2011年12月県議会 農林水産委員会 高田由一委員の質問概要記録


12月13日(火)

《質問》高田由一 委員
 福島原発事故の影響に伴うシイタケ原木の調達について、県ではどのようなスタンスで取り組んでいるのか。

《答弁》林業振興課長
 国では、安全な原木のみが流通するよう安全基準を示したほか、全国規模での原木需給情報の収集を行っている。また、県では、国からの情報を逐次生産者に提供するとともに、県内の原木資源の情報収集や生産者の現状把握に努めているほか、情報提供や生産者間の情報交換が効果的に行えるよう、県外から原木を購入している生産者を中心に組織化を図った。
 この結果、原木の必要本数4万7,000本に対し、現時点で4万2,000本程度確保できたと開いている。さらに、他県からの情報もあり、必要本数は確保できるものと考えている。

《質問》高田由一 委員
 生産者からは、福島県産が入手できなければ生産を止めようという声も聞くが、他府県からの代替え措置でいけるのか。

《答弁》林業振興課長
 福島県産でなければ当面生産を見合わせようという生産者もいるが、他府県から購入してでも生産したいという生産者もいる。

《質問》高田由一 委員
 東京電力では、原木の確保ができなくなったことや、原木価格の値上がりによる損失について、賠償の対象になることもあると言っているようだが、県としても原木価格の購入差額に対して措置はしないのか。

《答弁》林業振興課長
 国の3次補正の中で、差額分の1/2を助成するという事業ができたので、県でこの事業を取り込み、2月補正での対応を検討したい。
……………………………………………………………………………………………………………………………………
《質問》高田由一 委員

 護摩壇山のシカによる食害など、貴重な自然林における森林環境破壊について、具体的な事例を含め、現状をどのようにとらえ、どのような対策を打っていくのか。

《答弁》 森林整備課長
 シカによる被害は、新植した苗木の被害がほとんどである。護摩壇山周辺のシカ被害では、クマザサや広葉樹など林床の下層植生が著しく失われた箇所が見受けられる。このままでは被害が拡大し、表土が流亡するなど、樹木の生育環境の悪化が予想されるため、樹皮の剥ぎ取り防止や下層植生の復元を目的に防護柵を設置し、現在、試験場と連携しながら設置効果の検証を行っている。

《質問》高田由一 委員
 防護柵だけで広大な森林をシカ被害から守るのは、なかなか難しいと思う。シカの生態的な研究も必要と思うが、試験研究機関ではどのようなことをしているのか。

《答弁》森林整備課長
 まずは、防護柵の検証をしていく。生態的な研究については、林業試験場だけでなく、ほかの関係試験場と連携しながら進めていきたい。

《要望》高田由一 委員
 研究が手遅れになると、貴重な自然が破壊され回復しなくなると思う。ぜひその対策を早くとってほしい。
 林業試験場に行っていろいろ話を聞いた。心配なのは、試験研究費の目減りが大きく、平成23年度は600万円となり、水産試験場の研究費の1/10ぐらいになっている。林業試験場も多岐にわたる分野でしっかりした研究ができるよう、研究予算の面でもしっかり応援をしてほしい。

◇ 議案に対する採決
議案第122号 平成23年度和歌山県一般会計補正予算
議案第134号 和歌山の森林及び樹木を守り育てる条例
は、全会一致で原案可決
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 2011年12月議会    高田由一プロフィール、質問一覧

 高田由一ブログ       高田由一ホームページ