和議第52号
            「子ども・子育て新システム」の導入に関する意見書(案)

 昨年7月、政府の少子化社会対策会議において、「子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめ」が決定され、早急に所要の法律案を国会に提出する方針が示され、本年2月13日に「子ども・子育て新システムに関する基本制度とりまとめ」が決定された。
 しかしながら、新システムの導入に必要とされている約1兆円の財源が明確になっていないことから、新システムの導入の在り方については不透明な現状であり、このままでは、今後の保育施策の方向性について、保護者や保育の現場に無用の混乱を与えることとなる。
 また、新システムの導入に対し、「保育現場に市場原理が持ち込まれる」、「福祉としての保育制度が維持されない」、「保護者の負担増につながる制度見直しになる」など、多くの不安や懸念が示されている。また、国の責任のもとで、福祉として取り組まれてきた保育制度の根幹が大きく揺らぐ恐れがある、との指摘もなされている。
 よって、本県議会では、国において、すべての子どもの育ちを、等しく確実に保障すべく、保育に関する制度の見直しに当たっては、保護者、保育現場等の意見を十分尊重し、慎重に検討しながら取り組まれるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成24年3月16日

          様
                                         和歌山県議会議長 新島 雄

                                                    (提 出 者)
                                                    中村 裕一
                                                     雑賀 光夫
                                                     角田 秀樹
                                                     山下 大輔
(意見書提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 内閣府特命担当大臣(少子化対策)