2010年2月県議会 可決意見書

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 近畿自動車道紀勢線(御坊〜南紀田辺間)4車線化事業の早期着手を求める意見書

   県民が待望していた近畿自動車道紀勢線(御坊〜南紀田辺間)の4車線化事業については、1月28日に成立した国の平成21年度補正予算(第2号)により、予算自体が取り消されたところであるが、先日、3月12日には、「高速自動車国道法及び道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する等の法律案」の閣議決定がなされ、「高速道路利便増進事業」として、料金割引などに加えて4車線化事業やミッシングリンクの結合などが対象となったことから、改めて事業着手への期待を寄せているところであります。
   現在2車線で供用されている阪和自動車道の海南から南紀田辺間は、県下第二の都市である田辺市や全国でも有数な観光地である白浜と結び、全国の2車線区間の中でも一、二を争うほど渋滞の多い区間であり、また交通事故も多く、早期の4車線化が望まれているところであります。
   現在工事中である海南有田間については具体的な供用時期が近付いていること、また、続く有田御坊間についても今年中に都市計画が完了する見込みであることなど、確実に進展しているところであります。
   そうした中、御坊〜南紀田辺間については、1万台を超える交通量があり、対面通行による衝突死亡事故など重大な交通事故が発生していることなど、他の4車線化検討区間と較べた様々な指標から見ても、優先度が高く、早期整備が必要な区間であります。また、既に用地取得が済んでおり直ちに着工が可能な区間でもあります。
   このため、県民の悲願である近畿自動車道紀勢線の海南から田辺・白浜までの4車線化の早期実現に向け、整備が可能な区間から、一日も早く事業着手されるよう、強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  国家戦略担当大臣
  総務大臣
  財務大臣
  国土交通大臣
  内閣官房長官
  内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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           選択的夫婦別姓制度導入に反対する意見書

   現行の民法第750条では、結婚時に夫または妻のいずれかの姓を選択する夫婦同氏の原則が定められている。
   しかしながら、現在、国において、夫婦が結婚後も両者の姓を統一せず、夫婦それぞれが婚姻前の姓を選択することを認める選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案の国会への提出が検討されている。
   女性の社会進出が進み、結婚後も同じ姓で仕事を続けたいと望む女性が増えたことや、個人の権利の尊重等が背景にあると思われるが、この制度が導入され、夫婦、親子が異なる姓を名乗れることになれば、夫婦や親子の絆や家族としての一体感が薄れ、家庭崩壊が急速に進みかねない。
   夫婦別姓制度は、日本のよき伝統である家族制度を消滅させ、祖先との繋がりや、親子関係を希薄にし、ひいては地域の一体感や国民の倫理道徳観にまで悪影響を及ぼしかねない。
   よって、国におかれては、婚姻制度や家族のあり方に重大な影響を与え、社会的混乱を招く恐れのある選択的夫婦別姓制度を導入することのないよう強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

(意見書提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  総務大臣
  法務大臣
  内閣官房長官
  内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

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        永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書

   永住権を持つ外国人については、地域に密接な関係を持つに至っていることから、地方公共団体の意思決定に参加させるべきであるとして、地方参政権付与の議論がこれまでもなされてきたところである。
   現在、国においては、この参政権付与の法制化の検討が進められているが、地方公共団体は、安全保障や教育などの国家の存立に関わる事柄に深く関与しており、特定の外国人の意向を受けた首長や地方議員が選ばれると、学校や教育委員会等に対する内政干渉により偏向教育が強まる恐れがあるほか、領土問題を抱える地方公共団体においては、我が国の安全保障を脅かす危険性が高まる恐れがある。
   また、日本国憲法第15条では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定され、また、第93条第2項では、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と規定されている。この「住民」の解釈として、平成7年2月28日の最高裁判所判例は、「地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味する者と解するのが相当である」としている。したがって、日本国民ではない永住外国人に対し、地方公共団体の長及び議会の議員の選挙権を付与することは、憲法上問題があると言わざるを得ない。
   一方、国籍法第4条では、「外国人は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる」と規定され、永住外国人が、憲法に基づく参政権を取得するためには、この国籍法に定める帰化によるべきものと考える。
   よって、国におかれては、永住外国人に対する地方参政権付与に関する法律を制定することのないよう強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
   衆議院議長
   参議院議長
   内閣総理大臣
   総務大臣
   法務大臣
   外務大臣

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              予算の適正な配分を求める意見書

   半島地域に位置し、国土幹線軸から遠く離れた和歌山県にとって、紀伊半島を一周する高速道路をはじめとした道路ネットワークの整備は、企業立地や観光振興、農林水産業の振興など、県民の将来のチャンスを保障するものとして、さらに県土の防災対策としても必要不可欠であり、県民が長年にわたり熱望しているところである。
   しかるに、国において、1月28日に成立した平成21年度補正予算(第2号)では、凍結されていた県民待望の近畿自動車道御坊〜南紀田辺間の4車線化事業に係る予算が取り消されたところであり、また、現在審議中の平成22年度予算案においても、道路整備予算の大幅な削減が提案されるなど、道路整備を取り巻く状況は非常に厳しいものになっている。
   そうしたなか、2月15日の衆議院予算委員会に提出された個別の公共事業への予算配分に関する仮配分の資料において、一政党である民主党へ一元化された要望等に基づき予算配分がなされたかのごとく受け取れる「個所付け」が行われていた。
   このような予算配分の決定、あるいは、予算成立前の個所付け情報の流出は、本来事業評価ベースで進められるべき公共事業予算の配分方法として適正とは言い難い。
   国におかれては、これまでの道路整備をはじめとする国土政策において地方が被ってきた不公平を是正し、地方の発展するチャンスを確保するため、適正な予算配分がなされることを強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  国家戦略担当大臣
  総務大臣
  財務大臣
  国土交通大臣

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            地方の社会資本の早期整備を求める意見書

   我が国における社会資本整備は、戦後の復興と経済成長を目指し、効率性や採算性の観点から、需要の大きい都市部を優先して進められてきた結果、地方部の多くでは整備が大幅に遅れ、格差が広がっている状況にある。
   昨年末に閣議決定された「新成長戦略(基本方針)」においては、投資効果の高い大都市圏の社会資本に重点投資する方向性が示されるなど、都市部と地方部の格差がさらに広がることが懸念される。
   こうした中、本県では高速道路をはじめとする社会資本整備は著しく遅れており、今後、企業立地や観光振興、農林水産業の振興など県民経済を活性化させ、将来のチャンスを保障するため、さらに東南海・南海地震等大規模災害への備えや救急医療の観点からも、道路をはじめ、河川、港湾といった公共インフラの整備を積極的に進めていかなければならない。
   国、地方の財政状況が厳しい中、地方にとって必要な社会資本整備を着実に進めるためには、これまで国土政策によって地方が被ってきた不公平を是正し、国と地方の役割分担を明確にした上で財源配分も含めて制度設計を行う必要がある。
   こうしたことを踏まえ、これから社会資本整備の本番を迎えようとしている本県にとって、必要不可欠な社会資本の整備がこれ以上遅れることのないよう、国は責任を持って必要な予算を確保し、整備の遅れた地域に優先的に配分するよう強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

 (意見書提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
  国家戦略担当大臣
  総務大臣
  財務大臣
  国土交通大臣

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           普天間飛行場移設問題の早期決着を求める意見書

   在日米軍の再編に関し、政府は、「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」という方針を掲げ、普天間飛行場の移設問題を中心にその検討を進めているが、米軍再編全体の見直しの方向性については、いまだ政府としての統一的な見解が示されていない。
   こうした中、沖縄県では、日に日に「県外」移設を求める声が強まっていると認識しているが、それに伴い、次なる移設候補地として報道された自治体を中心に、困惑とともに混乱が生じ、国民の不安感も増大している。
   普天間飛行場移設問題は、5月までに結論を出すという方針が出されているが、解決の先送りは、普天間飛行場周辺地域の危険性を放置するばかりでなく、日米双方の信頼関係が喪失しかねない。
   また、日米の信頼関係の喪失は、わが国の安全保障政策、抑止力の維持に深刻な影響を生じることになる。
   このため、国におかれては、普天間飛行場移設問題を早期に解決されるよう強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
  内閣総理大臣
  外務大臣
  防衛大臣
  内閣官房長官
  内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)

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    シーシェパードによる調査捕鯨妨害活動に対する適切な措置を求める意見書

   和歌山県では、江戸時代に全国に先駆けて組織的な捕鯨が始まり、400年以上の伝統があり、現在も小型捕鯨業、小型鯨類追込網漁業等が営まれており、伝統的な鯨に関する文化・食文化は健在である。
   1982年、商業捕鯨モラトリアム(一時停止)が、鯨類資源に関する科学的知見の不確実性を理由に、国際捕鯨委員会(IWC)で可決し導入され、1986年からは、大型鯨類を対象とする商業捕鯨が全面禁止されたままである。
   わが国は、国際捕鯨取締条約第8条の規定により各国固有の権利として認められている調査捕鯨については、科学的データを蓄積し、この不確実性を履すために資源量の豊かなミンククジラを対象に、1987年から南極海で、次いで1994年から北西太平洋でも実施しており、その結果は、IWC科学委員会でも高く評価されている。
   近年、南極海における米国の反捕鯨団体「シーシェパード」による調査妨害行為は過激さを増し、本年2月には、殺傷能力のある器具などを使用し、日本の調査船の乗組員に負傷者がでるなど、まさしく海上におけるテロ行為と言っても過言ではない状況となっている。
   また、2009年6月のIWCマデイラ(ポルトガル)年次会合においても、約30カ国がシーシェパードの暴力行為を非難し、船籍国などに対応を要請したところである。
   なお、2003年に和歌山県太地町においても、シーシェパードのメンバー数名が仕切り網を切るなど小型鯨類追込網漁業の操業を妨害し、警察に逮捕された経緯がある。
   よって、国におかれては、シーシェパードの暴力的な妨害行為を断固として排除し安全に調査捕鯨が実施されるよう、関係国と連携を強め対策を講じるよう強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                    和歌山県議会議長 冨安 民浩

 (意見書提出先)
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣
  警察庁長官
  外務大臣
  農林水産大臣
  水産庁長官
  国土交通大臣
  海上保安庁長官

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           「子ども手当」の財源の地方負担に反対する意見書

   政府の平成22年度予算案において、「子ども手当」を支給するため、約2兆3千億円の予算額が計上されているが、この支給にあたり地方自治体に対し、約4,700億円の負担を求めている。
   万が一、平成23年度以降も、地方に負担が強いられることになれば、厳しい財政状況にある地方財政に与える影響は非常に大きいものがあり、さらには、自主財源の拡充という地方分権への流れに逆行するものとなる。
   そもそも「子ども手当」の財源は、所得税の配偶者控除・扶養控除を廃止し対応するものとされていたはずである。
   よって、国におかれては、平成23年度以降の「子ども手当」の支給にあたり、その財源を地方に求めず、政府の責任において全額国費負担で実施することを強く要望する。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
   衆議院議長
   参議院議長
   内閣総理大臣
   内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
   総務大臣
   財務大臣
   厚生労働大臣
   内閣官房長官
   内閣府特命担当大臣(行政刷新)

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           保育所・児童入所施設の環境改善を求める意見書

   少子高齢社会を迎えている中において、次世代育成支援は、国の喫緊の課題となっています。
   また、保育の実施義務がある地方自治体にとっても、最優先課題の一つとなっているところです。
   このようなことから、子どもの福祉の向上に必要な保育所・児童入所施設の在り方については、少子化が進行し財政状況が厳しい地方自治体へ配慮するとともに、地域の保育機能の崩壊を招くことのないよう検討されなければなりません。
   保育は、子どもに良好な育成環境を保障し次世代の担い手を育成する公的性格も有するものです。
   よって、国においては、保育制度の議論に当たっては、子どもの立場に立ち、下記の事項に配慮するよう強く要望いたします。

                             記

1 保育所・児童入所施設の設置及び運営に対し、必要な財源を確保すること。
2 保育所・児童入所施設の最低基準については、改善に向けて十分に配慮すること。
   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年3月18日

                   和歌山県議会議長 冨安 民浩

  (意見書提出先)
   衆議院議長
   参議院議長
   内閣総理大臣
   厚生労働大臣
   内閣府特命担当大臣(少子化対策)

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              第70回国民体育大会開催に関する決議

   国民体育大会は、国内最大かつ最高のスポーツの祭典であり、「する」「みる」「支える」といった様々な関わり合いを通じて、スポーツの振興や、郷土意識の醸成など、地域の活性化に大きな役割を果たしてきた。
   昭和46年に本県で開催された第26回国民体育大会(黒潮国体)は、県民総力の結集により和歌山県のスポーツ水準を飛躍的に向上させるとともに、県内各地で繰り広げられた心を込めたおもてなしや数々の創意・工夫を凝らした取組は、多くの大会参加者から好評を博し、今も県民の心の財産となっている。
   平成27年の開催を目指す第70回国民体育大会は、スポーツ実施人口の拡大や競技力の向上など、本県のスポーツ振興に大きく寄与するものであり、併せて豊かな自然・文化に恵まれた和歌山県の魅力を全国に発信する絶好の機会でもある。
   和歌山県では、第70回国民体育大会の成功はもとより、開催を機に多くの県民がスポーツに親しむことのできる環境を整備し、豊かで活力ある「元気な和歌山」の実現に繋がるよう、総力を挙げて取り組んでいる。
   よって、本県議会は、第70回国民体育大会(本大会)が、和歌山県で開催されるよう、県民の総意に基づき強く要望する。
   以上、決議する。

  平成22年3月18日
                       和 歌 山 県 議 会

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