平成22年度決算の認定について
 及び平成23年度和歌山県補正予算
 に対する反対討論
 奥村規子
議会中継録画1920〜)
201232
 平成22年度決算の認定についての議案第116号、117号、及び平成23年度補正予算にかかわる議案第23号、32号、70号について、いずれも反対の立場から討論を行います。

【平成22年度決算について】
歳入面の問題
 平成22年度決算は、地方交付税156億円の増、前年の国庫支出金による経済対策が大きく繰り越されるなか、実質収支は44億1392万円の黒字となりました。同時に地方交付税の財源不足を補う臨時財政対策債は532億円発行して積み増しされ、元利償還額は118億円、償還額合計の16.9%を占めるにいたっています。
 税収など自主財源は減少しました。世界的金融危機からの景気悪化が続くなか、法人事業税が大幅減となった前年度よりさらに3割減となるなど、県税が59億円も減収しました。しかも廃止が予定されていた株式譲渡所得、配当所得にかかる税率引き下げの特別措置が延長され、この影響額は4億5千万円に及びました。金持ち減税である、株式譲渡や配当の所得への課税はただちに本則にもどすべきです。

歳出面の問題
 深刻な雇用状況への対策としておこなわれた緊急雇用創出事業、ふるさと雇用事業ではいずれも執行残を出しました。緊急雇用創出では当初予算額の約3分の2、ふるさと雇用では4分の3の執行状況に終わっており、より力をつくすことが求められました。
 地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業の地元発注状況では、消防・防災の部分では地元発注が56.9%にとどまっています。地域の仕事づくりのための交付金事業でありながら、そういう水準にとどまったことは残念です。
 景気や雇用状況が深刻ななか、経済的な理由で進学をあきらめるケースが生まれてきました。高校授業料の無償化が始まった年であり、私立高校の授業料への支援も拡充されたことは評価できます。そのなかで監査委員からの意見でPTA会費が学校の運営経費に充てられている事例があったと指摘されていることは問題であり、学校運営や環境整備の費用は公費で保障すべきであり、必要な拡充をはかるべきです。それでも教育費は前年比2.1%減となっています。教職員定数が前年より127人減らされましたが、教職員では県としての少人数学級分を国の定数内でやりくりしており、また定数内で非常勤講師を配置するなどの問題があります。非常勤講師を減らし、定数を維持すべきではなかったでしょうか。
 景気悪化、年金の引き下げや社会保障負担増で高齢者の生活も圧迫されるなか、生活保護の相談件数が年々増加してきました。しかし申請を受理した件数がその比率に比べ、伸びが低くなっています。平成18年度では相談件数の65%が申請にいたっていますが、22年度では53%となっています。申請権を保障した生活保護行政になっているのか問われるところです。
 こうした県民生活への支援の不十分さとは対照的に、誘致企業優遇の姿勢は続けられています。コスモパーク加太のカゴメ加太菜園の土地賃貸代金は、計画が縮小されたにもかかわらず、これまでどおり1平方メートル100円の優遇が続けられています。平成26年度からは中止した3期用地分18ヘクタールの分の賃料は支払われなくなり、年間1800万円の減収となります。この際、賃料の優遇を見直すべきではないでしょうか。
 毎年、指摘している問題ですが、和歌山北港に国のエネルギー港湾事業として建設されている南防波堤工事の県負担金は総額50億円で、22年度も負担しています。不要不急の工事であり、中止すべきです。
 土地造成事業会計についてです。21年度から、一般会計からの1億5700万円の補填がはじまりました。22年度では約10億円売上で、前年度より6億円減少しました。
 最後に中小企業高度化資金の滞納問題です。同和行政のゆがみにより、不透明でずさんな融資がおこなわれてきたことで、平成20年度に26億4千万円、21年度に3億円が回収不能として不能欠損処理されました。今回あらたに償還率10%、13%のところなど3法人が破綻法人となっています。20年度の債権放棄時に、貸付の審査から回収までの過程をすべて明らかにするよう県議会の付帯決議があげられていますが、それを重く受け止め、償還をすすめるとともに融資そのものの過程の問題点を明らかにするよう求めるものです。

【平成23年度補正予算関連議案について】
 議案第23号は公営ギャンブルに反対の立場から賛成できません。
 議案第32号は土地造成事業会計補正予算です。今補正予算で時価評価が採用されたことは評価するものですが、82億円の特別損失を計上することになりました。見通しの甘さを示すものであり、認めるわけにはいきません。
 議案第70号は建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案です。いっそうの負担軽減を求める立場から反対です。
 以上申し上げて、反対討論を終わります。

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反対討論する、奥村規子県議=3月2日、和歌山県議会