和議第50号
                  消費税増税に反対する意見書(案)

 野田首相は「社会保障と税の一体改革は際限なく先送りできるテーマではない。改革に不退転の決意で臨む」として、今通常国会に消費税率を段階的に10%まで引き上げる法案を提出しようとしている。
 消費税は、そもそも低所得者ほど負担が重くなる逆進性が極めて強い税金であり、その税率引き上げは社会保障で支えるべき人々に重い負担を強いる結果になることは間違いなく、社会保障財源としてはまったく適性を欠くものと言わざるを得ない。
 一方、消費税の導入とともに、所得税の最高税率は高度成長期には最大75%(年間所得8000万円以上)であったものが、現在では40%(年間所得1800万円以上)と、その累進性が大きく緩和され、高額所得者は減税の恩恵を受けてきた。結果として、税が本来的に有すべき所得の再配分機能が著しく機能低下に陥ってきた。
 また、多くの国民が、所得も金融資産も目減りさせているにもかかわらず、個人資産1億円以上の層はバブル崩壊後もその資産を増やし続けている。すなわち、高度成長期に形成されていた「中間層」が減り、ごく少数の「持てる人」たちと圧倒的多数の「持たざる人」たちとの格差が急激に拡大している状況にある。
 こうした中、今求められているのは、格差を是正しデフレ不況から景気の回復をもたらす税制改革であり、消費税はそれらとは最も対極にあって、もっともふさわしくない税制であることは明白である。
 よって本県議会は消費税増税に反対するとともに、所得税最高税率の引き上げや金融資産課税など、再配分機能を高める税制のあり方を検討するよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成24年3月16日

          様
                                         和歌山県議会議長 新島 雄

                                                   (提 出 者)
                                                    雑賀 光夫
                                                    松坂 英樹
                                                    奥村 規子
                                                    高田 由一
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 社会保障・税一体改革担当大臣
 総務大臣
 財務大臣