和議第44号
             円高から中小企業を守る対策を求める意見書(案)

 欧州経済の混乱や米国経済の低迷などを原因として、かつてないほどの円高になっている。現下の円高による経済情勢は、震災に続く新たな試練とも言える異常事態であり、政府が総力を挙げて取り組むべき喫緊の課題といえる。
 このまま円高を放置すると、我が国の製造業等に深刻な影響を与え、企業の国際競争力の低下から、特に中小企業の経営悪化や雇用の喪失、さらには国内産業の空洞化が予測される。
 政府は10月、円高対策を閣議決定し、11月に成立した第3次補正予算には資金繰り支援などの中小企業対策を盛り込んだが、円高が長期化する懸念がある中、中小企業の損失を最小限にするためにも、更なる具体策を実施するべきである。
 円高から中小企業を守る対策として、政府に対し以下の項目を迅速かつ適切に講じるよう強く求める。


          記


1 雇用対策及び地域雇用の創出策として、「緊急雇用創出事業臨時特例基金」、「ふるさと雇用再生基金」、「重点分野雇用創造事業基金」を積み増し、事業を延長すること


2 円高関連倒産の被害に対し、相談体制の整備や金融ADR(裁判外紛争解決制度)の活用を促す指導等、対策を強化すること


3 負担転嫁やダンピング防止など、下請けいじめの監視・防止策を強化すること


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成23年12月16日


          様

                                         和歌山県議会議長 新島 雄

                                                    (提 出 者)
                                                     中村 裕一
                                                     長坂 隆司
                                                     雑賀 光夫
                                                     角田 秀樹
                                                     山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 経済産業大臣
 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)