2010年9月県議会 福祉環境委員会 奥村規子委員の質問概要記録
9月22日
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環境生活部

《質問》 奥村規子 委員
 住宅用太陽光発電の補助金については、県民の要望が非常に多いと思うが、財政的な問題もある。来年度も含め、今後、拡充していける方向にあるのか。

《答弁》 環境生活総務課長
   住宅用太陽光発電の補助金については、今年度もかなり多くの申込をいただいている。
   家庭における温室効果ガス削減の取組として、また、日照時間が長い県の特性を活かすため、太陽光発電の導入推進を図ることは重要であると考えているが、今年度の補助金については、財源に環境省のモデル事業補助金を使っているところであり、これが今年度で終了する。来年度は財源の問題があるが、予算編成に向けて、何らかの形がとれないか頭をひねっていきたい。

《質問》 奥村規子 委員
 県として独自に積極的に進めていくということか。

《答弁》 環境生活総務課長
   来年度予算の話なので、現時点で確約することはできないが、我々としては、そのつもりで頑張っていきたい。
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《質問》 奥村規子 委員
 家庭で出来るCO2の削減レベルというのは、環境家計簿カレンダーとか、できるだけ電気を使わないように節電するとか、様々な形で啓発をしているが、レジ袋の無料配布中止は福祉環境委員会でも議論の上実施されてきたと思うが、無料配布の再開が9月から広がっている主な原因というのはどういう事なのか。

《答弁》 環型社会推進課長
   これまで事業者や消費者の皆さんの協力を得て、無料配布中止を続けてきたが、直接、お客様と接するレジの現場の苦労から、これ以上継続は困難だということで、無料配布の再開の動きが広まってきている。

《質問》 奥村規子 委員
 お客様と接しているレジの現場の苦労というのは具体的にどういう事なのか。

《答弁》 環型社会推進課長
   一部、足並みがそろっていなかったことから、例えばAという店では貰えるのに、Bという店では貰えないとか、あるいは県外から来たお客様が何故くれないのかと、そういう風な対応で苦労したと聞いている。

《質問》 奥村規子 委員
 事業者の方にとっては、お客様が少なくなるというのは、収入に直結する問題になる。事業者の立場から言えば、非常に不利益になってしまう事が出てきた中で、無料配布を再開することになったという事で良いのか。

《答弁》 環型社会推進課長
   経営上の問題かどうかは把握していないが、先ほど申し上げたとおり、レジの混乱等で継続が困難になったためと聞いている。

《質問》 奥村委規子 委員
 レジ袋の問題を通じて、CO2削減については企業にとっても不利益にならず、プラスになるようなやり方をしていかないと難しいと感じた。また、県内の大量排出企業の排出削減を大きくすれば、経営に影響する側面もあると思う。そういう面も含め、今後、事業所での排出抑制や削減推進について県の基本的な考え方はどうか。

《答弁》 環境生活総務課長
   身近なノーレジ袋運動を推進していただいていたスーパーマーケット等の関係では、10月に全国一斉に実施する「環境に優しい買い物キャンペーン」の中で、マイバック持参、店舗での量り売り、簡易包装実施などの推進に係る取組を行う。一方、大規模事業者を含めた中では、一定規模以上の排出事業者に対して毎年報告を求めており、報告内容は、今後の施策方針確立のためのデータ等として活用している。また、来年度以降については、条例改正に伴い、報告対象者の拡大等に取り組んでいく。

《要望》 奥村委員
 全体として削減方向に向かっているのかどうかが、県民に分かり易く示せるようにお願いしたい。
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《質問》 奥村規子 委員
 「ウイズ・ユー」が開設後2ヶ月で269件の相談を受けたということで、非常に身近なところで総合相談窓口が設置され良かったと思っている。この269件の相談の主な傾向、中身はどうか。また、訪問が1件とあるが訪問相談の取組はどうか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   相談の中身については守秘義務等があり具体的には申し上げにくいが、学校生活での友人関係の悩み、進学・就職に関する悩み、ほか健康面での悩みなど多岐にわたっている。中にはもちろん深刻な問題もある。
   また、訪問相談については、「ウイズ・ユー」は当初から、待ちの相談だけではなく、必要に応じて訪問相談もさせていただくというコンセプトで開設している。

《質問》 奥村規子 委員
 相談は何人体制で行っているのか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   NPO法人に委託し、常時2名体制で相談業務を行っている。

《要望》 奥村規子 委員
 メールや対面での相談が苦手な相談者もおり、電話相談も多いと思うが、是非訪問して直接親身な相談にも乗っていただけたらありがたい。
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《質問》 奥村規子 委員
 男女共同参画基本計画策定の進捗状況はどうか。

《答弁》 青少年・男女共同参画課長
   県内市町村における男女共同参画基本計画策定については、本年4月に11市町という状況である。県が市町村に対し計画策定要請を始めた平成19年度の7市と比べると4市町増えている。
   今後とも、市町村への直接要請、あるいは地域のNPO団体への支援などを通じて、市町村における男女共同参画の推進に努めていきたい。

◇ 議案に対する採決宣告
議案第102号 平成22年度和歌山県一般会計補正予算
議案第108号 和歌山県青少年健全育成条例の一部を改正する条例
は、全会一致で原案可決

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福祉保健部

《質問》 奥村規子 委員
 全国の死因について、自殺が10〜14歳で3位、15〜39歳では1位となっている。
 こういう実態を踏まえて、和歌山県の状況はどうか。
 根本的な原因をどのように考えているのか。

《答弁》 障害福祉課長
   本県の若年層の自殺の状況は、平成21年の人口動態統計によると、10〜14歳は0人、15〜39歳は全国と同様1位である。また、自殺者数258名のうち59名が若年層である。
   全体の主な死因は、癌、心疾患、肺炎などであり、自殺の占める割合は約2.2%となっている。
   若年層で自殺が1位となっているのは、死因の多くを占める癌、心疾患、肺炎などが若年層には少ないため、自殺の占める割合が高くなっていると考えられる。
   自殺の原因・動機としては、うつ病が2割ほどを占めているため、うつ病対策として、かかりつけ医研修、県民向けの啓発、こころの電話相談などを中心に対応しているところである。
   また、いのちの電話、こころの電話相談など相談窓口に繋げるための情報発信も行っている。なお、小・中・高等学校での取組として、生徒への命の教育や生徒指導担当への教員研修が教育委員会で行われている。

《質問》 奥村規子 委員
 職場環境やいろいろな要因がある中で、県として自殺を未然に防ぐ方策として特に力を入れて取り組まれていることは何か。

《答弁》 障害福祉課長
   本年度については、近畿6府県で共同制作したテレビCMを朝日、関西など在阪5局やテレビ和歌山で9月から放送し、自殺防止のための呼びかけを行っている。
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《質問》 奥村規子 委員
 児童虐待の問題で、法律ができて10年が経過し、通告の義務や早期発見・早期対応が強化されたが、警察の通告の件数は昨年25件だったのが、今年は8月までで85件と大幅に増えている。児童相談の体制の問題で、まず市町村の役割が大きいと思われるが、まだまだ体制としては厳しいものがある。
 児童福祉司がおかれているのは2市町程度と思うが、今後市町村にどのような支援を行い体制を強化していくのか。

《答弁》 子ども未来課長
   市町村では平成17年度から児童相談の窓口となっており、要保護児童対策地域協議会が28市町村に設置され、児童虐待等に取り組んでいる。専門職を配置する努力義務が平成21年度から課されており、現在、13市町に約50人の専門職員が配置されている。
   県としては、市町村における相談対応技術の向上や、要保護児童対策地域協議会の機能強化を図るための職員研修を実施するとともに、市町村が開催する研修会等にも講師等を派遣している。

《要望》 奥村規子 委員
 児童相談所が県内2ヵ所ということで、広域で対応していかなければならないので、市町村との連携が大事になってくるが、児童福祉司等含めて専門職の養成について市町村へ支援をして欲しい。

《質問》 奥村規子 委員
 児童相談所での通告への対応で、夜間での対応を含めて全国的に職員の勤務条件が厳しいと言われているが、夜間の対応はどうしているのか。当直とかしているのか。

《答弁》 子ども未来課長
   当直体制はとっていないので、担当が携帯電話を持ち、連絡があった暗に出勤して超過勤務として対応している。

《質問》 奥村規子 委員
 出勤した翌日は休みとなっているのか。

《答弁》 子ども未来課長
   一般の超過勤務と同じになるので、土日の出勤であれば代休という制度はあるが、平日の超過勤務の場合は代休等はない。

《質問》 奥村規子 委員
 児童相談所の超過勤務の状況や、夜間に連絡を受けて対応に出た状況を把握しているのか。

《答弁》 子ども未来課長
   超過勤務等は月々報告をもらっており、今年度は、紀南児童相談所は前年度に比べ減っているが、子ども・女性・障害者相談センターは少し増えている。

《要望》 奥村規子 委員
 超過勤務の状況も調べていただき、今後、対応が十分できるようにしていただきたい。

《質問》 奥村規子 委員
 虐待については、家族への支援にも力を入れていただきたいが、地域でのふれあい、きずなが大切になってくるが、取り組んでいることはあるか。

《答弁》 子ども未来課長
   現在、妊婦の精神的負担を軽減するために、乳児家庭全戸訪問事業として、家庭を訪問し、問題のある家庭には養育支援訪問事業として保健師等が訪問し相談にのっている。児童虐待で問題になった家庭には、在宅で、児童相談所から訪問したり、来所してもらったりして、支援を行っている。

《質問》 奥村規子 委員
 乳児家庭全戸訪問事業は全市町村で実施しているのか。

《答弁》 子ども未来課長
   30市町村中27市町村で実施している。
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《質問》 奥村規子 委員
 高齢者の所在不明問題について、100歳以上の説明はあったが、100歳未満の方の対応はどうか。

《答弁》 長寿社会課長
   これについては、総務省から8月31日付けで通知が出ており、市町村の住民基本台帳担当部局と福祉関係部局、税務担当部局、選挙管理委員会及び教育委員会等の関係部局との間で密接な連携を図ること。市町村長が必要と認めるときは、各市町村の実情に応じて調査を行うこと。さらには、調査を行う際には、限られた人員で効果的に行う見地から、対象者について一定の絞り込みを行うことも考えられること。などが通知されており、この通知に沿って各市町村において対応すべきものと考えている。

《要望》 奥村規子 委員
 調査も含めて、地域でのつながりを作っていくことも大事だと思うので、それを進めてほしい。

《質問》 奥村規子 委員
 高齢者の熱中症対策について、今夏は熱中症による救急搬送の数が例年より多く、中でも高齢者の割合が高くなっている。夏場の高齢者の熱中症の状況、生活保護家庭への夏季加算等、県の取り組みはどうか。

《答弁》 長寿社会課長
   消防庁の調査によれば、和歌山県における熱中症による救急搬送件数は、5月31日から9月12日までの累計で489人、うち高齢者は239人。約49%が高齢者となっている。
   高齢者は、熱中症にかかる割合が非常に高いため、県では、7月30日に県内の市町村及び介護関係団体を通じ、熱中症の予防や対処法等について周知を図ったほか、9月8日にも再度、水分・塩分の補給、扇風機やクーラーの利用等の熱中症の予防法について、市町村、介護関係団体、老人クラブ等を通じ、広く呼びかけていただくようお願いしたところである。

《答弁》 福祉保健総務課長
   生活保護制度は、国において全国一律のルールを定めており、夏季加算についても、国で被保護世帯の生活実態の把握を含めて検討していくと聞いている。
   今後の国の動きを注視したい。

《要望》 奥村規子 委員
 県としても、積極的に取り組んでほしい。

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《質問》 奥村規子 委員
 今回議案にも出ている国民健康保険法の改正による広域化の問題で本会議で質問し、国保の制度自体に構造的な問題があると知事が答弁され、保険料が非常に高いということも示したが、広域化で国保加入者の保険料や負担が軽減される方向になっていくのか。何が良くなっていくのか。

《答弁》 健康づくり推進課長
   国民健康保険法の改正により、広域化等支援方針を作成するに当たり広域化等支援基金を活用できるということで、条例を上程している。
   市町村単独の運営では小規模保険者が多く財政的に不安定であること、また被保険者から見れば、給付は全国共通であるが保険料が市町村毎に異なるという状況がある。小さい単位で保険財政を運営するのではなく、広域化に向け、支援方針に基づき取り組み、格差を縮小するというものである。

《要望》 奥村規子 委員
 負担が厳しい中で格差を縮小すると言われるが、高齢化で給付は増えると思う。保険料を払いたくても払えないという状況は、広域化しても良くなるとは思えない。
 国庫負担率が改善されないと、国保の構造的な問題は改善されないと考えるので、広域化がまずありで進めていくということには、非常に危倶するところである。
 そういう意味で、資格証明書を発行されている方々の収入状況を調べることを要望する。
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《質問》 奥村規子 委員
 県立医科大学における文部科学省補助金等の不適正支出について、県民にとってその後、返還されたかが分からないが、今どういう状況にあるのか。

《答弁》 県立医科大学事務局企画課長
   平成22年2月に学内の調査結果を公表して以来、公表はしていない。
   現在、会計検査院、文部科学省・厚生労働省等の交付関係6団体とは協議中であり、8月には会計検査院の精査が終了した。
   文部科学省・厚生労働省を除いた交付元に約3,500万円を返還した。

《質問》 奥村規子 委員
 残りの返還額はどれくらいか。

《答弁》 県立医科大学事務局企画課長
   残額は約1億円になるとみている。

《質問》 奥村規子 委員
 県民にも返還がどのようになったのかが分かるようにしてほしい。

《答弁》 県立医科大学事務局企画課長
   文部科学省、厚生労働省との協議がまとまれば、対応したいと考えている。

《質問》 奥村規子 委員
 処理の期間がかかっているが、未返還の約1億円について、返還までの間、追徴金は発生するのか。

《答弁》 県立医科大学事務局企画課長
   返還金に加えて、加算金が発生する。

《要望》 奥村規子 委員
 県は医大に補助しているので、運営に関して県民にとっても分かりやすくしてほしい。
 早期に解決してほしい。

◇ 議案に対する採決
議案第110号 和歌山県国民健康保険広域化等支援基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部を改正する条例
は、賛成多数で原案可決  日本共産党の奥村規子委員は反対
議案第102号 平成22年度和歌山県一般会計補正予算
議案第109号 修学資金の返還に係る債務の免除に関する条例の一部を改正する条例
議案第111号 和歌山県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
は、全会一致で原案可決

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