2010年9月県議会
奥村規子 一般質問
2010年9月16日

1.よりよい国民健康保険制度にむけて
(1)国保料(税)の問題について
(2)安心して医療が受けられるように
(3)国保制度の広域化について
(4)後期高齢者医療制度に代わる新しい制度についての中間とりまとめ案について

2.子どもの虐待問題について
(1)虐待の起こる背景・原因
(2)児童虐待防止法施行後の状況と対応
(3)家族再生への援助

3.熊野枯木灘海岸県立自然公園の活用と整備について

4.スポーツ施設の新築・改修による県民への影響についての対応

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1.よりよい国民健康保険制度にむけて
《質問》 奥村規子 県議
 議長のお許しを得ましたので、一般質問に入らせていただきます。
 今回の質問のキーワードは夫婦と子どもです。
 まず最初の一点目はよりよい国民健康保険制度にむけてについてお尋ねします。
 この問題をとりあげたのは一人の30代の男性の方からの電話相談です。県議団の控え室に緊張した声で地方税回収機構から差し押さえの通知が来てどうすればよいか分からない、二人目の子どもが生まれたばかりでと不安いっぱいの声でした。早速お会いして事情をお聞きしました。
 美容師の資格をとり、がんばってやっと独立して、お店を持つことができ、人も雇えるぐらいになりました。ところが景気の低迷に加えて道路拡張工事などもあり、客足が減ってきて、今では一人で何とか続けているということです。テナント料の支払いも大変です。車も処分しました。妻とは離婚し、店の奥のソフアで寝泊りしています。市の担当者の方に「何度も通知をもらったけどどうやったら、払えるか、なかなか先が見えてこないんです。払いたくても払えないんです。」と訴えていました。「こんな僕は悪質なんですか」と聞かれ応えることができませんでした。そういうことから次の4つについてお尋ねしたいと思います。

(1)国保料(税)の問題について
 1つ目は国保料(税)の問題です。
 国民健康保険は自営業者、無職の人たちが入る健康保険で、県民の3割以上の世帯が加入しています。保険料は所得、世帯人数、療養給付費などにより決まる制度ですが、かつては国保会計の50%をこえていた国庫負担金が、今は25%にまで減らされてきたことで、この保険料がきわめて重くなっています。
 保険料滞納が続くと保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されます。2009年は全国的に、約31万世帯に資格証明書が発行されました。
 国民健康保険法の第1条では「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定められていますが、いま、国民の命と健康を守るための制度が形骸化してきているのではないかと危機感をもっています。
 ある和歌山市内の小児科の医師は、親が短期の保険証をもって受診するケースが多くなっていると言われます。2年前は毎月10%程度、去年の新型インフルエンザの時期には30%、今年は毎月20%ほどということです。保険料を納められず売薬で済ましているという人もあります。全国的には、保険証を持てず手遅れになり、死亡した事例も報告されています。
 ここでみなさん、資料をご覧下さい。
 資料@は、県内の平成20から22年度の国民健康保険料の一覧表です。所得200万円40歳代夫婦・未成年の子2人の4人世帯で計算した場合、和歌山市の保険料は43万6,810円になっています。これは保険料方式のちがう神戸市を除いて、近幾の県庁・府庁所在地の中で一番高くなっています。次に資料Aの、和歌山県における国民健康保険の保険料、加入世帯の平均所得の一覧表の下の段を見てください。県平均の推移ですが、平均所得が減っているのに保険料が上がっています。そこで知事にお尋ねします。あまりにも国保料が高すぎるのではありませんか。知事のお考えをお聞かせください。


《答弁者》 知事
   和歌山県民に限らないかもしれませんけれども、日本国民は今、所得がなかなか辛くて、いろんな負担があって、その負担のなかで、いろいろのものを払わなきゃいけない、これはなかなか辛いというところまできていると思います。匡保料の問題も同じだと思います。国民健康保険は、特に国民皆保険の根幹となる制度でございます。しかしながら、制度の設計がそうなっているというところもありますが、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えて、厳しい財政状況のもとに、各市町村が保険料の増加抑制に努めながら決定しているものと認識しております。
   県でも、平成22年度、市町村を財政的に支援するために、予算で言いますと、保険料軽減措置分も含めて約91億円の予算措置を行っています。
   国民に等しく医療を受ける権利を保障することは、国の責務の根幹であり、国に対しては、財政責任を明確にした上で、国民健康保険の財政基盤強化策等の一層の充実を図るよう、要望してまいります。それでなければ、市町村や県が出してあげると言ったら、次に増税が待っている。それでは何のために人々を助けているのかがわからない、ということではないかと思います。


《再質問》 奥村規子 県議
 知事に再度お尋ねします。
 まず、この資料@に示させていただいた国民健康保険料です。所得200万円でこれだけの国保料を支払わなければならなく、これではとても子どもを育て、人間らしい暮らしをおくることが大変難しいのではないかと思いますが、その点についてどのようにお考えかお尋ねします。
 二つ目は、先ほどの答弁のなかで、国保制度自体の制度設計の問題、また財政基盤が非常に脆弱だと言われましたが、制度設計の何が問題だと言われているのか。
 そして、財政基盤が弱いその原因は何だということでおっしゃられているのか、この三点について再度お尋ねしたいと思います。


《再答弁者》 知事
   1番目の問題については、所得が低い中でいろんな負担がたくさんある、これではなかなか辛いというふうに思っております。保険料だけではなく税金とかもいろいろある、保険料だけとって、それだけ言うのはどうかというところもありますが、いずれにしても、負担が大きいというのはなかなか大変というようなことではないかと思います。
   それから2番目については、その制度設計を、例えば私にできるほどの実力はありません。なぜならば、国全体の財政がどういうふうになっているか、それからそれの制度によってどのぐらいのコストがかかるか、そういうことについての情報がありませんので、自分からは全部ああだこうだと言うわけにいきません。
   少なくとも先程の答弁で申し上げましたように、今の指摘といいますかね、国の財政責任については、何も語られていない、それでは困るな、ということを申し上げた次第です。
   3番目は、それぞれの市町村によって違うかもしれませんが、全体的にはですね、特に地方圏については、地方にどれだけの財源を与えるか、その税源の配分をどうするか、そういう地方自治全体の問題として、少なくとも今の現状は、地方にとって、特に地方圏にいる地方にとって、市町村・県を問わず大変過酷な状況であるというふうに考えます。


(2)安心して医療が受けられるように
《質問》 奥村規子 県議
 2つ目は、国保加入者のみなさんが安心して医療を受けられるようにすることについてです。
 現在、資格証交付世帯は平成22年7月1日時点で4,837世帯になっています。資料Bをご覧下さい。和歌山県は、全世帯に占める資格証交付世帯の割合が全国8番目です。「国保料を払いたくても払えない」とよく聞きます。私は、保険証を取り上げるような非道なやり方、人権無視の取立てを直ちにやめるべきだと思います。懲罰的なやり方は滞納対策にふさわしくない冷たいやり方です。病院の窓口で「私は保険料を払えていないものです。でも診てください」と言って資格証を差し出す気持ちを考えてください。しかも診てもらうためには窓口で治療費をいったん10割、全額支払わなければなりません。本人にとってはどれだけの治療費がいるのか全く分かりません。医療現場ではよく患者さんが「先生、今日はこれだけしか払えないので」とお金を見せながら話している光景を見ました。また「治療は最小限にしてください」と言っている患者さんもいました。気軽にこのようなことを話せる人はまだよいのですが、大抵は言えません。よほどのことでないと受診をしようとしません。病院にかかりやすいということは、病気の予防、重症化の予防につながり、県民の幸せにつながるものです。
 これは生存権にかかわる問題です。国民の生存権を守る義務を国に課した憲法25条を踏みにじるものではないかと思います。ぜひ資格証の発行を中止し、保険証を発行すべきです。あわせて、低所得者の窓口負担の減免制度を県として検討していただきたいと思いますがいかがですか。福祉保健部長に答弁を求めます。


《答弁者》 福祉保健部長
   国民健康保険は、被保険者全体の相互扶助で成り立っている制度でございまして、保険料の収納確保は、制度を維持していくうえで、また被保険者間の負担の公平を図る観点からも重要な課題となっております。
   資格証明書は、保険料の収納対策の一つとして、滞納者との相談機会を確保するため、保険料を納付するのに相当な収入等があり、特別な事情がないにも関わらず、保険料の滞納が1年以上という場合に被保険者証に代えて交付するものであります。
   その運用に当たりましては、機械的・画一的に行うことなく、滞納者の収入や生活状況等を把握し、必要に応じて保険料の分割納付や減免を行うなど、きめ細かな納付相談を行った上で交付するように市町村を指導しております。
   また、低所得者窓口負担の減免制度についてですが、国民健康保険法第44条に規定されておりまして、このたび厚生労働省から今年の9月13日付けの通知によりまして、一部負担金の減免に係る運用基準が示されたところであります。また、減免に必要な財政支援につきましても、国の特別調整交付金で交付される見込みとなっております。
   県といたしましては、このたびの厚生労働省通知に基づき、一部負担金の減免制度が適切に運用されるよう、市町村を指導してまいりたいと考えています。


(3)国保制度の広域化について
《質問》 奥村規子 県議
 3つ目は、広域化で国保制度がよくなるかということです。
 国は、財政基盤を強くするために都道府県単位の広域化をすすめるとしています。
 現在、市町村国保には、保険料の高騰を抑えるため自治体の一般財源が繰り入れられています。しかし、本年5月に国保法改定が国会で可決・成立し、厚生労働省は「広域化等支援方針の策定について」という通達を出しました。そこには「一般会計繰り入れによる赤字補填分については保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進によりできる限り早期に解消するよう努めること」と明記されています。本来、国の財政負担を大きく後退させたことが市町村国保の運営をきびしくしているのに、保険料負担を少しでもおさえるために市町村が繰り入れしているのを、「解消するよう努めること」とはどういうことでしょう。国の財政責任をいっそう後退させるものになっていきませんか。広域化しても市町村の運営の厳しさが解消されるとは考えられませんがいかがですか。
 福祉保健部長、お考えをお聞かせ下さい。


《答弁者》 福祉保健部長
   市町村単位の財政運営では、財政が不安定となりやすいこと、また、被保険者の年齢構成や所得分布の差異が大きいこと、1人当たり医療費の差異が大きいことなど、市町村間の格差があります。
   また、被保険者側からみれば、保険給付は全国共通であるものの、保険料は市町村ごとに大きく異なる現状にあります。
   このような現状を改善するため、保険財政の安定化や保険料の平準化の観点から、市町村国保の運営に関し、都道府県単位による広域化を推進することが必要と考えております。
   県といたしましては、現在、市町村の意見を聴きながら、市町村国保の財政運営や事業運営の広域化等を推進するために、「和歌山県国民健康保険広域化等支援方針」の策定に取り組んでいるところです。
   しかしながら、市町村国保の構造的な問題は、単に広域化すれば解決するというものではなく、国に対して国保財政の基盤強化策の一層の充実を引き続き要望して参ります。


《意見》 奥村規子 県議
 各自治体で財政運営が大変なことやいろんな問題を言われましたが、広域化をしても実際的にはそれらの解決にならないと思うんです。各市町村からは、広域化して保険料をこうしてほしいというような希望がいろいろあがっているとも聞いていますが、実際いま大変だからそういうふうにあがってきているわけです。将来、先ほど知事も言われた、根本的な制度設計や財政基盤をきちんとしたうえで広域化を考えていく立場で取り組んでいただきたいと思います。


(4)後期高齢者医療制度に代わる新しい制度についての中間とりまとめ案について
《質問》 奥村規子 県議
 4つ目は、後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度についての中間とりまとめ案についての感想を知事にお伺いいたします。私は後期高齢者という言い方はよくないという立場ですが、行政用語として便宜上つかっていることを申し添えておきます。厚生労働省「高齢者医療制度改革会議」に「中間とりまとめ案」が提出されたと聞いています。「中間とりまとめ案」は75歳以上の高齢者のうち、会社員やその扶養家族の高齢者は被用者保険に加入させ、それ以外の大半の高齢者は国保に加入させるとしています。国保に戻った「後期高齢者」は保険財政を現役世代と別建てにされ、「高齢者の保険給付費の一割相当」が保険料として課される仕組みと理解していますが、それでは後期高齢者医療制度と同じではありませんか。いかがですか。


《答弁者》 知事
   高齢者も現役世代と同じ制度に加入するとされましたが、その中で、国がどのような財政責任を果たして行くのかというような重要な項目が、引き続き語られておりませんで、検討課題事項とされております。
   県といたしましては、この制度改革が、地方公共団体の財政運営にマイナスの影響を及ぼすことがないように、かつ持続可能な制度になるように、他府県と連携もとりながら、国に働きかけてまいりたいと考えております。


《意見》 奥村規子 県議
 今日示させていただいたなかで、家が借家の場合は住居費も要りますし大変な暮らしになってくるわけで、そういったところも見ていただき、いろんな施策のなかで今後考えていかないといけないと思っています。つねづね知事も「誰もが安心して住めるように」とおっしゃっています。安心して医療にかかれる、その制度がいま大変な状況にある原因が、やはり制度設計の問題です。市町村などは必死になって、苦しいなかでも保険料引き上げをやらざるを得ないなど、その市町村ごとにいろいろあると思います。財政基盤が弱いということで知事も国にもっと、今まで国民健康保険料の国庫負担を引き下げてきた問題について指摘し、今後県民一人ひとりに保険料負担が増えないように引き下げていく方向で働きかけをしていってもらいたいと思います。
 ぜひ「道路特定財源」のときのように、県民の代表になって国にしっかりと表明しながらアクションを大きく訴えていってほしいと思います。


2.子どもの虐待問題について
(1)虐待の起こる背景・原因
《質問》 奥村規子 県議
 次に二点目の子どもの虐待問題についてお尋ねします。
 1つは虐待の起こる背景・原因についてです。
 わが国では子ども虐待を個人の問題、家庭の責任として捉えられてきましたが、2000年の児童虐待防止法制定以後、社会的認知とともに県市町村の子どもを守る地域ネットワークの構築や、こんにちは赤ちゃん事業といった早期発見・早期対応の連携システムなど法制度の整備が進んできました。しかし、マスコミの報道などでご存知のように、全国的に児童虐待による子どもの死亡や重傷にいたるケースが後を絶たず、関係機関の献身的な援助もスムーズに行かないことが多いと思います。虐待の背景・原因をどのように捕らえているのかお聞かせ下さい。福祉保健部長にお尋ねいたします。


《答弁者》 福祉保健部長
   児童虐待には様々な原因が考えられますが、ひとつには、人と人のつながりが希薄になってきており、親が孤立する中、育児不安などのストレスが溜まり、そこに夫婦の不和や経済的問題、また、仕事のトラブルなど、様々な要因が複雑に絡まって発生しているものと考えられます。
   また、子どもの頃に虐待を受けた親の中には、自分の子を虐待してしまうという、いわゆる虐待の世代間連鎖といわれるものも見受けられるという指摘もございます。


(2)児童虐待防止法施行後の状況と対応
《質問》 奥村規子 県議
 2つ目は、児童虐待防止法制定後の状況と対応についてお尋ねします。
 民事介入の手続きを制度化した初めての法律が児童虐待防止法です。当人の申請をかかわりの前提としないで周りからの発見と通告をきっかけとし、相手にニーズがなくても行政が積極的に介入していく仕組みが敷かれました。以前、私のところにも「子どもを返してもらえないと言っている」と知人から相談がありましたが、そこでは対象者は援助を受けようとするニーズを持たないばかりか、かかわりを拒否する傾向があり、大変難しい問題だと感じました。この制度の最も大きな矛盾は、介入と援助を同じ機関が行わなければいけないところに問題があるように思います。
 社会的介入の受け入れや緊急介入の状況、夜間休日などへの対応、警察との連携、職員の体制などお聞かせ下さい。
 ハード面では、紀南児童相談所の立地条件や建物の問題です。壁面には多くの亀裂が何箇所にも入っている状態です。また、線路際に隣接しているため、電車の通過時の音と響きで、判定中など落ち着かない状況が感じ取れます。


《答弁者》 福祉保健部長
   平成12年に児童虐待の防止等に関する法律が施行され、通告義務や警察への援助要請等が規定されたことにより、児童虐待に対する取組体制は格段に強化されたものと考えております。
   このため児童相談所では、警察との間で定期的な会議を持つなど情報共有を図り、普段から連携に努めております。
   また、社会的介入の受入れの状況につきましては、本県では介入を拒まれる例が少なく、一部を除きまして、そのほとんどは児童相談所の職員で対応できております。
   夜間休日の対応については、児童虐待には早期対応が求められることから、児童相談所の担当職員が専用の携帯電話を持ちまして、夜間休日を問わず24時間対応しております。
   児童虐待相談件数につきましては、年々増加の傾向にありますが、児童相談所で虐待に対応する児童福祉司の配置基準については、児童福祉法施行令第2条に規定されており、本県の現況としては、必要な人員が配置されているものと考えております。
   なお、議員ご指摘の紀南児童相談所については、立地条件や耐震性等の問題があることは認識しておりまして、現在その対応を検討しているところであります。


(3)家族再生への援助
《質問》 奥村規子 県議
 3つ目は、家族再生への援助についてお尋ねします。
 現在、児童相談所と市町村の二元体制による援助が行なわれています。困難度の高いケース・保護を必要とするケース・行政権限を発動しなければならないケースなどは児童相談所が対応し、比較的軽い在宅での援助が適当と判断されるケースについては市町村が地域のネットワークを活用して援助するという仕組みです。
 県下で児童相談所は2箇所(分室含め3箇所)です。身近なところで温かく支援するとなれば市町村の役割が大きくなってきますが、体制はどうなっていますか。
 以上、福祉保健部長、お答え下さい。


《答弁者》 福祉保健部長
   児童虐待に関わる在宅支援や指導については、児童相談所においても、市町村においても行っておりますが、虐待の状況から優先度が高いと思われる案件については、特に児童相談所が専門的に対応することとしております。
   しかし、在宅支援に関して、児童相談所と市町村の役割が完全に分かれているものではなく、児童相談所からは専門スタッフの派遣や指導助言などを行いまして、市町村からは在宅支援家庭の状況を随時提供していただくなど、相互に連携して取り組んでおります。
   今後とも、市町村と連携いたしまして、児童虐待の防止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。


《要望》 奥村規子 県議
 虐待は防止すること、また早期発見することが本当に大事だと思います。児童相談所は和歌山県内に2ヵ所しかなく広域なため、市町村と連携することが必要だと思います。そういう調整機関も協議機関もあると聞いていますが、現状を見てみると、配置している所もありますが、まだ配置できていない所もあります。ある町の議員さんから、設置するための専門的な人材や、人材を配置するための財源を国や県にバックアップしてもらえるようにという意見があります。もっともっと身近なところで相談でき、対応していけるようにしないと虐待問題に速やかに対応していけないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。


3.熊野枯木灘海岸県立自然公園の活用と整備について
《質問》 奥村規子 県議
 3点目は熊野枯木灘海岸県立自然公園の活用と整備について、環境生活部長にお尋ねします。
 和歌山県立自然公園の抜本的見直し事業によって、10箇所から13箇所に自然公園の指定が増えました。指定の解除や新しく指定されたところもあります。ゼロベースから抜本的に見直しをされました。全国的には一部見直しをされているようですが、当県のように県全域を対象とした見直しは全国でも例がないと聞いています。県は、新たな時代にふさわしい自然保護と適正な利用の両立を図り、「ふるさとわかやま」の魅力向上につなげていくとしています。
 最近南紀の方に行く機会がありました。そこで地元議員さんと熊野枯木灘海岸県立自然公園内の江須崎天然林や童謡公園に行きました。園内のほとんどは草木が伸び素晴らしい景観が全く見えず、展望台にも行きましたが360度草の壁になっていました。観光資源としても貴重なところだと考えますが、今後の整備・活用についてお聞きします。また残念なことに、婦夫波が見える展望台は岸壁が崩れたためロープが張られ近寄れなくなっていて、素晴らしい景観を眺望することができませんでした。この夏も県外からもたくさんレジャーや観光に訪れドライブの途中立ち寄られた方もいらっしゃったと思います。多くの方に残念な思いをさせたのではないでしょうか。童謡公園もあり子どもたちも来ます。また、来たいと思えるような場所にしていただきたいと思います。すぐ立ち寄れ和歌山の自然のすばらしさを感じ取ってもらえる絶好の場所でもあります。県民の財産の観光資源としても整備が急がれると思いますがいかがですか。環境生活部長にお尋ねします。


《答弁者》 環境生活部長
   県立自然公園につきましては、平成18年度から抜本的見直しをはじめ今年の3月、古座川県立自然公園の指定をもって完了したところです。
   ご指摘のありました熊野枯木灘海岸県立自然公園の江須崎周辺については、来年3月末で「エビとカニの水族館」が閉館になることもあり、現在すさみ町と今後の園地の整備活用方法について協議を進めているところです。
   また、夫婦波の展望台につきましては、土台部分に崩落が発生しており現在危険箇所に立ち入りできないようロープが張られております。
   展望台の敷地が民地であり、個人所有のレストランと一体化しているため、県が直接修復するのは難しいと考えておりますが、夫婦波は非常にすばらしい景勝地でありますので、どのようなことが可能なのか今後すさみ町や関係部局と検討してまいります。


4.スポーツ施設の新築・改修による県民への影響についての対応
《質問》 奥村規子 県議
 最後に、4点目のスポーツ施設の新築・改修による県民への影響についての対応を県土整備部長にお尋ねします。
 44年ぶりに和歌山県で開催される2015年の第70回国民体育大会が正式に内定され、本格的に開催準備が進められています。国体を契機に、体育館・競技場・プールなどの施設が新築、または改修されます。特にプールは屋外から屋内型になるため、通年使用が可能となります。
 障害の有無にかかわらず、子どもからお年寄りまで楽しめるスポーツの機会がさらに広がり、完成が待ち遠しいところです。期待も大変大きいことですが、同じ場所に建て替えになるため建設中は利用できなくなります。年間約2万8,000人の方が利用されていると聞きますが、県民への影響についてどのように考え、対応するのかお尋ねします。


《答弁者》 県土整備部長
   秋葉山公園県民水泳場の建替につきましては、通常の工程では3年閉鎖となるところ、利用者への影響が極力少なくなるように、工程などを工夫して閉鎖期間を2年として、現在実施設計を行っているところでございます。
   完成後は、通年の利用が可能となる25メートル、50メートルの屋内プールと自然を感じられる屋外プールとして、県民のスポーツ振興や健康増進などに、一層ご活用いただくことができる施設となります。
   工事期間中は、大変ご不便をおかけすることになりますが、ご理解をよろしくお願いいたします。
   今後、実施設計が終了し工事期間が確定した後、適切な時期に適切な方法で閉鎖期間を周知するとともに、県内の公営の代替施設についても周知を図ることにより、利用される方々に混乱の生じることのないよう努めてまいりたいと考えております。

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10年9月県議会、奥村規子 一般質問=9月16日

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