09年12月県議会 総務委員会 藤井健太郎
2009年12月14日
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《質問》 藤井健太郎 委員
 関西広域連合について、知事からは来年の早い時期に規約案を議会に提出したいという旨の答弁があり、知事室長からは、県民の理解を得られるよう努力していきたいとの話があった。関西に住む住民のサービスの向上につながるとのことであれば望ましいことであるが、奈良等では様子見という中で、足並みが揃っていないという印象を受ける。
 和歌山県が県民の理解を得るという点では、議会の理解を得る前に県民的な議論が必要である。新たな公共団体をつくることは県民の負担にもなることから、何らかの気配りが必要ではないか。住民参加の下、大方の理解が得られていくかどうか不安に思う。県民の上の雲の上で議論が進み、広域連合が先にありきで、中身は後で議論するということになっていないか。
 さしあたって、関西全体で取り組んだ方がスケールメリットがあって、負担が少なく済んで効果も上がるという具体的なものを見せた上で、論議が深まるというやり方をしないといけない。先に関西広域連合がありきというのは、順序が逆になっているという印象がある。県民の大きな議論を抜きにして進んでいくことを危倶するが、いかがか。

《答弁》 知事室長
   県民への広報ということでは、県民の友9月号に関西広域連合の概要の記事を載せたり、県のホームページにも情報を載せている。また、10月29、30日に市町村長懇談会を開催し議論を行い、その結果についても広報している。

   事務の内容については、現在、詳しく詰めているところであり、その内容については行政改革・基本計画等に関する特別委員会や総務委員会で審議いただきながら、メリット・デメリットについて、県民にも伝達していけるような方法について、今後、早急に検討していきたい。
   現状は、概要しかPRできない状況であり、できるだけ早く詰めて、皆様に提供していきたいと考えている。


《要望》 藤井健太郎 委員
 プロセスが必要と考える。結論を県民に押しつけることにならないように、成案ができれば、具体的な事業のイメージも含めて、県民に示して議論をしていくという機会を是非つくってほしい。行政報告会といった形でも結構である。判断できる材料をきちんと提供すべきであり、成案ができても議論する時間をきっちりとつくるように要望する。

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《質問》 藤井健太郎 委員
(関西国際空港についての議論の中で)
 関空は元々ハブ空港ということで、出発したのではなかったか。
 「ハブ空港にしていくために」と言われると、「えっ」という感じになるがどうか。

《答弁》 政策統括監
   ハブ空港という意味は、国際拠点空港、国際線のハブと国内線のスポークという機能があるということである。


《答弁》 企画部長
   少し言葉足らずな点があったが、関空を完全なハブ空港にしていくということであり、今は国際線を飛ばしても国内線というスポーク機能が乏しい。
   元々企図したとおり、関空を日本を代表する完璧な国際ハブ空港として機能させたいという趣旨である。


《質問》 藤井健太郎 委員
 国の航空行政が変わったということか。
 財源が厳しくて機能を見直すということなら考えられるが、元々の出発点が国際ハブ空港というところにあって、それならばということで、地域の問題とか、地域の経済をどう活性化させていくのか、といったことを私たちも協力してやってきたわけだが、その出発点の国の航空行政が変わってきたということか。

《答弁》 政策統括監
   出発点とは変わってないが、現状は国内線が乏しくなってきたということである。


《質問》 藤井健太郎 委員
 この前、北海道の新千歳空港から帰ってきたが、夕方のラッシュ時だったが、機長から伊丹・神戸が混雑しているので、岡山上空から四国に入って四国の南を通って、関空へ入るという航路をとるという説明を受けたが、国における関空の位置づけに疑問を持った。伊丹や神戸と比べて位置づけが低いのかと疑問を持った。穿った見方かもしれないが、和歌山県も関空にかなりの出資や負担金を出している中で、元々の出発点というところはどうなったのか。変わってきたのであれば、こう変わったときちんとした説明があればよいのであるが、我々も困った状況である。納得できるような説明ができるか。

《答弁》 政策統括監
   今の関空の状況は、国内線の減便が問題で、国際線は最近便数が増えている。
   国内線の減便は関空の位置づけが原因ではなく、JALとANAの国内航空会社の経営状況によるものであると考えている。


《質問》 藤井健太郎 委員
 位置づけというのは、元々関西に3空港も必要なのかという議論もあった。航空会社の問題ということではなく、航空行政のあり方に問題があるのではないかと思う。関西に国際ハブ空港をつくるんだということでやってきた経過があり、そのことは、県民は覚えている。今なぜこういう状況になったのかということについては、国のこれまでの政策のあり方も含めてやっていかないと、今後の方向を見失ってしまうのではないかと思う。懇談会とか一元管理といった話もあるが、国の航空行政がある中で、県の意見をきっちり持っておく必要がある。ハブ空港を目指してとあったが、その辺のゆらぎはないか。

《答弁》 政策統括監
   ゆらぎはない。


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《質問》 藤井健太郎 委員
 南海フェリーの今後のことについて尋ねる。
 高速道路が土、日、祝が1,000円になったことから南海フェリー和歌山徳島航路にその差額を補てんしており、今回、6,000万円の補正予算が提案されているが、公共交通機関として県としてどういう位置づけをしているのか。今まで公共交通機関でいえば、南海貴志川線が廃止されるときに届出だけで廃止となっていたが、県としても対応すると、今回、南海フェリーが経営危機になり、航路の存続の危機まではいかないかどうかわからないが、国の政策により経営危機になったのであり、国が補てんしてしかるべきであるというのは正論である。国がそれをしない中であえて県が維持をしていく、県としての役割を果たすことになると思うが、今後、南海フェリーの航路を何とかして守る前提に立つのであれば、新年度以降も高速道路料金がどうなるかということ如何にかかわらず、維持していくための努力をしていくのか。公共交通機関としての位置づけがあれば聞きたい。

《答弁》 地域振興局長
   
徳島と和歌山を直接に結ぶ南海フェリー航路は、本県にとってたいへん重要な公共交通機関と考えている。3月から高速道路料金が大幅に割引される中で、4月から6月末までの乗用車ベースの実績が対前年度比マイナス24%という厳しい状況になった。本来、国の施策で高速道路が割引されたのであり、フェリー等の公共交通機関に対しても国の均衡ある施策が当然あってしかるべきであるという考えで、県としても国に働きかけているところであるが、現在、緊急避難的に徳島と連携しフェリーの利用促進を7月18日から実施している。11月30日までの実績が、乗用車ベース対前年度比プラス52%という結果が出ており、競争条件さえ整えば、フェリーの需要は大変大きいと考えており、この航路を絶やすことはあってはならないという考えをもっている。このことから、3月末までの継続を今議会にお願いしている。
   ただ、県でその支援策を恒久的にやっていくということはとても体力的に困難であり、本来国の施策として高速料金を割引きしたことから起こったことであり、今後も4月からの国の施策実施を求めていきたい。


《質問》 藤井健太郎 委員
 今の段階で具体的には言えないと思うが、非常に重要な公共交通機関であり、維持をしていきたいとの説明であったと思うが、その方策については国に申し入れることは当然だと思う。全国的にも、フェリーのある地域は沢山あるから、どこも大変な状況になっている。国の政策という前提に立つならば、維持していく方策を県として独自に考える必要があるのではないか。その時、なってみて考えるというのはいかがかと思う。当初予算の関係、補正で対応ということもあると思うが、4月以降の支援は今のところ全く考えていないということでよいか。

《答弁》 企画部長
   4月以降、金銭的に財政的支援をはたして続けられるのかというとかなり厳しい。利用促進で、PRをいろいろバックアップすることはあると思うが、赤字を補てんすることは、一自治体が背負うには荷が重すぎると思う。特に我が県のような財政力の弱い県では。
   貴志川線の例もあるが、貴志川線は、県域内の公共交通機関であり、県の責任があるが、フェリーは、県をまたいだ広域の公共交通機関ということで、これはどうみても国の責任で実施すべきと考えており、4月以降、財政的に支援するかということに対しては、今のところ、徳島県との間では検討の議論のまな板にのっていない。
   あくまでも国の責任を求めていきたい。


《要望》 藤井健太郎 委員
 これは和歌山、徳島だけでなく、全国的な問題である。東京でも湾内のフェリーが大変な不況で、財政支援をしながらやっている。
 和歌山徳島航路はなくすことはできない航路と思っている。公共交通機関のあり方は、今後大事であると思う。大事だ、維持していきたいという気持ちだけではすまない問題もあり、対応を考えてもらいたいと思う。

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《質問》 藤井健太郎 委員
 コスモパーク加太について、県土地開発公社に支払っている県の賃料と県に入ってくる加太菜園からの賃料との差額は県民からの負担となっており、その分事業者は安く土地が利用できているのに、3期工事が中止になって2期工事は延期となっている。
 5年間という期間の話もあったかと思うが、行政としての対策について現時点での進捗状況と今後の展望を教えてもらいたい。

《答弁》 コスモパーク加太対策室長
   加太菜園の3期施設建設断念を受けて、現在、3期用地については企業誘致に努力をしている。今の時点では報告できる成果はない。

《要望》 藤井健太郎 委員
 今のところ努力を続けているが確たる報告はまだ出来ないということであるが、努力は続けて欲しい。

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《質問》 藤井健太郎 委員
 職員欠席の報告時に病名の説明があったが、個人情報保護の観点から注意を要するのではないか。行政にあたるものは目配せと気配りをしなければと考える。

《答弁》 企画部長
   委員会を欠席するという重みの中で説明をしたものだが、以後細心の注意を払って参りたい。


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《質問》 藤井健太郎 委員
 今年もいよいよ12月となり、残るところ来年の最終補正となり、21年度は現下の経済状況の中でかなり多くの経済対策ということで補正がついてきたが、各議会ごとに繰越明許が出てきている。今回も明許で20億、変更で10億、30億ということだが、予算が付いてきても事業執行ができない。
 経済対策ということで事業を前倒ししながら、事業費ベースとして増やしていくということでやってきたと思うが、繰越の理由はそれぞれあると思うが、繰越をしていくということは事業の先送りの結果になり、9月補正で付いた予算が事業着手できずに繰越ということもあり、事業費全体が大きくなってきて今の現有の職員の中ではそれがなかなか処理しきれない。職員数が減っていく中で、新年度も行革方針の中では職員の定数を減らしていく方向にあると思うが、事業がますます積み残しされていくのではないかという危惧を持っている。
 経済対策として、予算ができるだけ早く事業費として執行できる体制づくりが一方では必要ではないかと思うがどうか。

《答弁》 財政課長
   今年度は特に6月に大きな補正があり、直ちに取り組めるような予算組みをしたが、加えて9月にも追加の大きなものがきて、どんどん重ねてきたというところがあり、かなり事業規模が大きくなっている。
   できるだけ、年度内の予算は年度内に執行していくように全力を挙げて進めているところだが、物理的になかなか終わらないようなものも出てきており、繰越明許費を計上している。
   その中で一点理解いただきたいことは、例えば工事は、契約を結ぶときに、標準的な工期、例えば3ヶ月とか6ヶ月とかかかることを踏まえて契約を結ぶが、年度途中になってから契約しようと思っても、繰越の手続きがとられてないと、2月補正などで繰越明許をとってからでないと契約に入れず、空白期間が生じてしまう。
   このため、今景気がこういうような状況であるので、そういう「待ち」の時間をできるだけなくさなければならないため、この議会で繰越明許を認めてもらえれば、直ちに契約し、執行に入っていけるものを繰越明許費として計上している。それをきちんと執行していけば、通常であれば2月補正等で繰越明許となるが、それより少しは事業も進むと思う。量が量であり、来年度にまたがっていくものも大量にある。
   できるだけスムーズに執行されていくように、景気対策の意味も含めて、速やかに執行されていくよう進めてまいりたい。


《質問》 藤井健太郎 委員
 現在の体制で十分やっていけると理解して良いのか。今年度も職員数が削減されると思うが、事業の積み残しが出てくる状況で職員を減らすのはいかがなものか。
 補正予算の中には21年度から23年度までに実施する幅広いメニューの基金事業もあるが、現在の状況では、やっていくべき一番適正なメニューはどれかということも含め議論しなければならないと思う。
 そういう点への対応が現在の体制でとれるのかどうか、当局としては「やっていく」という返答になると思うが、やるべき事業が漏れたり、なかなか着手できなかったり、後でもっとやっておけば良かったということが出てきたりするのではと危惧している。
 総務委員会は全体的な議論の場なので総括的なことしか言えないが、そういった点での体制は十分か。

《答弁》 総務管理局長
   
確かに現体制で十分満足かというといろいろあるかと思うが、とにかく現体制の中で精一杯努力していくので、よろしくお願いする。

《質問》 藤井健太郎 委員
 景気が大変な状況で民需が低迷している中、官公需でどのようにリードしていくのかということだが、実際に仕事をしている体制がどんどん細ってきている状況で、予算や県民が必要とする事業が賄いきれるかといった点について適時見直しをしながら、必要な手立てを講じていかねばならないと思う。
 来年度の職員数見直しも国の地方財政対策がどうなるのかということもあるだろうが、職員の健康問題も関係してくるという面もあり、事業の執行が的確に行われるような体制づくりが必要である。そういったことを見ながら、組織づくり・体制づくりをやっていってもらいたいと思うが、どう考えるか。

《答弁》 行政経営改革室長
   
来年度の職員配置体制については、現在作業中であり、新規施策や重点施策の要望を聞くとともに、既存事業の見直しを含め、全体的な事業量を聞きながら配置を進めているところである。重点施策については、必要性を十分に勘案し、優先的に配置できるよう努力していく。

《質問》 藤井健太郎 委員
 組織方針などはまだ出ていないのか。

《答弁》 行政経営改革室長
   
組織方針としては、簡素で効率的な組織づくりということで、小規模課室や類似事業をやっている課室の統廃合を進めているところである。

《質問》 藤井健太郎 委員
 新行財政改革推進プランでの職員数の削減計画は変わらないのか。

《答弁》 行政経営改革室長
   
新プランにおいては22年度に向け80人の削減ということで、現在作業中である。

《質問》 藤井健太郎 委員
 経済対策など新たな行政需要が出てきており、予算や事業が拡充している。一方で職員の削減計画は独立して進めているとしており、これではどこかで無理が生じてくるのではないか。
 行政経費の削減だけでなく、プラン全体として成果が上がれば良い訳であり、景気対策を前進させていくためには職員の果たす役割も大きく、景気対策により全体として経済効果が現れれば良い訳であり、そういった点での見直しや目配りが必要ではないか。

《答弁》 行政経営改革室長
   
経済対策事業や基金事業など優先的な事業については、人員配置ができるよう配慮していきたい。

《要望》 藤井健太郎 委員
 経済対策事業や予算が確実に執行できる体制をとることにより、県の景気浮揚につながるので、事業が確実に執行できる配置に重点を置いた職員配置をしていく必要があるのではないか。もちろんスリムで効率的な体制とすることは当然であるが、そういう点での職員配置を考えてもらいたい。このことは、新年度でも検証していきたい。


◇ 議案に対する採決
   議案第155号 平成21年度和歌山県一般会計補正予算
   議案第164号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
   議案第169号 当せん金付証票の発売総額について
   議案第175号 平成21年度和歌山県一般会計補正予算(減額補正追加案件)
   は、全会一致で原案可決

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