和議第59号
電力の安定供給確保にかかる意見書(案)
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を起因として、原子力発電所に対する国民の目線は厳しくなっており、既存発電所における定期点検後の再稼働も見通しが立たない状態になっている。その影響で、関西電力管内においても電力の安定供給に対する不安が拡がり、昨夏に続き今冬も事業所や各家庭に対し節電の要請があったところである。
特に、本年2月20日まで稼働していた高浜発電所3号機が定期点検に入ったことで、関西電力管内すべての原子力発電所が停止することになり、今後の深刻な電力不足が懸念されている。
雇用や暮らしを支え、国力の基盤となっているのは産業経済活動であり、我が国の産業競争力を維持・強化していくためには、安定的かつ低廉なエネルギーを供給することが不可欠であり、このまま電力の安定供給が確保できなければ、企業は生産拠点の海外シフトを強いられ、国内産業の空洞化や雇用の減少等、様々な影響が広範囲に及ぶ恐れがある。
政府は、国民の生活、地域経済、環境に対して甚大な被害を与えたことに対する深い反省を踏まえ、平成22年6月に改定したエネルギー基本計画をゼロベースで見直し、新たなエネルギーミックスとその実現のための方策を含む新しい計画について着手しているが、将来に対する明確なシナリオが示されているとは言い難い。
よって、国におかれては、電力の安定供給確保を盛り込んだ、新しいエネルギーに対する基本的な考え方を早急に示し、国民の不安を払拭することを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月16日
様
和歌山県議会議長 新島 雄
(提 出 者)
中村 裕一
長坂 隆司
雑賀 光夫
角田 秀樹
山下 大輔
(意見書提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣
環境大臣
文部科学大臣
農林水産大臣
国土交通大臣