂災害が発生するなど、依然として河川整備が遅れている状況である。
 このような中、行政刷新会議は「事業仕分け」において「河川改修事業」について「予算の見直し」と結論づけを行い、また、国土交通省ではダム事業について、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるため有識者会議を設置するなど、今後、予算縮減のみの判断となれば、河川整備が一層遅れることになるのではないかと、大きな危機感を抱かざるを得ない。
 よって、国におかれては、平成22年度の予算編成にあたり、以下の事項に留意されるよう、強く要望する。

 
1 安全で魅力ある地域づくりを目指し、近年浸水被害の頻発している河川の治水対策や東南海・南海地震津波対策を促進するとともに、紀の川における七瀬川合流点処理の実施など、直轄河川改修の促進を図ること。
 
2 切目川ダムの早期完成に向けて事業を促進するとともに、直轄事業による大滝ダムの平成24年度完了に向けた着実な実施とコスト縮減を図ること。
 
3 河川環境の改善を図るため、大門川・水軒川・和田川等のヘドロ除去を促進するとともに、直轄事業による紀の川本川からの大門川への導水量の増加を図ること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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下水道事業、農業集落排水事業の継続的な実施と予算確保を求める意見書
 

 行政刷新会議での「事業仕分け」において、下水道事業及び農業集落排水事業は「国から地方に財源を移した上で、実施は各自治体に任せる」との結論が出されたところであるが、汚水処理施設の整備が遅れている本県においては、今後の整備が懸念される。
 本県では、市町村の意見を反映した「全県域汚水適正処理構想」を昨年度から見直し、先日まとまったところであり、今後はこの構想に基づき汚水処理施設の整備を進めていく計画としている。
 集合処理施設である下水道事業や農業集落排水事業は、新規着手や施設の増設で初期投資が大きいため、投資を着実かつ計画的に実施する必要が求められるが、従来の制度での補助金を活用して事業を実施し、既に整備の完了に近い他府県と比較して大きく遅れている本県が不利となる恐れがある。
このため、下水道等の集合処理施設の整備に必要な事業費の確保を強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
農林水産大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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海岸整備の着実な促進と予算確保を求める意見書
 

 海岸の保全は、地域の安全・安心を支え、国土を守るために重要であるが、人口及び経済活動が沿岸部に集中する本県においては、過去に幾度となく台風、津波による被害を受けてきたところである。
 特に、近年では、東南海・南海地震発生と津波の脅威が高まっており、その対策が喫緊の課題となっており、復旧・復興の長期化が、県経済に多大な影響を与えることが危惧される。
 このような中、平成22年度の概算要求において海岸関係予算が大幅に削減されたことは、大きな危機感を抱いている。
 そのため、国においては、平成22年度の予算編成にあたり、次の事項に留意されるよう強く要望する。

 
1 和歌山下津港海岸(海南地区)において、主要な産業や公共機関を津波浸水から守るため、抜本的な対策である海岸保全施設の整備を推進すること。
 
2 高波・高潮対策として、近年被害にあった地域など緊急に実施すべき地区の施設の改良、老朽化した既存施設の機能確保・補強等を促進するための予算を確保すること。
 
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
農林水産大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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地方の港湾整備の促進と予算確保を求める意見書
 

 港湾は、我が国のそして地域の経済活動を支える最も基本的な社会資本であり、豊かで安心できる地域社会を実現するためには、港湾の整備と活用が重要である。
 特に、半島に位置する本県経済の活性化のためには、物流コストを低減し、旅客船による海からの観光を支える港湾機能の充実及び利便性向上が必要不可欠である。
 しかしながら、県内の港湾においては、防波堤による港内の静穏度確保、臨港道路による港湾と幹線道路の円滑な接続が未だ達成されていない状況にある。
 このような中、平成22年度の国の概算要求において港湾事業費は対前年度約20%削減されており、地域の活性化や自立、発展へ甚大な影響を及ぼすものと危惧される。
 そのため、政府・国会は平成22年度の予算編成にあたり、次の事項に特に留意されるよう、強く要望する。

 
 和歌山下津港及び新宮港等において、海上輸送における利便性の向上を図るため、港湾と主要幹線を接続する臨港道路及び船舶の航行、係留の安全を図る防波堤等の整備を促進すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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スポーツ予算の確保を求める意見書
 

 この度、事業仕分けが実施され、多くの事業について、「廃止」や「予算要求の縮減」との結論が出された。
 今回のスポーツ予算に係る事業仕分けでは、「緑のグラウンド維持活用推進事業」は廃止、「国民体育大会開催事業」は助成の必要がなしとの評価がされ、「スポーツ予算」については、大幅な予算削減との結論になった。
 国のスポーツ振興基本計画においても「子どもが緑豊かなグラウンドで楽しく安全にスポーツに親しめる環境を創り出すため、学校や地域の実態等に応じて屋外運動場の芝生化を積極的に促進する。」と明記されており、芝生化を推進するために「緑のグラウンド維持活用推進事業」は必要不可欠である。
 国民体育大会は、広く国民の間にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚して国民の健康増進と体力の向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにしようとするもので、国民の各層を対象とするスポーツの祭典であり、スポーツ振興法に基づき、財団法人日本体育協会、国及び開催地都道府県が共同して開催する事業である。したがって、本来、主催三者は経費を応分に負担すべきものであり、毎年、全国知事会を通じて、国の応分の経費負担を求めているところである。
 よって、国においては、スポーツ予算を確保されるよう強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
文部科学大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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高等学校の実質無償化に関する意見書
 

 高等学校の実質無償化に向けて現在国において議論が進められている「高等学校等就学支援金」事業及び「高校奨学金事業等の充実・改善」については、必要な財源のすべてを国費で措置することなど、下記の各事項について強く要望する。

 
1 高等学校の実質無償化の制度設計に当たり、給付に係る事務費を含めて全額国庫負担とするとともに、国の責任において財源を確保し、財源捻出のための他の教育予算の削減や地方への負担転嫁を行わないこと。
 
2 「給付型奨学金」の創設については、国の責任においてその財源を十分に確保すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
文部科学大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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「子ども手当」創設に関する意見書
 

 政府は、平成22年度から、「子ども手当」を創設する準備を進めているが、この制度を実施するためには、来年度は2兆3,000億円、平成23年度以降は毎年5兆3,000億円の財源を確保しなければならない。
 経済協力開発機構(OECD)は、日本の政策課題達成に向けた提言を発表し、この「子ども手当」の創設よりは、就学前教育・保育や幼児を持つ母親への支援、奨学金制度の充実などを優先すべきだとの考えを示している。
 また、政府内からは、所得制限や地方に財政負担を強いる発言も出ている。万が一、財源に地方の負担が求められるような事態になれば、その影響は計り知れず、地方財政が厳しい中にあって看過できない重要な問題である。
 さらに、所得税の配偶者控除や扶養控除の廃止など所得税・住民税改革の議論もある。これらの控除が廃止されると、所得税は平成23年、住民税は平成24年から負担増となり、保育料や公営住宅家賃なども負担増となる。また、「子ども手当」の給付を受けられない23歳以上70歳未満の家族を扶養している世帯についても、負担増となる。
 よって、国におかれては、下記の事項について特段の配慮がなされるよう、強く求めるものである。

 
1 「子ども手当」創設にあたっては、制度自体の目的を明確にし、制度の綿密な設計や財源の確保策などを慎重に検討すること。
 
2 「子ども手当」の財源確保策として、子どもがいない家庭や「子ども手当」の対象外の家庭に対する影響も考慮するべきである。
 
3 「子ども手当」の財源負担に関しては、当初の計画通り全額国費とし、地方自治体の負担を求めないこと。 
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
厚生労働大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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地方分権のさらなる推進と地方財政の立て直しを求める意見書
 

 国と地方が未曾有の債務残高を抱える中で、人口減少や少子高齢化などの変化に的確に対応するためには、地方の多様な価値観と個性に根差した住民本位の分権型社会へ抜本的な転換を遂げなければならない。そのためには、住民みずからの責任で行政のあり方を決定できる仕組みを構築し、多様性と創造性にあふれた住民本位の地域社会をつくるため、住民に最も身近な基礎自治体の体制強化が急務である。
 よって、国会及び政府においては、地方分権をさらに推進するとともに、地方財政を立て直すため、下記の施策が実現されるよう強く要望する。

 
次の@からDなどを盛り込んだ「新地方分権一括法案」を速やかに国会に提出すること。
  @国と地方の役割分担や国の関与のあり方の見直し
  A都道府県から市町村への権限移譲
  B国の出先機関の廃止・縮小
  C法令による義務付け・枠付けの見直し
  D補助金・地方交付税・税源配分の見直し
 
2 国と地方の役割分担に基づき直轄事業負担金制度を抜本的に見直すとともに、来年度から維持管理費負担金を廃止すること。
  なお、その際には社会資本整備が遅れている地方に影響が生じないよう配慮すること。
 
3 国と地方の代表者が協議する場の設置を法制化すること。
 
4 地方交付税の地域間格差是正機能が回復するよう、地方交付税を増額するとともに、社会保障や経済雇用対策のための地方の財政需要を適切に積み上げること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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電源立地地域対策交付金制度の見直しに対する意見書
 

 国民生活と産業活動を支える電力の安定した供給のためには、様々な発電方法の特性を生かした、バランスのとれた発電が行われることが重要である。
 エネルギー資源に乏しく、その多くを輸入に頼るわが国においては、効果的な需給調整による発電が行われており、出力調整が容易な火力発電が大きな役割を果たしている。
 先に実施された行政刷新会議の「事業仕分け」では、電源立地地域対策交付金の火力発電所への交付比率について、CO2削減の見地から、見直す方向で検討すべきとされた。
 電源立地地域対策交付金は、周辺地域における公共用施設の整備等を促進し、地域住民の福祉の向上を図り、発電用施設の設置及び円滑な運転に資することを目的とした制度であり、本県においても地域産業の振興や福祉施設の充実といった住民福祉の向上に繋がる事業において貴重な財源となっている。
 これらのことから、電源立地地域対策交付金制度の見直しにあたっては、電力の安定供給に重要な役割を果たす火力発電の必要性を認識するとともに、電源立地地域の意見を十分に尊重することを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
経済産業大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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「戸別所得補償制度」の創設に関する意見書
 

 現在、国において、平成22年度予算概算要求重点事項の一つとされている戸別所得補償制度のモデル対策事業は、米のみを対象としたもので本県の特色である果樹・野菜が対象外となっている。
 仕組みとしては、標準的な生産費と平均販売価格との差額を全国一律単価として交付するものであるが、急傾斜地が多く、米の大規模経営が困難で生産費が高い本県にとっては不利に働くものであり、地域の実態を加味した制度にすべきである。また、米、麦、大豆など、土地利用型農業への施策を強化するあまり、農地の基盤整備や果樹・野菜の生産施設の導入など、本県にとって重要な事業予算の縮小が懸念される。
 このことから、果樹・野菜の戸別所得補償制度の導入とともに、本県農業が持続的に発展できるための共同利用施設など、将来の農業基盤づくりを強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
農林水産大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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高速道路の無料化に関する意見書
 

 高速道路は、その広域性、高速性、定時性によって、観光や物流など「人」と「物」の交流を支え、現在の産業経済活動に欠くことのできない社会資本である。
 特に幹線道路整備が立ち遅れた和歌山県にとって、高速道路は、企業立地や観光振興、農林水産業の振興など、県民の将来のチャンスを保障するものとして必要不可欠である。
 このような中、国において、来年度の社会実験の実施に向けて、その対象路線の選定も含め、高速道路の無料化の議論が活発化している。
 高速道路の無料化に関しては、今後の高速道路建設への影響や、高速道路の渋滞の増加、環境への影響等が大きな課題となっているが、一方で観光客の増加や貨物輸送のコスト低減など地域の活性化につながる重要な政策でもある。
 よって、政府・国会は、高速道路の無料化に際して、次の事項に留意されることを要望する。

 
1 高速道路の無料化の実施に当たっては、建設の遅れた地方部における高速道路の必要性やこれまでの経緯に鑑み、今後の高速道路建設に影響を与えることのないよう、予算の確保など十分な措置を講じること。
 
2 高速道路の無料化の路線選定に当たっては、無料化されるか否かによって、特定の地域が不公平にならないよう、十分に配慮すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成21年12月17日
 
                       和歌山県議会議長  冨 安 民 浩
                                   
     
(意見書提出先)
  
衆議院議長
  
参議院議長
  
内閣総理大臣
  
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  
国家戦略担当大臣
  
総務大臣
  
財務大臣
  
国土交通大臣
  
内閣官房長官
  
内閣府特命担当大臣(行政刷新)


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