和議第38号    台風災害からの復興と森林・林業再生に向けた施策の充実を求める意見書(案)

 我が国の森林は現在、戦後造成してきた人工林がようやく利用期を迎えつつあり、この資源を活用して森林・林業の再生を図ることが強く求められている。また、国土の保全や水源のかん養、さらに地球温暖化防止に貢献する二酸化炭素の吸収等の森林機能を維持向上させていくことは、喫緊の課題である。
 しかしながら、森林・林業を取り巻く状況は依然深刻であり、このままでは林業の再生が実現しないばかりか、森林の公益的機能の発揮にも支障を及ぼすことが懸念される事態となっている。
 このような中、本年9月の台風12号による未曾有の豪雨により、本県は筆舌に尽くしがたい甚大な被害を受け、多数の山地災害をはじめ、森林組合の施設や木材搬出の基幹施設である林道等も大きく被災するなど、和歌山県林業の情勢は一層厳しさを増している。
 こうした状況を打開し、森林機能の向上や林業の再生を強力に進めるためには、間伐等の森林整備事業を一層積極的に推進するとともに、林業生産の骨格となる林道等の整備復旧や、林業労働者の雇用の確保、さらに被災し疲弊した森林組合等の経営の充実などが必要である。
 よって国におかれては、次の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。


1 切り捨て間伐(保育間伐)を含む間伐事業の積極的な展開に向けた、補助制度の柔軟な対応と予算の確保
2 森林整備加速化・林業再生事業の台風等による大きな災害を受けた地域への予算の確保
3 林業生産活動の生命線である林道災害復旧への予算の確保
4 被災した森林組合等の設備などの再整備や雇用の維持確保、また必要な資金確保への手厚い支援制度の創設


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年12月16日


          様
                                          
和歌山県議会議長 新島 雄

                                                    (提 出 者)
                                       農林水産委員委員長 平木 哲朗
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 厚生労働大臣