2010年6月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
2010年6月18日
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《質問》 奥村規子 委員
 住宅用太陽光発電設備導入促進補助金については、希望者が多い中で全員というわけにはいかない現状も存じているが、効果が大きい施策なので補填的な考え方に立ってできるだけ拡充してほしい。県としては、普及を図るための啓蒙策の一つとして位置付けているかもしれないが、今後、どのような考え方を持っているか。

《答弁者》 環境生活総務課長
   住宅用太陽光発電設備導入促進補助については、昨年度実績をみても3倍近くの申込みを頂くなどかなりの競争率になっているが、考え方としては設備の普及を図ることに重点を置いており、少なくとも今年度に関しては現状のままで実施していく予定である。
   来年度以降の対応については、今年度末に見直し時期を迎えるので、新政策や来年度予算の中で改めて検討していきたい。

《要望》 奥村規子 委員
 地球温暖化対策に関わることであり、個人負担もあってやるわけなのでできるだけ施策を広げていくよう検討していただきたい。

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《質問》 奥村規子 委員
 動物愛護の件でお尋ねしたい。最近、猫が市内の道路などで多いと聞いているが、犬、猫の愛護についての取り組み状況を聞かせてほしい。

《答弁者》 食品・生活衛生課長
   猫の状況であるが、動物愛護センターで動物保護管理の一環として処分している。数としては年間2,000頭くらいである。
   委員が先ほどおっしゃっている猫については、地域猫、地域で住んでいる猫ということになると思うが、今年の2月に環境省の方から地域猫についてのガイドラインというのが出たので、今後については地域管理することで猫を増やさないという試みを検討していく。

《質問》 奥村規子 委員
 実際、町の道路で見かける猫というのは多くなっているということか。

《答弁者》 食品・生活衛生課長
   多くなっているかということについては、特に把握はしていない。ただ昨今、動物愛護ということで餌やりをする方があるかと思うが、そこに集まってくるとうことでそれが目立つということがあるかと思う。

《要望》 奥村規子 委員
 地域でやっていくということに転換してきたということか。それは、地域でどうやっていくかということも含めてこれからの課題になると思うが、実際非常に因っていたり、また猫の好きな人もあり、そうでない人もあり、そういった状況の中で今後どうしていったらよいのか、ある意味深刻な状況もあるので、地域猫という考え方ももう少し議論していかないとうまくいかないのではと思うので、よろしくお願いする。

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《質問》 奥村規子 委員
 食品安全のことについて、HACCPと衛生管理の考え方で、県も指導したり進めて頂いていると思うが、事業者として取り組む現状はどうか。多くなってきているのか。

《答弁者》 食品・生活衛生課長
   HACCPについては加工食品と生鮮食品に分かれていて、加工については今年現在28施設。生鮮についてはマダイが3と鶏卵が1と、4つ認定されている。

《質問》 奥村規子 委員
 それは増えているということでよいのか。

《答弁者》 食品・生活衛生課長
   増やす方向で努力しているが、事業所の取り組みについては費用負担やあるいは人材の確保等もあり、なかなか一気には増えないという状況にある。今後ともできるだけ増やす方向で努力していきたい。

《質問》 奥村規子 委員
 そういう管理のもとでできた商品の価値が上がったり売れるようになると進むのではないかと思うが、そのためにも家庭でできるHACCPという考え方がもっと普及すればと思う。実際は家庭でも食中毒などそれなりに色々工夫していると思うが、HACCPという考え方でしているわけではない。HACCPの考えを家庭でも普及できるよう取り組みをしてはどうかと思うが、その点はいかがか。

《答弁者》 食品・生活衛生課長
   業者のHACCPと家庭で行うHACCPとは若干違うと思う。業者については当然それを売るのだから、各工程で自主管理することになるわけだが、家庭の場合は買ってきた物を調理するということなので、調理の段階における手洗いも含めた食中毒防止のポイントというのがメインになると思う。家庭については、6月ということで梅雨に入っており、調理の段階で食中毒を防止するための啓発を行う。

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《質問》 奥村規子 委員
 男女共同参画施策について、人権に関する相談件数、相談内容の傾向はどうか。

《答弁者》 青少年・男女共同参画課長
   相談業務を行っている男女共同参画センターの相談件数は、平成21年度実績で合計2,318件、そのうち一番目立つのはDV関係で268件と12%近くを占めている。

《質問》 奥村規子 委員
 DVに関する相談が多いとのことだが、DVの根本原因は何かという分析は行っているのか。

《答弁者》 青少年・男女共同参画課長
   なぜDVが起こるのかということを相談者に直接聞くことは行っていないが、これまでの社会で作られてきた男女間の上下関係で女性が抑圧されていることなどが根本にあると考えている。

《質問》 委員長
   県として問題への対処はしているが、根本問題の分析は行っていないのか。

《答弁者》 青少年・男女共同参画課長
   5年毎に男女共同参画に関する県民の意識調査を実施しており、その結果を分析し、施策に反映している。

《要望》 奥村規子 委員
 DV問題の根本解決は県にとって今後も大きな課題である。対応策に取り組んでいってほしい。

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《質問》 奥村規子 委員
 介護保険法が改正に向けて検討されているが、介護保険料がこれ以上高くなったら払えない状況になっているし、財政面などいろいろ問題が出てきている。県の意見をどのように国に反映させていくか、法改正とともにスケジュールや方向性をどのように考えているか。

《答弁者》 長寿社会課長
   介護保険法改正に向けてのスケジュールについては、先月31日に国の社会保障審議会介護保険部会において、制度見直しの議論がスタートした。
   この会議の中で厚生労働省から次期通常国会に介護保険法の改正案を提出したいという意向が示された。介護保険部会の進め方については、当面月1回から2回程度開催し、その後主要な論点について精力的に議論した上で、今年の11月を目途に意見を取りまとめることで委員の了承を得られたと聞いている。
   委員から県としての意見もということだが、介護保険部会には全国知事会の委員も入っている。さらに、県としても、機会を捉えて必要な要望や提言をしていきたいと考えている。

《質問》 奥村規子 委員
 県として事業所や利用者の意見を直接吸い上げて行く方法を考えているか。

《答弁者》 長寿社会課長
   先般、国の方でも介護保険制度に関しての国民の意見募集が行われ、結果については厚生労働省のホームページで公表されている。県でも県民も様々な意見を持たれていると思うので、方法は具体的になっていないが、意見を集約したいと考えている。

《要望》 奥村規子 委員
 是非よろしくお願いしたい。

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《質問》 奥村規子 委員
 先日のチリ地震の時に津波の心配があり、ある地域の方が避難をすることになったが、避難所にベッドがなくて大変不自由したということを聞いた。福祉避難所の現状はどうなっているのか。

《答弁者》 福祉保健総務課長
   県内8市町で協定・指定をしている。
   主に市町村の保健福祉センターを指定し、社会福祉施設等と協定を結んでいる。

《質問》 奥村規子 委員
 8市町で、福祉施設等に福祉避難所を指定・協定をしているということだが、それは十分な数か。

《答弁者》 福祉保健総務課長
   まず、一般の避難所に避難して、重篤な方にはある程度時間が経ってから、福祉避難所に行っていただくことになる。指定等していない社会福祉施設でも、施設内が落ち着きを取り戻せば受け入れていただけるものと考えている。

《要望》 奥村規子 委員
 どういう災害がくるか想定できないと思うが、福祉避難所だけでは不十分な面もあるかと思う。例えば、ホテル等も検討してはどうか。トイレ、一定の段差、階段の解消等含めてバリアフリーに改善していくことは、地元の仕事にも繋がっていくので、ぜひお願いしたい。

《質問》 奥村規子 委員
 障害者・高齢者・難病患者防災マニュアルの市町村での活用はどうか。

《答弁者》 障害福祉課長
   防災マニュアルは、平成12年3月に発行しており、障害等に応じた避難時の注意点や、支援者が配慮すべきことが記載されている。県が災害時要援護者支援マニュアルを作成する際に参考としたほか、市町村が防災マニュアルを作る際の参考として活用している。また、社会福祉施設で防災マニュアルや避難マニュアル作り、研修等にも活用している。
   内容的には平成12年から変わっておらず、現在もネット上に掲載しリンクを貼るなどして活用している。

《質問》 奥村規子 委員
 障害者、高齢者、難病患者など支援が必要な方について、一人ひとりの避難をどうするかが非常に大事になってくると思う。各市町村での個別計画策定は進んでいるのか。

《答弁者》 福祉保健総務課長
   19市町が個別支援計画を策定中である。

《質問》 奥村規子 委員
 未着手のところはあるのか。

《答弁者》 福祉保健総務課長
   残り11市町村が未着手となっている。

《質問》 奥村規子 委員
 その原因は。

《答弁者》 福祉保健総務課長
   県としては、平成20年6月に「和歌山県災害時要援護者避難支援マニュアルを策定し、市町村に働きかけを行ってきている。それぞれの事情までは把握していないが、ヒアリングを随時実施するなど、市町村が早期に策定するよう働きかけている。

《要望》 奥村規子 委員
 在宅の方たちの避難を支援するというのは、ご近所のふれあいの中でやらねばならない面が大きいと思う。その点でもまちづくりをするという大きな問題でもあるので、一層力を入れてほしい。

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《質問》 奥村規子 委員
 肝臓病の身体障害者手帳の和歌山県の交付状況はどうか。

《答弁者》 障害福祉課長
   肝臓機能障害の手帳については4月から交付され、1級から4級まで各等級の手帳が交付されている。今年の2月1日から各市町村で申請を受付け、5月時点での交付状況は、和歌山市が19件、それ以外が23件の合計42件である。

《質問》 奥村規子 委員
 少ないと思うが、基準が厳しすぎるのではないか。

《答弁者》 障害福祉課長
   身体障害者の規定は身体障害者福祉法に基づき定められており、それぞれの認定基準が国で示されている。
   肝臓機能障害も同様で、客観的、医学的な所見等に基づく基準が示されており、この基準により認定交付を行っている。
   肝臓機能障害は4月から認定が始まったところであり、この認定基準が厳しいかどうかは、今の時点では判断が難しい。
   肝臓機能障害は4月から認定が始まったところであるが、内部障害の場合、他の障害と大きく異なるのは、疾病を事由として障害認定を行っていることであり、特に医学的な知識が必要となる。そのためにも専門医師の診断が必要となるもので、申請数等から一概にこの認定基準が厳しいかどうか判断することは、今の時点では難しい。

《質問》 奥村規子 委員
 周知徹底は図られているか。

《答弁者》 障害福祉課長
   図っている。

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《質問》 奥村規子 委員
 国保の問題で、雇用や経済状況が厳しいなか保険料を納められないと聞くが、短期被保険者証・資格証明書の発行は、今年は増えているのか。

《答弁者》 健康づくり推進課長
   市町村国民健康保険の短期被保険者証の発行は、平成22年5月現在10,928世帯で、昨年の同じ月と比較すると1,044世帯増加している。資格証明書は、4,133世帯で、昨年の同じ月と比較すると117世帯の減少となっている。
   短期被保険者証の増加は、景気の影響もあると考えるが、資格証明書の減少は、保険者が発行に当たって、滞納者の生活状況を十分把握した上で、特別な事情があるかどうかを判断してきめ細かな対応をしているということで減っているものと考えている。

《要望》 奥村規子 委員
 ぜひ、各市町村のきめ細かな対応をよろしくお願いしたい。特に市町村がその世帯へどのようにきめ細かく対応しているかということも把握されたい。

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◇ 議案に対する採決
議案第84号 平成22年度和歌山県一般会計補正予算
議案第91号 和歌山県障害者支援施設設置及び管理条例の一部を改正する条例
は、全会一致で原案可決
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