09年2月県議会 算特別委員会 松坂英樹

2009年 11月 16日 17日 18日 19日
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11月16日

《質問》 松坂英樹 委員
 不用品の売却にはどういうものがあり、今年度と平成20年度の不用品の売却にはどのような特徴があったか。

《答弁》 総務事務集中課長
   不用品の売却で一番多いのは新聞紙等古紙の売却等である。年度初めに単価の入札を行い、古紙の重さ・量によって毎月売り払いを行っている。特に今年の分では特徴点はない。

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11月17日

《質問》 松坂英樹 委員
 児童相談所の運営について、児童虐待が深刻化し、件数も増加しており、体制の強化が望まれている。児童虐待に関する相談の増加により、非行や問題行動の児童に対する対応が困難になっているのではないか。20年度の対応や体制の強化への取り組みはどうか。

《答弁》 子ども未来課長
   児童虐待の相談件数については増加傾向になっている。また、児童虐待も含めた児童相談の件数は4,400件で、若干の増加となっている。取り組みとしては、職員に対する研修を行っている。また、今年度から女性相談所を統合し、児童の措置と連携して効率的に取り組んでいる。

《質問》 松坂英樹 委員
 非行や問題行動の児童への対応がしづらくなってきている。人手不足になってきている。そのような認識は持っているか。

《答弁》 子ども未来課長
   児童相談所は、忙しいという認識はあるが、児童福祉司については、全国平均以上の人数を確保するとともに、民生児童委員や補導センター等の関係機関と連携しながら取り組んでいる。職員数はできる限り確保できるよう努めている。


《質問》 松坂英樹 委員
 次に、特定健診について、いわゆるメタボ健診の受診率が、和歌山県では17.2%と報告されているが、目標が31%ということでスタートして、この17.2%をどういうふうにとらえているのか。まだ全国との比較の数字は出ていないと思うが、そのあたりをどういう認識でいるのか。

《質問》 健康づくり推進課長
   特定健康診査の速報値の受診率は17.2%という状況にある。市町村の平均目標受診率が31%であり、目標よりかなり低い数値との認識である。特定健診の受診率向上に向けては、現在、県民の友、県民チャンネルなどを使った広報を行い、また、市町村に対して支援するという形で取り組んでおり、研修会などにおいても、特定健診の受診率が高い自治体を呼んで他の市町村に情報提供するという取り組みを行っている。

《要望》 松坂英樹 委員
 内容や健診価格についても改善を図るように努力をお願いしたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 研修医の問題でお聞きしたい。資料請求の18番では、どれくらいの研修医が医大に残っているか、また、県内の病院でどれくらいの研修医がいるかということを示してもらっているが、医大に残っている人数が多いと評価をしているなか、20年度の人数をどう見ているか。
 また、研修指定病院の受け入れ先がどんどん減ってきているようであるが、今後どのような支援をしていくのか。

《答弁》 医務課長
   平成18年度県立医科大学医学部の入学定員に対する平成21年度の県全体の臨床研修医の割合は120%、全国で11番目ということで、かなりの人数が確保ができているととらえている。
   それから、医大以外の研修病院については、その数が減っているというご指摘であるが、県としては、臨床研修協議会を開催し、臨床研修指定病院等と研修内容をどういった形で広報するのか、研修生を集めるのかということについて協議し、研修医の確保に努めているところである。

《要望》 松坂英樹 委員
 医大の卒業生60名のうち36名が医大に残り、他所に出て行くのが24名というのは比較的多いということだが、一層この比率を高めていただきくよう、またマッチングの問題等で県内のいろいろな研修医施設が活用されるようお願いしたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 ドクターヘリについてお伺いする。ドクターヘリには1億6千万円余りの補助金を支出しているが、この費用というのは、制度的な単価によるものなのか、実績に基づいて出している補助金なのか。
 また、実際の運営経費のうち、どれくらい補助ができているのか。

答弁》 医務課長
   ドクターヘリの補助金については、20年度に医科大学へは、1億6,715万8千円を補助している。その算定にあたっては、操縦士・整備士等の人件費、航空機保険料等の固定経費として約9千万円、飛行時間による燃料等の変動経費として1分あたり4,600円余りを支払う契約を締結している。これを基に補助金を算定しており、運航回数が少なくなった場合、補助額が下がるケースもある。

《質問》 松坂英樹 委員
 どんどんドクターヘリの活用が増え、回数が増えていると思うが、それに見合った額がきちんと補助金として出ているか確認したい。

《答弁》 医務課長
   今、申し上げた金額で算定すると、理論上、420回まで運航が可能と考えられる。ちなみに20年度の実績が386件なので、運航回数としてはまだ余裕がある。



《質問》 松坂英樹 委員
 院内保育所のことでお聞きしたい。医師や看護師の仕事を確保するために、これは大事だと思うが、18年度では予算額が1,500万、19・20年度では1,900万、また今年度ではかなり増額していると思うが、地域の複数病院での院内保育所の設置を求める声が多いなか、平成20年度の取り組み、それから今後の課題などどのように感じているか。

《答弁》 医務課長
   院内保育の関係では、民間の病院13施設に対し院内保育所の運営補助を行っている。
   今、委員の話にあったいくつかの病院が共同で設置することについて、県としてもその推進に力を入れているところであるが、グループを組むということについて、病院間での話し合いがなかなかつきにくいという事情もあり、今後とも調整をとりながら院内保育所が設置されるよう取り組んでまいりたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 高齢者の住宅改修事業について、何回か決算特別委員会でこの制度について取り上げられ、介護保険制度ができたあとは、その上乗せ的な制度とかわってきているが、介護保険のお世話になる前に、自立できるよう、能力活用できるようになりたいという願いに応えられるべき制度であると思う。この制度は、介護保険の上乗せであるが、限度額が100万円から、60万円、40万円と下がってきている。県民の願いに応えられているのかという気がする。長寿社会日本一を目指す和歌山県としては、ぜひ制度の改善をした方がいいと思うが、20年度の交付実績、市町村からの要望等をみて、実態把握はいかがか。

答弁》 介護予防推進室長
   高齢者の住宅改修については、この制度の趣旨は、介護保険の補完の制度であり、介護保険の住宅改修の対象の20万円を超えた分について補助する。
   対象者は所得税非課税世帯に市町村が補助する場合、県が補助する制度である。委員の質問のように介護保険の対象になる前の住宅改修に補助する制度であるならば、新たな観点で、関係部局などとの検討を考える必要がある。

《要望》 松坂英樹 委員
 新たな観点というよりは、前はそうであったのに、介護保険以降はこうなっていると指摘した。この補助金は、過去5年間をみると、以前よりも減っているように思う。17市町村しか交付されていないので、もっと使いやすい制度に改善して、県民へのアピールを進めていただきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 生活保護の受給決定の関係で、昨年秋の経済危機以降、全国では受給件数は過去最大と言われているが、資料には、和歌山県の平成16年度相談延件数は1,833件で、開始件数が1,307件、平成20年度の相談延件数は、3,094件で、開始件数が1,399件となっている。生活保護の要件に該当しない方がたくさん相談にみえたとしかなっていない。もっと苦しんでいる方がいるのにという思いがある。昨年秋からの状況をどのように見ているのか。

《答弁》 福祉保健総務課長
   平成16年度では、厚生労働省の調査において郡部の福祉事務所の相談延件数分が入っていない。それを考慮しても、平成20年度では相談件数が増加している。それは、経済危機の関係で生活が困窮しているということで相談に来られている件数もある。相談については、生活保護の性格が他の施策による支援が得られる場合、そちらを優先する、あるいは相談者が資産を持っている場合は、それを活用していただく。また、仮に相談者が就労できる状況であれば、就労していただくということで、相談者の中でそのような方は、生活保護の申請に至らないということになる。
   県として、当然ながら、他の施策を活用しても生活保護の受給が必要という方については、申請を妨げることはまったくない。必要な生活保護が受けられないということがないよう、適切に事務を取り計らっていくように指導している。今後も、そのような観点で十分話を聞いた上で対応していくことに変わりはない。

《要望》 松坂英樹 委員
 生活困窮者が爆発的に増えてきているし、今後も増えると思うので、親切に相談にのってあげ、開始決定を早くお願いしたい。

《質問》 松坂英樹 委員
 繰越の関係について。
 造林費の木の国森林づくり事業であるが、予算10億に対し、4億の繰越となっており、前年度も同額程度の繰越となっている。
 繰越が悪いというよりも、なかなか事業量が消化できないという問題があるだろうし、いろいろ課題があると思うが、どのような課題があるのかを教えてほしい。

答弁》 森林整備課長
   平成19年以降、森林吸収源対策ということで通常予算の1.5倍の予算がついてきており、事業体の労働力、森林組合の労働力の許容範囲を超えている。
   また、補正予算時期等もあり、造林事業というのは所有者負担が必要となりその資金を準備する時間が必要であることから、なかなか事業が実行できないという状況である。

   県としても、できる限り労働力の確保等に努力して事業を進めていきたいと考えている。

《要望》 松坂英樹 委員
 キャパが超えているということであるが、たくさんの後継者がいるわけではないし、なかなか労働者に賃金が支払われているかといえば十分ではない状況だと思う。
 事業量を確保しようとすれば、やりやすい山ばかり整備して、なかなか入りにくい山は整備が進まないという声も聞く。
 そういうことに留意しながら、通年的に事業ができるよう努力してほしい。


《質問》 松坂英樹 委員
 森づくり基金の活用事業についてお伺いしたい。20年度は2億6千万円と、昨年度よりも増えてフルスケールの予算枠をとったわけであるが、決算は1億7千万円となっている。この森づくり基金の活用では大きく3つに分けて事業をするということで、普及啓発、それから森林整備、資源の利活用となっているが、この割合をどんなふうに進めていくかということも議論をされてきたところである。20年度を総括して、この3つの性格の事業、ウエイトも含めてどういうふうに総括をされているかお答えいただきたい。

《答弁》 林業振興課長
   予算が2億6千万円で実際に決算が1億7千万円ということで、約9千万円の使い残しがあった。その主な中身であるが、公募事業が約3千6百万円ほど目論見から落ちた。というも、今年度20年度で市町村の計画的な森林整備をどんどんしてもらえないかという形で市町村の方からの提案を目論んでいたが、通常の森林整備をしていくなかで、どうしてもキャパ的な問題もあるということと、もう一つは現場の方で、この森づくり基金と実際の方の造林事業との区分をどうするかという、現場での悩みがあり、その辺がなかなか進まなかった要因かなと思っている。これに関して、21年度から我々自身もう一度、もう少し市町村に対してもっと適切に、例えば危険地が和歌山県では非常に多くある。そういう森林に限ってやるとかいうふうな、アイデアをもう少し私たちが丁寧に指導していくのがいいんではないかなと思っている。

《要望》 松坂英樹 委員
 要望であるが、森づくり基金の使われ方は、本当に県民は注目しているし大事だと思っている。啓発や体験の事業では非常に魅力的なものも出てきていると思うが、新しい新規事業に使っていくんだというたてりで始まったものであるからなかなか苦労していると思う。県民にこれが森づくり基金活用でできたんだと見えるように、もっともっと是非アピールもしていっていただきたいし、事業も実際にこういう点で森林整備が進んだと言えるように頑張っていただきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 森林の関係で、続けて後継者の問題で、緑の雇用含め新たな後継者がこの間頑張って入ってきていただいたわけであるが、その定着や安定した仕事づくりという点では、この20年度を振り返ってどのように総括されているか。

《答弁》 林業振興課長
   まず、安定した事業として、実は20年1月に紀州材生産販売プランを策定した。それに基づき、低コスト林業というのを和歌山県の方ではひとつの大きな柱として、林業再興の一つの道筋としてやっている。この低コスト林業というのは、今現在、我々が考える中で、皆伐、要するに山を全部切ってしまう、あと再造林して循環するというのは、現在の木材価格また鹿等の被害から考えると非常に難しい。それであるならば間伐事業の補助金をうまく使って山の中に道をきめ細かく造って、そして間伐事業で凌いでいけないかという提案をしてこの20年度を進めてきた。その結果として美山村森林組合等で各森林組合が力を入れていただき、事業を出していただいた山主さんに若干の補助金込みではあるが収益を還元できるように現在なっている。その結果として、山主さんの方から事業量の確保という点では、なかなか全てでそういう収益間伐といえそれができるところではないが、それができるところではやはり確実に事業量が安定してくるというふうに総括している。
   平成14年度から緑の雇用事業を始めた。現在そういう収益間伐を背負って担い手として中核的に働いていただいている方は、その平成14年度から入ってこられた緑の雇用の事業の方々がそれを現在担っていただいている。やはり非常に厳しい時代の中で、ここ数年は毎年30名位は新規採用として欲しいと思うがそれが20名以下ぐらいで今のところとどまっているのが現状である。

《要望》 松坂英樹 委員
 例えば、この間有田川町の地域内総生産を聴きに行ったら、林業で生産額どれ位あがっているかといったら、10年前は10億円あったのが今は2億円しかないと、5分の1位に落ちているというのを見て愕然としたが、ただ本当に、労働者も働いている人もなかなか思うような賃金が取れないとか、山主さんにもそういう地域の経済に林業がなかなか貢献できていないとある中で、しっかりとした後継者対策、安定した仕事づくりを頑張っていただきたいということを要望しておきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 そういうことで今、低コスト林業というのがあったが、高性能の林業機械を沢山、2年間、3年間かけて入れていると思う。実際使い物になるのかということが、随分奈良なんかを見学させていただいて、難しいんだという話も聞いたが、現場で産業祭りなどに展示しているのを見て、頑張っているんだという話を聞いているが、稼働状況、どういうふうにリース等で導入した機械が使われているかというのは掴んでいるか。

《答弁》 林業振興課長
   全体の稼働状況は把握していないが、少なくとも20年今年にかけてみると、実はリース事業というのもやっている。リース料金に対して補助を与えている事業であるが、それは今年は予定していた金額よりも非常に多くなった。現場ではやはり使い勝手のいい機械をできるだけリースで若干期間的に採用して、購入の際にその使い勝手のいい機械を今度購入していくというふうに向いてきたんではないかなと思う。最初は、こういうことを言っていいのかどうか分からないが、機械を買う事業の消化ということになってしまい勝ちであるが、そういうのを見ていると、一旦リースをしてから、一旦試し使いをして自分たちで使える機械かというのを見てから買うと、決めていくというのはやはり、いま清水森林組合の話をしていただいた、組合間では熱意にばらつきがある。一山越えた美山村森林組合では現場の若い人たちが機械を選択していく、機械を買っていくというふうに向いているので、やはり今後も低コストが進めば進むほど、そういうふうに向いていくんじゃないかという期待もしている。

《要望》 松坂英樹 委員
 是非しっかり目配りをしていただきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 農産物の販路拡大についてお伺いする。
 農産物の価格が低迷する中で、新たなチャンネル・販売先の確保、開拓というものが農家から要求が多いし注目されている。担当課ではこれまでも頑張っていただいているし、20年度から新規事業にも取り組まれているが、この販路拡大の取り組み、成果についてどのように考えているのかお答えいただきたい。

《答弁》 食品流通課長
   食品流通課の平成20年度からの取り組みであるが、国内と海外の市場において、販促の活動としてフェアやバイヤー向けの商談会の開催などを通じて、和歌山県産の良さを理解していただくことやブランド価値を高めることに貢献しているのではないかと考えている。また、直接的に関係しているアンテナショップの喜集館やインターネットショッピングモール「ふるさと和歌山わいわい市場」での売り上げも順調に伸ばすことも出来た。また、県内の生産者や事業者の皆様方への如何にして売れる物を作るかというような意識啓発なども少なからず貢献できたのではないかと考えている。

《要望》 松坂英樹 委員
 今後とも、生産者等が県からもしっかりと応援していただいていると思っていただけるよう頑張っていただきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 加太菜園の転貸料で、20年度に土地代収入があるが、これは、100円/uで貸している。県の公社からの借り上げが560円/uだが、インセンティブをつけて100円/uで貸している。これが安すぎるということで常々批判をしている。
 20年間の転貸料合計が4億5,000万円だが、3期目の土地の利用を諦めることで、どれくらい収入が減るのか。

《答弁》 コスモパーク加太対策室長
   20年度の加太菜園から県への収入は28,306,800円である。3期施設建設中止にあたり、21年度から5年間は、そのまま3期分の賃料を支払うということで加太菜園と協議が成立した。
   従って、21年度から25年度までは、毎年、当初計画どおり37,271,900円、26年度以降は19,398,000円になる。

   26年度以降は、毎年約1,800万円程度が減額になる。


《質問》 松坂英樹
 年間1,800万円の減が10年続くと、10年間で1億8,000万円のマイナスになる。
 加太菜園進出にあたり、20年間で580億円の経済効果が見込まれるという計算をし、それならばと20億円かけて造成し、500円/uで貸すべきものを、インセンティブとして100円/uにしているのではないか。
 ところが、半分が駄目になったにもかかわらず、5年間の土地代の払いで決着したように見える。
 面積を半分にするのなら、造成費用20億円をどうするのか、土地代1億8,000万円の減をどうするのか、という話をして当然である。
 今後も100円で貸し続けることが県民の理解を得られないと思われるが、企業とどういう議論をしたのか。
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《答弁》 コスモパーク加太対策室長
   先ほどの説明の補足になるが、5年の間に3期用地に企業が進出すれば、その都度、加太菜園との契約を解除し、新しい企業から賃料をいただくことになる。
   カゴメとの契約では、債務不履行に基づく請求が非常に難しいという内容になっていたが、協議の中で、カゴメの社会的責任を考慮の上、3期の賃料を5年間支払うこととなった。その上で、県が予定した歳入が減らないよう、カゴメとしても、県と共に企業誘致に努力するという結論に至ったところである。

《質問》 松坂英樹 委員
 契約上、ペナルティを求めるのが難しかったという答弁であるが、当然、開発にはリスクを伴うため、一定の覚悟がいる。しかし、誘致を頑張りますという決意表明をしているけれども、県は、カゴメの言い値で、5年間払うから辛抱してほしいという主張を受け入れたと感じられる。だから、社会的責任を斟酌なさったと、「支払っていただく」と、非常に遠慮しているように思われる。
 県としては、カゴメの計画に基づき、これだけの県民の税金を使うから頑張ってほしい、県経済にプラスに働いてほしい、という期待を込めた投資だった訳で、その約束を、向こうが変えたいというのなら、もっと主張すべきであったし、今後も、100円で決まったという話じゃなくて、きっちりと言うべきであると思われる。
 その点、言い値だったのかどうかという所を再度答弁願いたい。

《答弁》 コスモパーク加太対策室長
   カゴメが3期を撤退するということについて、どういう責任の取り方が出来るのか、という事について、私どもとしても、当然意識していた。その協議の中で、5年間の賃料支払いが決定されたものである事をご理解いただきたい。

《質問》 松坂英樹 委員
 協議の中でのお互いの結論だったと思われるが、県はそういう主張をされたのか。

《答弁》 コスモパーク加太対策室長
   話し合いの中では「カゴメの社会的責任」が協議された。想定しなかった事態であり、契約では、1年間の違約金の条項があったが、本件については該当しなかった。そのため、どうすれば県の歳入を確保できるかを考慮して協議したところである。

《要望》 松坂英樹 委員
 よく分からない答弁だ。これだけのロットで貸すから100円である、という話ではないのか。相手の約束が違ってきたのであるから、契約上も、お互いきっちり話し合いで進めていくべきである。
 今回の事態も、大規模に事業展開するノウハウがあるという見込みで始めたけれども、会社の見込み違いで撤退ということになった訳である。そこは、しっかりと双方で話をし、県からも、雇用を増やすなどの条件を出し、もっと地域に貢献できるように更に求めるなど、今後とも努力をしていただくよう要望したい。


《質問》 松坂英樹 委員
 電子県庁推進事業で電子申請にかかる経費が計上されており、国でも電子申請を実施しているが利用件数が伸びなくて、1件あたりのコストが高くなっているといわれている。
 県では何件くらいの電子申請の利用があり、コストがどれくらいかかっているのか。

《答弁》 情報政策課長
   平成20年度の利用件数実績は、全体で(情報政策課管理の汎用システム以外も含めて)15,279件となっており若干ながら毎年増えている。
   また、コスト高になっているということから21年度に汎用システムを更改し、8月から新システムで稼働しているが、旧システムだと年間の運営経費が3,000万円強かかっていたところを新しいシステムでは300万円に抑えることができた。

   また、電子申請の利用促進を図っていくべく広報に取り組んでいるところである。


《質問》 松坂英樹 委員
 なるべくコストがかからないように取り組んでいるということだが、旧システムでは1件あたりの費用はどれくらいか。

《答弁》 情報政策課長
   旧システムでは1件あたり3万円程度となっている。

《要望》 松坂英樹 委員
 コスト面を含め、県民の利用しやすい電子申請を引き続き検討してほしい。

《質問》 松坂英樹 委員
 特定公共賃貸住宅について、財産の有効活用ということから平成17年度の決算特別委員会においても取り上げられ、当時は入居戸数を見ると全く活用されていないようで、家賃の見直し等を検討したいと答えられた。その後、これまで努力していると思うが、現在も33戸のうち7戸しか活用されていない。
 国の政策に基づき、広く高価な住宅を整備したが、実際は活用できていない。このようなときは県が判断して、「子育て環境No.1」と掲げていることから子供の多い家族に利用してもらうなど、道を探ってはどうかと議会の中でも提案されてきたが、これまでどのような努力をして、今回の決算審議を受けてどのような見通しを持っているのか。

《答弁》 建築住宅課長
   特定公共賃貸住宅は、面積が広く良質な住宅を中堅所得者向けに供給されたものであるが、社会情勢の変化により、ご指摘のように空き家が発生している状況である。
   それに対してさまざまなPRを実施してきたが、効果が上がっていないというのが実情である。
   周辺の民間住宅の家賃がかなり下がっている状況も評価しながら、特定公共賃貸住宅の家賃の適宜見直し、現在公営住宅に入居している公営住宅階層ではない入居者に対する直接的なPRなど、さまざまなことを実施しながら、今後も引き続き、特定公共賃貸住宅に入居していただくよう努力してきたいと考えている。

《要望》 松坂英樹 委員
 これまでもPRや家賃の見直しをし続けてきたが、それでもなかなか解決できていないのであるため、本当に思い切った解決方法を編み出して対応していただきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 入札制度について、平成20年度において総合評価方式による(順位の)逆転現象は何件ぐらい起こっているのか。

《答弁》 技術調査課長
   平成20年度において順位の逆転は109件ある。

《質問》 松坂英樹 委員
 総合評価方式を導入する際には、施工の優秀な業者や地域に貢献している業者が評価されて、規模の小さい業者が大きな業者を逆転するということを想定していたが、実際には規模の大きな業者に有利に働いている面もあり、小さな業者を逆転することもある。このような結果をどのように分析しているのか。

答弁》 技術調査課長
   総合評価方式による落札は平成20年度で全体として273件あり、約40%の109件において逆転が生じている。その中で、標準型(1億円以上の工事)では、59件のうち17件(約29%)、特別簡易型(3,000万円以上5,000万円以下の工事)では137件中69件(約50%)で逆転が生じているが、平成21年2月に過去の工事実績を重視しない評価方式に改正することで順位の逆転を抑制したところである。

《質問》 松坂英樹 委員
 平成20年度において規模の大きな業者が小さな業者を逆転した割合はどのぐらいか。

《答弁》 技術調査課長
   本日の時点ではその資料は持ち合わせていない。

《要望》 松坂英樹 委員
 できるだけ県の発注する工事が県内の地元の業者に発注されて、地域の経済にプラスになるように一層入札方法など改善していくように要望しておく。

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11月18日

《質問》 松坂英樹 委員
 普通建設事業に係る県内・県外業者別発注件数等の資料を請求したが、警察の場合、県内業者への発注が20年度は93件の5億8,000万円、県外業者への発注が65件の4億8,000万円であった。他の部局に比べ県外業者への発注割合が高いが、もっと県内業者への発注を高める努力をすべきではないか。

《答弁》 会計課長
   県外業者に約4割の発注をしているが、その工事内容は交通安全施設関係である。その理由は、信号機の制御機・灯器、交通管制センターのシステム等は県外のメーカーしか製作できないこと、設置工事についても県外業者が半数あり、総応札業者数が少ないことである。このため、県内業者を優先して発注することが難しい状況にある。
   現在は、できるだけ公平な競争を促すため機器製作と設置工事を区分して発注しているが、県内の業者数が増加するなどの条件が整えば機器製作と設置工事と合わせて入札するなど、県内業者に多く発注する方策も検討していきたいと考えている。

《要望》 松坂英樹 委員
 信号機などは特殊なものであるので大手の寡占が進んでいると思うが、県内業者が窓口になって仕事ができるような工夫や大手からの納入が高どまりにならないような工夫も、あわせて続けていただきたい。

《質問》 松坂英樹 委員
 信号機の関係でこの4年間の推移を見ると、平成18年度で2億8,000万円、平成19年度は3億2,000万円と増えているが、平成20年度は2億5,000万円、平成21年度は2億2,000万円台と県単の信号機の予算が減る傾向にある。地域からの要望もたくさんある中で、応え切れていないところがあるのではないか。要望から見て予算・決算は十分なのか。財政全体のシーリング圧力がかかっているのではないか。

《答弁》 交通規制課長
   平成19年度、平成20年度は20基を設置し、平成21年度には18基の設置予定となっている。
   県民の方々から要望の多い信号機の設置に関しては、県単独事業に加え補助事業でも設置するよう努めているが、信号機の設置要望は県下で300箇所以上ある。中には道路幅員が狭くて車が対向できないなど信号機を設置できない箇所もあるので、道路管理者に対して交差点改良等を働きかけ、必要性や緊急性を検討し、優先順位をつけて整備に努めている。

《要望》 松坂英樹 委員
 細やかな協議を進めていただくと同時に、有田でも県道バイパスが供用されると聞いているが、新規道路の完成から信号機設置までのタイムラグができるだけ少なくなるよう準備をお願いしたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 自動車排出ガス対策事業について、1億円の予算を取って決算は7,700万円余りとなっている。今回、トラック協会への助成という形で事業を進めたわけだが、予算審議の議会では、県民の税金を使うことになるので、県の助成を必要とする中小零細規模の事業者こそ対象にして、県トラック協会加盟事業者に限らず等しく利用できる制度であるべきではないかという提案をした。
 今回の事業によって、県内の運送業者の車両のうち、どの程度が大阪の排出ガス規制対応となったのか。
 また、バス等の他の業種ではどの程度その対策が進んだのか。

《答弁》 環境管理課長
   今回の事業で、合計612台の車両に補助を行った。
   トラック協会以外のバス協会等の動きについては、把握していない。

《質問》 松坂英樹 委員
 612台というのは出来高の数字ですぐにわかると思うが、この事業が県内全体の事業者や運送車両についてどのくらいの効果や実績をつくったのかという点について把握していないというのは、少し足りないのではないかと思う。バスについては、国のメニューや県のメニューは他になかったか。

《答弁》 環境管理課長
   トラック協会への補助については協会との協調補助ということで補助に至ったが、バス協会については協調補助の要望がなかったので、今回の対象にはしていない。その他の補助についてはわからない。

《要望》 松坂英樹 委員
 申し入れがあったところに補助をしたというだけの納得いかない答弁だったが、本当に困っている人がどれぐらいあって、要望を持っているけれども受けられていない方がどれぐらいあるかということを広く受けとめてこそ県全体を見渡した環境行政になると思うので、後ほどでも結構なので、資料を請求して点検・検証したい。


《質問》 松坂英樹 委員
 動物由来の感染症予防対策として、平成20年度で約180万円で取り組んでいるが、最近、鳥獣被害が増え、野生鳥獣が市街地におり、野生鳥獣との接触によるツツガムシなどダニを介する感染症などもあると聞く。秋から冬にかけ被害が増えるようで、初期症状はインフルエンザに似ていると聞いている。近年の被害状況や県の対応、今後の対策はどうか。

《答弁》 自然環境室長
   近年、市街地に野生鳥獣が出没し生活に被害が出ていることは把握しているが、野生鳥獣の感染症でどの程度被害が出ているかは把握していない。

《要望》 松坂英樹 委員
 イノシシやシカなどの農地への侵入によりダニが持ち込まれて刺されたと聞くので、どういったところに被害が出ているかなど、農林水産部とも連携して対策を進めていただくよう要望する。


《質問》 松坂英樹 委員
 高等学校の中途退学の状況について、資料請求の35番で県立校の中退者数やその理由を数表でいただいているが、この状況について、これまでの推移や20年度の中退理由や内容について、教育委員会としてどのように感じておられるのか。特に厳しい社会状況を反映したものになっているのではないかと心配しているが、どのように考えるか。

《答弁》 学校指導課長
   高等学校の中途退学について、平成19年度は659名、平成20年度は546名で、比較すると113名の減少である。
   その内容については、教育相談活動等によるところが非常に多く、いろんな形で相談活動を進めていく中で、学校にとどまって教育活動を続けているという状況である。
   それから、カウンセラー配置という形で、高等学校においては10校のスクールカウンセラーと31校のハイスクールサポートカウンセラーを配置している。

《質問》 松坂英樹 委員
 20年度はそのように数も減ってということで頑張っていただいている面があるが、19年度はかなり数も多かったので、そこら辺は対応が進んだのではないかと思う。
 加えて、こちらの理由別の数の集計を見ると、その中に進路変更というのが結構な数があり、経済的理由というのが1桁ということで意外な感じがする。進路変更という理由は非常に幅が広くて何でも進路変更になるので、言えないような理由であったり、ある意味便利な用語ではないかと思う。そういった点も含めて授業料の減免や就学奨励金でいろいろカバーをしているのだが、それでこたえ切れていないような経済的な状況などを感じる面はないか。

《質問》 学校指導課長
   進路変更の内容については、先はど委員ご指摘のように、経済的な理由以外に学校不適応という形の、学習になかなかついていきにくいであるとか、いろんな生徒同士の人間関係の問題であるとか、多岐にわたっているので、そのあたりを、先ほど言ったような形の相談活動等で生徒とともに考えながら数が減ってきているという実情がある。
   経済的な理由の奨学金であるとか授業料減免等の措置については、生徒・保護者ともども面接等を行い、必要な措置をとっている。

《要望》 松坂英樹 委員
 学校生活や学業の不適応というのは別の項目があって、これが一番飛び抜けいるのだが、それにおさまり切らないいろんな悩みがたくさんあるという気がするので、ひとくくりというのではなく、きめ細やかな対応をお願いしたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 高卒者の就職の困難さについてであるが、内定率が大変な状態になっている。昨年末からの経済状況の悪化を受けて就職支援に取り組んでいると思うが、この20年度の取り組みから何を生かして取り組もうとしているのか。

《答弁》 学校指導課長
   9月16日から就職試験が行われており、現在5割前後の内定率である。非常に深刻な状況ととらえている。こうしたことから、先だっても、経済5団体に対し2回目の求人要請を行ったところである。また、就職面談会として、企業と生徒・学校関係者との接点を設ける機会を持っている。今年は、12月3日に開催される「就職フェア2009」にも高校生の参加を呼びかけ、従来より面談会の機会を増やしている。
   各学校関係者については、いろんな機会をとらえて就職支援を行うよう指導している。制度としては、ジョブ・サポート・ティーチャーを配置している。県内5カ所に「教育コンソーシアムWAKAYAMA」という組織を設置しており、その中で就職支援員という形で活動し、学校関係者とともに企業に行き、求人開拓に努めているところである。


《質問》 松坂英樹委員
 中小企業振興資金の高度化資金の対応について、お尋ねしたい。
 20年度では巨額の不納欠損が生じ、そのうちの26億4,000万円という大部分がこの高度化資金の不納欠損ということであった。県議会では、私も、不透明でずさんな融資の全容解明と真摯な反省なしの最終処理というのは到底県民の理解を得ることはできないと批判したところである。
 今回、21年3月の外部監査の中でも問題点を改めて指摘されている。審査の不十分さや責任の所在が明らかでない点などを指摘されているし、監査委員の審査意見書でも県議会の附帯決議、県民の理解が得られるよう十分な説明、対応を求めるという意見が出されているところである。
 そういう点で、まず、延滞法人33法人の状況を示してほしいということで10番で資料請求をしているが、この延滞法人33法人の返済状況、対応の状況を聞かせてほしい。
 20年度は19年度の予算よりも倍の返済計画を予算として持つという積極的な予算を組んで頑張って対応してきたと思うが、中身や金額的にはどうだったのか。

《答弁》 償還指導室長
   中小企業高度化資金の償還金回収については、平成20年6月27日付で和歌山県議会で附帯決議をいただいて、債権回収について「債権管理については、今後新たな管理瑕疵を生じさせないよう万全を期すとともに、主債務者及び連帯保証人の償還能力を見極めながら、考え得る最大限の債権回収措置を今後も講じること」ということの附帯決議をいただいている。その線に沿って償還を進めてまいりたい。
   また、この高度化制度融資が独立行政法人中小企業基盤整備機構から3分の2の融資をいただいて、3分の1を県が出して融資しているものであるので、中小企業基盤整備機構の方針に従って延滞債権の回収を進めていく先と事業再生を支援していく先とに分類して債権管理を進めている。
   破綻組合9組合への対応については、うち5組合は平成20年6月議会において債権放棄の承認をいただいている。残りの4組合については、附帯決議の内容に十分留意して早急に最終処理すべく、時効の中断処置も行うとともに連帯保証人の資産の任意売却指導、法定相続人の資産調査等の手続を進めていく。
   それから、長期延滞組合への対応として、組合から償還計画書等を提出させて償還意識を改革し、その履行を指導中である。その上で、事業継続や再生の困難な組合については、組合資産の任意売却指導を行って債権回収をさらに強化していきたい。なお、償還に誠意のない組合に対しては法的処分を実施していきたいと考えている。
   平成20年度高度化資金の状況であるが、19年度は非常に特殊な要因もあって、大口償還というものが3件、鉄鋼関係が18年から19年にかけて非常に好況であったので8億3,500万円ほどが20年度に比べて多く入っており、また18年以前からの競売や任意売却の収入措置ということで1億6,400万円ほど19年度にも入っており、それから正常組合の景況がよかったので繰り上げ償還で1億4,600万円ほどあって、合計で11億円ほどが特殊な要因で19年度に大幅にお金が入ってきたわけだが、20年度はそれがなくなったので回収が少なくなっている。また、20年度の景気はリーマンショックなどで悪くなったので、償還計画から大きく7,000万円ほど減っているところがあって、19年度に比べると12億円ほどの減になっている。

《質問》 松坂英樹 委員
 未償還額、焦げついた分が処理をしてもあと79億円残っているということだったと思うが、19年度は非常に成績がよかった、11億円あったと。それに基づいて頑張ろうということで、20年度は高度化からいろいろ混ぜて15億円の回収の予定を立てて、6億円の決算だったということでよいか。うち高度化の分はどれだけか、わかるのであれば教えてほしい。

《答弁》 償還指導室長
   資料にも出しているように、高度化の延滞法人が2億4,942万6,000円で、2番の期限内償還法人13法人が1億8,076万円で、高度化でいうと4億3,018万6,000円となる。

《質問》 松坂英樹 委員
 目標から見れば非常に追いつかなかったということだと思うが、金額ではそうだと思う。中身でいえば、リーマン以降ということと、鉄鋼関係の状況の変化があるということだったが、33法人それぞれ一律ではないと思う。中には償還率で見ても10%いかない、償還率が1桁の法人も33法人のうち10ほどある。集中的に指導するところからいろいろなやり方で苦労されたと思うが、20年度の特徴をもう少し詳しく、償還の中身を報告いただきたい。

《答弁》 償還指導室長
   20年度について、その資料で言うと、6番目の組合については20年度に法的処理、競売の処理をしている。8番目についても法的処理、裁判所への競売手続等している。23番目についても20年度に法的処理、裁判所への競売手続をしている。24番目については21年度に法的処理、競売手続をしている。
   先ほど申したように、ガラス張りの交渉ということで、まずは増額の交渉をし、それがだめなら事業の継続性ということから任意売却を指導し、それが無理な場合に法的処理という段階を踏むわけだが、その法的処理に至っているものも現在は4件ある。法的処理に移る前に、組合の理事長や組合員は皆連帯保証人になっているので、粘り強く交渉しながら任意売却、法的処理に持っていっているのが実情である。

《質問》 松坂英樹 委員
 県民が納得できるような、説明責任を果たせるような対応を引き続きお願いしたい。
 続いて破綻法人の部分だが、5つを既に不納欠損処理し、4つの法人が破綻法人として残っていると報告されている。これも簡単に不納欠損処理せずにきちんと対応してからということで少し時間をとっていると思うが、昨年いただいた破綻法人の状況から比べると、一番下の新宮コンクリートなどは売却額の差が出ていて動いていると思うが、何か変化があったのか。

《答弁》 償還指導室長
   新宮コンクリートについては、組合資産の任意売却による回収分である。

《要望》 松坂英樹 委員
 いずれにしても、20年度、そして21年度の経済状況はより厳しくなっているわけで、きっちり返せている期限内償還法人も延滞法人もそれぞれ厳しい状況の中にあるから、サポートしながら的確・適切な指導をしていただくよう要望しておきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 信用保証協会の信用保証について聞きたい。
 20年度は大きな経済対策を行ったが、その中で信用保証協会の緊急保証という点では随分成果があったと思っているし、大変喜んだ声も聞いている。
 しかし、信用保証を申し込んだが断られたという話も依然として後を絶たない。窓口チェックが厳しいという声も聞こえてくる。新聞では、緊急融資の代位弁済割合が低く、返済能力など適切なチェックができているという報道もされている。ずさんな融資は厳に慎むべきだが、地道に頑張ってきた業者を今の業績や業務内容だけで判断されると非常に厳しい面があると思う。融資が実行されていれば救えたのに、救えなかったという事例も中にはあったのではと心を痛めている。
 借りかえの融資は要望にこたえて大きく進んだと思うが、新規や追加の融資はこの間の状況を県としてどのように把握して、どのように考えているか聞かせてほしい。

《答弁》 商工振興課長
   去年の10月31日から始まった緊急保証制度について、実績的に言うと、昨年度約815億円の貸付が実施されている。これは対前年度に比べ266%の実績で、かなりの融資が実行されたと考えている。
   やはり、必要なところに必要なだけの資金を融資するということを金融機関、信用保証協会に頑張っていただいて、和歌山県下の中小企業の支援に導いたと自負している。
   ご指摘のように、借りづらいというのもあると思うが、やはり融資という以上は将来的には返していただくという中で、信用保証協会、金融機関もある程度の審査は実行されている。その中で、健全な融資を行うという立場から、中小企業の方にとってはなかなか貸してくれないという受けとめ方もあると思うが、融資という考えの中で適正な融資がされたと考えている。


《質問》 松坂英樹 委員
 県民の方からの融資の申し込み・相談がどれくらいあって、どれくらいが融資にたどりついたのか、割合のようなものは県として掴んでいるのか。

《答弁》 商工振興課長
   融資の相談窓口は、商工振興課の中にも設けているし、各振興局にも窓口がある。直接的には金融機関に出向いてもらうことになるが、かなりの相談等がある。

   手元に件数の資料はないが、かなりの相談があったということは聞いているし、県としても金融機関にはそういった相談には積極的に乗っていただくようにまた指導はさせていただく。


《要望》 松坂英樹 委員
 貸金業法のことも国会で話題になっており、サラ金で借りられないとヤミ金に行くからという理屈もあるようだが、それは本当ではない。きっちり制度融資が受けられるように行政が目配りしてこそ県民や中小企業の皆さんを救える道だと思っているので、ぜひこの制度融資が今の危機的状況を救うため力を発揮していただきたいと思っている。
 信用保証協会も、銀行を紹介する、銀行に声をかけるなど、斡旋融資のような力を最近非常に発揮してくれて喜んでいる。融資の物差しを、実態に合った救える人を1件でも2件でも救おうという姿勢で頑張れるように、信用保証協会にも金融機関にも働きかけていただくように要望しておきたい。

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11月19

《質問》 松坂英樹 委員
 まず一つ目は、臨時財政対策債の県財政全体への影響ということで尋ねる。
 資料請求3番で臨時財政対策債のこの間の発行額や償還額を示してもらっている。臨時財政対策債は交付税が減らされる中で1,600億円という話があり、必要分を交付税が補うという建前だが、交付税が減らされているので足らない、その足らない分を臨時財政対策債で補うという起債として設けられたものだと思う。この借金返済は、国が交付税で全額面倒をみるからと調子のよい理由をつけてこられたものであるが、実際、借金は借金だから影響が出ていると思う。
 臨財債の発行額を見ていくと、県債全体の発行額の中でかなり比率が高くなってきている。臨財債は平成13年度で103億円だったものが平成20年度では220億円で、県債全体で年間705億円発行するうちの約31%にのぼるという、借金の中でも大きなものとなっている。この借金がどんどん増えていくと返済が年々嵩んでくる。平成14年から返済が始まっており、平成20年度決算を見ると年間85億円の返済で、県全体の償還額674億円のうちの12.7%を占めるという大変ボリュームの大きなものになってきている。こういう推移と県財政への占める割合を見ると、交付税が足りないから借金をする、その返す分は交付税に入っているはずだというが、その交付税が足りないから毎年借金をするということで、まるでいたちごっこ、雪だるま式に償還額も増えていっていることが見て取れると思う。
 そこで聞くが、臨財債の償還分、これが正しく国から来てると言えるのかどうか。

《答弁》 財政課長
   指摘のように、税収を原資とした交付税で地方の不足している分を措置するのが本来の姿だが、厳しい経済状況の中で税収不足が起こった場合には、とりあえず臨時財政対策債という借入によって補うと、委員の言ったの趣旨のとおりである。
   したがって、それについては、いわば交付税の身代わりのようなものであり、後年度交付税において100%算入されてくるものであるので、間違いなく後年度において交付税措置されるものだと認識している。

《質問》 松坂英樹 委員
 交付税でみてくれる事業は建設事業等たくさんあるわけだが、交付税でみてくれるからどんどんやれということで、やって大変なことに地方財政がなってきている経過があるのだから、この地方財政改革、三位一体改革が続いてきたが、国がこの間やってきたことは結果として地方財政を厳しくこそすれ、支えてきたものでは決してないと思っている。
 必要な財源の確保、それから地方財政の確立、これを国に対して強く働きかけていくべきではないかと考えるが、そこはどうか。

《答弁》 財政課長
   バブル崩壊後、さまざまな景気対策が行われてくるなかで、確かに一部には地方で事業を実施させるための施策もあったかと思うが、そういう一部の事業に関しては、大分見直しが進んで来ていると思う。一方で、現実は、圧倒的多数の都道府県においては、基金を取崩しながらなんとか厳しい財政を回しているのが現状なので、まちがいなく全体的に、歳入は不足しているんだろうと推測されるところである。本県のみならずさまざまな地方団体があるけれども、例えば知事会であるとか、地方6団体などで、常に「安定的な地方の歳入確保という仕組みを構築されたし」、ということは強く国に要望しているところであり、今後とも引き続き、要望を続けていきたいと思っている。

《要望》 松坂英樹 委員
 今回の資料を見せてもらって本当に大変だと思ったので、是非今後とも取り組みを強めてもらいたいと要望をしておきたいと思う。


《質問》 松坂英樹 委員
 税についてお尋ねする。
 地方税回収機構の活動について、資料請求の報告によると滞納の回収が進んでいると思っているが、中には大変強引な対応に県民から抗議の声も上がっている部分がある。回収機構に回されると、不動産や預貯金、債権や給与などをまず差し押さえるわけだが、そうすればたちまち商売に差し支えたり引き落としが落ちないなど、差し押さえによる影響が必ず出てくる。差し押さえをするときに、例えば50万円の滞納がある方がいる、そのときに500万円の銀行口座を一括で差し押さえてしまう。50万円に対して500万円を差し押さえるというような過度な差し押さえ、そういう手法は違法ではないか、やりすぎではないか、という訴えが全国的にされていると思うが、その点についてどう考えているか。

《答弁》 市町村課長
   回収機構の回収については、まずは税の公平性の確保という観点があるので、きっちりとした回収について色々と尽力をいただいていると思っている。
   また、生活困窮者の方の滞納への対応については、個々の案件について一つ一つ徹底した財産調査等によって、個別案件ごとに判断をしている。

《質問》 松坂英樹 委員
 個別の対応ということだが、過度な差し押さえについてはどう思っているのか。

《答弁》市町村課長
   差し押さえについては、個々のケースにより判断されるものと思っているが、しっかり機構のほうで判断をされているものと考えている。


要望》 松坂英樹 委員
 機構に成り代わって答弁出来ないものかも分からないが、過度な差し押さえはどうかという声が出ていることは事実であり全国的にも争われていることなので、違法なことにならないよう、きっちりと県としても指導をし連携をとっていただきたいということは要望しておきたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 震災対策についてお尋ねする。県は地震防災対策アクションプログラムを平成15年度に策定し、平成19年度に改訂している。平成20年度の進捗状況をみると、前年と比べて一年経ってもあまり変化が見られない。相当遅れている、やや遅れているものが固定化している。20年度末の達成状況をどのように分析しているのか。

《答弁》 総合防災課長
   平成20年度で、166の個別アクションを庁内関係部局で実施している。
   進行管理を行うため、関係課の副課長を推進員とし、毎年進捗状況を取りまとめている。委員から固定化しているのではとのご指摘であるが、毎年見直しを行い、完了したものや新しい施策にも取り組んでいるので、ご理解をお願いしたい。


《質問》 松坂英樹 委員
 遅れているところへの手立てはどうなっているのか。具体的には、短期で今年も遅れているのはどういうものか。また、長期で相当遅れている2つとはどういうもので、どういう努力をしているのか。

《答弁》 総合防災課長
   相当遅れているものに住宅耐震化の促進がある。短期でやや遅れているものは、災害ボランティアネットワークの構築や災害時廃棄物処理マニュアル作成支援などである。
   今後の対応として、住宅の耐震化促進については、工務店などへの安価な補強工法の情報提供や県の助成制度の啓発をもっと強化し、市町村との連携を密にしていく。災害ボランティアネットワークの構築については、昨年10月に設立した県災害ボランティアセンターを通じて関係者との連携や活動が強化されると考えている。

《質問》 松坂英樹 委員
 短期に仕分けされている部分というのは、行政がやる気になって関係先と調整すればやっていける部分だと思うので、ぜひ力を入れていただきたい。
 長期でかなり困難になっているというのは、県民にも負担してもらわなければいけないのでかなり骨がいる。ひとつは住宅耐震化でなかなか予算が進まないという状況にある。ちなみに、もうひとつは何か。

《答弁》 総合防災課長
   災害発生時の廃棄物処理マニュアル作成である。災害時廃棄物処理マニュアルについては、平成16年度に県でひな形のマニュアルを作成し、市町村に作成を呼びかけているところである。平成21年3月時点で作成済みの市町村が14、作成中が2、未作成が14である。引き続き未作成の市町村に働きかけを強化していく。

《質問》 松坂英樹 委員
 マニュアル作りは短期ではないのか。長期で相当遅れているひとつは住宅耐震化、もうひとつは何か。

《答弁》 総合防災課長
   もうひとつは、警察災害警備活動用の警備資機材の整備である。これについては警察当局で予算化することが遅れており、今後計画的に整備していくと聞いている。

《質問》 松坂英樹 委員
 県内の家具固定の進行状況はどうなっているのか。

《答弁》 総合防災課長
   県内の家具固定の状況は、県民意識調査によると、平成16年度は4世帯に1世帯、23.4%で固定している。19年度は3世帯に1世帯の35.8%となっており、12ポイント増加している。

《質問》 松坂英樹 委員
 家具固定がなかなか進まないのは意識の問題もあるが、意識があっても進まないこともある。災害時要援護者への家具固定は本人の努力だけではなかなか進まないので、行政として支援が必要と思うがどうか。

《答弁》 総合防災課長
   室内対策は非常に重要だと考えており、平成20年度から、市町村への支援補助金の対象としている。
   平成21年度では市町村5団体に支援している。

《質問》 松坂英樹 委員
 この市町村への補助金について、平成19年度は津波避難タワーと併せて7,500万円の予算額が、平成20年度は5,000万円に減っている。市町村からの要望も多いと聞いているが、市町村の要望に応えられているのか。

《答弁》 総合防災課長
   市町村への支援補助金について、前年に、市町村からの要望や意見をヒアリングで聞き、それを積算し予算確保を図っている。総合防災課としては市町村の要望に応えられていると考えている。

《質問》 松坂英樹 委員
 この事業は予算をもっと増やすべきだと思う。補助率を1/2以内と固定するのでなく、アクションプログラムの進んでいないものを進めるため、補助率を上げるなどめりはりをつけた支援が必要と思うがどうか。

《答弁》 総合防災課長
   現在の補助金は、総合メニュー化で、補助率1/2以内となっており、孤立集落対策はこの補助メニューに入っていたが、重要な施策であり、緊急性を要するとして、平成20年度追加補正予算で1億2千万円の予算を確保し、全額県負担で市町村に整備をお願いしている。今後も重要な施策については、めりはりをつけ、別の施策で整備を進めてまいりたい。

《要望》 松坂英樹 委員
 この予算のめりはりもつけて来年度の予算化に取り組んでほしい。

《質問》 松坂英樹 委員
 公共施設の耐震化の状況をみると、県有施設で前年に比べ耐震化が進んでいないのは公営住宅だと思う。また、市町村施設では福祉保健施設が進んでいない。
 この2つについてどんな対策が取られているのか。どう分析しているのか。

《答弁》 総合防災課長
   県有施設の耐震化については、平成26年度までに完了するという計画であり、関係部局と連携して積極的に進めてまいりたい。
   福祉保健施設についても、関係部局と連携して進めてまいりたい。

要望》 松坂英樹 委員
 それぞれの担当課で計画を立てて進めることになると思うが、危機管理を全体的に目配せするセクションとして担当課にアドバイスなどの働きかけを行い、耐震化を進めてほしい。


《質問》 松坂英樹 委員
 当初予算では、31億円の土地売却を見込み、最終補正でもこのままであったのに、決算では4億円になっている。当初見込みとの違いなど、その説明をしてほしい。

《答弁》 公営企業課長
   西浜地区で平成20年度に進出協定を結んだセイカ株式会社との契約が20年度中にできなかったことが大きい。またその隣の用地に日本通運株式会社が倉庫を建てる予定だったができなかったことや御坊第二工業団地でも日高郡内の企業が進出する予定だったが21年度以降に延びていることの3つがあげられる。

《質問》 松坂英樹 委員
 3社それぞれの見込みの価格はいくらか。

《答弁》 公営企業課長
   セイカ株式会社については当初16億8,400万円を見込んでいた。日本通運株式会社については、売買から事業用借地契約に変更になった。御坊第二については、3億9,000万円で売買を予定していた。

《質問》 松坂英樹 委員
 セイカ株式会社の現在の状況はどうなっているのか。

《答弁》 公営企業課長
   年明けの1月をめどに契約を結ぶ予定である。

《質問》 松坂英樹 委員
 値段の変更についてはどうか。

《答弁》 公営企業課長
   当初がu単価3万円、総額で16億8,400万円だったが、今年4月に単価の見直しを行ってu単価2万8,200円、総額で15億8,300万円である。

《質問》 松坂英樹 委員
 全体の資産の状況についてお聞きする。簿価と時価がかけ離れているという実態がある。帳簿価額165億円の資産の時価はいくらか。

《答弁》 公営企業課長
   完成土地の簿価としては139億6,700万円。20年度で時価評価をすると90億9,400万円である。未成土地については、簿価として25億9,200万円、時価は4億4,500万円である。

《質問》 松坂英樹 委員
 簿価と時価との差額約70億円は含み損として解釈してよいのか。

《答弁》 公営企業課長
   20年度の時価で評価するとこうなる。

《質問》 松坂英樹 委員
 今の資産の評価で、帳簿上の価格と実態との間に離れがあることが確認できたと思う。債務をみると、銀行からの借金134億円を抱えているのに今の94億円の資産では返せないということになる。これでは財政的に健全とはいえない。昨年の決算委員会でも議論があり、そのときに20年度決算からは法律が変わって時価評価ができるはずだという話があった。また監査委員からも今回時価評価について早急に検討されたいという意見が出されている。なのになぜ20年度の決算で時価評価をしなかったのか。

《答弁》 商工観光労働部長
   昨年の議会で承認いただいているが、今年度から土地造成事業の健全化のため、当初の不足金18億円と今後20年間で追加で見込まれる不足金13億円を20年かけて一般会計から補填することになっている。
   現在、国で公営企業の財政健全化について検討中であるということもあり、時価会計をすぐに導入するのは現時点ではむずかしい。

《質問》 松坂英樹 委員
 全国的にはすでに時価会計をはじめているところもあると聞くが、どういう状況か。

《答弁》 公営企業課長
   販売価格から販売経費見込額を控除した額を時価とすることが国から通知されているが、土地をどういう計画で売却していくか等の統一的な見解が国から出されていない。総務省でも地方公営企業の会計制度研究会を設置して減損会計の手法を検討している。現在、新潟、静岡、愛知の3県についてはそれぞれ独自の考え方で時価評価を行っているが、本県としてはもう少し国の動向を見て研究、検討していきたいと考えている。

《質問》 松坂英樹 委員
 20年間で売却するという計画のもとに経費も計算して評価するという建前なので、経費の算定が困難で時価が出しにくいということだと思うが、新潟等3県は経費の点はさておいて、現在の価格を時価評価として参考値として出していると思う。それは一歩前進だと思う。
 和歌山県も20年間かけて売ったとしても31億円足らないということで毎年補填を始めたが、計画的に売れたとしての額であるので、今の決算状況を県民に説明する責任が行政にはある。監査の意見にもあるように、県民から見てよくわかるように資産の時価評価を研究しながらも急ぐこと。また、1億5,700万円の補填額が少しでも少なくすむように販売努力を求めることの2点を注文したいが、どうか。

《答弁》 商工観光労働部長
   時価会計の導入については、情報公開の点からも早急に総務省並びに全国の状況を調査して導入にむけて頑張っていきたい。

要望》 松坂英樹 委員
 問われれば答えるというのではなくて、はじめからちゃんとできるようにお願いしておく。


◇ 議案に対する採決
  
議案第150号「平成20年度和歌山県歳入歳出決算の認定について」は、
  賛成多数で認定

  
議案第151号「平成20年度和歌山県公営企業決算の認定について」は、
  賛成多数で認定


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