2010年9月県議会 建設委員会
松坂英樹 副委員長
質問概要記録
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9月22日 付託議案審査等
《質問》 松坂英樹 副委員長
広川町内の江上川(えがみがわ)の改修のことで、地元との調整、事業化への見通しについてまず聞きたい。広川町の江上川については、一昨年の9月議会の建設委員会で取り上げた。そのときには、県の方は「浸水の要因又は状況を精査し、町並びに地元住民との調整を行っていく」との答弁であった。
この江上川は小さい川ではあるが、川と並行する県道が浸水で通行止めになったり、住宅への浸水、農地への被害など、近年の水田の減少や宅地化、集中豪雨的な雨の降り方とも相まって、被害が深刻である。
また歴史的にも、昭和南海地震の時には津波が川をさかのぼって、広川よりも死者の被害が多かったことなど、災害に弱い地形の川となっている。
河口部から400メートルの区間は既に整備されており、河口水門もつくられている。ところが、河口から400メートルを過ぎると、とたんに川幅が極めて狭くなって極端な蛇行を繰り返し、住宅地では何度も直角に曲がるなど、流下能力が抜本的に不足している。「せめてJRのガードのところまでは、なんとか早く改修して欲しい」というのが、地元区長さんをはじめとする、住民の皆さんの強い要望である。しかし、2010年度も半ばに差しかかった現在においてもなかなか形が見えてこないと地元住民の皆さんは思っている。本年の7月15日の豪雨でも江上川が溢れ、私も現地で状況調査をしてきたが、早急に事業化を求める立場から、地元との調整や今後の事業化に向けての現在の見通しを示して欲しい。
《答弁》 河川課長
江上川の浸水対策については、昨年度、河川改修を行う方法と河口から400メートル上流の江上橋からJR紀勢本線までの750メートル区間を下流から順次抜本的な整備をする方法の検討を行っている。検討手法によって事業規模、整備のスピードが大きく変わるので、今年度は、具体的な整備手法及び整備の進め方について、町ならびに地元住民と調整を図ることとしている。調整が整い次第、事業化に向けた調整を行っていく。
《質問》 松坂英樹 副委員長
事業の枠組みだが、今説明してくれたJR紀勢線のガード下までの約750メートルの区間、数億円の事業費が掛かるのではないかと思うが、この規模の河川事業というのは国の事業にするには少し小さくて補助対象になりにくい、また、県単独工事にするには大きすぎてちょっとやそっとでは進まないという狭間にある問題だ。一方、県の単独工事をみるとだいたい年間500万円とか1000万円、2000万円という予算付けだと思うが、そういうテンポでは20年も30年も掛かってしまう。国の事業だと、数千万、1億、2億という規模だと思う。いまだ個別の詳しい見通しを持っていないなら答えにくいかもしれないが、今回の要望箇所を考えるときに、国事業や県単独事業での基準や予算額の違いをまとめて説明して欲しい。
《答弁》 河川課長
国の採択基準について、江上川のような規模の河川改修に適用される社会資本整備総合交付金事業における採択基準は、総事業費が概ね10億円以上であり、かつ改良工事によって洪水又は高潮による被害が防止される区域内の面積等の要件もある。農耕地が60ヘクタール以上であるもの、宅地が5ヘクタール以上であるもの、あるいは家屋が50戸以上あるもの等である。江上川の場合は適用が難しいと考えられる。
事業規模については、県の単独事業で行う場合の事業規模は、概ね平均的に3億円程度の事業規模である。今年度当初予算では26箇所で7億5900万円となっている。一箇所当たり平均2900万円の予算規模で実施しているのが現状である。県としては、浸水家屋が発生している地区周辺の局所的な整備を進めていくのが現実的であると考えている。
《質問》 松坂英樹 副委員長
技監にお聞きするが、江上川は建設委員会への陳情において広川町の陳情項目の一番であり、また、夏の町村会の県への要望のときにも広川町長から要望があったと聞いている。広川町内において相対的重点である、この中小河川の整備についての事業化の手法や予算付けを十分にすべきであると思うがいかがか。
《答弁》 技監
河川事業について、事業手法で国の公共事業、単独事業それぞれに制約や縛りがあるのも事実である。しかし、課題についてその中で対応できるか勉強していかなければならないと思う。江上川については、下流から全体計画に基づいて整備を進めるのがいいのか、あるいは浸水被害のあった局所の対策について急ぐのがいいのかについて、実行可能で早期に効果が出る対策を考えていかなければならないと考えている。
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《質問》 松坂英樹 副委員長
有田川で撤去した堆積土砂の有効活用について聞く。
有田川における堆積土砂の撤去、立木の伐採について繰り返し要望し、年々計画的に事業化してくれていることには感謝している。伐採した立木や撤去した堆積土砂はルールに基づいて適切に処埋をするため、コストが掛かることに対しては頭の痛い問題だと思うが、伐採した立木については、一箇所に集積しておいて有田川町の協力を得て希望者に取りに来てもらったら、すべて引き取ってくれたとのことである。堆積土砂については、地元では「キゴウ」と呼び、栄養分が豊富であるためミカンの苗木を育てるのに活用された。その堆積土砂の活用について以前にも要望しているが、有田川町内の農家や有田市では流域の自治会からも要望があがっていると聞いている。こうしたなかで、堆積土砂の有効活用ができるとなれば費用の削減ができ、地元からも喜ばれ一石二鳥だと思うが、このような要望を県としては聞いているのか。また、有田川町や有田市と協議し、有効活用について実現できるよう検討していくべきだと思うがいかがか。
《答弁》 河川課長
有田川の堆積土砂撤去工事に伴い発生する土砂の近隣の農地へ活用については、地元から建設部の方へ要望があることは承知している。現在、建設部において、有田市や有田川町と調整を図っているところだが、河川法、砂利採取法上、その他の整理が必要であり、事業手法が確立していない状況となっている。今後、河川法、砂利採取法等の法的解釈を含め、どのような事業手法が可能であるか、勉強していきたい。
◇ 付託議案に対する採決
議案第115号 平成22年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は、賛成多数で原案可決 日本共産党の松坂英樹副委員長は反対
議案第102号 平成22年度和歌山県一般会計補正予算
議案第103号 平成22年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
議案第117号 訴訟の提起について
議案第118号 工事請負契約の締結について
議案第119号 工事請負契約の締結について
は、全会一致で原案可決
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9月27日 追加補正について
《質問》 松坂英樹 副委員長
今回、50橋の耐震補強工事が発注されるが、これまでどれくらい進んでいるのか教えて欲しい。
《答弁》 道路保全課長
これまでバイパスによる整備も含め、247橋について実施している。
引き続き、今回の50橋を進めていきたい。
◇ 付託議案に対する採決
議案第133号 平成22年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
は、賛成多数で原案可決 日本共産党の松坂英樹副委員長は反対
議案第132号 平成22年度和歌山県一般会計補正予算
は、全会一致で原案可決
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